『アンセム』という言葉がある。
元々の意味としては、聖歌、讃美歌、頌歌、祝歌という意味があり、元々教会音楽の聖歌や賛美歌のことを指した楽曲。そこから応援歌や祝いの歌として使われるようになり、日本でも『誰もが知ってる歌』というニュアンスで使われるようになり、現在はアーティストの代表曲や盛り上がれる楽曲という意味合いで使われ広まった言葉だとされる。
現在の情勢についてBlogで改めて触れる事はしませんが…
気分が沈みがちなこのご時世、モチベーションを上げる手段として楽曲を聴くという人は多い事でしょう。それは『アンセム』を聴くという事にも繋がっていく事の様に勝手ながら思えて来ます。
そして、自分の中の『アンセム』として数多く在るのが『Wake Up,Girls!』の楽曲陣。その中に於いて特に、心が戦ぎ、魂が爆ぜる様な楽曲10曲について書いていこうと思う。
選出にあたっては、独断と偏見交じりではあるのだけれども極力自分の趣味は排したつもりですが…
その辺りについては皆様の温かい目と寛大な心でもって受け止めていただけると嬉しく思います。
それでは、まずはこの楽曲から。
・少女交響曲
いっぱい悩んだ日々は けっして無駄じゃないから
笑顔だけはチャージして 不安とぶつかる
(You,Never never give up!)
―Wake Up,Girls! 『少女交響曲』より引用
続・劇場版『Wake Up,Girls! 青春の影』の主題歌。
悲壮感、哀愁感漂うイントロから始まり、サビへ向けていくに従い未来への希望を表すかの様に明朗で激熱な曲調へ加速していく。勝手な主観と基準ではあるが、この底から進行していくに連れて盛り上がる構成というのは自分の中ではアンセムとして奇を衒わない王道といったモノなんです。
今の状況、前述に挙げたこの楽曲の詞にあるような不安と向き合いいっぱい悩んで考える事が多くなるのでしょう。幾ら考え抜き悩んでも全てが報われ好転する事はあり得ない事だが、だからといって考えて悩んだ事は無駄にはならない。自分はそう思いたいものであります。
・極上スマイル
シンドイ季節を知ってこその 笑顔 極上スマイル
―Wake Up,Girls! 『極上スマイル』より引用
骨の髄まで徹底的に楽しいという感情が湧き出て来るアッパーソング。極めて上等な笑顔になれる…看板に偽り無し!というこの強気で攻める姿勢と言うか潔さが本当に清々しい楽曲。
・Into The Light/菊間夏夜(CV:奥野香耶)
どん底だって諦めたりはしないから
根拠はなくたって 不思議と踏み出せるこの場所から
―菊間夏夜(CV:奥野香耶) 『Into The Light』より引用
WUGキャラソン枠から菊間夏夜のソロ楽曲をチョイスしました。
今、それまで共に在った『当たり前』が一部失った状況にある。それは何度体験しても慣れるモノじゃない……私見の域だが、この楽曲は理不尽と無常に抗う『闘いの謳』。
この要素が感じ取られる楽曲というのは、自分が提言しておる『アンセム』の定義として見事に合致する要素なのである。
・Beyond the Bottom
それが戦いの合図としても 立ち止まらない だからひた走れ!走れ!
―Wake Up,Girls!『Beyond the Bottom 』より引用
最終決戦感を感じられる荘厳でありながらも、沸々と魂が燃え滾って来る衝動に駆られる闘いと生命の謳。この楽曲はこの七人にしか謳えないOne offの極みに在る楽曲。ライブで白一色に染まる心の光(サイリウムの光)は地球に落ちて来るア〇〇ズを押し返せそうな衝動にも駆られる。
注:個人の感覚です
・言の葉青葉
青葉が散り 季節が移りゆく
うしなうもの多い こころの奥で
芽吹く朝を 信じて追いかけた
―Wake Up,Girls! 『言の葉青葉』より引用
この楽曲は樹木(植物)の生命力の逞しさを謳った生命の謳。
樹木の葉が芽吹いて生い茂り、花を咲かせるという事は、当たり前の様であるが当たり前じゃない奇跡の刻でもある。ここまで挙げて来た楽曲とは異なり、しっとりとしていて盛り上がるというよりは、じっくりと沁み入る様に傾聴する楽曲。
植物は過酷な環境下に在っても、しっかりと大地に根を張って芽吹きの刻の訪れを必死に耐え忍んで闘っていて、それは今の自分達の状況と多分に重なり合っている。
先行きはまだ不透明。けど、いつの日か必ず訪れる芽吹きの未来の刻は必ず来る。そいつを信じて、耐え忍ぶ逞しさと樹木の生命力の強さを。自分も斯く在りたいと改めて魂に誓う。
・outlander rhapsody
ほんとは街にも魔物はいる
複雑な表情で大人たちは笑う
―Wake Up,Girls! 『outlander rhapsody』より引用
ユニット楽曲からはこの楽曲をチョイスさせてもらいました。
これは、ライブ(WUGファイナルツアー・パート2)でこの楽曲の演出が今の現状と重なる事が選考理由の決め手になりました。
*演出の詳細は以下のリンク記事を読んで下さい。
これね……ライブ音源(WUGファイナルツアー・パート2のやつ)販売してくんねぇかなと切に願う。偉いOTONAの人お願いしますッ!!!!!!!
・解放区/青山吉能
未来はいつだって 無限の解放区
―青山吉能 『解放区』より引用
ソロイベント楽曲枠からは、もうこの楽曲しかない。
青山さん自身の口からこの楽曲は応援歌であると断言されているので、アンセムの定義の一つとしてまごう事がないモノとなっておる。
雌伏の刻を耐え忍んだ者(青山さん)が反骨の魂と偽りない生き様を謳う。その歌声はまさに血が流れる魂の絶唱の域へと昇華する激熱で強い楽曲。
・さようならのパレード
願い続けていたい あの時約束したでしょう
立ち向かう事 極上の笑顔でまた会いたいんだ
―Wake Up,Girls! 『さようならのパレード』より引用
さようならという別離を指す言葉が曲題にあるが、この楽曲は単なる別離を謳う楽曲ではない。
未来の刻で再会を願う祈りの謳だと思っている。
前述に挙げた詞のパートでの振り付けだが、左胸を拳で叩き、指を差し出して空高く所作になっている。
七人のハート≒魂に在る気持ち……勝手な解釈だが、それは七人がWUGの一員として貫き通して来た諦めるな!という気持ちを示している様に思えてならないのである。
この楽曲は、発売されているSSAでのファイナルライブの映像、もしくはライブ音源を収録したライブ音源アルバムで聴いた方が、よりアンセムとして魂にぶっ刺さる様に思います。
・Polaris
ひと粒の瞬きがボクを導いていく
ココロから憧れた世界 満天の星空になる日まで
―Wake Up,Girls! 『Polaris』より引用
今の世情は、不安や苛立ちで息苦しく鬱積としている……
だが、この楽曲はサビに入る前は重たい歌詞が続くが、サビからは明るい歌詞に変化する。それは耐え忍びながらも未来の刻への希望を信じて待っている状況。
計器がまだ発明されていなかった古代の旅人は、夜空に輝く星の位置を手掛かりにして旅をしていたそうです。中でもPolaris=北極星はほぼ動かずに定位置で輝き旅人を導く光となる。
僅かな瞬きなのかもしれないが、自棄を起こさずにその瞬きを愚直に信じて進む事が今は肝要なのではと思います。
・タチアガレ!
Stand Up! 明けない夜はないから
明日の笑顔 信じるんだ
―Wake Up,Girls!『タチアガレ!』より引用
立ち上がれと。単純明快だが力強いそのメッセージ。
Wake Up,Girls!というグループは逆境と不遇が常に付き纏っていた。だが、あの七人は決死に抗い闘い続け生き抜く事を諦めなかった。この楽曲はそんな彼女達七人の叩き上げの本気の想いと魂が存分に詰め込まれている。
ラストはやっぱりこの楽曲しかない。
WUG原初の楽曲であり、共に軌跡を駆けて来た『戦友』。そんなこの楽曲はまさにアンセムと称するに相応しい楽曲だと自分は思っておる。
以上が今突き刺さるアンセムとしてのWUG楽曲10選になります。
本稿で挙げた10曲は自分の独断と偏見というエゴに塗れたモノ。これが絶対正しいと声を荒げて主張するつもりは微塵もありません。おそらく誰もが自分の中に『アンセム』論というモノがある事でしょう。
楽曲に抱いている想いは人それぞれ違うモノで尊い。
同じ楽曲を聴き込んでいても、取り巻く状況やその刻での心情で楽曲は違う表情と深さを見せる。
自分は今回取り敢えず石をぶん投げてみました。その石を放置されても別に構いはしません。
もし叶うのであれば、その石、楽曲への想いをこちらにぶん投げ返してくれれば…本当に嬉しいものだと思えます。こんな状況だからこそ、何かを非難する手段として文字を綴るのではなく、好きという感情で満たされたモノを書き殴っていきたいものであります。
今回も最後まで読んで下さりありがとうございました。