巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

利器と凶器。そして…使う者の魂。

 どうも。あかとんぼ弐号です。


この事について記事にするのは正直迷いましたが……プロレス好きとSNSを利用して言の葉を紡ぐ者の端くれとして、やっぱり書き残しておかなければならないと決断して筆を取った次第であります。

自分の様な人間が書いたところで、想いの半分も伝える事は叶わないかもしれない。それでも、この事象から知らぬ存ぜぬするのは違う事なので、いつも以上にお見苦しい駄文ですが書かせてもらう。

 

 昨日、5月23日の昼過ぎ頃自分のTwitterのタイムラインに
女子プロレスラーの木村花さんの訃報が発表されました。


享年22歳。早すぎる最期です。


 亡くなった原因については、公式発表がまだされていないとの事なので詳しく分からないのでここでの言及は出来ないが、どうやらSNSからの誹謗中傷が絡みで原因となったのが、彼女が出演されたTV番組内での立ち振る舞い方によるとされている。

その番組を全く観ていないのでどうこういえないのだけれども、彼女がその番組から出演のオファーをもらって何を思い決断したのかは分からない。自分が勝手に思っているのは自分がその番組に出て、多くの人に観られて彼女を、プロレスを知って一人でも多くの人を会場へ、ひいてはプロレスファンになって欲しいという想いがあったと思っている。


 自分が、木村花さんを知ったのはTVで放映された彼女が所属する『スターダム』の試合。
感情を剥き出しにして苛烈に攻めるアグレッシブなファイトスタイル。何と言うか彼女から迸る雰囲気は只者じゃない華があるというインプレッションを抱かせた。

自分なんかが言っても説得力の欠片もないが……将来、団体だけじゃなくて女子プロレス界をリードしていく存在になるだろうと感じた。一方で、リングを降りれば、礼儀正しく素直で真摯にプロレスに向き合ったという声を多く聞く。

彼女の母親もかつて女子プロレスラーだったとの事。彼女にとってプロレスというモノは幼い頃から共に在って、憧れであり目標だった。私見の域だがバラエティ番組の出演を決断したのは先述にも書いた様に自分を知ってもらって女子プロレス界を盛り上げたいという純然な想いからなのだろう。

彼女がその番組で何をしたかは分からない。立ち振る舞いや言動が鼻についてしまったのかもしれない。それがおそらく大多数になって『まぁ、非難の一つでもぶつけてやるか』と思い彼女に小さな悪意の石をなげたのだろう。

石は小さかったのだろう。だが…そいつが何人、何十、何百、何千を積み重なってたった一人の女の子にぶつけられてしまった。ぶつけられた方はたまったモノじゃない。
無関心を貫けば…という人もいるだろうが、おそらく彼女は本当に生真面目な人だったのだろう。
割り切ろうともしたのかもしれない。 でも、出来なかったのだろう。

非難を浴びせる言を放った一人一人は軽い気持ちなんだろう。だが、やられた方はそうじゃないんだ。
完全な自己満足の正義感というクソなエゴで、一人の未来有望な才能の尊厳を踏みにじって心を殺した。おそらく、今回の様な悲劇は今後増える。自粛警察とかいうアホがそのいい例だ。

この手の話は、まぁ大昔からある。昔は直接的な手段だったモノが現在では間接的な手段に変遷しただけ。人間という種が存在する限りコイツは無くならない業の一つなのだろう。


 ネットの発達、特にSNSの存在によって想いをよりダイレクトに伝える手段が確立された。
純然な好意が伝え易くなったが、同時に悪意もまた伝え易くなってしまった。情報の正確性もそうだ。
使い方、受け取り方を間違えるとそれは他者を傷つけてしまう凶器へと変貌してしまう……


そして、コレを書いておる自分にも言える事だ。


完璧に使いこなしているなんて胸張って言えないし、聖人君主の様に立ち回っているワケじゃないのも重々承知の上だ。主にBlogというツールを利用して好き勝手に書き殴っている愚者だ。自分の書いたモノを気に食わない、腹立たしいモノだという方もいると思ってる。

今までも、いろいろと記事を書いて来ました。特に一番緊張するのが書き上げて世へ放つ時の投稿・公開をクリックする時だ。

想いの丈を発信するのは自由。けど、だからと言って好き勝手に何でも書いて発信していいというモノじゃないと思っています。まぁ、自分の駄文でそうはならないでしょうが……発信した記事が、読まれた誰かの日常の一部を変えてしまう事だってある。それは自分が肝に銘じている事でもあります。

 

 最後に……自分が木村花さんを知ったのは今年の初め。
期間が短くて浅い人間ですが、彼女の訃報を聞いた時は本当に寂しく悔しい想いで溢れた。でも、彼女を深く知り本気で応援している方や縁深い方達の悲しみはそれ以上で身を切られる様なモノなんだろうと思えてならない。


そして……一番悔しいのは、彼女自身だろう。


まだまだこれからの選手だったし、選手として、一人の女性として叶えたい事は沢山あっただろう……


 二度とこんな悲しくて悔しい事が起きて欲しくないし、希薄にしてはならない事を願う。
改めて、自分が今使っているモノが心持ち次第で簡単に凶器へと変貌してしまう危険なモノだという事を誓って筆を置きたいと思う。


 木村花さんのご冥福を心よりお祈り致します。

 

 

 

 

 

 

RGR楽曲ライナーノーツ#1 カケル×カケル

 おそらく、これは丁度いいタイミングなのかもしれない。
そう自分の本能へと訴えかけるモノがあった。これは何かの思し召しなのだろう。

だが、ここに踏み込むと後戻りは出来ないし本当に大変なのは重々承知している。でも、書きたいッ!!!という想いと欲求が日々増してきているのも感じてたんだ。時間はかかってしまう。しんどいのも経験している。でも書いていきたい。あの三人に巡り逢えた縁の奇跡と魂を掴まれた者としてコイツに挑むべきなのだと。

 

 …

 

 ……

 

 ………

 

 と、何かゴチャゴチャと前置きを書きましたが新しい連載企画……


 『RGR楽曲私的ライナーノーツシリーズ』を勝手に始めさせていただきます!!!


これから書いていく事は個人的な解釈が入って来ますので、間違った解釈である可能性が非常に高いという事を先に言っておきます。読んで下さる方はそれも考察の一つの形として好意的に捉えていただくとありがたく思います。


それでは、記念すべき第一回目はこの楽曲について語っていきます。

 

 


 カケル×カケル

 

 

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 『Run Girls,Run!』に与えられた原初…始まりの楽曲にして、アンセムソング。
三人のデビュー作になったテレビアニメ『Wake Up, Girls! 新章』第13話(最終回)の挿入歌として使用され、『Wake Up,Girls!』のベストアルバム『Wake Up, Best!3』に収録され、先日リリースされた『Run Girls,Run!』1stアルバム『Run Girls,World!』 にも収録されている。

この楽曲については、以前自分が書いた『WUG楽曲ライナーノーツシリーズ』でも書いたが、今回書いていく軸としていくのは現実のRGRに比重を置き書いていく。

 

akatonbo02.hatenablog.jp

 


 楽曲の世界観の要となっていると自分が捉えたのは、未知の領域や憧れへの不安と希望を抱きつつ懸け出す決意。詞にある『故郷』『子供時代』『列車の窓』『記憶』は自分の解釈を裏付けするワードだと思っている。

RGRメンバーは三人とも東京以外の出身であり、それぞれが抱く夢の為に上京して来た境遇と綴られた詞が重なりあう。オーディションという門を叩いて挑み見事に勝ち上がって夢の扉を抉じ開けた三人。希望に胸弾ませたのだろうがおそらくは突き付けられた現実に徹底的にきっちりと打ちのめされた事の方が多かっただろう。それは、現在もそうなのかもしれなくて彼女達は痛感し吹き荒ぶ逆風の中にいるのだろう。


 けど、三人はこう謳う。


 進むんだ 怖くないなんて嘘は言わないよ

 立ち向かえる『だって』だって ちゃんとわかってる

 あきらめるほうが ずっと苦しいのなら

 駆けるよ カケル 駆けるんだ

 だって だって 追いかけたいんだ

 ―Run Girls,Run! 『カケル×カケル』より引用

 

 未知の領域へと踏み込むのは誰しもが不安に思うし怖いモノ。
だが、三人が最も恐れて怯むのは完全に止まってしまい踏み出せなくなってしまう事なのだと。

RGR初のライブツアーのタイトル『止まってなんかいられない』
この言葉を発案したのは、リーダーの森嶋優花さん。
1stツアーのオープニングアクトでもこの楽曲は歌われ、1stアルバムの最初の一曲目にもこの楽曲を据えた。その事実から勝手に推測してしまうと……大切な始まりの楽曲であり、なくてはならない存在。ユニット名にもある走る事に関連した語句ではなく、止まらないという事こそが三人の魂の根底にある『Run Girls,Run!』としてのアイデンティティなのだと思えてしまうのだ。


 軽妙でいて疾走感溢れるロックテイストの曲調が、未知の領域へ踏み出す不安を振り払って力強く一歩踏み出し駆けていく様子が想像できる。そして、絶対に止まらない!という三人の強い意志…別の表現だと、この世界で生き残ろうとする本能にも感じられる。それを強烈に思い知らされるのが林さん、森嶋さん、厚木さんのエネルギッシュで溌剌とした歌声がこの楽曲に加速的要素を加味させて楽曲に血と魂を宿らせる。

 


 小さな存在だって ここから始める

 自分なりに決めたんだ ダッシュすることを

 止まらない あきらめるほうが ずっと苦しいのなら

 駆けるよ カケル 駆けるんだ

 だってだって 追いかけたいんだ

 ―Run Girls,Run! 『カケル×カケル』より引用

 

 

 自分は、ラストフレーズとなっているこの節々がこの楽曲の要となるモノと解釈している。
三人はまだ自分たちが小さく弱い存在である事を自覚してそこから目を背けずに日々を闘っているのだと。何度彼女達が止められても、道が無ければ別の道を探し出してまた走り出す。そんな三人の気概を感じられる想いに満ちたフレーズではないだろうか。

『カケル×カケル』は疾走するというフレーズに繋がり、詞にもある『駆ける』という意味があるのだろう。でも、自分は……彼女達にあてがわれたそれぞれの色の翼で羽ばたいて『翔ける』という意味と、覚悟をもって臨む意味の『懸ける』でもある様に思えてならない。

後戻りはしない。また止まった地点から再び走り出せばいい。
『Run Girls,Run!』の叩き上げの想いと魂、生き様を強烈に感じるこの"闘い"の楽曲は、冒頭にも書いたが自分が勝手に抱いている『アンセムとしての定義を見事に満たすモノだと言える。

 

 

 世間では今も尚コロナウイルスの猛威に在る状況。それによって様々なイベントが中止になっております。三月のホワイトデーイベント、森嶋優花さんや林鼓子さんのバースディイベントも中止になってしまった。

三人の歌い踊る姿を直に観れないのは寂しい。おそらく三人もそれは同じ心情だと思う。

 でも、彼女達はただ嘆いて止まっちゃいない。必ず来る想いと魂を思う存分爆発させるステージで三人が躍動するその刻が来る日を待ち望んで備えているはずだろう。

今度また、ライブにて『カケル×カケル』を聴く刻で観る彼女達はおそらくはこれまでとは比べ様がない程に成長を遂げた個のチカラを魅せ付けてくれるのだろう。

 


 その刻が一刻も早く叶う事を信じて筆を置くことにする。

 

 

 

 

 

WUG楽曲ライナーノーツシリーズを書き終えて……

 どうも。あかとんぼ弐号です。

 


2017年の4月から書き始め、2020年4月まで当Blogに連載した
『WUG楽曲ライナーノーツシリーズ』が終了致しました。
全35回(番外編含む)で取り上げた楽曲、一つの楽曲にバージョンが複数存在する楽曲は一つとしてカウントするとしてその数は86曲になった。

書いている時は実感が湧かなかったが改めて振り返ってみると、よく書き上げられたものだなと思えるし、自分が定めた終着点へきちんと到達出来たという達成感に浸っている。

遅くなりましたが、これまでの中で読んで下さった方々には本当に感謝しかありません。反応があったり読まれている事を実感出来た事はこのシリーズを続けていく上で励みとモチベーションの上昇になりました。本当にありがとうございました。


 前述にある様に、このシリーズを書き始めようと思い立ったのが2017年の4月の事。
当時は、WUGの4thツアーのチケット(ファンクラブ先行)の当落が決まって来た頃だった。

で、丁度同じ頃に、WUGを知って惹かれたという声を多く聞いた。


しかし、WUG楽曲についての解説を書かれたモノというのは、私見だが正直多くあるとは言えない。
知りたいという純然な想いを抱く人達に、好きならテメェでその位調べろ的な突っぱねるスタンスでいるのは違う事の様に思っていた。

そんな声を聞いて自分に何か出来る事、とは言え、そうそう大きな事は出来ないし顔が広く利く人間ではないのは痛感しておる。でも、微力ながら入り口から裾野へと踏み出せる何かの一助になれればと思い、このBlogという媒体に過去、WUGメンバーの魅力を書き殴った記事を書いた。で、今度はWUG楽曲の解説……つまりライナーノーツを書いていこうと決めた。当Blogに発信力はない零細Blogなのは承知の上だ。それでも書きたいという想いの方が勝り筆を執った。


 書いていく事は決めたものの、完全な見切り発車で始めた。
更に言うと、自分は音楽知識なんてありゃしないし、楽器の類は一切出来ないし楽譜も読めない。そんな奴が楽曲の解説を書こうというのは無謀極まりない話でもある。挙げるのも恐縮してしまうが……ライナーノーツの体を成してると思えるのは、イルリキウム氏が執筆された『WUG関連楽曲解説』がそれだろう。

だが、その『WUG関連楽曲解説』の中で自分が書いたヤツを参考にされたのを知った時は、本当に驚いたモノだし、今日に至るまでに色々な人から直にリアクションをいただく事もあった。この事は読まれているという事を本当に実感した出来事だった。


 そんな中……WUG解散の報があって解散へと至るワケだが、不思議とこのライナーノーツシリーズを途中で書き切らないまま終わらせようとは微塵も思わなかった。寧ろ、七人が遺した楽曲にこれまでと変わらずに向き合って、このシリーズを完遂させなきゃならないと強く思った。その根幹となって自分の中に在ったのが、彼女のある言の葉。


Wake Up,Girls!をこれからもよろしくお願いします』

 

WUGの約束の地となったさいたまスーパーアリーナで、約束の刻であるWUGのSSA単独公演の場で
センター・吉岡茉祐さんが託してくれた未来への想いは、勝手ながらこのシリーズを最後まで続けるにあたって支えになる言の葉だった。

そして、終焉の刻が過ぎてもWUGを知り惹かれて踏み込もうとされる人達がいらっしゃる。知って惹かれる機というのは人それぞれ違うし当然の事。そんな人たちの踏み込む為の一助として書き殴って来た86通りの楽曲の物語が役立てたのなら本当に嬉しい事だと思います。

 

 

 

 さて、そろそろ自分語りを止めて筆を置く事にします。

楽曲の受け取り方と解釈は正解が無く自由なモノ。自分が書き残したモノも正解と呼べるモノじゃありません。色々な考えや意見に積極的に触れ多角的視点で捉えて、知識や考え方の幅を広げる事。

七人の事や楽曲の独自考察をしていく中で知っていった難しさと楽しさ、考えをぶつけ合い、相容れないからと言って拒絶するのでなく落とし込んで考え抜く事。このライナーノーツシリーズを経て自分が得たモノは本当に大きなモノだった。


Wake Up,Girls!』と沢山の楽曲に巡り逢えた事……書いて来て本当に良かった。


自分一人の力だけで書き上げられたモノじゃない。記事を書くに当たって参考にしたWebサイト、他のブロガー様の記事、書物等……これらの新しい巡り逢いと自分の拙い駄文をこれまで読んで下さった皆様。改めて深く感謝致します。


そして、新たにWUG楽曲に惹かれてこのライナーノーツシリーズを読まれた方のWUGライフが豊かで素敵なモノになる事を切に願っております。

 

 

 

 

 

最後となるもう一つの"闘い"と"HOME"の物語。

 まさか、この言葉をもう一度言う事になるとは思っちゃいなかった。

 

あの七人に負けた……という言葉を。

 

 

 ここに、一枚のBlu-ray Discがある。今回の記事はその話。

 

 

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Animelo Summer Live 2018 "OK!" 08.24』のBlu-ray Disc


 2018年8月24日に開催された『Animelo Summer Live 2018 "OK!" 』1日目の模様が収録されたモノだ。
そして、あの七人……『Wake Up,Girls!』が臨んだ最後となる"もう一つの闘い"

 

 ここで改めて書く事ではないが、Wake Up,Girls!は2019年3月に解散した。故に、その前年の夏に参戦したアニサマのステージは前述の通り最後の参戦になる。
そして、後の刻の約束の地『さいたまスーパーアリーナ』にて……七人のド真ん中に立つ彼女の誇らしげに放った、意義深く途轍もなく重いこの言葉が俺の脳ミソでループされ響く。


『やっぱり、この七人"最強"なんです。』と。


WUGの七人が臨んだ最後となる"もうひとつの闘い"をようやくこの期に及んで観る事が叶った一人のおっさんが、ダイレクトに感じたインプレッションを書き記しておこうと思う。

 

 

 ・WUGの闘いの"流儀"

 


 Wake Up,Girls!のアクトが収録されておるのはDisc2。
彼女達が披露したのは二曲。WUGの参戦が決定したのはおそらくギリギリの刻。悪い物言いをしてしまうと強引に捻じ込んだ感じは否めない。そして、参戦決定への様々な意見もあるだろう。
個人的な意見だが、自分は二曲歌うGOサインを出してくれた事に勝手ながら感謝の念を当時抱いた。


七人が初手に持ってきた楽曲は『極上スマイル』


 しかし、メインステージに七人の姿はなかった。それもそのはず。彼女たちはトロッコに乗り込んで客席近くから登場したのだから。そして、七人が纏っている衣裳は結成5周年を記念して作られた衣裳。


笑顔のファンタジスタ高木美佑さんは満面の笑みで吠える。


『極上のスマイル、見せて下さいね~ッ!!!!!!!』と。


更に、WUGのセンター・吉岡茉祐さんが闘いの開始を告げる。


『いくよッ!!!!!!!』と。


二人の声に呼応するかのように、一気にバーストして滾る場内の雰囲気は映像越しでも肌をビリビリと突き刺す激しさがあった。この殺気に近いモノは七人がアウェー戦で魅せる闘い方だと。


 シンドイ季節を知ってこその 笑顔 極上スマイル

 ―Wake Up,Girls! 『極上スマイル』より引用


 トロッコから降りてセンターステージへと全力で駆けていって、全力全開で歌い踊るその姿はこれまで通り彼女達は何も特別な事をしたワケじゃない。奇を衒う事無くいつも通りに本気で、全力全開で、想いと魂を燃え滾らせる『いつものWUGのライブ』のスタイルだ。


 最期の瞬間の刻まで…この笑顔は絶対絶やさない。
どういう真意を持って当時彼女達が解散までの日々を過ごしていったのかは窺い知る術は無いし、知りたいとは思わないので、コイツは完全な私見なのだけれど……七人が貫き通したい意地と信念だったのではないだろうかと思えてならないのである。

このもう一つの闘いであるアニサマのステージに於いても、七人は様々な物語を紡いで来た。
嬉しい事、悔しかった事、天文学的な確率で繋がった奇跡の繋がり……その全ての縁に意味があってこの最後の刻へと繋がり、謳う七人の笑顔はまさしく『極上の笑顔』だった。

 

 

 


 ・Last act 七つの星と真愛の謳

 

 

 『極上スマイル』を歌い終え、吉岡さんが代表として挨拶をした。WUGが終焉の刻を迎える事やアニサマへの想いと感謝を言葉に込める。

 

『ありがとう』の気持ちを次の曲にのせて歌うんですが……

次の曲は私達七人がそれぞれ紡いできた

言葉を歌にのせた曲になっています。

 

本当に、いつも私達を支えてくれて……

照らしてくれて…私たちの道標になってくれて

本当にありがとうございます!!!!!!!

それでは、私たちの想いを…皆さんに届けたいと思います。

受け取って下さい、聴いてください。


Polaris

 

 


 ラスト・アクトに選択したのは……いや、もう最後を飾るに相応しいのはこの楽曲しか無い。
吉岡さんの言葉にもあった様に、この楽曲の詞を紡いだのはメンバー達七人による生命の謳でもあり、アンセムソングでもある七人にしか謳えないOne offの極致に在る『Polaris』。

しかし、この楽曲はアニメ本編にて使われたものの、シングルカットされておらずワグナーにしか知らない内輪な楽曲。あの場で初めてWUGを知った、初めてこの楽曲を聴くという人の方がおそらくは多数を占めていたと勝手ながら思うのである。


けど、それを承知の上で七人はこの楽曲を歌う事を決断した。


 楽曲への敬愛と尊敬の念。

 WUGのアイデンティティと偽りない生き様を証明出来る武器。

 伝えたい純粋な想いと魂。

 終焉の刻まで煌めきを絶やさない決意と覚悟。

 七人の底力と逞しさを魅せられる楽曲。

 共に在る事への感謝と信愛の念。

 とっておきの切り札として……etc


 七人がありとあらゆる想いと魂を言の葉に込めて紡いだ楽曲。
その楽曲が持つ力の強さを最も信じているのは他ならぬ彼女達七人。
そして、七人と魂を共有している真夢達の想いと魂も一緒に在る。

歌う七人の背にあるモニターに映し出されているのは、これまでに参戦して来たアニサマで歌い踊る映像……言わば、このアニサマでの闘いの軌跡だ。

劇中、この楽曲が歌われたシーンで片山実波のマイクにトラブルが発生して歌声が途切れてしまう。
このエピソードの基となったのは、WUGが初めて参戦した2014年のアニサマで実際に実波役の田中美海さんが遭遇した出来事でもあったのです。でも、この刻では田中さんの溌剌な歌声は見事にこのSSAの会場に届けられた。

ステージには魔物が棲むなんて称される事がある。
その魔物は気まぐれだ。一度はまだ弱い存在の彼女達に牙を剥き容赦無く呑み込んだ。だが、この日は何のトラブルやアクシデントも無かった。

コイツは、俺の私見と妄想の域だが……その魔物も、七人の最後の闘いを見届けたくて彼女達の謳を傾聴していたのだろう。WUGの本気の想いと魂はステージの魔物をも魅了したのだと…


そして、2番を歌い終え間奏に入って突如響き渡る声があった。

 


『こんばんわぐ~OK!!』

 


これは七人の声じゃなくモニターの映像からだ。そのモニターには、七人へ真愛の言の葉を贈ろうと
彼女達と『縁』深い人達の姿が次々と映しだされる。


 七人を全力で追いかけて来る次世代の星。『Run Girls,Run!』

 時には立ち塞がる壁であり、また、導いてくれた先駆者。『I☆Ris

 凌ぎを削り、競った同世代の戦友『Aqours

 七人と同じく終焉の刻を迎える者『ミルキィホームズ


 この流れは『新章』最終回にて、回線で繋がって『Polaris』を各地のアイドル達が謳う展開をモチーフとして演出したと聞く。劇中では絶望の淵に在った鈴木萌歌を照らし導いた。現実の刻では、『Run Girls Run!』『I☆Ris』『Aqours』『ミルキーホームズ』がWUGへの真愛の想いを贈る。
それは心の光が互いに導き、繋がり、輝いた物語だったのではないだろうかと俺は感じざるを得ないのだ。

この突然の展開に驚きを隠せないWUGの七人。当時もそうだが改めて映像という形で観ても
ここでの演出のニクさにはただただ感嘆するしかない。

双眸を潤ませながらも、自らのソロパートを力強く歌い上げる吉岡さんの漲る眼光の力はより双眸の輝きを増した様に見えた。彼女の曇りのない眸の輝きに俺は惹かれたんだよ。


本気の真剣な想いと魂というヤツは、必ず伝わると思っている。
彼女達七人がこれまで信じて貫いた闘い方が多くの人の魂に届いて、応えてやりたいと願って真愛の情へと昇華した。言うまでもなく、最高のパフォーマンスのラストアクト。

このBDにはバックステージの映像も収録されている。
出演を終えた七人の表情は、清々しく、全て出し尽くし充実感に満ちた本当に素敵な笑顔だった。こんな晴れやかな極上の笑顔がもう一つの闘いのエンディングなのだと思えてしまうのだ。

 

 

 こうして、WUGとして最後となるもう一つの闘いであるアニサマは終わった。七人にとっての"もう一つの闘い"の場であったアニサマのステージ。本当にギリギリのタイミングで参戦が決まってアウェー感漂う中で挑むのを承知で彼女達はあの場で闘う決意だったのではないだろうか。


だが、最後となったこのステージはアウェーじゃなかった。
真愛の情に溢れたもう一つの"HOME" だったのだと。


 WUGのファイナルライブの参戦レポにも書いたが
こんなにも多くの人に愛されて、親しまれて、終焉の花道を見事に飾れるグループはほんの一握りなのだろう。

おそらく、彼女達は口を揃えて言うのだろう。『こんな私達の為に』と。


最後の参戦は、本当に色々な方面で動いた人がいたのは容易に想像が出来る。
いつでも本気で一途。諦めの悪さは筋金入りの叩き上げの魂。
あの七人が巻き起こした熱に当てられて自分の中の燻ぶった火がまた燃え滾る。Wake Up,Girls!という存在は、このアニサマに於いてもきっちりとその楔を見事に撃ち込んだと思える。


期待に見事応えて、予想をいい意味で裏切る事。


それがきっちりと出来る信頼があの七人にはあった。だからこそ最後の花道を見事に飾って送り出してあげたい願って叶えるために動いたと俺は勝手に思いたい。

 

 

 

 ・最後に


 ここに、今回のヤツを含めて四枚のBlu-ray Discがある。

 

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 全力を出し切れなかった後悔と涙で濡らしたもう一つの闘い。

 成長の証を見事に魅せつけたもう一つの闘い。

 奇跡とも呼べる縁で繋がったもう一つの闘い。

 真愛に満ち溢れた最後のもう一つの闘い。

 


 結局の所、自分は最後までWUGが挑んだもう一つの闘いであるアニサマへの参戦は一つも叶わなかった。現地で直に感じられる熱量と圧は映像だと伝わりにくいかもしれないが、映像でしか伝わらない事もあったりするモノだ。

この四つのもう一つの闘いはどれも素晴らしいモノだ。
彼女達が駆けて来た軌跡の中で、アニサマでの闘いも欠く事の出来ない尊い出来事。購入ときちんと観る機会が遅くはなってしまったが、それがようやく叶い感じたインプレッションをこうして書く事が出来た。自分もまた…あの刻の七人の様に全てを出し尽くして書き残せたと思う。


さて、そろそろ筆を置く刻となりました。

最後に…もう一度あの言の葉を以て本稿を締めようと思う。


あの七人に負けた……本当に凄い七人だ。

 

 

 

 

 

 

今だからこそ突き刺さる『アンセム』としてのWUG楽曲10選。

 『アンセム』という言葉がある。

 

 

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 元々の意味としては、聖歌、讃美歌、頌歌、祝歌という意味があり、元々教会音楽の聖歌や賛美歌のことを指した楽曲。そこから応援歌や祝いの歌として使われるようになり、日本でも『誰もが知ってる歌』というニュアンスで使われるようになり、現在はアーティストの代表曲や盛り上がれる楽曲という意味合いで使われ広まった言葉だとされる。


 現在の情勢についてBlogで改めて触れる事はしませんが…
気分が沈みがちなこのご時世、モチベーションを上げる手段として楽曲を聴くという人は多い事でしょう。それは『アンセム』を聴くという事にも繋がっていく事の様に勝手ながら思えて来ます。

そして、自分の中の『アンセム』として数多く在るのが『Wake Up,Girls!』の楽曲陣。その中に於いて特に、心が戦ぎ、魂が爆ぜる様な楽曲10曲について書いていこうと思う。

選出にあたっては、独断と偏見交じりではあるのだけれども極力自分の趣味は排したつもりですが…
その辺りについては皆様の温かい目と寛大な心でもって受け止めていただけると嬉しく思います。

 


それでは、まずはこの楽曲から。

 

 

 


 少女交響曲

 

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 いっぱい悩んだ日々は けっして無駄じゃないから

 笑顔だけはチャージして 不安とぶつかる

 (You,Never never give up!)

 ―Wake Up,Girls!少女交響曲』より引用

 


 続・劇場版『Wake Up,Girls! 青春の影』の主題歌。
悲壮感、哀愁感漂うイントロから始まり、サビへ向けていくに従い未来への希望を表すかの様に明朗で激熱な曲調へ加速していく。勝手な主観と基準ではあるが、この底から進行していくに連れて盛り上がる構成というのは自分の中ではアンセムとして奇を衒わない王道といったモノなんです。

今の状況、前述に挙げたこの楽曲の詞にあるような不安と向き合いいっぱい悩んで考える事が多くなるのでしょう。幾ら考え抜き悩んでも全てが報われ好転する事はあり得ない事だが、だからといって考えて悩んだ事は無駄にはならない。自分はそう思いたいものであります。

 

 

 

 

 

 ・極上スマイル

 

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 シンドイ季節を知ってこその 笑顔 極上スマイル

 ―Wake Up,Girls! 『極上スマイル』より引用

 


 骨の髄まで徹底的に楽しいという感情が湧き出て来るアッパーソング。極めて上等な笑顔になれる…看板に偽り無し!というこの強気で攻める姿勢と言うか潔さが本当に清々しい楽曲。

 

 

 

 

 

 ・Into The Light/菊間夏夜(CV:奥野香耶)

 

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 どん底だって諦めたりはしないから

 根拠はなくたって 不思議と踏み出せるこの場所から

 ―菊間夏夜(CV:奥野香耶) 『Into The Light』より引用

 


 WUGキャラソン枠から菊間夏夜のソロ楽曲をチョイスしました。
今、それまで共に在った『当たり前』が一部失った状況にある。それは何度体験しても慣れるモノじゃない……私見の域だが、この楽曲は理不尽と無常に抗う『闘いの謳』。
この要素が感じ取られる楽曲というのは、自分が提言しておる『アンセム』の定義として見事に合致する要素なのである。

 

 

 

 


 Beyond the Bottom

 

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 それが戦いの合図としても 立ち止まらない だからひた走れ!走れ!

 ―Wake Up,Girls!Beyond the Bottom 』より引用

 


 最終決戦感を感じられる荘厳でありながらも、沸々と魂が燃え滾って来る衝動に駆られる闘いと生命の謳。この楽曲はこの七人にしか謳えないOne offの極みに在る楽曲。ライブで白一色に染まる心の光(サイリウムの光)は地球に落ちて来るア〇〇ズを押し返せそうな衝動にも駆られる。


 注:個人の感覚です

 

 

 

 

 

 ・言の葉青葉

 

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 青葉が散り 季節が移りゆく

 うしなうもの多い こころの奥で

 芽吹く朝を 信じて追いかけた

 ―Wake Up,Girls! 『言の葉青葉』より引用


 この楽曲は樹木(植物)の生命力の逞しさを謳った生命の謳。
樹木の葉が芽吹いて生い茂り、花を咲かせるという事は、当たり前の様であるが当たり前じゃない奇跡の刻でもある。ここまで挙げて来た楽曲とは異なり、しっとりとしていて盛り上がるというよりは、じっくりと沁み入る様に傾聴する楽曲。

植物は過酷な環境下に在っても、しっかりと大地に根を張って芽吹きの刻の訪れを必死に耐え忍んで闘っていて、それは今の自分達の状況と多分に重なり合っている。

先行きはまだ不透明。けど、いつの日か必ず訪れる芽吹きの未来の刻は必ず来る。そいつを信じて、耐え忍ぶ逞しさと樹木の生命力の強さを。自分も斯く在りたいと改めて魂に誓う。

 

 

 

 

 
 ・outlander rhapsody

 

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 ほんとは街にも魔物はいる

 複雑な表情で大人たちは笑う

 ―Wake Up,Girls! 『outlander rhapsody』より引用


 ユニット楽曲からはこの楽曲をチョイスさせてもらいました。
これは、ライブ(WUGファイナルツアー・パート2)でこの楽曲の演出が今の現状と重なる事が選考理由の決め手になりました。


*演出の詳細は以下のリンク記事を読んで下さい

 

akatonbo02.hatenablog.jp

 

akatonbo02.hatenablog.jp

 


これね……ライブ音源(WUGファイナルツアー・パート2のやつ)販売してくんねぇかなと切に願う。偉いOTONAの人お願いしますッ!!!!!!!

 

 

 

 


 ・解放区/青山吉能

 

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 未来はいつだって 無限の解放区

 ―青山吉能 『解放区』より引用


 ソロイベント楽曲枠からは、もうこの楽曲しかない。
青山さん自身の口からこの楽曲は応援歌であると断言されているので、アンセムの定義の一つとしてまごう事がないモノとなっておる。

雌伏の刻を耐え忍んだ者(青山さん)が反骨の魂と偽りない生き様を謳う。その歌声はまさに血が流れる魂の絶唱の域へと昇華する激熱で強い楽曲。

 

 

 

 


 ・さようならのパレード

 

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 願い続けていたい あの時約束したでしょう

 立ち向かう事 極上の笑顔でまた会いたいんだ

 ―Wake Up,Girls! 『さようならのパレード』より引用


 さようならという別離を指す言葉が曲題にあるが、この楽曲は単なる別離を謳う楽曲ではない。
未来の刻で再会を願う祈りの謳だと思っている。

前述に挙げた詞のパートでの振り付けだが、左胸を拳で叩き、指を差し出して空高く所作になっている。
七人のハート≒魂に在る気持ち……勝手な解釈だが、それは七人がWUGの一員として貫き通して来た諦めるな!という気持ちを示している様に思えてならないのである。

この楽曲は、発売されているSSAでのファイナルライブの映像、もしくはライブ音源を収録したライブ音源アルバムで聴いた方が、よりアンセムとして魂にぶっ刺さる様に思います。

 

 

 

 


 Polaris


 

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 ひと粒の瞬きがボクを導いていく

 ココロから憧れた世界 満天の星空になる日まで

 ―Wake Up,Girls!Polaris』より引用


 今の世情は、不安や苛立ちで息苦しく鬱積としている……
だが、この楽曲はサビに入る前は重たい歌詞が続くが、サビからは明るい歌詞に変化する。それは耐え忍びながらも未来の刻への希望を信じて待っている状況。

計器がまだ発明されていなかった古代の旅人は、夜空に輝く星の位置を手掛かりにして旅をしていたそうです。中でもPolaris北極星はほぼ動かずに定位置で輝き旅人を導く光となる。
僅かな瞬きなのかもしれないが、自棄を起こさずにその瞬きを愚直に信じて進む事が今は肝要なのではと思います。

 

 

 

 


 ・タチアガレ!

 

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 Stand Up! 明けない夜はないから

 明日の笑顔 信じるんだ

 ―Wake Up,Girls!『タチアガレ!』より引用


 
 立ち上がれと。単純明快だが力強いそのメッセージ。
Wake Up,Girls!というグループは逆境と不遇が常に付き纏っていた。だが、あの七人は決死に抗い闘い続け生き抜く事を諦めなかった。この楽曲はそんな彼女達七人の叩き上げの本気の想いと魂が存分に詰め込まれている。

ラストはやっぱりこの楽曲しかない。
WUG原初の楽曲であり、共に軌跡を駆けて来た『戦友』。そんなこの楽曲はまさにアンセムと称するに相応しい楽曲だと自分は思っておる。

 


 以上が今突き刺さるアンセムとしてのWUG楽曲10選になります。
本稿で挙げた10曲は自分の独断と偏見というエゴに塗れたモノ。これが絶対正しいと声を荒げて主張するつもりは微塵もありません。おそらく誰もが自分の中に『アンセム』論というモノがある事でしょう。

楽曲に抱いている想いは人それぞれ違うモノで尊い
同じ楽曲を聴き込んでいても、取り巻く状況やその刻での心情で楽曲は違う表情と深さを見せる。

自分は今回取り敢えず石をぶん投げてみました。その石を放置されても別に構いはしません。
もし叶うのであれば、その石、楽曲への想いをこちらにぶん投げ返してくれれば…本当に嬉しいものだと思えます。こんな状況だからこそ、何かを非難する手段として文字を綴るのではなく、好きという感情で満たされたモノを書き殴っていきたいものであります。

 

 

 今回も最後まで読んで下さりありがとうございました。

 

 

 

 

WUG&ランガをバスケのポジションで例えてみた。

 遥か大昔の事(三年ほど前)俺はこんな記事を書き殴った。

 

akatonbo02.hatenablog.jp


 WUG&ランガメンバーの個性をサッカーのポジションで例えたというモノである。
で……とある方とある刻サシ呑みした際にこの記事が話題になって、あるネタの雛形があの刻で俺の中でおぼろげに浮かびあがったんだ。今回の記事はそれを形にしたモノをこれから書き殴っていこうと思う。


ちなみに、本稿は著者が全力でふざけて書いたお遊び記事ですが、扱う事項に関してはクソ真面目に熟考と吟味を重ねていたりしたと予め言い訳しております。


WUG(Wake Up,Girls!)が七人。ランガ(Run Girls,Run!)が三人。総勢十人いる事になる。と、なると丁度5vs5の構図で成り立つ競技がある。


そう、バスケットボールであるッ!!!!!!!!!!


(他にもありそうだがww)


はい、そうです。本稿でこれから書き殴るのは
WUG&ランガメンバーをバスケのポジションで例えちゃいます。

勿論、彼女達が本気でバスケをプレーしたというモノじゃなく、個性のみをポジションの特性と照らし合わせ独断と偏見と妄想で勝手に選出したというヤツであります。

 


まず、チーム分けからやっていく事にするわね。

 

 

★Team East(東日本組)


岩手 奧野香耶さん(かやたん)

宮城 永野愛理さん(あいちゃん)

神奈川 田中美海さん(みにゃみ)

千葉 高木美佑さん(みゅー)

長野 厚木那奈美さん(あっちゃん)*著者の独断と偏見で東側に

 

 

☆Team West(西日本組)


静岡 林鼓子さん(はやまる) *著者の独断で西側に

京都 森嶋優花さん(もっちー

大阪 吉岡茉祐さん(まゆしぃ)

徳島 山下七海さん(ななみん)

熊本 青山吉能さん(よっぴー)

 

無事(?)滞りなくチーム編成が済んだところでいよいよ本題へ。
まずは、Team Eastのポジションを語っていく。

(注:以下、メンバーの名は愛称で書いていく事にする。)

 

 

ポイントガード(PG) みにゃみ 

シューティングガード(SG) かやたん 

スモールフォワード(SF) みゅー 

パワーフォワード(PF) あっちゃん 

センター(C) あいちゃん 

 

 ポイントガード(PG)にはみにゃみ。このポジションは『司令塔』と称される。
主に攻撃の組み立てを担うポジションで、空間認識能力と俯瞰的視野の鋭さが求められる。また、アウトサイドからのロングシュート(3ポイント)やドライブ(ドリブル)から得点を狙う役もこなさなくてはならない。その役割故、チームで最も器用な者が務めるとも言われる。

みにゃみの選出理由だが、この中で最も器用。彼女の場の雰囲気を読み取る能力と共演者を活かす立ち回り方、勿論個で輝く事も出来る。それは、まさにPGに求められる資質と非常に合致するのである。著者のみにゃみの所感だとパス主体のアシストでゲームメイクをしていくタイプのPGである。


 シューティングガード(SG)にはかやたん。
名前にシューティングとあるように、一番の役割はシュートで点を獲る所謂『点取り屋』のポジション。
シュートと一言でいっても色々なシュートがあり、SGにとって一番重要なシュートがロングレンジから放たれるスリーポイントシュート(3Pシュート)だ。勿論、インサイドでの得点感覚も求められる。

このポジションに彼女を選んだ要因は、彼女が持つ独自の世界観(領域)。かやたんの持つ魔性の佇まいはアウト・イン距離問わずとんでもないシュートをバシバシと決めていくイメージが最も相応しいと感じたからである。


 スモールフォワード(SF)にはみゅー。
役割としてはサッカーのフォワード(ストライカー)同様に、得点を獲る事が主な役割だが、オフェンス・ディフェンス問わず何でもできる汎用性=ユーティリティ性だと言われる。

まず、みゅーの個性に最も合致する要素が前述に挙げたユーティリティ性の高さであると思える。
思いっきりの良さで突っ走ったり、逆に一歩引いた場面で周りも見れる観察眼の鋭さ。
縦横無尽にコートを元気溌剌と駆け回る彼女の姿が思い浮かぶ様でもある。


 パワーフォワード(PF)にはあっちゃん。
バスケの中では一番地味なポジションとも言われるが、味方との連携が鍵になってくるポジション。味方を活かす為にスクリーンプレイをしたり、ボックスアウトをして味方にリバウンドを取らせる。時には3Pライン付近のアウトサイドまで出て、ボールを円滑に回すための役割を担うこともある。
その特性と彼女が持つ周りをカバーリングする能力の高さが最も合致するポジションだと感じる。

プレースタイルで例えると、彼女はディフェンス・カバーリング寄りの守備型PFのイメージ。


 センター(C)にはあいちゃん。
『大黒柱』とも呼ばれており、ポイントガードと同じくらい勝敗に関わる重要なポジション。
自分は彼女に対して精神的支柱、最後の砦というインプレッションを抱いてしまうのだ。
守備の要でもあるが、インサイド(ゴール下)では得点源にも成り得る。

(…どのポジションにも求められる素養でもあるが…)

ガード、フォワード陣の包囲網が崩されたとしても、彼女が最後にデンと控えているという安心感と信頼はあいちゃんにしか醸し出す事の出来ない要素ではないだろうか。

故に、このチームでのセンターは彼女以外あり得ないと思える。

 

★Team East総評

 攻守のキープレーヤー・オールラウンダー・司令塔の役割がハッキリしたバランスが取れてる割り振りだと感じる。ただし、オフェンスの要であるかやたんのモチベーションの限界突破次第で得点力にバラつきが出そうな不安要素はある。そこをPG・司令塔のみにゃみが他のメンバーをどう活かしていくかが鍵となるところではないだろうかと。

 


続いて、Team Westのポジション。


 
ポイントガード(PG) まゆしぃ 

シューティングガード(SG) ななみん 

スモールフォワード(SF) はやまる 

パワーフォワード(PF) もっちー 

センター(C) よっぴー 

 

 PGにはまゆしぃを選出。みにゃみとは違いドリブル突破で積極的に仕掛けていくスタイルを主体とするPG。PG専門と言うよりは何でも屋的なガードとフォワードのポジションを兼任するポイントフォワードとして捉えてみた。そして、奇を衒うパスではなく常に前に鋭く速いパスを出し攻撃陣を活性化し『攻め』と『闘う』意思をメンバーに伝える。


 SGにはななみんを選出。彼女独自のマイペースかつ飄々とした魅惑の領域がSGの求める要素と見事に合致しているのが理由である。アウトサイドから様々な軌道&常軌を逸した広すぎるシュートレンジの3Pシューターで尚且つ、ゾーンに入った時は手が付けられない程得点を量産する特性持ち。


 SFにはやまる。メンバー最年少と若い。そのエネルギッシュでアグレッシブな情熱でインサイドへと疾走して跳んでどんなパスにも食らい付き、強引にインサイドで仕掛ける攻撃編重タイプのSFといったイメージ。


 PFは、もっちー。あっちゃんとは違い攻撃特化のPFとして彼女を当てはめてみた。
彼女の持ち味とされる元気溌剌な部分は、インサイドを鬱陶しい程に駆け回りルーズボールを追い、そいつを得点へと結びつけてしまう。そして、身体を張れる献身的なプレーも出来る。


 Cは、当然この人、よっぴーである。選出理由はただ一つ。
雌伏の期間を耐え忍んで滾らせ続けた反骨の魂。即ち、諦めの悪さだ。その諦めの悪さで彼女は何度でもリバウンドに跳び身体を張って攻守で躍動する。その様は不器用ではあるが彼女の闘う姿勢と魂はチームメイトの闘う魂をも鼓舞し燃え滾らせるだろう。

 

 ☆Team West総評

 この編成を見て感じたのは、チームバランスなんざ関係なく幾ら失点しようが倍返ししてやると言ったラン&ガンスタイル。上手く波がハマった時の爆発力はTeam Eastを凌ぐ手の付けられなさで爽快感は抜群に凄いモノだろう。

 

 

 

 まとめ


 おっさんの独断と偏見と妄想に塗れた駄文、いかがでしたか?
四月になったとは言え朝はまだ寒い日がありますが、今の自分は季節のそれとはまた違った寒さで身体が凍えたところで筆を置きます…

まぁ、こうしてまた見事にやらかし、布団を被って戦々恐々しつつ明日の朝日を無事拝める様に祈りながら大人しくする事と致します。

記事を書くにあたり、自分なりにいろいろと調べて書いたつもりではありますが見当違いな部分は多々あるとは思います。
それに関しては寛大な視点で捉えていただけると嬉しく思います。

ただ、暗く面白くない報と状況が未だ続く中に於いて……
暴言という呪詛の言を吐き散らかすよりは、こういった妄想全開の記事書いて発散していく方が何か健全だと勝手ながら思えてしまいます。

 

 最後になりますが、質問や所感、こんなテイストの記事を書いて欲しいリクエストがございましたら、当Blogのコメントや自分のTwitterアカウント
あかとんぼ弐号 (@Akatonbo02)までお気軽にどうぞ。

 

 

WUG楽曲 ライナーノーツ #34 sweet sweet place

 2017年の4月から粛々と書き殴って来た
『WUG楽曲ライナーノーツシリーズ』今回で完結となります。


今回書き殴る楽曲の事だが……
この楽曲の存在が明るみになった頃、何時の日か聴ける事を心待ちにしていた。
そして、刻が巡ってようやくその機会が叶った。

そんな楽曲の事について書けるのは勿論嬉しいモノでもあるが、同時に戦々恐々しているところもある。
あるかないか分からん自分の文章力でこの楽曲の事をどれだけ書き記せるかは未知数だが、自分の中でこれまでいろいろ好き勝手に書き殴って来る過程で培ってきたモノがあると信じてこの楽曲に向き合い感じたモノを出し尽くしてこのライナーノーツシリーズの締めとしたい。

 

 

 

 sweet sweet place/吉岡茉祐

 

 2017年、2018年のWUGソロイベントに際して制作されたソロ楽曲を収録した、ダウンロード配信にて発売されたアルバム『Wake Up, Girls!Solo Collection -7 Stars-』に収録されていてこのアルバムを締める最終楽章でもある。
吉岡さんが歌う2018年のソロイベ楽曲『GloriA』と同じく、作詞は吉岡さん自身、作曲は渡辺翔さん、編曲はオダクラユウさんが担当されている。


 この楽曲の存在が明るみとなったのは、2018年のWUGソロイベント。
吉岡さんのプロデュース公演として、3月11日に福島県郡山市のライブでサプライズで初披露。
その後は、彼女の出身地である大阪で開催されたライブイベントとWUGのファイナルツアー(Part2・3)での披露のみ。

ライブに参戦された人は勿論、参戦の叶わなかった人もこの楽曲の音源化は望むべき案件であった。その最中、Wake Up,Girls!解散があって…この楽曲の音源化は叶わないモノだと感じて落胆しただろう……そんな折、ソロイベ楽曲の一般販売とこの楽曲の音源化の報を知った時は本当に嬉しく心爆ぜる想いだった。

 まず『sweet sweet place』を初聴したファーストインプレッションは
『GloriA』の系譜を準えるロックテイストな曲調という骨組みは継承されている。無骨で荒々しく獰猛と称するに相応しい攻撃的で、己の剣(≒才)で栄光を勝ち取る想いと誓いを謳う『GloriA』とは違った明瞭で疾走感溢れるベクトルに仕上げた楽曲。

その違うベクトルだが、吉岡さんの歌声から感じられる『熱』の質だと自分は感じている。
前述でも書いたが、『GloriA』での彼女の歌声の『熱』は荒々しく燃え滾って爆ぜる様な熱を発している。

それに対して、この楽曲での彼女の歌声の『熱』だが力強い熱さは変わらないものの、纏わりついて包み込むような温かさを同時に感じられるのだ。それは彼女が未来への刻への想い馳せている心情を力強く晴れやかなボーカルに乗せ、絶唱の域へと昇華させているのだと痛烈に思い知らせれたが……
でも、吉岡茉祐絶唱は堪らなく素晴らしいモノなんだ。

 

 曲題である『sweet sweet place』。直訳すれば『甘い場』となるが、sweetの俗語(スラング)では素晴らしいという意味でも訳される。あくまでもこの解釈は俺の完全な私見であるという前提で書いていくのだけれども……素晴らしい場という意味が込められて付けられたのだと勝手に思っておる次第である。


その『素晴らしい場』……これは二つの解釈があると思っている。


 まず、一つ目の解釈だが……これはこの楽曲がライブで歌われた場であると思われる。
『sweet sweet place』が過去に歌われたのは、吉岡さんの故郷である大阪と彼女が第二の故郷と称している東北(福島)だけ。吉岡さんが抱いている故郷への望郷の念を彼女は福島でのソロイベ公演を終えて綴ったBlogにこう書かれている。


 何かの縁で繋がり、訪れた地が、本当のふるさとじゃなくても、また帰ってきたいと思える場所になっていたり…

楽しかったライブを思い返して、またライブに来たいと思ってもらえるなら、どんなに嬉しいだろうかと、考えながらかきました。


 ―Wake Up,Girls! official blog 三月は毎年ドタバタしてます@まゆより引用


 生まれ育った大阪への望郷の念は勿論、『Wake Up,Girls!』の一員として縁が繋がった未知だった東北の地への想い。そして、彼女の想いと魂を伝えられるライブという場と刻。これも彼女が抱く故郷の一つとして捉えても良いのだろう。詞にある『ありがとう』『おかえり』『僕』『君』は彼女の想いを詰め込み、繋がるという事へのアンサーである言の葉なのだろう。


 で、二つ目の解釈は……当たり前という奇跡への感謝の念。
これこそが吉岡さんがこの楽曲だけではなく、ソロ楽曲『てがみ』や『GloriA』からの貫いてきた真に伝えたいメッセージだと勝手に感じている。

『sweet sweet place』が初めて披露された刻と場は、2018年3月11日の東北・福島の地。
この場で改めては書かないが、この日は東北の地が歴史に残る災害に遭い、当たり前の事や当たり前にいる人が理不尽に奪われた日……この日と場で歌うからこそこれまでに貫いて来た当たり前という”奇跡“に感謝と尊ぶ想いと魂を楽曲に込めて謳った。


 断然 今日は君の中のほんの一部だってさ

 当たり前 でも 当たり前じゃない

 きっともう一回が明日を連れてきてくれるなら

 once again また会えるね 『おかえり』


 ―吉岡茉祐 『sweet sweet place』より引用


 ここの節々が『てがみ』、『GloriA』から繋がる系譜の締めとなり、この楽曲の要であると思っている。
未知の繋がりという『縁』も彼女にとっては当たり前となり、これも様々な積み重ねによる奇跡だと思えてしまう。


そして、繋がりといえば彼女と魂を共有している島田真夢との縁。


真夢との繋がりもまた、吉岡さんの中に於いて当たり前の事へと昇華しているし真夢の存在は無視出来ない。これもまた刻の積み重ねによる奇跡ではないだろうか。完全ではないが真夢との繋がりは一旦途切れる事(WUG解散)をおそらくこの楽曲が作られた時期に吉岡さんは知っていたかあるいは決断していたと推察するならば、島田真夢という存在へ巡り逢えたという奇跡への感謝もおそらく込められていて…『sweet』と二回綴っているのは吉岡茉祐と島田真夢互いの存在を素晴らしき存在である事への喩えなのではとも思える。

いつか、刻を経て吉岡さんと真夢は再会するかもしれない。
もう一度また会って互いに『おかえり』と語り合う…二人の”マユ“が再び巡り合う場もまた素晴らしき場…『sweet sweet place』なのだと思えてもくる。


そんな未来の刻の奇跡が来る事を信じてもいいんじゃないかと。


 ラストの詞『sweet sweet place』と謳う吉岡さんの優しげな歌声は、言の葉を尊ぶ様で、また慈しんで当たり前という奇跡へ、巡り逢いへの縁、故郷への想いへの感謝……

 


このラストフレーズに表現者吉岡茉祐の本気が詰まっている。