巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

極めて近く、曖昧になっていく≒という領域

 『IDOLY PRIDE』を愛する皆様、ご機嫌いかがでしょうか?あかとんぼ弐号でございます。

自分が『IDOLY PRIDE』に惹かれて、作品、楽曲、ゲーム、そしてLIVE参戦へと……いろいろと関わり見ていく内に、ある特別なインプレッションを抱く様になっていった。

だが、これまでそれを文章にしてこなかった…いや、出来なかったのは、そのインプレッションがあまりにもおぼろげ過ぎて自信を持って世に放てるモノではなかった。

 しかし、刻が経っていって、その漠然でおぼろげだったインプレッションが徐々にカタチを成していき…つい先日、IDOLY PRIDEでは初となる全国Tour終焉の地であるZepp Hanedaで、そのインプレッションは確信へと昇華した。

 『IDOLY PRIDE』を知る方には、今更説明不要かと思いますが、この作品には魅力溢れる個性的なアイドルがいて、数多のグループが存在している。
『サニーピース』、『TRINITYAiLE』、『LizNoir』、『ⅢX』、『どりきゅん』、『長瀬麻奈』、『月のテンペスト』……

それらのグループの中で、特別な存在になっていったのが『月のテンペスト』。その理由だが、単純に持ち歌が良い楽曲揃いやLIVEパフォーマンス、キャラクターの個性と魅力だけでは説明しきれないモノ。月ストと他のアイドルやグループとは一線を画す要素が、月ストを『スペシャル・ワン』へと押し上げた。今回の記事で、いくつかの要素を語ってみようと思う。



 Chapter1/月ストとミューレ三期生を繋ぐモノ


 月のテンペストのメンバーである、長瀬琴乃(CV:橘美來)、伊吹渚(CV:夏目ここな)、白石沙季(CV:宮沢小春)、成宮すず(CV:相川奏多)、早坂芽衣(CV:日向もか)。彼女達を演じられているのはミュージックレイン3期生(ミューレ3期生)の五人。

作品のみならず実際のLIVEにおいても、キャスト側の彼女達五人は月のテンペストのメンバーとしてパフォーマンスをしている。コレは、他のグループのキャスト陣も例外無く一緒で、言うなれば演者とキャラクターには超えられない境界が存在している。ただし、コレは自分が今更言及した所でまあ意味は無く、それだけで月ストの五人が『スペシャル・ワン』といった特別な存在にはならない。

 それだけの強いインプレッションを抱いた最大の要因となったのが…『≒』という記号。
双方を≒(限りなく等しいの意)で繋ぐモノ、それは、キャラクター側の月ストとキャスト側であるミューレ3期生との境界がかなり曖昧になっていく意味として、最も適切かと思いこの記号を当てはめた。コレは他のグループとキャストでは踏み込んでいない領域。(サニピは時々入りかけてる感じはあったりする)スフィアのメンバーがそっくりそのまま演じてるLizNoirと、TrySailのメンバーが演じるTRINITYAiLEでもこの曖昧な領域まで到達してない。

 ただ、アイプラのLIVEで謳われる楽曲はキャラクターソング。そこには、受け取る側である我々の様々な解釈だったり貫いて欲しい信念みたいなモノが存在している。その中には、キャスト側のパーソナリティ…キャスト側の生き様という『我』を表に出してはならない。出てしまっているのはまだまだ未熟という意見の人もいるだろう。勿論、そういう解釈は間違いでは無い。

でも……月ストが徹し切れていない未熟さによって、双方の境界が曖昧になる事に魅力を感じてどうしようもなく惹かれている部分がある。



 Chapter2/『IDOLY PRIDE』というプロジェクトの心髄


 これまた今更な話ではあるけれども…『IDOLY PRIDE』というプロジェクトは、サイバーエージェント連結子会社であるQualiArtsと、ミュージックレイン、ストレートエッジの3社共同プロジェクトによるアイドルコンテンツ。ミュージックレインが参画されている事で、所属している声優グループである『スフィア』と『TrySail』、そして、このプロジェクトにてデビューを果たしたミュージックレイン3期生がキャストに名を連ねている。

 で、このプロジェクトで何をしていきたいのか??前述した様に、プロジェクトにミューレが参画されている事からデビューを果たしたミューレ3期生を売り出して実戦経験を積ませていく事が狙いの一つ……もしかするとそれがメインとしてあると思っている。(あくまでも個人的な解釈)

3期生のメンバーが演じられるのは、彼女達と同じ立場でもある新人アイドル。作中のアイドル達がストーリーを経て成長していく様に3期生の成長物語も同時に紡いでいく。その要素が前項でも触れているキャラとキャストとの境界が曖昧になっていく事へと繋がっている様に思えてしまう。

 そう思った根拠は…昨年の夏の『VENUS PARTY The First』後に配信された『アイプラ生放送』の中で、豊崎愛生さんが仰られていた『みんなの真ん中に、星見の10人ちゃんが主人公というか、LIVEの中で真ん中にいるべき…』というコメント。サニピの五人も含まれてはいるが、当然月ストの五人も同様の事が言える。



 Chapter3/月ストへの追加武装(キャスト側からキャラ側へ)


 まあ、武装は大袈裟かつ的外れな表現だがww琴乃、渚、沙季、すず、芽衣のパーソナリティと、ミューレ3期生五人のパーソナリティをそれぞれ見ていくと、重なる部分が結構見受けられる。主になる要素をざっくり挙げてみると……(挙げる要素については異論や反論あると思います)


琴乃&橘さん→凛とした佇まい。クソ生真面目さ故のちょっとした面倒くさい不器用な部分。思いこんだらまっしぐらに駆けられる意志の強さ。


渚&夏目さん→メンバーとの関係性を結んでいる『鎹』的な立ち位置。キメ所を的確に撃ち抜くあざとさ。基本的に、グループ内のストッパー&バランサーだが時折暴走する傾向あり。


沙季&宮沢さん→メンバー最年長。淑やかで上品な佇まいだけれども、どこかマイペースが故の不可思議さと不器用さ。前へ出る覚悟が決まった時の加速したら勢いが凄まじい面。


すず&相川さん→メンバー最年少。ポジティブシンキングさと度胸満点な佇まい。ブレない信念とそれを貫き通せる強さ。


芽衣&日向さん→天真爛漫なムードメーカー。周りを見ていない様だが、実は一番気を配って見ている節がある。


 こんな感じで挙げておいてアレだが……キャラクター造詣について明確にされているモノは分からない。(自分の調査が単に及んでいなかった可能性もあるが…)更には、どう照らし合わせていったかも不明。シナリオが進んでいく際に盛っていった可能性だってある。

ただ、ここまで類似している要素が見られるという事は、3期生のパーソナリティをキャラクター側へと落とし込んでいる可能性は高く、単に偶然の一致という言葉で片付けられないし、アイプラにミューレが参画されている事も考慮すると、キャラと彼女達3期生との繋がりを密接にしているのは意図的だと思わずにいられないのだ。



 Chapter4/とある“場”との縁と楽曲の新しい“貌”


 この項では、IDOLY PRIDEとは離れたモノとなるが、3期生にとっては掛け替えの無い要素であり琴乃達と『≒』で結ばれていく重要なモノなので触れなければならない。そのとある“場”とはいったい何なのか?ミューレ3期生の単独イベントである『日々荘3号館 』である。

当Blogでも何度かこのイベントの参戦レポという形で綴っておるが、改めてどういうイベントかを説明すると……3期生の五人は、日々荘というシェアハウスに住んでいる住人という設定で、朗読劇をしたり、ゲームやトークをしつつ……歌って踊ったりするバラエティイベント。2022年の四月に第一回目が開催されて、現在に至るまで定期的イベントとして定着して来た。

 しかし、この日々荘3号館というイベントはアイプラのイベントではない。けど、彼女達はLIVEパートで月ストの楽曲を数多く謳って来た。この場で月ストの楽曲を謳う彼女達からは琴乃達の要素よりは3期生としての『我』を表に出している様に自分は感じている。

それは、月スト楽曲がキャラクターソングという枠組みだけでは収まらない3期生としての楽曲という解釈も出来る様な楽曲を作って欲しいというオーダーをされたのではないかと思えて来る。ただし、完全な妄想による推測の域でしかないが……

 ただ、一つ言える事は、五人の全身全霊を懸けている勢いや想いと必死さが楽曲に血を流していく。正式にアーティストとしてデビューしたグループではないけれど、運命共同体という縁と関係で繋がっている五人。LIVEだけではなく芝居やトークで戦って来たこの場の経験は本当に彼女達にとって掛け替えの無いモノ。その大切な場での戦いの経験を、彼女達はそっくりそのままIDOLY PRIDEでの活動へとフィードバックしている。



 Last Chapter/そして『≒』の領域へ……


 ここまでの各項にて語って来た要素が幾重にも重なっていき…アイプラLIVEでミューレ3期生が謳う姿に、琴乃、渚、沙季、すず、芽衣が謳う姿が重なって見える様になっていった。ただ…そいつはオマエの錯覚と言われたらそうなのかもしれない。当然ながら、実際のLIVEにて3期生達の傍らに琴乃達の姿がハッキリ見えてるワケじゃないが、キャスト側とキャラクターとの境界は限りなく等しい領域へと寄って行ってる。

作中で、琴乃達が苦境に立たされながらも懸命に抗っている様に、3期生もまた色々なモノと戦って来た。ただ、3期生だけに限った話ではないが……それでも、3期生のパフォーマンスには想いと魂とPRIDE…そいつは、単純に私達を観て欲しいなんて優しいモノじゃない。執念や殺気染みたモノが感じられる。キツかった事は一度や二度だけじゃないし、筆舌に尽くし難い悲しい事もあった。

 ここまで強い関係性にまで昇華出来たのは、キャラ側とキャスト側との繋がりが他のグループよりも密接なのは言うまでも無いが、3期生としても纏まってこれまでの軌跡を駆けて来たモノでもある。彼女達から湧き出て来るであろう激情をどこかにぶつけたくても、現状でぶつけられる所がごく限られた所しかなく、目の前で出来る活動を直向きに頑張っていくしかない。

それが色濃く表れていったのが、IDOLY PRIDEのLIVEと日々荘3号館。ただパフォーマンスをこなしていくだけじゃなく、本気でそこに懸けるPRIDEが彼女達には常にあったのだと思う。前の項でも触れた様に、正式なグループではない歪な集団かもしれない。でも、その歪さが故に超えられない境界が曖昧になってという限りなく寄り添える掛け替えない存在へ昇華出来た。

月スト≒ミューレ3期生との繋がりを本当に簡潔でチープな一言で表現すると『エモーショナル』。即ち『エモい』。この言葉に尽きるのではないだろうか。だからこそ、見ている人の魂と情熱を揺り動かせたのだと思えてならない。

 

 

 最後に。


 ここまで各項にて好き勝手書き殴ったモノについては、あくまでも自分が抱いている仮設の域でしかない。

でも、一つ言えるのは、サニピの子達も含め、月スト≒ミュージックレイン3期生が中心になって『IDOLY PRIDE』というプロジェクト全体を引っ張っていかなきゃいけないってのはあって、やっぱり客を呼べて金を落としてもらえないと意味は無い。

トリエル・リズノワ・スリクスよりも、更にはサニピよりも…月ストを観たいからLIVEに参戦した。そういう存在になっていって……ただ今来ている客が満足して終わりじゃなく、いろいろな所で話題になって、月スト≒ミューレ3期生を観たいと思わせる様にならなきゃいけない。

ただ、自分よりもそれを強く実感されているのはミューレ3期生の五人だと思う。険しい道程だけれど、彼女達の本気の想いと魂はそれを超えられる可能性に溢れている。

 くどい様だが……ここまで書き殴ったモノは、全て自分の抱いている妄想と暴論による独り言の発散に過ぎない。コレを読まれた方がどう受け止め、解釈されるかはその人の感性に委ねたいと思います。共感してもらえたら素直に嬉しいし、異論や反論があってもきっちりと受け止めて、様々な見方だったり考え方を知りたい。