巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

逆境に抗う者達の意地と魂ーガールズフィスト!!!! GT 3rdシングル発売記念ワンマンライブ参戦レポ

 7月20日。四谷LOTUSにて開催された『ガールズフィスト!!!! GT』3rdシングル発売記念ワンマンライブ(日々荘3号館並みにタイトル長ぇwwww)に参戦して来た。

 



 今回のガールズフィストLIVE。これまでとは違った異質のLIVEだった。
その最たる要因になったのが、藤森月役の井上杏奈さん(Ba.)が体調不良の為LIVE出演を辞退された。でも、ベースは代理のベーシストによるフォローにてLIVE開催はされるという事。

正直、この状況ってのはとんでもない逆境と言っても過言ぢゃない……逆に、そう感じさせたという事は、自分の中で井上杏奈さんの存在が大きなモノである事の裏返しでもあったのだ。

だからと言って、このLIVEが物足りなかったという問いにはハッキリとNo!と突き付けられる程に、感動してきっちりと燃え滾れて楽しめた。そんなLIVEのレポをこれから書き殴っていこうと思う。



 まさかの選曲……


 前述した様に、今回のLIVEはベース担当の井上さんは出演していない。その代理として来られたのが……パンクバンド・SAのベーシストのKEN氏。ガールズフィストの音楽プロデューサーを務められている方でもある。別の言い方すれば、メンバーにとっては立ち上げから彼女達を見守って導いてくれた音楽面での師匠。そんな存在がこのバンドの逆境に馳せ参じたのは激熱で胸熱な展開ぢゃないか……

ベースはバンドにとっての基礎であり骨組みとなる重要なポジションを担うとされている。普段の彼女達も伸び伸びと楽しい音楽を奏でられているが、この日は特に、伸びやかで自由奔放にいい意味で暴れていた様に感じられた。その最大の要因は、KEN氏のベースの存在あってこそなのは言うまでもなかった。

 で……パンクロックメドレーからLIVEは幕を開けた。(この会場に幕は無いが)そして、最初の一曲目のイントロで、いきなり度肝を抜かれたのだ…その楽曲とは、ガールズフィスト最古の楽曲で原初の楽曲『自分自信』!!!!

前のLIVEレポにも書いたが、レーベル移籍して臨むLIVEという事もあって、新曲ラッシュで畳み掛けてPRしていくのが戦略としてあっただろうから、過去の楽曲はやらん方向だと思い込んでおったのよ。でも、今回そいつを覆して開幕の一発目で披露してきた。もう、いろんな感情が込み上げてしまって、身体も正直にリアクションして膝が言う事を聞きやしなくて崩れ落ちそうになった……

しかも…『自分自信』だけじゃなく、『Roly Poly』とコーナーの締めで『Re:スタート』も披露。尺はメドレーという事もあってショートver.ではあったけど、演らんだろうと思っておった所で差し込まれたからその感動や興奮ってのは段違いに来るのだ。

恒例になってる数多のパンクロックの名曲も演って燃え滾れたけど、やっぱり、過去の持ち曲を演ってくれたインパクトが絶大過ぎた……過去の楽曲を見殺しにはしないという彼女達の心意気にただただ…本当に歌ってくれてありがとうという言葉しか出て来なかった。

 

 

 ギャップと爆発力と支配力


 ガールズフィストのLIVEレポの際にはいつも書いておるが……やっぱり、ボーカル・浅見春那の存在感にはただ驚かされて魅了されてしまう。本当に、この子はいい意味で存在がズルい人だ。俺がこんな事言うのは非常におこがましい限りではあるが……このコンテンツは本当に凄ぇ子を見つけて引っ張って来たなと思わせる。

 新体制の楽曲は、歌声にパンチ力が求められる格好良い系統の楽曲が多い印象。
普段の浅見さんをご存じの方には説明不要だが…まあ、基本的にマイペースかつどこかフワっとしたインプレッションを抱く。ところが、LIVEのステージで歌う彼女は別にある数多のスイッチが一気に入って多種多様な『貌』で歌い、そのあまりの温度差のギャップに撃ち落されるのだ。

そのスイッチを意図して彼女が入れてるのかは分からない。おそらく、自然で無意識で入っているのかもしれない。様々な『ZONE』の扉があると思えてならない。時には前述した格好良くてこちらの熱を扇動していく様な不敵さ、または、沁み入る様な優し気な歌声だったり……有無を言わさず魅了していく魔性の色気(エロさとも言うが……)

それらでもってLIVEという場と刻を制圧して支配できるのは、手の付けられないバケモノ……浅見さん、非常に申し訳ありません!でも、コレは最大級の賛辞なのです。そいつをきっちりと魂に打ち込まれたのだ。観る者、聴く者を強引に納得させてしまったそのキレっぷりに驚嘆し、畏敬の念まで抱いてしまった。特に、『Zettai』のラスサビ「信じて貫け」の歌い方には鳥肌が立つ程に凄まじかった。

 それに…浅見さんのポテンシャルは完全に開放されたワケじゃない。もっととんでもない領域まで進化する可能性を感じてしまう。まだ彼女はアクセルを限界まで踏み込めていないはず。人の魂を熱狂させ魅了出来るモノというのは、この世の中にいろいろあるが、それぐらいの魅力に溢れた人が発進するモノは、有無を言わせない程の説得力を持たせる。そんな強さと可能性を浅見春那には感じてしまうのだと改めて思い知らされた。

 

 

 伝えたい願いと謳


 前回のLIVE同様に、『WISH』が今回も一番ぶっ刺さった。この楽曲は新体制になって3rdシングルとなる楽曲で、今回のLIVEのキモになった楽曲だからってのもある。

開場し、入場した際一枚の紙を貰った。それに記されていたのは……『本日のライブ終盤では「WISH」合唱パートがございます!みなさんも一緒に歌ってください!という文言と歌詞の一節が記されていた。



 巡り廻る季節の中 たった一瞬にすぎなくても

 大切な今があるから 明日もきっと私の道を彩ってくれる


 ―ガールズフィスト!!!!GT『WISH』より引用



 で、『WISH』を歌う前のMCで、サビのフレーズをみんなで歌う件について触れ、練習したまではいいのだが……実際には全然違う箇所と長い尺を歌ったという何とも可笑しい事態にwwwwまあ、このグダグダ感というか緩さもこのコンテンツの魅力ではあるので、特に喚き散らす事でも無いなと思う。

 それと、コイツは完全な後付け感ではあるのだけれど…今回参戦の叶わなかった井上杏奈さんへ向けての謳だったという事。この『WISH』という楽曲は、巡り逢いの奇跡への感謝や仲間との絆、更には未来への希望も謳う事がテーマとして存在していると自分は勝手に解釈している。

言わずもがな…井上さん抜きでガールズフィストは成り立たないし、今回の件で一番悔しい思いをしているのは当の彼女自身だろう。冒頭の四方山話でも言及した様に、やっぱり、井上さんがちゃんといる事が一番しっくり来るのだと。そもそも、彼女がいなかったらこのコンテンツ自体どうなってたか分からんかったし。

 進行は確かにグダグダになってしまったが……ここでは上手く歌える事だけが重要ぢゃない。彼女…井上さんを想って謳う事が最も重要だった。あの刻と場で謳われた『深愛の謳』が井上さんへちゃんと届いたかどうかは分からない……でも、伝わったんぢゃないかなと願わずにはいられなかった。

 

 

 予期せぬアクシデント…それでも折れなかった魂


 LIVEってヤツは生き物と呼ばれる事があり、ステージには魔物が棲んでおるとも呼ばれる。
その生き物≒魔物ってのは演者に良くも悪くも影響を与えて来る事がある。まあ、時折起きたりするアクシデントをこの魔物のせいにしたりするモノだ。ちなみに、レポ書く時にいろいろ盛れたりするのもコイツのおかげだったりもするwwで……今回のLIVEでそいつ(ステージの魔物)が牙を剥いた。

 記憶が曖昧という自己弁護を挟ませてもらうが……確か『クリームソーダ』を演っている途中で、奥村さんのギターの弦が切れた。とんでもない異常事態だが、彼女は動じずに演奏を続けられていた。で……ギターをチェンジしてLIVEはそのまま続行された。

たかがギター換えただけぢゃねぇの?という人はいるだろうが、俺はそうは思えないんだ。
いつも使っているモノが違ったモノになるってのは非常に厳しい。楽器の場合はそれがダイレクトに影響を及ぼすと思う。弦の張り具合いやら指先に伝わって来る感覚、全体の重さとかギターによって個体差はあるだろう。ちゃんとチューニングしていてもいつも奏でる音との差だってあるし。とにかく、数多の違和感を感じながら演奏していくワケだ。

 残念な事に…俺は音の良し悪しは勿論、演奏技術に言及出来る程の者ではないが、一つだけ言える事があった。それは、奥村さんがその逆境に全く負けない堂々とした演奏で場をきっちりと盛り上げられた事だ。それを成し得たのは、彼女がこれまで積み重ねて来た努力の証なのだと……それは奥村さんを裏切る事は無かった。経験が成せる業とも言える。

 演者が限界を超えようと挑んでいるのと同様に、楽器にも同様の事が言えるのではないだろうか。
今回の件は奥村さんの限界突破に、ギタ恵(奥村さんのギターの愛称)はついて来る事が出来なかったけど、弦が切れるまで踏み込んで応えようとしていた。奥村さんもギタ恵の魂を汲んでいたからこそ、換わりのギターでも素晴らしい演奏を聴かせてくれた奥村さんは本当に格好良かったのよね。

 

 

 最後に……


 これまで参戦出来たガールズフィストのLIVEは、結構前方のエリアで観れる事が多かった。
で、今回のLIVEの整理番号も早いモノだったが、敢えて今回は後方のエリアで観る事にした。それは、このバンドが演者の姿が見えなくても、演奏、歌声、そして、楽曲のチカラできっちりとこちらを燃え滾らせて楽しみ尽くせるかどうかを見定めたかった。

その結果は、ここまで散々書き殴って来た怪文書がその答えだ。逆境に抗う叩き上げの魂と意地、過去を見殺しにはしない心意気……まあ、文章化出来てないモノは多いが数多の感動を受け取った極上の場と刻だった。一夜経って、首と腰が逝っておるのがちゃんと出し尽くせて楽しめた証www

 期待に見事応えて、予想をいい意味で裏切ってくれたカタルシスの余韻の心地良さに酔いしれつつ……最高に気色悪い怪文書レポを締めたいと思う。