巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

アイプラ楽曲ライナーノーツ #7 月下儚美

 

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 月下儚美/月のテンペスト

 

 読み仮名は『げっかはかなび』

 

星見プロダクションに所属する、長瀬琴乃(CV:橘美來)をリーダーとして、伊吹渚(CV:夏目ここな)・白石沙季(CV:宮沢小春)・成宮すず(CV:相川奏多)・早坂芽衣(CV:日向もか)の五名で結成されたグループ『月のテンペスト』のデビュー楽曲。

アニメ版では、デビューLIVEを描いた第6話と、『NEXT VENUSグランプリ』の決勝を描いた12話(最終話)の挿入歌。そして、ゲーム版の方にも実装されている。


因みに……月下儚美の美の字は火ではないので注意されたし。

 


 公式による言及が今の所発信されていない為、完全な妄想&推測の域にて恐縮だが……曲題のモチーフになったと思われるのは、月明かりの下で咲く逸話を持つ花『月下美人』と花言葉の一つにある『儚い美』から付けられたのが理にかなっている様に感じる。

ピアノとストリングスが奏でるクールで凛とした雰囲気を醸し出す神秘的な『静』の要素と、サビで秘めた激情が爆ぜる『動』の要素が、分かりやすいメリハリをつけて聴かせてくるので、ノリやすい特性もありながら沁み入る様に聴き込ませられる楽曲。すなわち、この楽曲の構造は、『月のテンペスト』が理想とする『WHAT IS “IDOL”?』の答えなのかもしれない。


 この楽曲の詞において『要』になっているのは、『花』と『君』という語句だと思っている。
この二つの語句は五人そのもの(花)であり、それぞれの魂が拠り所になっている存在(君)の比喩でもある。

琴乃は、最愛の姉である麻奈への想いを。渚は親友である琴乃への想い。沙季は幼い頃から抱くアイドルと最愛の妹である千紗への想い。すずは崇拝の域にいる麻奈への想い。芽衣はキラキラしていた存在である怜への想いを。この辺りについての詳しいモノは、各キャラクターの独自考察記事にて触れているので本稿にて言及は避けますが。

そして、五人がそれぞれ互いに想い合う事にも結び付くと。それぞれの輝きを受ける事によって、各々がちゃんと輝ける。この要素もまた、月スト楽曲の系譜として後に続く楽曲の要になるモノである。


 夜闇に輝く月のように静謐な存在感と、嵐のような激しい闘志を持つ五人組。
どこか儚さを感じさせる楽曲と、パワフルなダンスパフォーマンスが存在感を放つというのが、『月のテンペスト』というグループの概念。
 
それと、アイドルとして輝く事と咲かせる事の意味を知った、琴乃・渚・沙季・すず・芽衣の叩き上げの偽らざる魂。それらをこの楽曲に余すところなく集約された楽曲。



 リアルのLIVEにおいて『月のテンペスト』が出演する際には、必ず歌われると言ってもいいマストになる楽曲であり、同グループを象徴するアイコン・ソングとしての存在感がある。自分が『月ストの楽曲と言えば?』と訊かれた時、真っ先に答える楽曲。この楽曲が自分にもたらした衝撃がそれを物語っていると言っても過言ではない。