巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

月と太陽が再び交わる刻と場ーIDOLY PRIDE Zepp Tour 星々と in Haneda 参戦レポ・前編(昼公演)

 1月21日。Zepp Hanedaにて開催された『IDOLY PRIDE Zepp Tour 星々と in Haneda』昼夜公演に参戦して来た。

 


ちなみに、今年初の現場参戦となったLIVEでもあります。数はそう多くはないだろうが、いろいろな現場へ参戦して感じたインプレッションを今年も書き殴っていければと思う。今回は前編と称させていただき、昼の部のレポという形となっております。


 昨年の12/24のサニピ札幌公演を皮切りに出発したTourは、年が明けて1/7のサニピ名古屋公演、1/8の月スト大阪公演、1/14の月スト福岡公演を経て、1/21の東京。羽田公演にて終着を迎えた。

今回のLIVEは、これまでの様な単独公演というスタイルではなく、『IDOLY PRIDE』にとっては初となる全国を巡るTour。そして、このHanedaはそのTourのFINALとなる地。ただし、自分はここまでの旅路で彼女達の戦いは観れていない者。伝聞でおぼろげながら知ってはいたものの、実際にその地と刻で体感したインプレッションとの差はどうしても埋められないのだ。

このTourは言わば未知への挑戦であり、月ストとサニピの子達にとって避けて通る事の出来ない戦いでもある。その旅路を駆け巡る中で、月ストとサニピが何を見て感じて、パフォーマンスに本気の想いとPRIDEを懸けて『今』の全身全霊を証明出来るか。

Tourの全てを観てない者の負け惜しみと捉えられるかもしれないが…旅の終焉の地で、そいつを証明出来なかったらこのTourは失敗だと俺は勝手に思っておる。

 旅の終焉で何が待っているのか?我々に何を魅せてくれるのか?その答えを求めて、俺はZepp Hanedaへと向かった。このレポはそんなおっさんの戦いの記憶である。

 

 


 1.Question/月のテンペスト


 開演し、Overtureが鳴り終わり、ステージには五人のシルエットが視認出来た。そして……そのイントロでいきなり腰が抜けそうになった。この楽曲をオープニングアクトに持って来るのかッ!と。
 
脳ミソが一旦落ち着けと指令を発しておるが、そんな事はお構いなしとばかりにステージが照明で照らされて、今回のTourでお披露目になった新衣裳を纏った月のテンペストの五人である、橘美來さん、夏目ここなさん、宮沢小春さん、相川奏多さん、日向もかさんの姿がハッキリと見えた。

脳ミソが混乱状態から回復しておらんのに、視覚に武力介入して来る月ストが本当にクッソ可愛くてねぇ…(語彙力の崩壊…)余計に脳ミソが混乱を深めてしまった。オープニングアクトでいきなりコレだ……このLIVEはとんでもねぇLIVEになると根拠の無い予感を抱いたのは言うまでも無かった。まあ、俺の中で彼女達ミューレ3期生に対する思い入れがここ最近強くなっているってのも要因だったりする。

 で、その混乱の要因になったのは、この楽曲が月ストの新境地となるテイストによるモノ。月スト楽曲の持ち曲のテイストは、スタイリッシュで格好良い系統のモノが多い。ところがこの『Question』という楽曲は、どこか落ち着き沁み入る感じというのが、音源を聴いた時のファーストインプレッションだった。

前述した様に、月ストの楽曲はスタイリッシュで観客と会場の雰囲気の火付けに適した楽曲は多い。大阪と福岡のオープニングアクトは、月ストのアイコンソングである『月下儚美』だったそうな。

このチョイスは、いわば月ストの賭けと言ってもいいだろう。散々この怪文書Blogの参戦レポでも書いて来たが、オープニングアクトの楽曲でコケると非常にシャレにならん状況に陥ってしまう危険性がある。だからこそ盛り上がれると確信出来る楽曲をチョイスする事が多いと勝手に思っている。

ただ、この楽曲もTourで謳って来た楽曲。その旅で彼女達はおそらく何か手応えを掴んでいたのかもしれない。その答えが合っているモノと確信して未知の挑戦に賭けた。

 あくまでもコレを見た俺のインプレッションであるのだけれども……この賭けに月ストの五人は見事に勝った。盛り上げて火をきっちり焚き付けるのが、オープニングアクトで遂行しなければならないミッション。それと同じく重要なのが、いかに観客を驚愕させて創造した雰囲気に観客の魂を没入させ、『もっと魅せ付けてくれ!』と捕らえて離さない事が出来るか。月ストが挑んで賭けたのは後者の方だ。

 これまでとは違うアプローチで魅せ付ける。そして、私達にだってそれが出来る!
この楽曲の落ち着いて沁み入るテイストとは違い、滾る様な熱い魂とPRIDEを月ストは歌声とダンスパフォーマンスに乗せて解き放っていた。勿論、最高のオープニングアクトになったのは言うまでも無かった。

 

 

 2.Daytime Moon/月のテンペスト


 イントロが響くと同時に、轟いたコールの渦の勢いに思わず圧倒される。この楽曲、こんなに盛り上がるモノだったか?と。おそらくこの楽曲の進化もこのTourで得られた賜物。

軽妙な曲調で可愛らしさを押し出しているテイストで、これまた月スト楽曲では異彩を放っている。そんな楽曲が今回のLIVEで新たに刻み込まれたインプレッションは滾る熱と興奮だった。コレも、月ストの成長がもたらした要素でもあり、観客の声援が加わった事によるモノだと言っても過言じゃない。

確か、最後にLIVEでこの楽曲を自分が聴いたのが昨年の2月の『未来』だった。その刻では、声出し解禁だったけどここまで盛り上がらなかったと記憶している。でも、今回はそうならなかった。ちなみに、この楽曲は、サニピもカバーしており札幌公演で謳ったと聞く。更に言えば、月ストも大阪や福岡にて謳っている。歌い継ぐ事で楽曲は成長していくモノ。

 前述した様に、観客の声援がバフとなっている事が進化の要因ではあるんだけども、観客の興奮を引き出させる要因になるのは演者のパフォーマンス在りきだ。五人は、謳って踊れる事を心底楽しんでいるのが強烈にステージ上から伝わって来た。その姿に魂が揺さぶられないワケがない。

いい意味での余裕や遊び心が五人の中に出来ているのだろうな。それがまたこのアクトのパフォーマンスを更に彩って引き立たせていく。煽って盛り上げたり、キュートに魅せて撃ち抜く決め所はきっちりと外さずにキメる。彼女達も観客が返してくれる声援のリアクションに懸命に応える。

こちらが彼女達のパフォーマンスに魅せられ興奮して燃え滾っているのと同様に、声援という分かり易いモノが彼女達のテンションを昂らせている様に思える。想いと魂の相互循環ってヤツだ。

 その領域まで『Daytime Moon』という楽曲を進化させた。それだけの強さと逞しさを月ストは魅せ付けた。

 

 

 3.裏と表/月のテンペスト


 意外性の変化球連続で攻めて来た所で差し込まれた直球。しかも、月ストの『戦いの謳』であり『アンセムを持って来た。スリリングなイントロから始まり、月ストのFantasista・相川奏多のキレと冴えのある明瞭な歌声による歌い出しで戦いの火蓋を切る。一瞬で茫漠な熱気が渦巻く雰囲気へ変化させていった。

話が一旦飛ぶが……相川奏多=Fantasista論については、ここでの詳細な言及は避けさせてもらう。何故なら、それで記事が一つ書けてしまうので。ここでは多芸多才と言う意味で捉えて下さい。

 話を戻しまして……この異様な熱気に呑まれたら一瞬で殺られる……俺の生存本能と闘争本能にも火入れが完了していた。この変態楽曲の一番とんでもねぇ所は、橘さん、夏目さん、宮沢さん、相川さん、日向さんが、剥き出しの殺気でもって観客の魂ごとぶん殴ってくるエモーショナルの暴力で制圧に来る事だ。受け止めるこちらも五人の本気に退かないで真っ向から戦わなきゃならない。

暴れ狂うメロディ、それに一切引けを取らない五人の力強さとエロ艶やかさが共存した歌声とダンスが視覚と聴覚に容赦無く武力介入して来る。その暴力に抗う為、ビートの鼓動に身を委ねて激しくヘッドバンキングし、声を張り上げて吠える。そこまでHIGHにならんと、あの五人と楽曲に焼き尽くされてタダの燃え尽きた灰になってしまうのだ。

 でも……この理不尽なモノを求めていたし、感じたかったんだって。何かいろいろと己の魂に渦巻いてる鬱積としたあらゆる負の要素を忘れて、ただただ思いっきりブチ上がりたかった。それは、月ストの五人…いや、琴乃達も同様だったのかもしれない。それはこの楽曲が彼女達の『今』を色濃く証明しているからに他ならない。

届けたい本気の想いとPRIDE。このままならない世界で何が何でも生き残ってやるという執念が、この楽曲に新しい血を流していった。月のテンペストの生き様と覚悟を証明した文句の付けようが無い最高のアクトだった。

 

 

 4.EVERYDAY! SUNNYDAY!/サニーピース


 月ストのターンが終わって、登場して来たのは…サニーピースの面々。
どの楽曲を初手に持って来るのか?と期待に胸躍らせる所へ……サニピの『アンセム』の系譜であるこの楽曲のイントロが響き渡った。

おいおい……こういう繋げ方は、オタクのプレイリストでよくやるヤツぢゃねぇか!ともう乾いた笑いしか出て来なかった。『裏と表』でKnockout寸前なLIFEゲージが真っ赤で数ミリの瀕死状態な所で、サニピのアンセムを叩き込む。もうOverkillですよ。可愛い顔してやって来る事が非常にエグいwwwww

 ただ、大人しくくたばっておる場合ぢゃねぇのよ。サニピのターンへ移行したという事は、もうぶち上がる楽曲しかやらないという宣告なのだ。まあ、無理して盛り上がる必要は無いんぢゃないの?と言う声もあるだろうが……残念な事に、俺の脳ミソと身体はそういう風には出来ておらんのだ。

この楽曲はサニピの五人が過去に抱いていた負の感情を振り払って、未来への希望へと変換させていく事がテーマになっている。明朗快活な楽曲のテイストではあるけれど、どこか叩き上げの魂も感じられる。過去の闇までも照らしてやろうというある種の意地みたいなモノがそういうインプレッションへ繋がったのかもしれない。

 サニピの五人に共通していたのは、絶対に諦めないという執念だと勝手に思っている。生への執念でもいい。雌伏の刻を過ごしてもアイドルを諦めなかった遙子。大好きなダンスを続ける事を諦めなかった怜。一度は断たれたがそれでもアイドルへの軌跡を諦めなかった千紗。嗤われながらもアイドルになる事を諦めなかった雫。病に侵されながらも生きる事を諦めなかったさくら。

そんなキャラ側の想いとPRIDEを、ステージ上のキャスト側のサニピはパフォーマンスに込めた。川咲さくらと菅野真衣の魂、一ノ瀬怜と結城萌子の魂、佐伯遙子と佐々木奈緒の魂。白石千紗と高尾奏音の魂。兵藤雫と首藤志奈の魂。キャラクターと演者という境界は、あのステージ上では存在しなくて、魂がシンクロしていた。……コイツは何を言ってやがると思われるだろうが、俺の残念仕様の脳ミソと感覚はそう受け取って解釈してしまった。

 月ストにも意地と覚悟がある様に、サニピにも当然意地はあった。明確な勝負ではないが退けないし譲れないPRIDEをもって戦う。そんな彼女達が謳う楽曲とパフォーマンスが弱いワケが無いんです。サニピの『アンセムたる所以を徹底的にきっちりと叩き込まれた。

 

 

 5.SUNNY PEACE for You and Me!/サニーピース


 『アンセム』の系譜で繋げていくのは南極条約に違反しておるのをこの子達は知らんのか?!とwww(当たり前だがんなモノは無い)言いたくなるがそんな事を言っておる場合ぢゃ無い。しかもこの楽曲は決戦仕様のとんでもねぇ楽曲だ。

曲タイトルが示している様に、この楽曲はサニピと観客が一つになるという想いと魂の相互循環が主軸になっている楽曲。サニピの軌跡と照らし合わせる様に今回のTourの工程をどこか懐かしむように叙情的な『静』の雰囲気で謳っていってる様な……

自分は、その旅の終着点で待っていた奴だが…何か一緒に巡って来た様な錯覚に陥っていた。誰も置いてけぼりにはしないというサニピの気遣いなのかもしれない。

そして、Bメロからサビ前にかけてこの楽曲は『動』の雰囲気へと表情を変えていき…サビで一気に解放される激情!!!!!サニピの本気に我々の本気で応えるあの箇所で、この楽曲の最大のキメ所。ここからは一切の遠慮はいらない。理性と言う名のリミッターを完全開放して思いっきり吠えた。

 サニピと観客の本気のぶつかり合いは、もの凄い熱量へ昇華した。昨年の『未来』で観客の声援というラストピースが一分の隙間なくガッチリとハマって、この楽曲に血が流れたあの刻以上の熱の滾り様だった。ただ、直近の札幌と名古屋は参戦してないので比較対象にはならんだろうが…一つ確実に言える事は、サニピの『10人』はこのアンセムの限界領域をこのTourで突破させたのだ。

それは、会場の熱気と観客の爆ぜた感情が何よりの証明ではないだろうか。でも、コレが最高到達点じゃない。彼女達がもっと強くなればなるにつれて、このアンセムもまた進化を遂げるのだと。

 

 

 6.Hi5でピースサイン!/サニーピース


 アンセムのみでここまで繋ぐ力業。今のサニピにはそれを可能にするだけの楽曲と謳えるだけのメンバーのチカラがある。月ストと同じ攻め方はしないという所に、サニピの意地とPRIDEが垣間見えた。新たな始まりを迎えサニピのNext journey(次の旅)を彩っていく。

LIVEバージョンでしか流れない特殊イントロ。初めて聴いた夏の幕張ではただ驚愕して何も出来んかったが…今は違う。彼女達に『一緒に歌って!』と促されずとも自然と『Woo Woo Woo♪』と声が出て歌える。

 爽快で明朗な雰囲気はそのままで、そこに力強さが加味され聴いてて心地が良い。それでいてちゃんとこちらの魂も滾らせて盛り上がれる。サニピのグループカラーのオレンジの煌々とした光が会場を支配していくが、その煌きに負けない…いや、それ以上の煌きをステージの五人は放っていた。

あの場と刻を思う存分楽しんでおったのは観客だけじゃなかった。心底楽しんでいたのがステージ上のサニピだった。彼女達も、月スト同様に自信を持っていたし、いい意味での余裕もあった。それらがパフォーマンスに乗っかっている。まあ、太陽の名を冠するグループがペンライトの光に負けてちゃ話にならんワケだがww

 

 

 7.未来模様/長瀬琴乃


 ステージに現れた橘さんの姿とイントロで膝は言う事きかなくなり腰抜かしかけた……いやいや、LIVEはまだ序盤戦だし、もうこの楽曲を投入するのか?!と。

サニピゾーンによって、興奮の熱が完全に支配する会場。そんな中で単身ステージに立つ橘さんの心境はいかほどのモノか…更に言えば、この楽曲は盛り上がる系統の楽曲ではない。LIVEのセットリストの構成には、いくつかの決め所的なポイントが散りばめられている。このLIVEにおいてはこのアクトがそれになるのだろう。

 ここを外してしまうとLIVEの行く末そのものが危うい方向へと傾いてしまう。重大なミッションを課せられた橘さんが感じていたプレッシャーはハンパなモノじゃなかったはず。でも、彼女の歌声とその貌にはプレッシャーなんて微塵も感じさせない程に晴れやかな笑顔全開で、解き放たれた様な心地いい歌声を響かせていた。

前回LIVEで聴いた時(アイプラLIVE未来)も、彼女は晴れやかな笑顔で未来の希望を謳っていた。それは、橘さんが楽曲と琴乃の生き様に真正面から向き合った末に得られた答えなのだろう。ここで果たす役割は、観客を乗せていく事ではなく惹き込んでよりLIVEに没入させる事を彼女は理解されていた。

 見事なまでに、橘美來と長瀬琴乃が創造した『未来模様』の世界に我々の魂は惹き込まれた。歌いきって佇む橘さんの笑顔は本当にいい貌をされていたのがその証明だったのではないだろうか。

 

 

 8.voyage/佐伯遙子


 佐々木奈緒さんの姿とイントロが聴こえた瞬間……俺の涙腺が臨界点を超えてしまった。
多分、今後LIVEで『voyage』が披露される度にそうなってしまうのだろう。本当に駄目なんだこの楽曲は……

 穏やかな波を航海している様な柔和なメロディと、温かな包容力があり芯の強さも感じ取れる佐々木さんの歌声が見事な調和でもって聴覚へと響いて来る。ここまでは、去年の幕張LIVEで聴いた時と同様なインプレッションだが…Hanedaで聴いた『voyage』は、熟された深みと称すのが自分の中では一番しっくり来る様なモノが加わっていたと思う。

遙子の心意気やそれこそ魂はそのままに、洗練されていたという言葉が自然に出て来るパフォーマンスだった。それはこのTourで歌い継いで来て、楽曲は勿論の事、佐々木さんが遙子の魂に寄り添って共にこの旅を巡って来た証。

 VENUS PARTY2日目のレポの時にも書いたかもしれないが、この楽曲は柔和で穏やかなだけの楽曲ではないと思う。不遇と雌伏の刻を経てもアイドルでいる事を諦めなかった遙子の執念が潜んでいる。それがあって、報われる刻が訪れてこの楽曲と出逢い大観衆の前で心からの笑顔で謳える。

 だから、この楽曲は本当に尊くて、感情が込み上げて来るのだ。

 

 

 9.欲しいよ/伊吹渚


 このアクトをどう解釈するのか?単純に、アイドル・伊吹渚のソロ楽曲として観るのか?『もし恋』のヒロインとして心情を謳うモノとして捉えるのか?渚に魂を宿す夏目ここなの方に注目して観るのか?イントロが響いて、夏目さんがステージに登場して来て歌い出すまで、俺の脳ミソはQuestionマークで埋め尽くされてしまっていた……

こんな状態になってしまった最大の要因は、彼女…夏目ここなさんの表現力。どの入り口でこのアクトを観ても、彼女と渚にきっちりと堕とされて魅入ってしまうロジックになっておった。

 この何も抗う事の出来ないモノは、同じ『もし恋』楽曲(勝手に命名)の系譜である、怜のソロ楽曲『No.1☆』を彷彿させた。ただ、パフォーマンスに落とされるという点は共通しているが、この楽曲は渚=夏目さんの歌声に聴き惚れてしまう『静』の要素に振り切っている。

この楽曲は、ミディアムテンポのスタンダードなラブソング。そこに、夏目さんの甘く柔和な歌声が見事にハマっていて、絶妙な聴き心地の良さを醸し出して魂に沁み渡っていく。コレに気付いた時点ではもう遅い。伊吹渚と夏目ここなの魅惑の領域に完全に取り込まれていた。特に、観客を射抜こうとする様な魅惑の視線に釘付けにされてしまう…

 夏目さんの『魅せ方』の上手さは理解しているつもりだった。でも、あの刻での彼女はこちらの見立てをあっさりと上回るモノを魅せ付けた。渚と夏目さんは、未来の刻で必ずもっと輝いてくれる。そういう機が与えられる…いや、勝ち取る事を信じている。

 

 10.Do you believe in music?/一ノ瀬怜×佐伯遙子


 Zepp Hanedaに降臨した二人の女神、結城萌子さんと佐々木奈緒さんが極上のハーモニーを奏でる。お二方の歌声が本当に良い。いや、もの凄く綺麗な歌声。

いろんな人のLIVEをこれまで観て来たが、歌声が良いってのは当然なインプレッションではあるのだけれども……綺麗な歌声というインプレッションまでには至った事が無い。(……はず)
もしかすると、抱いていたのだろうけど、鈍感を極めた俺のあらゆる感覚はそいつを感想としてアウトプットしてこなかったのだろう。

ちなみに、この楽曲の音源のみを聴いた時やゲームの3DLIVE映像を観てもそこまでのインプレッションには至っていない。しかし、このアクトに関しては、そんな当たり前の事を再認識させる程、とにかく歌声が綺麗だったのよね。

彼女達の歌声の相性が見事に合致しているのは勿論だが、曲調との相性も良い。Tourで歌い継いで来た経験、そして、怜と遙子の魂とPRIDE……どれか一つでも欠けたら良い歌声止まりで綺麗な歌声へ昇華する事は出来なかったと思う。

 結城さんと佐々木さんの歌声がもたらしてくれた圧倒的な多幸感。えげつないまでの癒しの空間。ステージのお二方が舞い踊る姿を網膜に焼き付け、澄み切った綺麗な歌声を浴びる事で、日頃のストレスとか穢れやらで荒んでしまった魂が浄化される様な心地良さがあった。耳、目、心を傾けて真摯にメロディと彼女達の謳に向き合う。聴覚と視覚が幸せというのはこの事なんだって。

 儚いけど眩しい。優しくて強い。『ドゥユビリ』(※Do you believe in music?の略称)の女神たちの完成され尽くした美技に息を呑み酔いしれるしか出来なかった。
 

 

 11.君がのぞくレンズ/長瀬琴乃×伊吹渚


 多幸感に包まれた癒しの空間を疾走感満載なバンドサウンドが斬り裂く。この疾走感は、この楽曲の真骨頂で本当にたまらないモノ。そこに、橘さんの凛とした張りのある歌声と、渚のソロで聴き惚れさせる『静』の歌声ではなく、一転して『動』の雰囲気を纏った夏目さんの歌声がこの楽曲に血を流していく。

まあ、盛り上がらないワケが無かった。待ち望んでこのTourでようやく披露が叶ったのもあるし、バンドサウンド&疾走感の組み合わせがそもそもLIVE映えの高いモノでもある。更には、琴乃と渚=橘さんと夏目さんの縁の関係性もある。

 月並みな所感になってしまうんだけども……やっぱり、琴乃と渚のデュエットは本当に強かった。
特に、サビで一気に激情が解き放たれた二人の歌声に魂が揺さぶられて血が滾って来る。二人。いや、琴乃と渚を入れたら四人か。彼女達の生き様とPRIDEによるモノは当然なんだけど、何よりも、彼女達の謳にチカラを与えていったのは、あの状況で謳える事の喜びと楽しみなのかと。

 LIVEのステージは極限状態に在る場。月ストのアクトの所感でも触れたが、そんな状況も楽しめる様になれたのは紛れもなく彼女達のこれまでの戦いの成果。迷いを振り払う様な爽快な曲調、琴乃と渚の物語を彩る歌詞、彼女達が謳う姿。音源で聴いた時よりも爽快で血が滾った楽曲へと進化を遂げていた。

 

 

12.つながる心Binary/白石沙季×白石千紗


 この楽曲がFINALにて披露されるのは確実だろうと思っておった楽曲。まあ、月ストとサニピしかいないLIVEでやらん理由を挙げるのが難しい。

ただ、披露されるのは分かっていたが…いざ現場にて、イントロと、沙季&千紗の歌い出し『You are my precious one~♪』で、『ああぁぁぁぁぁぁッ!!!!』と断末魔の叫びをあげ、頭抱えて膝から崩れ落ちそうになってしまう。おそらく、こうなってしまったのは俺だけじゃないと思っておる。宮沢さんと高尾さんは“尊さの暴力”をもってZepp Hanedaを制圧しに来ていた。

 LIVE初披露になった去年(VENUS STAGE 2023“未来”)の時も素晴らしいアクトだったが、今回はそれをあっさりと越えられておった。相手を引き立たせる所はちゃんと立てていて、それぞれのキメ所は逃さずに仕留める。なおかつ、デュエット楽曲なので当然だが…互いに寄り添ってハーモニーを響かせていく所もきっちりキメていく。いい、本当にいいとしか呟けなくなっておった……

 このアクト(LIVE全体かもしれんが)に臨むにあたって、宮沢さんは高尾さんにあるお願いをしたと後のMCにて言及されていた。それは、自分とお揃いのイヤリングを着けてステージに立って欲しいという事だった。高尾さんも、宮沢さんの願いに応えてお揃いのイヤリングを着けられていた。

沙季と千紗の魂をちゃんと背負ってステージへ立つ事、一緒に謳う高尾さんの想いとPRIDEも共有して最高のアクトを魅せる事、キャラクター・演者・楽曲への深愛の情と尊敬の念……宮沢さんはこのアクトに本気を懸けていたと言っても過言じゃないと思う。高尾さんも、宮沢さんの懸ける想いとPRIDEを汲んでステージに立ち謳った。そんな彼女達の本気に魅せられないワケが無い。

 共に謳い、互いの良い所を引き出す為に協力し、どちらかがより前に出て目立つ為に競った。前にも書いたかもしれないが、このアクトで沙季と千紗はちゃんと姉妹喧嘩をしていた。でも、アクトが終われば手を繋いで元の仲睦まじい姉妹に戻れる。最後の手を繋ぐ所は本当に何とも形容し難いエモーショナルな感情と感動を揺さぶられて心が解される。アレがまた観れたのは本当に良いモノだと改めて実感させられた。

 

 

 13.月下儚美/月のテンペスト


 LIVEもいよいよ後半戦のフェイズへと差し掛かった。後半戦の初手は、オープニングアクトも務めた月のテンペスト。披露されたのは…月ストの『アイコンソング』であり『戦友』でもある、原初の楽曲『月下儚美』。この楽曲がアイプラLIVEで聴けるのは本当に安心する。

月ストにとってLIVEで最も謳って来た楽曲だし、共に軌跡を戦って来た『戦友』(勝手にだが……)と称しても過言では無い関係。月ストはどの楽曲も本当に素晴らしい楽曲揃いだけれども、『月下儚美』の存在感が他の楽曲より群を抜いて輝いている。そこまで昇華させたのは、月ストの五人がこの楽曲と真剣に向き合って来た賜物なのだと。

 
 燃ゆる月影映し出す

 ひとつに重ね合う気持ち

 ブレずに進め 光させ

 闇さえ照らせ 月の嵐


 ―月のテンペスト 『月下儚美』より引用


 今回最もインパクトが強烈だったのが、2番が終わった直後(Cメロかな)の、すず→沙季→芽衣→全員で繋いでいくパート。相川奏多の歌声は一点をブチ抜く様な力強さと鋭さがあって…宮沢小春の歌声には儚げだけれど凛とした芯の強さが乗っかり…日向もかの歌声はあどけない愛嬌とエロ艶やかな色香が混ざり合って楽曲に彩りを加え……そして、五人の叩き上げの魂が爆ぜる。ここからの高揚感は凄まじいものだった。

 一寸先は闇という諺がある。その諺の通り、彼女達のこれからの軌跡は真っ暗闇で見通しが立たなくて、どんな運命が待ち受けているかも分からず予測はつかない。それでも彼女達に諦めたり退くという選択肢は存在していない。このパートは五人の気迫と覚悟が凝縮された決意表明の様に感じられた。

 これぞ、月ストの真骨頂。『コレが月ストのLIVEだ!!!!!』と言わんばかりに、我々を畳み掛けに来た。イントロがかかった瞬間から血が滾って鳥肌が治まらず、これまで以上の圧と強さをもつ楽曲だったのだと徹底的に思い知らされた。

 

 

 14.最愛よ君に届け/月のテンペスト


 琴乃が脱退して……四人となった月ストの新章を突き進む為の新たな『アンセム
物悲しさがありながらも、どこか勇ましくこれまで以上の苦境と逆境に抗おうとする四人の反骨の魂を表している曲調に、自分は『アンセム』の系譜にある楽曲だと思わずにはいられない。

おそらく、作中で実装される時は琴乃がいなくて、四人の楽曲になるのでしょう。ただ、実際のLIVEでは、橘さんも一緒にステージにいる。しかし、彼女のソロパートは一切無い上に、所々独立した振りや立ち位置になる。琴乃の姿と歌声は無いが…想いとPRIDEは四人と共に在るという事なのだろう。

 いろいろな想いがこのアンセムには乗っかっている。しかし、そのいろんなモノを全部見届けてインプレッションに刻もうとすると全部中途半端なモノにしかならんので、曲終盤の渚とすずのソロパートに注目して聴いている。あくまで私見の域だが、ここがこの楽曲における最大のキメ所。

初めて披露した幕張の時でも充分に驚かせられたが、渚のソロパートの迫力と力強さは回を重ねていく度に増していっている。Zeppというハコの音響もあるのだろうが…筆舌に尽くし難いモノへ進化していた。どちらかと言えば渚の声というかは夏目さんの地声が表に出ている感じはするが、渚の想いと魂とシンクロして夏目ここなが『顔』で謳うからこそあの気迫に溢れた歌声になっているのだと。

 そして、新たに月ストのセンターの座に就いたすず。相川さんは、夏目さんとはアプローチが異なっていて、徹底してすずの声色で歌う事を全うされていたと自分は感じた。背負う者としての覚悟、自らのチカラで道なき道を切り開く決意に満ち溢れた清廉で真っ直ぐな歌声を響かせる。コレもまた良い。

 メインストーリーで描かれた渚とすずの心情も相まって、燃え滾る様な衝動を感じながらも、胸にグッと熱いモノが込み上げて来る。ここで触れてはいないが…沙季と芽衣の歌声も本当に素晴らしい。すず、渚、沙季、芽衣…そして琴乃の生き様が歌詞と歌声にありありと表れているので、聴いていて勇気が湧いて来るし、涙が込み上げそうになってしまう。


 言わずもがな…月ストの『アンセム』としての強さを発揮した圧巻のパフォーマンスだった。

 

 

 15.The One and Only/月のテンペスト


 月ストゾーンのトリを飾るのは、これまた月ストの『アンセム』の系譜に連なり、『生命の謳』もあるこの楽曲。散々アイプラLIVEのレポでも書いて来たが……この楽曲を謳っている五人は、あらゆるしがらみから解き放たれた様な清々しさがある。

そのインプレッションは、初めて直に聴いた時から今に至るまで変わる事は無い。どんな理不尽や困難で絆を裂かれようとも…この楽曲がある限り絆は再生されて立ち上がるチカラを五人にもたらしてくれる楽曲。

 まさに月ストの集大成。ここまで全身全霊で駆け抜けて来た彼女達だからこそ謳える楽曲。

道は違えど、この未知への旅路を巡って来た最高の仲間であり最強のライバルであるサニーピースがいるからこそ、月のテンペストも『最高の輝き』を放って謳う事が出来たのだと。

この旅を巡って、彼女達はたくさんの掛け替えの無いモノを手に入れたのだろう。その中の一つに表現力の幅が広がった事。付け焼刃の様な演技力やらパフォーマンス力ではなく、魂の奥から湧き出て来る感情を剥き出しのまま解き放つチカラ。それが良いのか良くないのかは多種多様な意見があるし、どれも正解で間違いという明確なジャッジは出せない。

ただ、それもまた彼女達が得た答えの一つ。あの刻と場でこの五人が魅せ付けたパフォーマンスに目を奪われて魂を撃ち抜かれたという真実があった。


 月のテンペストの『今』の全身全霊を懸けたステージを目の当たりにして改めてそう感じたのだ。

  

 

 16.全力!絶対!!カウントダウン!!!/サニーピース


 月ストは、『月のテンペスト』にしか出来ないLIVEを魅せた。それを我々よりも近くで見て感じたサニピのメンバー達が燃えないワケが無い。しかも、月ストも今回のTourでカバーしたこの楽曲で勝負を挑む。さしずめ、本家本元の意地とPRIDEを魅せ付けてやるといった所か。

そんな旅の記憶を魂に刻み込んで、次の門出へ向けて進んでいく為の謳。俺は月ストのカバーバージョンをLIVEで観ておらんのでどう比較して良いのかは分からんが…改めて、この楽曲の強さと楽しさを感じられた。

 サニピにとっても今回のTourは未知の挑戦だったし、月スト同様様々なモノを旅の道中で感じて得たと思う。そして、彼女達だけではこの旅は駆け抜けられなかった。Aメロのメロディと五人の歌声は、そんな旅路を懐かしむ様なノスタルジック感を刺激してくれる。もしくは、今回のTourだけではなく、サニピの軌跡そのものを五人は懐かしんでいたのかもしれない。

その旅の記憶には、嬉しくて楽しいモノだけとは限らない。悔しい事や自分のチカラだけではどうにも出来ない事だってあり、筆舌に尽くし難い悲しい事もあっただろう……でも、刻は止まって彼女達を待ってはくれない。グッと飲み込んで未来へと突き進む覚悟を決めた。

 五人の歌声は、それこそこの楽曲のテーマになっている新年の初日の出の様に鮮やか。
感謝の念や純然な好意をもって紡がれた歌詞が更なる説得力を増して聴こえて来た様な気がした。楽しいというインプレッションは損なわれずに、新たに心がじんわりと温まっていく様なインプレッションが刻まれた。

 

 

 17.SUNNY PEACE HARMONY/サニーピース


 クライマックスで披露されるサニピの原初の楽曲であり『アイコンソング』。
とは言え……アイプラLIVEで毎度披露される事は無く、回数はそこまで多くないという感じだwwwでも、今回のTourでは外せないってのは勝手に根拠の無い確信を抱いていたので、無事披露されたので胸を撫で下ろした。

だが、妙な感慨に浸ってしっとりと傾聴してる場合ぢゃない。サニピの『アイコンソング』がそんな優しい楽曲なワケがないのだwwwこれまた月並みな所感になってしまうが、やっぱり原初の楽曲を謳っている時のサニピは本当に強く、眩しく輝いていた。

そんな彼女達の強さ、眩しさ、楽しさに我々も全身全霊で楽しみ尽くそうと、クラップでリズムを刻み声援をあげて応える。前にも書いたかもしれないし、今後も触れるだろうが……このアクトが創造していく圧倒的な楽しさに溢れた空間は、『HARMONY』と称して過言ではなかった。

 サニーピースの五人の歌声が重なり合って響くHARMONY。キャラクターとキャストの双方の歌声がシンクロするHARMONY。サニピとファンの想いと魂が交わって響かせるHARMONY。それは、サニピを取り巻く数多の縁があの刻と場で見事に繋がった奇跡の瞬間。まさにサニピの真骨頂であり集大成。

 『これがサニーピースのLIVEだ!!!!!』ってのを存分に思い知らされ、魅せられた。

 

 

 18.Let's Go! Let's Go! ピース! ピース!/サニーピース


 本編ラストを飾る楽曲は、サニピの最新楽曲を持って来た。昼公演ではあるが、世に出てまだ間もない楽曲をラストに持って来たのは、このTourでこの楽曲がとんでもない進化を遂げて強くなった事を彼女達は実感してラストに据えたのではないだろうかと。

この楽曲がTourを経てどういう進化を遂げるのかは、非常に興味深いモノがあった。音源を聴いたファーストインプレッションは、チアリーディングでそのまま使えそうなハイテンションかつ陽気なテイスト。まあ、LIVEでの盛り上がりは確約されてるんだろう楽曲というモノだった。そういうオーダーを受けて作られただろうし。そんなこんなで、ある程度肚括って現地での披露に臨んだが……

 

 なんだコレ?!化け方がハンパぢゃねぇッ!!



 と、開いた口が塞がらん上に乾いた笑いしか出て来なくなってしまった……いや、化けるだろうってのは想定内だったんだけれども、速度と熱量が異次元の領域なのよ。えっ?何??……楽曲だけ精神と時の部屋にでも入っていたの?wwwwってアホな事言う位の凄まじさ。(精神と時の部屋の説明はここではしないので、いろいろ検索して下さい)

まず、導入部やAメロ終わった後にコーラス部分があるんだが、その部分は既に観客が謳う事が確定事項として完成していた。ただ、コーラス部分を観客が一緒になって謳うってのはよくあるケースだし、コレが驚きの直接要因ではない。

 その元凶(だから言葉選べ…)になってんのが、2番サビの後のLet's Go! ジャンピングタイムだ。ここではメンバー一人ずつアピールタイムが設けられておる。ここでの五人のアピールが本当にクッソ可愛いし…(最大級の賛辞と称賛)しかも、観客をも巻き込んでジャンピングタイムの演出に組み込まれている。『右へジャンプ!左にジャンプ!』は一緒になって声を出す。ちなみに、このジャンピングタイムがある為この楽曲は、現在アイプラ楽曲最長の時間になっておったりする。(6分55秒…)

 圧倒的だった。いい意味で予想を裏切り、期待以上のモノを魅せ付られて、許容出来るエモ―ションのキャパオーバーを起こし、ただただ完敗という言葉しか出て来なかった。

 


 EN1.MELODIES/星見プロダクション


 今回のTourでサプライズ披露された新曲。札幌ではサニピが謳った事からサニピの新曲かと思いきや、大阪で月ストも謳ったので、星見の10人による新曲だろうと多くの人が予感されていた。その予感は的中して、月ストとサニピが揃ってステージに立つ。

自分はこのHanedaのみの参戦なのでこの楽曲は完全な初見。そんな楽曲を現地で聴いても、俺の残念仕様な脳ミソのメモリーが記憶できるワケが無い為……もの凄くざっくりした所感になってしまうが……それはご容赦下さい。

 おぼろげなインプレッションで合ってる保証は全く無いが…曲調は同じ星見の10人曲の『Gemstones』とは違っていて、割とテンポは速くてどこか勇壮な雰囲気を醸し出してる。詞が紡ぐ世界観は、10人のこれまでと今とこれからを織り込んでいる様に感じられた。

作中の月ストもサニピも立場が変わった事によって生じてしまう想いのすれ違い。でも、お互いを思いやる心情までは置き去りにはしていない……そんな感じだろうか。その辺りの焦燥感だったり、何とか寄り添おうと懸命になっていく模様が楽曲のテーマでもあり、ZeppTourで伝えたかった想いの根幹にある様にも感じてしまう。

 所々に力強い歌声で謳っていたり、ダンスの躍動感は前述した焦燥感や懸命に寄り添おうとする想いが表れていたのかなと。

 

 

 EN2.Pray for you/星見プロダクション


 そうか……この楽曲をTour FINALで謳う事が、サニピの『10人』月ストの『10人』が出した『答え』で、未来の門出への決意表明だったんだなと。この楽曲自体がフィナーレ感満載ってのも影響しているのだろう。

あくまでも、個人のインプレッションだが、タイトルに『Pray』(祈り)という言葉を銘打っている様に、この楽曲は『祈りの謳』であり、『誓いの謳』でもある。

 彼女達10人は、何に祈り誓いを立てたのか?明確な答えはきっと彼女達にしか分からないモノなんだけど……その中に、これまでと今とこれからの軌跡を魂を共有して駆けていくキャラクター達に対しての決意と覚悟を示したのだろう。まあ、勝手な暴論による見立てでしかないが……

キャラクター達は、作中で各々差はあるが着実に成長を遂げている。そんな彼女達を演じるキャスト側は、それに置いて行かれるワケにはいかないと。共に肩を並べて駆けていく為にはいろいろと試して悩んで、心を燃やして抗ってみた。

そんな成果が今回のTourで10人の渾身のパフォーマンスとなって魅せて我々の魂を滾らせ興奮に至ったのだろう。それこそ詞にもある『私なりのプライド 魅せてやる』の証明でもあった。彼女達がそれを成し遂げる事が叶ったのは、役が好きだという純然な強い想いと、キャラクターをもっと輝かせたい。究極的に言えば『IDOLY PRIDE』が好きだという事も無関係ではない。


 どんな楽曲でもそうだが、この楽曲は色々な見方が出来る。このアクトで強く感じられたのは前述した様に、キャラクターとキャストの境界を超えた魂の対話による祈りと誓いの謳。この地と刻は旅の終着点だがゴールじゃない。またここから新しい未知の旅が始まる。

 

 

 EN3.Fight oh! MIRAI oh!/星見プロダクション


 本当に昼公演ラストの楽曲。しかも…骨ごと喰らう変態楽曲であるコイツで締めかwww
日向もかさんが高らかに『Fight oh! MIRAI oh!』と曲紹介した瞬間に笑いが止まらんかった。

まあ、湿っぽく終わるのも何か違うし、徹底的にきっちりと楽しみ尽くしてやろうと全身全霊でこのアクトに臨んだ。まあ、そんなだからこのアクトの詳細なモノは脳ミソで記憶出来ていない。記憶する為に消費するエネルギーも含めて、徹底的に楽しむ為のエネルギーに変換したから。

 やっぱり、LIVEで体感するこの変態楽曲の強さは際立っておる事を改めて思い知らされた。
完全な声出し可能という状況も当然ながらあるんだけど、その声援が彼女達のバフとなって無制限のブーストとなってパフォーマンスへ乗っかっていく。

このパワーは本当に凄まじいという一言に尽きる。その熱量はZeppの天井をぶち抜くんぢゃねぇの?ってアホな妄想を抱いてしまう程のモノがあったのよ。それこそ、アリーナだったりどデカい会場を一瞬で燃やして滾らせる位猛烈なモノだ。

 今更だけど、楽曲タイトルがいいよな。訳したら未来に闘志を燃やせ!みたいで。戦うはオーバーかもしれんが未来に進むってのは挑戦の絶えないモノ。これまでもいろいろと面白くない事やキツイ事は当然あっただろうし、これからもそいつはあるだろう。それでも彼女達は退いたり諦める事無く楽しんで駆けていくのだろう。

 10人の全身全霊によるパフォーマンスは、未来へ踏み込む覚悟が漲っていた。
言葉だけではなく、この10人について行けば大丈夫。もう弱かった頃の彼女達じゃない。戦い続けられたからこそ今の強さを得る事が出来た。きっと未来の刻で大きなモノを勝ち取ってくれると。そう強く信じさせてくれた。

 

 

 終わりに。


 まず、3月に今回のTourで初披露となった星見の10人の新曲『MELODIES』が収録されたNewアルバムのリリース決定の報が告げられた。

 

 


 昼の部が終演し、全身全霊で楽しみ尽くし……一気に疲労感が身体を襲って来た。
その余韻に浸りながら…会場の外に出ると、寒風が吹き荒んでおったが、火照った身体にはちょうどいい心地だった。だが、夜公演の開場の刻がすぐそこに迫っておったので余韻に浸りきってる場合でもなかったワケだが……その話はまた後日という事で。

 以上で、『IDOLY PRIDE Zepp Tour 星々と in Haneda』の昼公演の参戦レポとなります。
自分なりに、あの場と刻にて感じ取ったインプレッションを余す事無く書ききったと思っております。ただし、結局は自分の感覚によって受け取った所感なので、ご覧になった方はコレが違うとか、自分はそう思わなかったとか、いろいろな所感があると思います。

『IDOLY PRIDE』が好きと言っても、様々なパターンや熱がある。好きなポイントが人それぞれ違う様に、楽曲や世界観、彼女達のパフォーマンスに対する考え方も多種多様。

あくまでも、この参戦レポとして書き殴ったのは自分の所感でしかない。そう感じてしまったのだからどうしようもないのです。そんなこんなで、後編と称した夜公演の参戦レポも、一万字を超える怪文書になるでしょうwww昼夜通しての総括みたいなモノもそこで。

 
 ここまで読んで下さり、本当にありがとうございました。