巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

アイプラ楽曲ライナーノーツ #38 Blue sky summer

 

youtu.be

 

 

 Blue sky summer/LizNoir


 夏をテーマに掲げたLizNoirの楽曲。音源は、単独でのダウンロード販売と、アルバム『IDOLY PRIDE Collection Album [未来]』に収録。他は、リリックビデオが公式チャンネルにて配信されている。

 LizNoirが主役になっているイベントストーリー『熱中☆ハプニングサマー』では、この楽曲の制作経緯が主軸となって描かれていく。

夏フェスに出演する事となったLizNoir。バレンタインフェスでは、こころと愛が新曲制作で頑張ったから、夏フェスでは莉央と葵が夏をテーマにした新曲を企画して欲しいと頼みつつ…二人は忙しいから無理じゃないかとこころが煽る。彼女の挑発に乗る形とバレンタインフェスで頑張った後輩達に負けるワケにはいかないとばかりに、新曲制作に臨んだ莉央と葵だったが…上手い事進まず行き詰まってしまった。

そんな惨状を見かねたこころと愛は、合宿と称して二人を無理矢理に沖縄へと連れ出す。しかし、そこでも様々なアクシデントが四人に降りかかる……莉央と葵はこの状況をどう打開して楽曲を完成へと導くのか?こころと愛の本当の想いとは?そして、莉央と葵の後輩達への想いは?このストーリーはそれらがキモとなって展開されていく。

 楽曲タイトルを訳すと『夏の青空』と言った所か。額面通り捉えるとそれこそ夏の青空を想起させる様な爽快感満載なサマーソングかと思いきや、イントロでそのインプレッションは見事に打ち砕かれる。怒涛のハードロックテイスト、ダイナミックかつハイテンポが特に印象的でヘッドバンキングしたい衝動に駆られてしまうアイプラ楽曲屈指の変態楽曲に仕上がっている。

夏の曲の定番とされるテーマは、ひと夏の恋愛、海、花火、夏祭りというモノを組み込んだ楽曲が多い。しかし、この楽曲とLizNoirの考える夏は違っていた。イベントストーリーの葵のある台詞がこの楽曲に魂を宿して血を流す。

 

 

 せっかくの夏なのにさ、恋するだけでいいの?

 
 他にもやること、あるんじゃない?って

 

 

 夏の解放感に任せ、ハイテンションで楽しんでただ遊ぶだけが夏の真髄ではない。それで刻を浪費するだけで良いのか?と、リズノワは世に蔓延する夏の過ごし方の多数派にアンチテーゼを唱えていく。ハードロック調のテイストに変態性、そして、多数派へ真っ向から異を唱えていくアンチテーゼ的要素は、『Darkness sympathizer』の系譜に連なる楽曲であると言っても過言ではないだろう。

恋したり、遊んでいる暇なんて無い。何もそこまでしなくても…と思うだろうが、彼女達はそれ以外の生き方を知らない。いや…捨てた。何故なら、それらを犠牲にしてまでも叶えたい大切な夢と、貫き通したいPRIDEが彼女達にはあるから。だからこそ、この楽曲からは悲壮感といった負の要素は全く感じられない。

タイトルに銘打った『Blue sky summer』の訳である『夏の青空』には、四人の振り切った清々しい潔さみたいなモノも含まれていて、トップアイドルの頂に立って見える景色という見立てでもあるのだろう。

 彼女達が信じているモノ以外には背を向け『夏の意味を決めるのは自分次第』と謳うその姿は、ただただ気高い。他者にも自分自身にも向けられる厳しさは、夢を叶える事は甘いモノではない事を痛感しているからだろう。四人にとっても『勝ちたい』気持ちは偽り無い本気の想い。目標を見失わず己の信念とPRIDEを貫き通して四人が信じた軌跡を往く。

変態性のある激しいメロディは、彼女達に降りかかって来る困難を模していて、四人はその激しいメロディに負けない為に力強い歌声を響かせる。

 メロディの『熱』と、四人の歌声の『熱』がぶつかり合いによって、更に燃え滾る『熱』へと昇華していく。その熱の凄まじさはリスナーの身を焦がす様な熱気を帯びていて、激熱でドラマチックな、滾って制御不能な溢れ出して来る情熱と本能を解き放つ。まさしくエモーショナルの“暴力”と称すのが相応しい『戦いの謳』である事を強烈に思い知らされるのだ。
 

 

『今』と『未来』を照らす旅路へ…-IDOLY PRIDE Zepp Tour 照らすに寄せて。

 俺は、あの10人をもしかしたら見くびっていたのかもしれない…


そんなインプレッションを、『IDOLY PRIDE Zepp Tour 繋ぐ in Sapporo』が終演した後で徹底的にきっちりと痛感させられた。ただし…俺はこの公演には参戦していない者。で、ある方から終演後DMを頂きLIVEのセットリストを教えていだだいた。その節は本当にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

そのセットリストの楽曲だが、Tourの最中という事もあるし、知りたくないという方が、万が一このド辺境に存在しておる怪文書Blogにうっかり足を踏み入れないとも限らないので、ここでの言及は避けさせてもらう。そこに触れないであのLIVEを評すと……

 ここに至るまでの軌跡で『IDOLY PRIDE』というコンテンツが培った経験。その軌跡を彩る様に生まれた楽曲たちと、楽曲に血を流す10人のPRIDEと生き様。まあここまでは、Zepp Tourが開催される前のLIVEでも証明を続けて来れたモノだ。参戦された方の感想を総評すると、激熱でクッソ楽しかったLIVEだったと言う。ちなみに『10人』とはキャラクターのサニピとキャスト側のサニピの事。

その激熱でクソ楽しい世界観を創造した最大の要因になったと思えるのが、楽曲のセットリストではないだろうか。誰が主導して決めていったのかはこの時点では分からない。もしかしたらTourが無事に全公演終演してから明かされるのかもしれない。

 故に、コレは俺の勝手な推測(&妄想)でしかないのだけれど……彼女達、もしくは運営が、このTourで伝えたい本気の想いとPRIDEを代弁した一つのテーマを主軸に据えた。そのテーマって何なんだ?という事だが、俺は10人の『今』の全身全霊を証明して『未来』へ繋ぐモノだと勝手に解釈した。それがサニピが伝えていきたい本気の想いとPRIDE。

彼女達があのLIVEで謳った全ての楽曲に説得力を持たせた。それは、意味のあるセトリじゃないとサニピの10人が全身全霊を懸けて戦えなかったから。だからセトリを知って、俺は自分の見立ての甘さに打ちのめされた。彼女達は、過去に囚われずに、ずっと遙か遠くの高みを見据えて駆けだそうとしていたって。

 このTourは、これまでのアイプラLIVEとは明らかに違う。サニピと月ストだけでゴールテープを切らなきゃいけない戦い。公の場で発言はされていないが、サニピも月ストも『勝負を懸ける』『自分達が先頭を切りコンテンツを引っ張っていかなきゃならない』と本気でそう考えているのだろう。物語を経ていくごとに成長をしていくキャラクター達に置いていかれるワケにもいかないという想いもある。

彼女達の想いとPRIDEの方が、こちらの想像を遥かに上回っていた。しかも圧倒的なスピードと勢いで。冒頭で言及した様に、俺はそのスピードと勢い…いや、覚悟を見くびっていたかもしれない。

 

 で、話は変わって……月ストの事を好き勝手に語ってみようと思う。
月ストのキャストの子達(ミュージックレイン3期生)は、Tourで全国を巡るのは初体験だと聞く。即ち、彼女達にとっても未知の挑戦になる。

 

 

 耳の痛い話になるが、コレは自分にとって避けて通れない事なので書かせてもらうが……サニピ、トリエル、リズノワ、スリクス、長瀬麻奈。そして、月ストのキャスト陣を見回していくと、どうしても表現者の『格』で月ストの五人は一番下に見られているのが現状としてある。キャリアと経験、知名度の差で見ると嫌でも実感させられる。それは、外から見ている自分が感じている以上に痛感されているのが月ストの五人だと思う。

でも、彼女達は、そんな声に真っ向から戦い続けてきた。それは、月ストのアクトを直なり映像で観た方、更に言えば、日々荘3号館に参戦された方なら、俺の言ってる事に共感してもらえると思う。最初から強い者なんていない。強いから戦うのではなく、戦って来たからこそ強くなれるのだと。徹底的に打ちのめされて心が折れそうになったのは一度や二度じゃない。時には自分のチカラではどうにもならないこともあったはず。

それでも、この10人は前だけを見てここまで戦い続けた。俺が、月ストのアクトを観て何か殺気染みたモノを感じてしまうのはそういったバックボーンを勝手に感じてしまうからだろう。それが月ストのPRIDEの証明なのかもしれない。弱さを自覚して戦わなければ道は拓けない事を彼女達は実感されている。

 月ストのTourのタイトルには『照らす』という言葉が銘打たれている。光が当たって輝く。誰かに光を当てる意味でもある。それは、10人がこれまでより輝く事でもあるし、10人の生き様とPRIDEに何らかの光を見出す人だっている。そして、月ストの『未来』も照らす。この解釈に正解はないでしょうが…そういう意味を見出さずにはいられないのだ。きっと、サニピ同様に、魂が圧倒される素晴らしいパフォーマンスを魅せてくれる事でしょう。


 10人が全身全霊を懸けて、きっちり戦い『今』の月ストを証明して未来に繋げるのは勿論大事な事。でもそれ以上に、月ストのみならずサニピも含め、全員誰一人として欠ける事無く、この未知のTourという戦いを無事に終えて揃って未来の刻へ駆けて行って欲しいと願い、筆を置かせて締めさせていただきます。

 

 

 

Good Bye 2023

 どうも。あかとんぼ弐号でございます。

 

 刻の過ぎ去るのは早いもので、今年も残り数時間になっている。社会的に見ていくと、まあ…今年に限った話ぢゃないが、ロクでもねぇ年と言わざるを得ないだろう。

社会情勢は明るい話題が無いが、そんな中でも僅かな光ってのはあったりするモノで…この数年蔓延っていやがった新型のヤツが5類へ移行され、様々な規制が緩和され世の中の動きが活発になっていったのは喜ばしい事。

ただ……ヤツが完全収束したワケでは無い。(勘違いしてるア〇は多そうだが……)ちなみに、俺の兄貴がつい最近陽性になっていたりする。まあ、幸いにも無症状だったらしいが。過剰な心配かもしれないが、しばらくは引き続き注意を払って自衛していくのは続けて行こうと思う。

 規制が緩んだと言えば、LIVEでの声出し解禁が本格的になっていったのも今年だったはず。
声出し出来んかったLIVEも、じっくり楽曲を聴く事や演者の挙動を観る事に集中出来たので、良いモノだったが、やっぱり、声出しのLIVEは本当にいいモノだなってのを実感させられた。LIVEの楽しみ方はこうだ!と決めつけるモノではないが、ここまでLIVEの雰囲気や熱を飛躍的に進化させる要素なのかと、コレも改めて実感させられたモノだ。

 自分の身の回りに関しての今年の総評的なモノは、まあ、諸手を挙げてAll Happyな年ではなかったが、かと言って悲観にくれる程悪い年では無かったと思う。何よりもデカいトラブルが起こらんかったり、健康で一年通じて過ごせたのは本当に有難い事だ。

毎年言ってるかもしれないが、やっぱり『動く』のは非常に大事だなと思う。その『動く』ってのは実際に身体を動かすのも当然だし、未知のモノに触れる事、これまで接点が無かった人と実際に会ってみる事、感じられたインプレッション……etcそれらの『動き』は大なり小なりの状況変化が伴ってくる。良くも悪くも。

 自分にとって、この年幸運だったのは、その『動き』による変化で巡り逢った多くのモノが良い事に恵まれたというモノだった。これもまた縁の奇跡なのかもしれない。そうした縁で繋がって、実際にお会いしたり、やり取りしたり、この怪文書Blogを読んで下さった方も、本当にありがとうございました。

 
 来年も宜しくお願い致します。皆様、よいお年を。

 

IDOLY PRIDE BIG4編・1章(1話~35話まで)を斯く語る

 どうも。あかとんぼ弐号でございます。

 誰に言われたワケではありませんが、『IDOLY PRIDE』のメインシナリオの方にも触れねばなるまいと思い立ち……こうして筆を執った次第。そこで、現在まで公開されている『BIG4』編1章35話まで見た所感&独自考察という名目の怪文書を書き殴っていこうと思います。



 ※本記事では、メインストーリーのネタバレが大いに含んだモノとなっており ますのでご注意下さい。所感と考察につきましては、個人の思考や所感から導き出した一つの考えになっています。当然ながらここから書いたモノが絶対に正しいとは言えませんので、あくまでも個人の所感や考察の一つとして捉えていただけたらと嬉しく思います。

 

 


 月のテンペストとサニーピースの区別化


 東京編の後半辺りから、BIG4編の最新話までの月ストとサニピの成長過程は正反対な描写となっていた。

当たり前の話だが、アイドルの軌跡を駆ける際に、高い壁に行く手を阻まれ、それを越えていく為に苦悩するのは両グループ共に共通している。正反対に描かれているのはその苦悩に抗った後の事。ざっくりと書いてしまうが……サニピの方は、前述した様に困難にぶち当たって苦悩するが、仲間との絆と絶対に諦めないという不屈の魂によって困難に打ち勝つといった成長過程が描かれている。

一方の月スト側は、基本的にサニピと変わらないのだけれど…徹底的にきっちりと打ちのめされて敗北する流れが組み込まれている。しかもそれが長い事続いてしまっている。作中にて無双して勝ち続ける役目を担うサニピ、底辺を這いつくばる様に…敗れてもなお諦めきれずに勝利を目指す役割を担った月ストといった所か。

 自分は、この二グループをこういった正反対の役割に振り分けたのは素直に好感が持てた。分ける事で、物語を観て感じられるカタルシスの幅がグッと広がるのではと思える。これがあったからこそ、琴乃が決断したアレが活きて来るのだと。



 壊せない枠を壊す為の決意


 東京編において、月ストは『I-UNITY』という大会に出場し、当時『BIG4』の一角に就いていた『ⅢX』と戦い激闘の末敗れた。で、続編となるBIG4編では月ストは大苦戦を強いられてしまう。特に、琴乃の不調は悪い方に群を抜いてしまっている状態に。

そんな中でも、渚、沙季、すず、芽衣の激励によって再び立ち上がるが…数多いる他のアイドルに埋もれているという酷評を下されてしまう。仲間との固い絆があってもどうにもならない無情な現実を琴乃と月ストは容赦無く突き付けられる格好に。

で、月ストの逆転の一手として持ちかけられたのが、BIG4の一角である『どりきゅん』と直接対決出来る企画への参加という話が持ちかけられる。しかも、どりきゅんに勝つ事が出来ればBIG4の座を勝ち取れる特典付きでもある。琴乃達は話し合いの末、どりきゅんとのライブバトルへ臨む運びとなり、強化合宿を経てよりグループの結束を深めて決戦に挑むが……月ストはどりきゅんに敗れてしまう。

 バトル終了後、琴乃は偶然にもインタビューから逃げて来たどりきゅんと対話し、彼女達の強さの源となる要素について聞く事が出来た。

今の月ストに足りないモノ、ちょっと頑張った程度の努力では届かないモノ、枠を壊す為に今まで踏み込まなかった領域へ踏み出す勇気……そして、琴乃はある決断……月ストを脱退する決意を固めた。

 とは言え、この事はまだメンバー達には伝えていない。牧野にだけ打ち明けたモノだ。
圧倒的な個のチカラを得て月ストに還元するとは言っても、コレは完全な琴乃のエゴによる独断でしかない。ただ…琴乃は嘘が下手くそだ。明らかに様子がおかしい事を渚は感づいていた。琴乃の方も、このまま曖昧にして隠し通せるとは思っていなかったのか、単に観念したのか、渚に月ストを脱退する旨を話した。

当たり前の事だが、渚はショックを受ける。これまで通り五人で力を合わせてもっと成長出来る道を探せると琴乃を引き留めにかかる。でも、琴乃はそんなメンバー達の優しさが枷になっていると……

思い返してみると、琴乃は信頼できる相手にとことん依存してしまう傾向がある様に思える。姉であった麻奈や親友の渚だったり。言い方が悪いが…琴乃自身、自分が甘えん坊という事を自覚しているのだろう。だからこそすべてを捨てて勝負を仕掛けるという強い覚悟で臨まないといけないと感じた。

 ただ…言ったそばから渚も一緒に脱退しようと持ち掛けてしまったのは琴乃の弱さ。彼女の身勝手な部分でもある。渚を慮ったかもしれないが、琴乃の覚悟はその程度のモノなのかと。全てを懸けるといったのが軽い言葉に聞こえて、沙季、すず、芽衣に対しても失礼極まりない話だし、何よりも渚の事を琴乃にとって都合のいい存在として軽視している様にしか捉えられない。今の琴乃は月ストのリーダーでもあるワケだし。

とは言え、不安になってしまうのも分からなくはない。もう、そこまでしないと変わる事は出来ないと本気で思って琴乃は動き出した。そこもひっくるめて面白い描写だったと感じてもいる。

 


 鎹の双眸に映る景色と覚悟


 渚についてのキャラクター考察した記でも書いた様に、自分は伊吹渚という人物を『鎹』(かすがい)と評して来た。『鎹』とは、材木と材木とをつなぎとめるために打ち込む両端の曲がった大釘の事であり、それになぞらえて、人と人を繋ぎ止めるモノとして評される時にも使われる。

渚がここまでのストーリーで見せて来たのは、琴乃を支えつつ星見のアイドル達とも関係を築く役割を担っていたと自分は思っている。人との縁と繋がりを何よりも大切にする人だと。

 琴乃から月ストの脱退&付いて来ないかという誘いを受けたが、即座にYesと答えられずに返事を待ってもらっている間、渚は星見市に趣き、アイドルの軌跡を思い返していた。デビューステージに立った高台のステージ、星見の寮、旧事務所を巡り歩いて、今の渚が本当に大事にしているモノを見出す。魂の再生…いや新生と呼ぶべきか。

 


 そうだ、私……みんなのことが大切になってる。

 琴乃ちゃんだけじゃない。沙季ちゃんも、すずちゃんも、芽衣ちゃんも……

 みんな、とっても大事な仲間。

 それに……今は、私自身もアイドルとして頑張りたい。

 もっと輝きたいと思ってる。

 

 

 本当に大切な想いと魂を呼び起こした渚は覚悟を決める。この時渚の双眸に宿った力強さと輝きは見事なモノに見えた。本当に大事に想うからこそ、嘘偽りの無い本気の想いと魂を琴乃へぶつけなきゃいけないと。

アイドルになりたての頃の渚だったら、琴乃に付いていく選択を下していただろう。でも、今の渚はその場で素直にYesとは答えられていない。渚が返答を保留しているのは、琴乃と渚の見えているモノが全部一緒ではない事を確認して証明する刻が必要だったからなのかもしれない。

渚が決意したのは琴乃に付いていく事ではなく、月のテンペストというホームを守り、なおかつ渚自身がアイドルとして今よりもっと輝く事。もしかすると、ちゃんとした答えは渚の中にずっとあったのではないだろうか。ただ、それを認めて一歩踏み込む勇気が持てなかった…琴乃の背中の先を見ようとしなかったとも言える。

 


 ここで止まっちゃダメだよね。私は行くよ、琴乃ちゃん

 今はそれぞれの道を進もう

 

 

 決意を語る渚の双眸は涙で潤んでいた。でも、その輝きは遥か先を見据えた力強いモノを秘めている様に感じられた。もう、琴乃の背中を『追いかける』だけじゃなく、自分にしか歩めない道に行き、琴乃と本当の意味で並ぶ為、彼女と袂を分かつという傷を負う覚悟を決めた。身を切る思いで決断したこの選択を間違いではない事を証明していく戦いの始まりでもある。

そして、彼女達が交わした『さよなら』は単なる別れの言葉じゃない。今よりももっと強く輝いて再会する為の誓いの言葉でもある。

 

 

 『全て』を捨てる覚悟


 琴乃は、脱退の旨を伝える際にこう言った。相手を打ち負かす強い心(=殺気染みたモノ)と圧倒的な『個』のチカラが足りないと。『月光惑う光耀の幻影』長瀬琴乃のストーリーにて、琴乃はスリクスのLIVEを観て感じた気迫。メインストーリーにて実際に戦ったどりきゅんから漲っていた気迫。それは、殺気…闘志と言い換えてもいい。

アイドル活動を経ていく内に、琴乃の雰囲気が変わっていったと渚は言う。確かに彼女が言う様に、物語の初期は、言葉の端々や態度に尖ったモノを出していたが、様々な人との関わりの影響を受けて、尖ったモノが鳴りを潜める。その変化は悪いモノじゃないが、同時に本来燃やしていた闘志が翳ってしまったとも考えられる。

 それ(闘志)がきっちりと燃やせないから、高く険しい壁を越えられるエネルギーを生み出せないと琴乃は解釈した。そして、前述でも触れた月スト&星見プロから脱退する事を決意して動き出す……ただし、星見プロの脱退と、どりきゅんの事務所への移籍は琴乃の独断。しかも、その行きついた所は…超えるべき相手となるBIG4・どりきゅんの懐。

いつか月ストへ戻る為に…と意気込んで懐に飛び込んだ琴乃。だが、その『いつか戻る』考えは甘すぎるとどりきゅんの二人に一蹴された。まあ、来夢とれもんの言い分は正論以外の何物でもない。『すべてを捨てる』と言って来たアイドル達をどりきゅんは沢山見て来たと思う。琴乃が言った様な『いつかは…』という言葉は逃げ道となる軽い言葉に聞こえるのでしょう。

おそらく、琴乃は自分が今いる場と環境をただ変える事が全てを捨てるという認識だったのだろう。全てを捨てるという覚悟はそういうモノではない。これまでの繋がりも、築いて来た絆や情…あるいは、人としての感情まで捨て去る事が『全て』を捨てた証明。それが、れもんが言う『鬼』になるという事。BIG4に座している者とそうじゃない者の差なのかもしれない。

その『差』がどれほどのモノかは分からない。紙一重、もしくは途轍もない差なのかもしれない。なかなか埋められるモノではない。いや、そもそも埋められるモノかも分からない……でも、その答えを掴み取って強くなる為に琴乃は退く事の許されない未知の戦いへと踏み込んだ。

 『全て』を捨てるという事の本当の意味を痛感させられた琴乃。何かを得るためには何かを捨てなければならないこれまで以上の茨の道を往く。行きつく先で琴乃は何を得て何者になるのか?そして、渚、沙季、すず、芽衣と再会を果たした刻と機でどんな物語を紡ぐのか……勝手な予想をするならば、彼女達が再会するのはステージの上という『戦場』かもしれない。

そこでぶつけ合うのは、ここまで貫いて来たアイドルとしての生き様とPRIDE。迷い続けて遠回りしたかもしれないが、互いの軌跡が再び交わる刻はきっとやって来るはず。

 


 新たに背負う者としての覚悟とPRIDE


 琴乃が月ストと星見プロから脱退し、身の振り方を決断しなければならなくなった、渚、沙季、すず、芽衣は、この四人でこれまで同様『月のテンペスト』として活動を続ける選択を下した。とは言え…強い覚悟で決断したものの、やっぱり不安感は拭えない。そして、やって来た月スト新体制発表の記者会見。

そこで四人と牧野に浴びせかけられるジャーナリスト陣による、真相究明という名目の容赦ない質問が襲い掛かる。その中には、彼女達をワザと激昂させようとする悪意に満ちたモノもあった。そんな気まずく重苦しい雰囲気が支配した会場をある少女……成宮すずの力強い言葉が払拭させた。

 すずは言う。琴乃が生半可で軽はずみな心情で脱退という決断を下したのではないと。仲間を思いやり、誰よりも苦悩して苦境に抗い続けていた事と、月ストのリーダー、そしてアイドルとしてのPRIDEを貫こうとしていたと力説する。この場面でのすずの言葉は、当然ながら琴乃を慮ったが故に出て来た言葉でもあったが、何よりも、琴乃のアイドルとしてのチカラを誰よりも信じていたし、認めているから。それは近くで琴乃を見ていてすずが心の底で感じた真実だから。

 で…会見が無事に終わり、月ストの新センターを誰に据えるのかを牧野は四人の意志に託した。
そこで立候補したのはすずだった。ここまでの話の中で、すずが月ストのセンターへの強い執着がうかがえる場面がいくつかあった。時にはセンターの座は琴乃に譲ったと言い張り、自信喪失した琴乃に対して、センターを譲れと迫ったり。(激励もあったが本心でもあっただろう)
 
 琴乃が脱退してしまったというのは、月ストにとっては生まれて欲しく無かった物語。でも、センターとしてもっと輝きたいと熱望していたすずにとっては最大のチャンスが転がり込んで来た事でもある。ただ、正々堂々と琴乃と競い合いきちんと勝ってその座に就きたいと願っていただろうが……宙ぶらりんのまま突き進むワケにはいかない。

思い込んだら一途にブレる事無く真っ直ぐに突き進める魂の強さが成宮すずにはある。渚、沙季、芽衣は、すずの強い決意と覚悟を汲んで快諾した。彼女達も、ずっと近くですずの事を見て来たしアイドルに懸ける想いとPRIDEを信じていたから。それに、すずが目指しているのは、スペシャル・ワンのアイドルである長瀬麻奈を超える事。彼女の抱いている志(野望でもいい)は壮大だ。この程度の逆境は逆境には入らんのだろう。

 そんなこんなで、すずをセンターに据えて、新生・月のテンペストは再び立ち上がった。まあ、ちょいちょいやらかす危ういセンターではあるのだけれど……そこは三人がちゃんとすずを支えて盛り立てていけるだろう。すずも支えてくれる仲間とファンの為に全身全霊で想いに応える。それは、琴乃がいた頃では得られなかった強さを得る事にも繋がるのだと。

 

 すず、渚、沙季、芽衣は、ここから吹き荒ぶ逆風の中を駆ける事になる。四人がこの先の物語で何を魅せてくれるのか?その物語の行く末を心待ちにして筆を置かせてもらう。

 

 

告知&宣伝。そして…日々荘3号館入居者連絡ノート vol.2023 Winter寄稿の裏側。

 どうも。あかとんぼ弐号でございます。
まず、この怪文書Blogでは非常にレアケースなある告知というか宣伝から……

 

 


 2023年12月30日~31日に東京ビッグサイトで開催される『コミックマーケット103』にて、MR3期生情報局(MR3期生応援企画)さん主宰によるミュージックレイン3期生の同人誌『日々荘3号館入居者連絡ノート vol.2023 Winter』が12/30に東地区(東1・2・3ホール)C61a”にて1部¥500(税込)で出展されるとの事。

こちらの本は、ミューレ3期生のファン有志による五人の魅力やイベントレポといった文章とイラストを書き&描き連ねて出来上がったファンブックとなっております。

なお、こちらは委託販売されないとの事なので、当日に現地で購入出来ない場合、来年になりますが、ミューレ3期生関連のイベントでの配布を予定されるそうです。詳細はリンクを貼っておきますので、興味のある方はリンク先のフォームでご確認して申し込んで下さい。


 

docs.google.com



 さて、ここから本題へ。お前の怪文書Blogで、何故、この様な告知&宣伝をしているのか?と思われる方しかいらっしゃらないでしょう。その疑問は自然であり当然といった所ではないでしょうか。

 

実は、この怪文書しか書けないおっさんの自分。こちらのファンブックへ寄稿させていただきました。

 

自分が寄稿したのは、8月19日に開催された『日々荘3号館 〜はなしたあとはリサイタル@ひとりで歌ってみた〜』のイベントレポになります。

 

 このファンブックへ自分が参加するに至った経緯ですが……9月のある日、自分のDMに一通のメッセージが届きました。送信者は、前述で触れた今回のコミケに参加されるサークルの主宰であるMR3期生応援プロジェクトさんから。(@FANS_MR3rd

自分が書き殴った『日々荘3号館 〜はなしたあとはリサイタル@ひとりで歌ってみた〜』の潜入(参戦)レポを読まれてあるオファーを持ち掛けられた。それが、コミケに出展されるミューレ3期生のファンブックに載せるイベントレポの執筆依頼だった。

 アカウント名に応援プロジェクトと銘打たれている様に、ファンサイトの運営をされていたり、今回のコミケに出展するファンブックの様に有志を募って3期生の魅力やイベントレポを冊子にして配布される活動をされている。この話を持ち掛けられる前から、こちらのサイトだったり様々な活動をされているのは知ってはいたし、3期生を知った頃こちらのサイトを見ていたりしていたので、まさか寄稿の依頼をこんな怪文書書きに持って来るとは思わなかった。

自分としては、断る理由も無かったし、何よりもあの怪文書(あたおかな…)内容を評価していただいた事や自分の新しいチャレンジになると思い、そのお話を受諾させてもらった。それはDMをもらってから24分後の決断であった……

 そんなこんなで、受け持つ事になったのは2ページ。自分の書き殴った参戦レポをベースにしてなおかつリファインしておよそ2500字~3000字程のレポとして収めて欲しいとの事。ちなみに、自分が書き殴った参戦レポは、恒例の四方山話や盛りまくった末の結果、6000字越えのまあまあ長い怪文書として世に解き放たれたシロモノ。

ここからがまあ…最も苦心したポイントでもあったワケで……このイベントでキモとなっていたリサイタルコーナーは、出来るだけ尺を取りたい。が、他のコーナーをまるっきり無視して切るワケにはいかない。このジレンマは文字数の制限の無い個人のBlogでは体験出来なかったモノ。しかも、そのレポを載せるのは一冊の書籍として販売されるモノでもある。まあ、迂闊なモノは書けないと襟を正して望ませてもらった。

現場で感じた興奮と熱を表現していく事も必要だったし、どこか客観視した冷静な部分も表現していかないといけない。それがどこまでバランスが取れたモノになっているのかは、この場で自分が書くよりも実際にこの本を読んで下さった皆様の目とインプレッションで評価をしていただきたい。

 
 自分以外で、このファンブックに参加された人達によって綴られたイベントレポ、ミューレ3期生の魅力を溢れんばかりの情熱を持って伝えようとされる文章。それらを彩らんとする素敵なイラスト……まごう事無き『ファンブック』を称すに相応しい書籍になっていると自分は思います。

 こちらのファンブックによって、3期生のここまでの軌跡と溢れる魅力が多くの人へ伝わってくれる事を願っております。

 

 

謳われるべき楽曲と謳うべき人ーIDOLY PRIDE Zepp Tour 繋ぐ in Sapporoに寄せて。

 どうも。あかとんぼ弐号でございます。


 泣いても笑ってもくすぐったくても、IDOLY PRIDE Zepp Tourが目前へと迫って来た。
『IDOLY PRIDE』としては初となる全国を巡るTour。しかも、月のテンペストとサニーピースの面々だけでこのTourを駆け抜けなくてはならない未知の旅路と称しても過言ではない。

ようやくこの刻が訪れたか!と期待に胸躍らせ興奮されている人。一方、まだまだ時期尚早なんぢゃないの?と疑問符を脳ミソに浮かべて首を傾げられておられる人もいらっしゃるのでしょう。それぞれの人の魂にいろんな想いがあってLIVEへ臨まれる。

 で…LIVEにおいて、最も関心が強くて一番興味を惹かれるのは、やっぱりその場と刻でどの楽曲が歌われるかでしょう。同じ楽曲でも音源で聴いた時とLIVE会場で直に聴いた時の感覚というモノは全然違う印象を抱くモノと思っており、音源を数え切れないほど聴き込んでも感じられないまた新たな印象として心…魂に深く楔のように撃ち込まれる。そういったチカラを感じられるのがLIVEという場と刻の醍醐味だと思っている。

そして…今回のZepp Tourにて、個人的に歌って欲しいアイプラ楽曲と、それを謳って欲しい人についてこの記事をこれから書き殴っていこうと思う。

 
 ※この記事ですが、センシティブな要素が含まれており、捉え方によっては不快なインプレッションを感じられる人がいらっしゃると思っております。読み進めていって不快なモノを僅かでも感じられましたら速やかにブラウザバックされる事をお薦めいたします。

 

 


 この怪文書Blogではお馴染みとなる冒頭の四方山話でも触れている様に、今回のIDOLY PRIDEの公式LIVEとしては初になる『LIVE Tour』。初陣となる12/24は札幌、年が明けて1/7では名古屋でサニーピース。1/8の大阪と1/14の福岡は月のテンペスト。そして、1/21のFINALの地となる東京ではサニピと月スト双方。この五都市は一般的にJAPANの五大都市とされている都市。

で、今回『LIVE Tour』と銘打ったのは、これまでよりも多くの人にアイプラLIVEに触れる機会を得てもらいたいというのが第一にあるからでしょう。これまでのアイプラLIVEやイベントは関東圏内での開催で、誰しもが関東へと遠征出来る財力や時間があるワケではないでしょう。その中で、日程と開催地と参戦するグループが公式発表された際に気になったのが、初陣になる12月の札幌だった。

前述した様に、12月の札幌の地に立つのは『サニーピース』。そして、このTourの命運を左右しかねない重要な初陣。あくまでも私見でしかないが…Tourにおいて一番最初の公演というのは非常に大事なモノだと思っておる。そこを運営はサニピと川咲さくら(CV:菅野真衣)に託した。

12月という刻、札幌という地、そして、川咲さくら……これらの『ピース』は、“彼女達”と“ある楽曲”を思い起こさせる重大な組み合わせ。しかも、その楽曲(バージョンと言っておこう)はまだアイプラLIVEでは未披露。勝手な物言いってのは重々承知しているが、やっぱり期待せずにはいられないのだ。

 



 song for you(サニーピースver.) が披露される刻と場を。



 まず、12月という刻。この月は『IDOLY PRIDE』の作中及び現実においても、筆舌に尽くし難い深く悲しい出来事が起こってしまった月。作中では長瀬麻奈が、彼女に魂を宿した神田沙也加さんが亡くなられた月でもあった……しかも、神田さんが最期を迎えられたのが札幌の地。今回のツアーに12月の札幌で開催する事を運営が決断したのは、単なる偶然ではない様に思えてならないのです。覚悟を示したとも言う。

まあ、この日程以外で場所を押さえられなかったという身も蓋もない理由という可能性もありますが……ただ、このコンテンツは、長瀬麻奈と神田沙也加さんを除け者にしないという決断と覚悟を証明し続けて来た。だからこそ、単なる偶然では片づけられない何か因縁めいたモノを感じてしまった。

異論・反論を承知で言いますが……『IDOLY PRIDE』という作品の解釈の一つとして自分の中にあるのが、死人に魂を引っ張られた者達の物語であるという点。勿論、魂を引っ張られたままではなく、今とこれからの未来を見据えてそれぞれが動いている。それは、作中のアイドル達だけじゃなく、キャスト陣も同様だと思う。

 これまでのアイプラLIVEで、菅野さんがソロで麻奈の楽曲を謳う事は一度も無かった。さくらが麻奈の楽曲をカバーした音源があるのにもかかわらず。セットリストに入れる余裕が無かったのか?謳う事を薦められたけど、菅野さんが頑として首を縦に振らなかったのかもしれない。その明確な答えや真意は我々には分からないが、麻奈と神田さんへの想いというのはシンプルな要素で測れるモノではないのでしょう。それに正解や満点というジャッジを下せないのがエンターテインメントの世界。それでもだ。承知の上で俺は言いたい。


 川咲さくら(=菅野真衣)は、札幌の地と刻で『song for you』を謳うべきだと。


 過去に『song for you』について書き殴った記事でも触れているが、サニピver.の根幹にある想いは当たり前という奇跡と、全ての刻と巡り逢いの縁への感謝、そして…魂の自立。さくらが作中でこの楽曲を謳い上げて、麻奈の歌声ではなくさくら自身の歌声でこれからの未来へ駆けて行った様に、菅野さんが溢れる想いに一つの決着を付ける事と想いを繋ぐ事で、未来の旅路が拓けるのでは……と思えるのです。

最期を迎えた地でその人に縁のある楽曲を謳う事は難しいかもしれない。身勝手で酷な物言いってのも痛感している。ただ、もう直に見てもらえないし声もかけてもらえない人に届けられるのは、遺された楽曲を歌い継いでいく事ではないでしょうか?彼女への感謝の念を歌に乗せて伝える事であり、成長した今の菅野さんを見て欲しいという純然な願いと未来への誓い。サニピのTourタイトルに『繋ぐ』と明記したのもおそらくそういう意図があるのかもしれない。

 おそらく、実際に札幌の地で『song for you』が謳われたのなら、きっと菅野真衣さんと川咲さくらの歌声は、これまでのモノとは比較にならない程の説得力と凄みを増した血の流れる魂の絶唱の域へと昇華されたモノになるでしょう。参戦される人は、謳われた時、彼女達の想いと魂と絶唱を脳ミソに焼き付けて下さい。

 
 前述でも触れた様に、エンターテインメントの世界においては、明確な正解や満点というジャッジは下せないモノ。『song for you』やさくらver.による麻奈の楽曲が歌われなくても、掌を真逆にひっくり返して『IDOLY PRIDE』への評価が悪いモノに変化したり、徹底的に非難する方向にはならない。ここまで書き殴って来たモノは、個人的に勝手に期待して見てみたいモノを挙げただけの事。

一番期待して、いい意味で予想を裏切ってもらいたいのは、Tourという未知の戦いを通じて成長を遂げる月スト&サニピのメンバーと楽曲の更なる進化だ。

それは、今回のTourの最大のキモとなっている要素だと思っておる。
幕張の2DAYS LIVEが終わって配信された『アイプラ生放送』の中にて幕張のLIVEを振り返るコーナーがあって、そこで豊崎愛生さんはこんなコメントをされていた。

 

 

 みんなの真ん中に、星見の10人ちゃんが主人公というか、

 LIVEの中で真ん中にいるべきで、リズノワ、トリエル、スリクスは、

 みんなで星見の10人を盛り上げる為に

 ステージを繋げていくみたいな気持ちが強くて

 10人のステージが一番輝けばいいなという中に……

 そのまた奥の奥には、やっぱり麻奈ちゃんの存在がいつもあって。

 それをもの凄く2DAYSで改めて、お客さん(マネージャー)みんなの中にも

 運営さんの中にも、私達の中にも…ずっと麻奈ちゃんいるんだなって凄い感じた。

 

 (かなり端折ったが…)引用した豊崎さんのこのコメントに、『IDOLY PRIDE』というコンテンツの真髄が込められていると自分は解釈した。そう、このコンテンツは月スト&サニピの10人が強く輝いて引っ張っていかなきゃいけない。今回のTourは退けない挑戦であり戦いと言っても過言じゃないんだ。

 リズノワを、トリエルを、スリクスを、そして…長瀬麻奈を超える。更には……過去の月スト&サニピをも超える事こそが10人に課せられた命題。


でも、これまでのLIVEや、特に夏の幕張の2DAYであれだけのモノを魅せ付けてくれたんだ。彼女達10人とこの楽曲陣だったらそれを必ず成し遂げられると信じております。

その旅路と共に駆けて楽しむ人、その場と刻といった一期一会の機を全身全霊で楽しまれる人、旅路の終焉でその集大成を見届けられる人……それぞれのアイプラLIVEへの向き合い方と楽しみ方が存在する。自分は、幸運な事に最終の地となる東京の昼夜公演参戦が叶い、その戦いで成長を遂げた彼女達を見てまた魅せられてしまうのでしょう。

 そんな星見の10人の強さを改めて感じられれば…という希望を込めて、筆を置かせていただきます。また、この怪文書を読んで、少しでもアイプラZepp Tourが楽しみになっていただけたら幸いであります。


 最後に…まあ、テメエが言うんぢゃねえ!と怒るでしょうが、このIDOLY PRIDE Zepp Tourで初めてアイプラLIVEや、もしくは人生初のLIVE参戦を果たされる方へ。


月のテンペストサニーピースにしか出来ないLIVEを全身全霊で楽しんで下さい。


 いつも以上の怪文書になってしまいましたが……ここまで読んで下さり本当にありがとうございました。

 

 

 

What is Wake Up, Girls!?~WUG記の結びとして。

 どうも。あかとんぼ弐号でございます。
本稿は『Wake Up, Girls! Advent Calendar 2023』10日目の記事となります。


 この企画に参戦させていただくのは今回で5回目になります。そんな今回はどんな題材でWUG関連の記事を書き殴ろうか……今年もWUGアドベントカレンダーが開催される事を知り、参戦を決めたのはいいが、どういうモノを書き殴っていくのかは全くのノープランでした。


 これまでのアドベントカレンダーへ寄稿した様な、楽曲の独自考察やLIVEで強烈なインプレッションを受けた事について書き殴ろうか?


 再度、アニメを観直して、その考察を書き殴ろうか?


 途中まで書きかけて眠らせた題材を書き上げて発表していくか?


 WUG楽曲のMy Favorite的なヤツをひたすら挙げて語ってみようか?…etc


 書き出そうとするまでの間、いろいろな考えが脳ミソを駆け巡りました……
ただ、そのいずれも本気の熱を込めて書き殴れない事を思い知らされました。WUG関連の記事を最後に書いたのは2年前の12月。あれからは一つもWUGについての記事は一切書いておりません。過去の記事にて、自分はこんな事を書いた。

 


 Blogという媒体にて彼女達七人の軌跡や感謝を綴り記録と記憶として残す…


 勝手だが、俺が出来る最良の形であり七人に対しての感謝の意を示す事。

 

 

 あれ以来、書かなかった…いや、書けなかったのは、前述でも触れた様に、本気の熱を持って向き合えてた頃とはもう違っていたのもあるし、単に新しく供給される要素が無くなった事も影響している。やり切った、出し尽くせたのか?と言われると、Yes!と胸張ってハッキリと断言出来るモノではないが…本気の熱が滾って来ないまま書いていくというのは、自分の中では考えられないモノなのです。

今年はWUGの結成から10年という節目の年であり、年が明けて三月には解散してから五年の刻が経つ節目でもある。終焉後の今となれば、ここが潮時…引き際でありWUG記の締め時なのでしょう。

そして、勝手に想いを託したいと思います。新たにWUGを知り惹かれた若い世代へ……って事でようやく本題へ。


 What is Wake Up, Girls!?


 この訳が合っているかは正直自信はありませんが……『Wake Up, Girls!とは?』といった意味でしょうか。皆様は、この問いにどういう答えがありますか?

可愛い、あるいは格好いい存在。エモーショナルな衝動を揺さぶる楽曲揃いのコンテンツ。単純な一つのアニメ作品と一組の声優グループという認識。憧れを抱く存在。何か特別な想いを抱く存在。対価を払うに値する存在。希望を見出した存在……etc

その答えはきっと多種多様で、人それぞれにあってどれもが譲る事の出来ない正解なのだと思います。

 さて、自分にとっての『Wake Up, Girls!』とは?の答えですが…理屈や言葉では証明できない『何か』を持っていて、自分の中にある熱みたいなヤツを滾らせてくれた存在でしょうか。あの七人を見ていると、書きたくなる衝動が湧きたって来たんです。特に、あらゆる逆境に真っ向から立ち向かって戦う生き様と生き残ってやるという執念に惹かれた。この怪文書Blogに大小合わせてWUG関連の記事が200以上もあるのがその証明だと勝手に思っています。

その理屈で説明できないモノを暴こうというつもりは一切なく、ただ単純に、あの七人を見てドキドキしてワクワクしたモノを書き殴っただけの事。それ以上の理由はありません。それこそ、チラシの裏に書き殴ってそのまま放置しておくレベルのモノ。勿論、WUGの良さが広がって欲しいという願いもありますが。

 そんなモノを読んで下さって、実際にお会いした際や頂いたリプにおいて『Blog読んでます』というお言葉を頂く事が刻を経ていく内に多くなって来て。それはとてもありがたい事であると同時に何か気恥ずかしくもありますwww

自分にとっては熱が暴走した怪文書で申し訳ないと思いながらも、どなたかの感情を揺さぶる一助になっているのならこんなに嬉しい事はない。

 自分の場合は、熱をもってその刻の感情をぶつける様な感じで書き殴っています。故に、自分の怪文書を自分で読み返して見ても決して上手いモノとは思えない。感じたインプレッションを記憶として残したいだけなので。ちなみに、これまで書き殴って来たモノに関しては削除せずそのまま残しておきます。怪文書しかありませんが…七人の何かを知りたかったり、過去の想い出を振り返る為の手助けになれば幸いであります。

思えば、あの七人の理屈で簡単に説明できないモノに触れて、自分は様々なモノを貰っていた。想いが溢れて筆が乗っていく感覚。その逆もあって、想いを文章というカタチにする難しさであったり……他の方の想いや考え方に触れる機会が多くなったのもそう。Blogを書き上げて投稿する勇気や責任。自分の感覚で直に触れる事の意味や尊さだったり。本当に得られたモノは測れない程に大きくて今に繋がり、Blogを書き殴っていく大きな武器となっています。

あの七人から、何を受け取ったのか。何を伝えようとしていたのか。それは、間違っているのかもしれないし、個人のエゴでしかないのだろう。それでも、その刻でしか感じられなかった事を文章という形で残しておく事が自分の中においては必要だった。未来の刻へ繋げていく為の記憶として残したい……今にして思えばそれが執筆して来れた最大の理由だったのかもしれない。

 そして、コレは退いていく者の一方的で勝手なお願いになってしまいますが…
皆様も、その魂に抱く熱と想いを文章という形で解き放ってみてはいかがでしょうか?勿論、文章だけが思いの丈を表現する手段ではありません。絵を描く事でもいい。動画に起こして表現するのだっていい。WUGの楽曲を謳ってみたり、演奏したり、踊ってみるのだっていい。世に発信する手段が多種多様な現代、それぞれに抱いた想いを形にして解き放つ方法は本当に多く存在しています。

誹謗中傷だったり、ネガティブに他者を攻撃するモノを放つのでなければ、好きなモノは好きだと声を大にして発進していくのは本当に尊くて素敵な事の様に思えてなりません。特に、ごく最近WUGを知って惹かれた人達がどんどん発進していただきたい。知ったのが遅かったという負い目を感じる人もいらっしゃると思いますが……そんなモノは関係ありません。

大丈夫。本気の想いは伝わるモノです。真正面からちゃんと受け止めて応えてくれる人は必ずいる。俺は、その人なりの『WUGが好きなんだ!』という想いと魂をただ知りたいのです。


 2019年の三月にそれぞれの扉を開いて各々の往くべき軌跡を駆けている、吉岡茉祐さん、永野愛理さん、田中美海さん、青山吉能さん、山下七海さん、奧野香耶さん、高木美佑さんの今後の更なる雄飛の機と刻が迎えられる事、未知の軌跡が明るく照らされた幸多き未来である事を祈りつつ……そして『Wake Up, Girls!』に巡り逢えた奇跡と、この怪文書BlogのWUG記を読んで下さった皆様への溢れる感謝の念をもって、WUG記の結びとさせていただきます。