巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

重なる掌に交わる指。そして…繋がる魂。

 どうも。あかとんぼ弐号です。


 様々なLIVEを観ているうちに、表現者が魅せる所作の一部に注視していく事が一つや二つや三つ、四つ…etc色々あると思います。

その所作の例を挙げていくと…E・YAZAWAのマイクスタンドを豪快に回す通称・マイクターンや吉川晃司さんの足を高く上げてドラムのシンバルを蹴るシンバルキック。聖飢魔Ⅱ『FIRE AFTER FIRE』の間奏にて、デーモン閣下が右腕を激しく回す所作…etc


(うむ、我ながら例えが古いぜwww)


挙げていくとキリがない四方山話はここまでにしますが……
と、まぁこういうのが観れるのもLIVEの醍醐味なのだと思える。

で、WUGのLIVEに於いてもその要素多種多様にあって。

自分の中では、ある楽曲のある箇所での所作が最も印象に残っていて、そいつを観る度に何と言うか……激熱なんだけれども、胸をグッと詰まらせる様なインプレッションを感じてしまうのであります。


 そのある楽曲とは、WUGのアンセムソング(個人の所感)である少女交響曲

 

 

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そして、ある箇所での所作は…2番を歌い終えた後の間奏明けから始まる、吉岡茉祐さんと青山吉能さんが互いに歌い継ぐ魂の絶唱ソロパート。



 疑うこと 覚えたらキリないけど

 みんな弱いよね 私も同じ

 人と人とがつながるって奇跡 次の瞬間

 この手は離れるから ごめんさよなら

 ―Wake Up,Girls! 『少女交響曲』より引用

 


 『この手は~♪』の箇所で吉岡さんと青山さんが振り返って向き合い、互いに手を高く挙げて(ハイタッチの様な感じ)手を合わせるこの箇所。いつ頃からか彼女達はここの手を合わせる箇所で、ただ合わせるのでなく手を繋いで握り合う所作を見せる様になったんです。

この一連の絶唱パートは、この楽曲の『要』となる箇所と自分は思っている。

ただ単純に彼女達は音をなぞって歌い踊っているだけじゃない。
二人の身体から発せられている『気』がただならない迂闊に踏み込めない領域を創造して、演目の雰囲気に没入させてしまう。勿論、吉岡茉祐青山吉能だけでこの雰囲気は創造出来ない。島田真夢と七瀬佳乃の魂が共に在って成せるモノなのだ。

見せるようになったとある様に、握り合う所作は最初からやっていたワケでは無い。
いつ頃から見せだしたのか?そいつが気になってしまったのでちょいと調べてみた。


 映像で観られて確認が可能なのは以下の通り。


 少女交響曲 MV(フルバージョン)

 WUG2ndツアー

 Animelo Summer Live 2015

 Wake Up, Girls!Festa. 2015 Beyond the Bottom Extend

 WUG3rdツアー

 Wake Up, Girls!Festa. 2016 SUPER LIVE

 WUG4thツアー

 Wake Up, Girls!Festa. 2017 TRINITY

 WUG5周年記念ライブ

 Green Leaves Fes (昼夜)

 WUGFINAL TOUR ‐HOME- PartⅡ~FANTASIA~

 WUGFINAL TOUR ‐HOME- PartⅢ~KADODE~

 WUGFINAL LIVE ~想い出のパレード~

 


 これらのライブで『少女交響曲』は歌われ、その中で前述の握り合っている所作を見せていたのは、3rdツアー(微妙だが握っている様に見えなくもないのでカウントした)
4thツアー、FANTASIA KADODE、SSAのファイナルライブの5つ。

映像化されていないライブで見せていたのかを確認する術を自分は持ち合わせていないので狭い範囲でしかないが……一つ、興味深い発見があった。

それは、最後のライブ(千秋楽・ラストライブ)で握り合う姿を見せているという事だ。

 

2016年、決死の覚悟と執念で挑んだ3rdツアー千秋楽。

2017年、変わろうと願って一歩前に踏み出す勇気と変わらない想いを抱き臨んだ4thツアー。

2018年、約束の地への軌跡を開き、幻想が現実となった刻

2019年、始まりの聖地と約束の最後の刻で見せた生き様……


 この握るという所作について、吉岡さんは最後のBlogに想いを綴っている。


 

 吉能との掛け合いのパートはいつも背中で感じる気合いに負けないようにと、

 イヤモニをしていても必ず外して直で聞いていた。

 あの時、お互いに振り返り、手を合わせる瞬間、自然と握り合って、

 よく頑張ったな、と称え合うように通じた瞬間は鳥肌がたった。

 
 ―Wake Up,Girls! official blog 『Wake Up, Girls!@吉岡茉祐』より引用

 

 

 二人で予め示し合わせたのではない。互いの本能と島田真夢と七瀬佳乃の魂が二人の手を握り合わせたのだろう。理屈じゃないんだ。彼女達が紡いできた闘いの物語が昇華しこの楽曲に新しい血を通わせた。WUGが終焉の刻を迎えても消えない、離れないモノが彼女達の魂に撃ち込まれて存在している。彼女達の手が合わさって交わる指はそれを伝えるメッセージだと思えてならないのだ。


 彼女達が限界領域の向こう側まで踏み込み、交わった手を握り合う姿……

 

単純に合わせた掌を互いの指が交わって握り合っただけ。
でも、その単純な所作で楽曲に新しい血が流れて楽曲を進化させた。

 

それを観れたという真実は本当に幸せな事だと思っている。