遡る事5年前、俺は千葉県浦安市舞浜に足を運んでいた。
舞浜という地で真っ先に思い浮かぶのは、巨大テーマパークとして名高いディズニーリゾート。
しかし、俺の目的地はディズニーランドやディズニーシーではないある場所。
始まりの地と呼んでも良いのかもしれないその場とは『舞浜アンフィシアター』
俺は、この日この地に用があって馳せ参じたのである。
【2nd Live Tour いざ、東京!】昼夜公演にお越し頂いた皆様、ありがとうございました!来週は千秋楽、仙台です!お待ちしております!本日公開の予告もぜひご覧下さい⇒https://t.co/7dPPS3OjPg #WUG_JP pic.twitter.com/x8dfANFkg3
— Wake Up, Girls!公式 (@wakeupgirls_PR) 2015年8月8日
そう……『Wake Up,Girls!』の2ndライブツアー・東京公演に参戦する為に。
自分は、そうそうフットワークが軽い人間ではない。
ライブ参戦するのは数年間隔で間が空くのは自分の中では珍しい事ではない。
当時、最後に参戦したライブは2013年の水樹奈々さんのライブ(西部ドームのヤツ)でWUGのライブ参戦まで2年の間があった。
自分の中で間隔が空いてしまうのは、ライブ参戦にネガティブなインプレッションを抱いているワケでも、参戦して何か嫌な目に遭ったという事ではない。単純にチケットの縁の巡り逢わせに恵まれなかったり、時間が取れなかったりというだけだったりする。
あと、これは上から目線的な物言いになってしまうが……金払って(チケット買って)直に観たいと思わせる存在が水樹さん以外に見当たらなかったというのもあるが、一番の要因は俺の感性のアンテナが超鈍感というのが最たるモノなんだけどね……
久々の現場参戦というヤツは、不安というか妙な緊張感に身が包まれる。初めての現場ならそれはより強いモノだ。でも、その雰囲気は今、ライブに来ているんだ!という興奮が徐々に溢れて武者震いの様な感覚にもなる。
物販で販売しているオリジナルのTシャツやパーカーを纏う者。
野球やサッカーのユニフォームを纏う者。
独自制作した衣裳を纏う者。
推しの子の良さを熱弁する者……etc
俺は、このライブ会場開演前の雰囲気が好きだったりする。
で、肝心のライブだが、終演して感じるあの感覚……全力全開で燃え滾って出し尽くした心地良い疲労感。数か月前に有料配信で観たソロイベントで魅せた七人の個の力はホンモノだという事を圧倒的な説得力でもって直に魅せ付けられた。完敗だ。
数か月前のあの日にソロイベント配信を観ていなければ、この日の舞浜の地に参戦していなかったかもしれないし、Wake Up,Girls!を名前だけしか知らないで現在過ごしていたかもしれない。そう考えると縁の巡り逢わせというモノは本当に不思議で面白いものなのだと。
今現在、忌々しいコロナウイルスの脅威は治まる気配がない。
プロ野球やJリーグ、一部のエンターテイメントでは観客を僅かながら入れた興行をしているが、ライブの類の公演は直に観る事が叶わない。
ネットの発達によって、配信という形式にて観る事が出来る。そして、配信で楽しめるしその形式で感じられるモノはあったりして良いモノではあるのだけれども……
現地参戦して、直に表現者の滾る本気の想いを直に感じて燃え滾って全てを出し尽くた身体を包む心地良い疲労感はそこでしか感じられない特別なインプレッション。
これが、いつ現地で感じられるのか見当が付かないというのは、寂しいモノがある……
一刻でも早くまた何の気兼ねせずにライブ参戦を楽しめる刻が来る事を願うしかない。
あれから5年の刻が経ったこの日も、5年前と同じくクソ暑い真夏の土曜。
5年前の8月8日という夏の1日は、おそらく生涯忘れられない日だろう。
自分にとってはこの日から、約束の地であるさいたまスーパーアリーナの単独公演へと繋がる始めの一歩を踏み出した記念の日という見方も出来る忘れられないライブの一つ。
今宵はそんな想いに身を委ねて、しっぽりと盃を傾け感慨に浸ろうと思う。