巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

RGR楽曲ライナーノーツ#1 カケル×カケル

 おそらく、これは丁度いいタイミングなのかもしれない。
そう自分の本能へと訴えかけるモノがあった。これは何かの思し召しなのだろう。

だが、ここに踏み込むと後戻りは出来ないし本当に大変なのは重々承知している。でも、書きたいッ!!!という想いと欲求が日々増してきているのも感じてたんだ。時間はかかってしまう。しんどいのも経験している。でも書いていきたい。あの三人に巡り逢えた縁の奇跡と魂を掴まれた者としてコイツに挑むべきなのだと。

 

 …

 

 ……

 

 ………

 

 と、何かゴチャゴチャと前置きを書きましたが新しい連載企画……


 『RGR楽曲私的ライナーノーツシリーズ』を勝手に始めさせていただきます!!!


これから書いていく事は個人的な解釈が入って来ますので、間違った解釈である可能性が非常に高いという事を先に言っておきます。読んで下さる方はそれも考察の一つの形として好意的に捉えていただくとありがたく思います。


それでは、記念すべき第一回目はこの楽曲について語っていきます。

 

 


 カケル×カケル

 

 

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 『Run Girls,Run!』に与えられた原初…始まりの楽曲にして、アンセムソング。
三人のデビュー作になったテレビアニメ『Wake Up, Girls! 新章』第13話(最終回)の挿入歌として使用され、『Wake Up,Girls!』のベストアルバム『Wake Up, Best!3』に収録され、先日リリースされた『Run Girls,Run!』1stアルバム『Run Girls,World!』 にも収録されている。

この楽曲については、以前自分が書いた『WUG楽曲ライナーノーツシリーズ』でも書いたが、今回書いていく軸としていくのは現実のRGRに比重を置き書いていく。

 

akatonbo02.hatenablog.jp

 


 楽曲の世界観の要となっていると自分が捉えたのは、未知の領域や憧れへの不安と希望を抱きつつ懸け出す決意。詞にある『故郷』『子供時代』『列車の窓』『記憶』は自分の解釈を裏付けするワードだと思っている。

RGRメンバーは三人とも東京以外の出身であり、それぞれが抱く夢の為に上京して来た境遇と綴られた詞が重なりあう。オーディションという門を叩いて挑み見事に勝ち上がって夢の扉を抉じ開けた三人。希望に胸弾ませたのだろうがおそらくは突き付けられた現実に徹底的にきっちりと打ちのめされた事の方が多かっただろう。それは、現在もそうなのかもしれなくて彼女達は痛感し吹き荒ぶ逆風の中にいるのだろう。


 けど、三人はこう謳う。


 進むんだ 怖くないなんて嘘は言わないよ

 立ち向かえる『だって』だって ちゃんとわかってる

 あきらめるほうが ずっと苦しいのなら

 駆けるよ カケル 駆けるんだ

 だって だって 追いかけたいんだ

 ―Run Girls,Run! 『カケル×カケル』より引用

 

 未知の領域へと踏み込むのは誰しもが不安に思うし怖いモノ。
だが、三人が最も恐れて怯むのは完全に止まってしまい踏み出せなくなってしまう事なのだと。

RGR初のライブツアーのタイトル『止まってなんかいられない』
この言葉を発案したのは、リーダーの森嶋優花さん。
1stツアーのオープニングアクトでもこの楽曲は歌われ、1stアルバムの最初の一曲目にもこの楽曲を据えた。その事実から勝手に推測してしまうと……大切な始まりの楽曲であり、なくてはならない存在。ユニット名にもある走る事に関連した語句ではなく、止まらないという事こそが三人の魂の根底にある『Run Girls,Run!』としてのアイデンティティなのだと思えてしまうのだ。


 軽妙でいて疾走感溢れるロックテイストの曲調が、未知の領域へ踏み出す不安を振り払って力強く一歩踏み出し駆けていく様子が想像できる。そして、絶対に止まらない!という三人の強い意志…別の表現だと、この世界で生き残ろうとする本能にも感じられる。それを強烈に思い知らされるのが林さん、森嶋さん、厚木さんのエネルギッシュで溌剌とした歌声がこの楽曲に加速的要素を加味させて楽曲に血と魂を宿らせる。

 


 小さな存在だって ここから始める

 自分なりに決めたんだ ダッシュすることを

 止まらない あきらめるほうが ずっと苦しいのなら

 駆けるよ カケル 駆けるんだ

 だってだって 追いかけたいんだ

 ―Run Girls,Run! 『カケル×カケル』より引用

 

 

 自分は、ラストフレーズとなっているこの節々がこの楽曲の要となるモノと解釈している。
三人はまだ自分たちが小さく弱い存在である事を自覚してそこから目を背けずに日々を闘っているのだと。何度彼女達が止められても、道が無ければ別の道を探し出してまた走り出す。そんな三人の気概を感じられる想いに満ちたフレーズではないだろうか。

『カケル×カケル』は疾走するというフレーズに繋がり、詞にもある『駆ける』という意味があるのだろう。でも、自分は……彼女達にあてがわれたそれぞれの色の翼で羽ばたいて『翔ける』という意味と、覚悟をもって臨む意味の『懸ける』でもある様に思えてならない。

後戻りはしない。また止まった地点から再び走り出せばいい。
『Run Girls,Run!』の叩き上げの想いと魂、生き様を強烈に感じるこの"闘い"の楽曲は、冒頭にも書いたが自分が勝手に抱いている『アンセムとしての定義を見事に満たすモノだと言える。

 

 

 世間では今も尚コロナウイルスの猛威に在る状況。それによって様々なイベントが中止になっております。三月のホワイトデーイベント、森嶋優花さんや林鼓子さんのバースディイベントも中止になってしまった。

三人の歌い踊る姿を直に観れないのは寂しい。おそらく三人もそれは同じ心情だと思う。

 でも、彼女達はただ嘆いて止まっちゃいない。必ず来る想いと魂を思う存分爆発させるステージで三人が躍動するその刻が来る日を待ち望んで備えているはずだろう。

今度また、ライブにて『カケル×カケル』を聴く刻で観る彼女達はおそらくはこれまでとは比べ様がない程に成長を遂げた個のチカラを魅せ付けてくれるのだろう。

 


 その刻が一刻も早く叶う事を信じて筆を置くことにする。