巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

RGR楽曲ライナーノーツ#14 ルミナンスプリンセス/My Best Shine!!

 どうも。RGR楽曲私的ライナーノーツシリーズのお時間です。


今回は、前作『Share the light』から1年ぶりとなった7枚目のシングル
『ルミナンスプリンセス』とカップリング楽曲『My Best Shine!!』について書いていこうと思う。

 

 

 

 

 


  ルミナンスプリンセス

 

 

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 『Run Girls, Run!』のメンバーがメインキャストを担当しているTVアニメ『キラッとプリ☆チャン』の7番目(第3シーズンの2番目)のオープニングテーマ楽曲。(129話から141話まで使用された)

これまでの明朗な路線を損なわずに、壮大さ(大人っぽさ)を加味させたメロディアスな曲調がこの楽曲の大きな特色でありRGRの新境地への挑戦も感じさせる意欲作だと感じられた。
これは、作中でのライバルユニット『Meltic StAr』の楽曲を手掛けているスタッフがいたという事なのでそれが曲調や世界観に影響をもたらしたと思える。


 曲題にある『ルミナンス』。見た当初は造語かと思っていたが、実際にある語句であり光源の明るさを表す輝度の英訳がルミナンスだという。前のOPテーマ楽曲『イルミナージュ・ランド』も、光や輝きを表す語句であるイルミナージュから取られていた事から、OP楽曲の系譜を継ぐという意味合いを込めて輝きをイメージさせる語句を付けたのだろう。

この楽曲のテーマとなる『輝き』のモチーフになっているのは『月』と『太陽』の輝きだとインタビューで語られていて、作中に登場する新キャラクター『アリス』と『イブ』の両者の関係性に寄せて、曲調の明朗さ(太陽)と壮大さ(月)が混在しているのも頷ける。


(両者の踏み込んだ関係性については作品のネタバレになるので本稿では言及しない)


三人の歌唱法もみらい達がアリスとイブを引っ張っていこうという意志と優しさを表現して語りかける様なモノになっているのが印象深い。それはキャストとしてのRGRの立ち位置が刻を経ていって変化した事が大きな要因だろうし、系譜と軌跡の積み重ねがそうさせ、キャラクターとの魂での対話の賜物だと勝手に思っている。

 

 見つけた夢の向こう きらめこうよ 一緒に…

 踏み出していい まっすぐに信じて

 ルミナンスプリンセス


 ―Run Girls, Run!『ルミナンスプリンセス』より引用


 
 上記にあるこの節が、新しく加わったキャラ達を引っ張り優しい輝きで包容して背中を押してあげるというこの楽曲の真骨頂だと自分は捉えている。同時に、彼女達のこれまでの軌跡とも照らし合わせる要素でもある様にも思えてくるのだ。

前述の壮大さというインプレッションだが、自分は同じ『プリ☆チャン』OP楽曲の一つである『never-ending!!』に似たインプレッションを抱いた。この『ルミナンスプリンセス』はシーズン3のラストを飾るOP楽曲であり、これらの二曲は締め括りの楽曲という共通項が自分に『never-ending!!』と似たインプレッションを抱くに至ったのだ。


そして、この楽曲の最も『要』となる箇所と彼女達の本気の想いが最後に集約されていると考える。

 

 終わらない恋をしたんだ みんな

 どこまででも 行こう


 ―Run Girls, Run!『ルミナンスプリンセス』より引用

 

 RGR楽曲全体の系譜に於いて、『プリ☆チャン』楽曲は数が多く『Run Girls, Run!』の歴史そのものと称されても差し支えないモノと思える。

恋という語句は、みらいを筆頭にキャラクター達が『プリ☆チャン』へ懸けている想いと魂でもあるし、RGRの想いと魂も同じくあるモノでみんなとは演者とキャラクター双方向の縁でもあり強い情熱を喩えた言葉。


変わる事もあるが、変わらない事もある。


刻が積み重ねていって、楽曲が持つ意味や謳う彼女達の役割も変化した。
そして、原初から抱いている変わらない想いも共存しているのだ。

どちらの要素も損なわれてはならない大切なモノ。そして、一つの節目を迎えた彼女達の新たな決意表明を謳っている様にも感じられる意欲作となっている。

 

 

 

 

 

 

  My Best Shine!!

 

 

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 音源を聴いてのファーストインプレッションは、明朗な可愛らしさを全開にしたまごう事無き正統派・ド直球なアイドルソングだという事だった。アップテンポなエレクトロポップチューンの曲調はライブ映えし、マストとなるのは確定となるポテンシャルを強烈に感じさせられた。

ここまで振り切った楽曲は、RGR楽曲全体では稀だと思う。位置的に近しいと思えるのは、1stアルバム『Run Girls, World!』に収録されている森嶋優花さんによるソロ楽曲『Darling Darling』位だろうか。これもまたRGRの新しいチャレンジだ。

この楽曲の大きな特色だと自分が感じているのは、何の括り(タイアップやシリーズ)の無いありのままのRGRで謳っている事。勝手なインプレッションではあるがテーマとなっているのが彼女達とランナーへの想いの相互循環……

繋がっている事への『感謝の謳』だと。

 

 

 きっと I Need You 頑張った向こうに見える新しい景色

 もっと My best Shine ずっと目が離せない 輝く私になるよ

 絶対 I Need You 何気ないコトバが私の元気になるの

 だから I Love You 精一杯の気持ちを 伝えたいな この歌で


 ―Run Girls, Run!『My Best Shine!!』より引用

 

 三人は、ファンからのちょっとした言葉や声援に頑張る原動力を貰っていると言う。
ランナー諸氏は彼女達の楽曲や活躍で頑張れる原動力を貰う。それは日常を闘うチカラを貰っていると称してもいい。

彼女達は声援をチカラに変えてもっと輝きたいと願い謳う。ファンは彼女達の輝きを反射させるかの様にもっと声援を送る。上記の箇所ではないが詞にある『君』という語句はファンを指す比喩である様に思えてしまう。ファンがRGRを輝かしい存在だと思っている様に、彼女達にとってファンの存在が輝かしい存在だと思ってくれるというメッセージがここのパートの詞には込められているのだと感じる。

この楽曲が収録されるシングルが初めて告知されたのは、2020年10月無観客で開催されたライブ『ランガリング・リンクライブ』での事。公の場になかなか出る事が叶わない状況下で生まれた楽曲。直に互いの『輝き』は感じられないけれども、心の光による『輝き』でRGRとファンは共に照らし合う事を諦めなかった。この状況下でなければ生まれなかった『感謝の謳』なのかもしれない。彼女達が置かれていた現在地で謳うからこそ説得力がある。

 

 『My Best Shine!!』とは、自らの最高な輝きと訳せる。それは自身が放つ輝き。でも、その人それぞれにとっての自身以外掛け替えのない最高に輝く存在にも当てはまるモノだと思えてならない。