巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

アイプラ楽曲ライナーノーツ #6 星の海の記憶

 

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 星の海の記憶/長瀬麻奈(CV:神田沙也加)


 『First Step』のカップリング楽曲。アルバム『IDOLY PRIDE Collection Album [奇跡]』にも収録されている。こちらの楽曲も『First Step』と並び称される長瀬麻奈を象徴する一曲。
麻奈の過去を描くコミカライズ作品『IDOLY PRIDE Beginning of Lodestar』にて描かれた星見まつりでのLIVEで歌われた楽曲。作中では、麻奈が作詞を担当したとの事。(現実の方は、やしきん氏が作詞・作曲を担当されている)


ちなみに、この星見まつりにて、麻奈(…ついでに牧野も)と川咲さくらがエンカウントしている描写がある。(麻奈の素性はバレなかったが)この両者の縁はこの頃から始まった……というのは何とも言えないモノを感じさせる。

で……この野外LIVE。大雨が降りしきって中止になりかけていたが、ライブ開催を諦めきれないファンの声を麻奈が聞きつけてステージに上がり歌うと、雨が止んで満点の星空に変化していく。この奇跡を呼び寄せた麻奈は『星降る奇跡』と以降称される事になった。


 そして、こちらの楽曲もカバーバージョンが存在していて、妹である長瀬琴乃(CV:橘 美來)と麻奈の最大のライバルと称された神崎莉央(CV:戸松 遥)によるデュエット曲莉央&琴乃ver.となって、アルバム『IDOLY PRIDE Collection Album [約束]』に収録されている。本稿では、こちらのバージョンも併せて語っていこうと思う。


 楽曲の総合的なインプレッションとして抱いたのは、『First Step』の系譜に連なっている正統派かつ王道的な、The・アイドルソングというモノでもあり、物語上でこの楽曲の作詞を麻奈が担当したという特性もあって、アニソン&キャラクターソングという面も持つ、それに……郷愁(故郷と過去の刻)の念も含まれた楽曲という解釈も成り立つと考えられる。

楽曲のタイトルにある星の海とは、星空の事を直に指す意味でもあるし、麻奈の出身地でもある星見市の海の事でもある。詞に綴られたいくつかのワードは、空だったり海に関する言葉があるので、麻奈は出身地への想いを記憶として詞にしたためたのだろう。メロディにちょっとしたノスタルジー要素を感じるのは、そうした郷愁の念があるからなのかもしれない。

前述においてこの楽曲は、長瀬麻奈のキャラクターソングという面もあると述べたが、『星』というのは麻奈のシンボルとされるモノでもあったりする。究極的に言うと、この楽曲は長瀬麻奈の記憶を謳う楽曲。季節が巡って刻がどれだけ経っても、魂の根底に抱く想いは何も変わらないと。


 莉央と琴乃が歌う莉央&琴乃ver.では、星の海=麻奈への想いが顕著に表れた楽曲へと仕上がっている。こちらは、彼女達が長瀬麻奈への記憶と想いを謳っていると言うべきか。
莉央や琴乃にとっても麻奈は光輝く星でもあった。そんな因縁深い彼女達がこの楽曲に新しい血を流して謳う。

共に、長瀬麻奈の幻影に囚われ、いろんな想いを抱え麻奈の幻影の先へ踏み出す答えを導き出せた莉央と琴乃にしか謳えないから、こちらのバージョンも何とも言い難い感動が溢れて来るのだと。