巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

手を取り合い未来の刻へ~『ランガリング・リンクライブ』10.11公演所感。

 10月11日。『Run Girls, Run!』の配信LIVE『ランガリング・リンクライブ』二回目公演が開催された。

 

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前回同様、この無観客配信LIVEは感染症予防対策により開催中止となっていた結成三周年ツアーの代替として開催が実現した公演である。

9月に開催された前回は時間の都合がつかなくて夜公演しか観れなかったが、今回は無事に昼夜公演を観る事が出来た。

公演全体は、時間にして約一時間半と通常の会場に参戦して観るLIVEより短い時間に関わらず、内容面と濃度共に満足出来たLIVEだったのは改めてこの場で書くまでも無く、
いい意味で予想を裏切られ、期待以上のモノを魅せられ…『凄ぇモノを魅せられたな…』的なエモーショナルの暴力で徹底的にきっちりと打ちのめされたというインプレッションが終演後に感じた簡潔な所感だった。


ここからは、公演を観て印象深かった点についていろいろ書き殴っていく事にする。

 

 

 

 

 

 ☆長野の奇跡の軌跡と心意気

 

 

 この日の昼公演のセットリストの構成は、誕生日を迎えられた厚木那奈美さんが担当。
後述するが、構成のテーマに掲げたのは『秋』を感じさせる楽曲を並べたという。

落ち着いた艶っぽさを感じさせる黒を基調とした『Share the light』の衣裳でのパフォーマンス。同時に『Share the light』もこの配信ライブでは初めて披露された。
秋のイメージとして多く挙げられるこの落ち着いた雰囲気とされるならば、厚木さんはその部分を重視されて、楽曲や衣裳をセレクションしていったのだろう。

纏う衣裳が変われば、楽曲の印象もまた違った見栄えがするモノ。
特に、“RGR Season Song(あるインタビュー記事より拝借)”の秋の章を司る『秋いろツイード』で衣裳が持つ落ち着きのインプレッションと『秋いろツイード』が持つ切なさや儚さと加味されて楽曲が秘めていたもう一つの貌(かお)が覗けた様に思った。


 そして、厚木さんの表現者としての縁と軌跡を回顧していく意味を持つセットリストの構成にもなっていたのではないだろうかと自分は感じた。

オープニングナンバーに、誰かの誕生日という言葉がある『イルミナージュ・ランド』。
この日は厚木さん自身の誕生日でもあったが、日にちは違うがコロナ過の影響でバースディイベントが開催できなかった森嶋さんと林さん、そしてユニットRGRの三周年。
当日祝うのがベストではあるのだけれどそれが出来なかったが、時期が遅れて祝ってはいけないというルールなんてモノはない。ここら辺の強かさも厚木さんが持つ魅力だと自分は思っている。

で、続く『Go Up!スターダム』は『秋いろツイード』と同時に収録されている3rdシングル。
私見だが、この楽曲はRGRの絆を謳う楽曲という側面を持つ楽曲。『みんなで手をつなぎ』という詞は三人の繋がりを象徴するモノだと捉えられる。ちなみにこの楽曲も配信ライブではここで初披露になる。

初披露という括りで言うと『スライドライド』もそうだ。この楽曲も共に軌跡を行く仲間との絆を謳っている。開幕まもないゾーンに激熱な楽曲を置いて配信とは言えど、ライブの雰囲気に火を点けて熱していく構成にした厚木さんの用兵の妙はまた見事だと唸ったモノだ。


枠組みが越えたモノであるが、先輩・『Wake Up, Girls!』の楽曲『SHIFT』のカバーもまた厚木さんの用兵の妙が発揮されたモノだと思えた。

厚木さん曰く、『SHIFT』に秋というインプレッションを抱いているからセレクトしたと。
ただし、前述にある様に厚木さんは強かな部分が魅力的な人。単純に秋を感じさせるという理由や過去にカバーした事のある(昨年の二周年記念ライブ)だけで先輩の楽曲をセレクトしたとは思えない。


コレは、俺の勝手な暴論の域でしかない事を予め言っておくが……


『SHIFT』はWUGのシングル『スキノスキル』のカップリング曲。
『スキノスキル』は、厚木さんが出演された『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』のED。
縁と軌跡の繋がりを意識した彼女の構成のもう一つのテーマだとすると、作品のOP曲である『スライドライド』の繋がりを重視して組み込んだのだろうと思えてしまう。

だったら『スキノスキル』をカバーすりゃ良いんでないかと思えなくもないが…


(※Run Girls, Run!の3人4脚自由形#19でのカラオケコーナーにて厚木さんは歌っていたが)


厚木さんの真意がまた別な所にあるでしょうから、これ以上推測してもどうしようもないし野暮なのでここではしないが。間違いなくあると思えるのが、共演し間近であの七人の闘う姿を見て肌で凄さを感じている三人だからこそ先輩たちの楽曲を歌い踊る事の難しさを痛感している。でも、そこから向き合う事から逃げずに闘う事の覚悟が彼女達から迸っていた。


 何よりも、セットリストの構成に、厚木那奈美の縁への感謝と真愛の情に溢れた彼女が伝えたい本気の魂…即ち、変わらない想いが込められたのではないだろうか。

 

 

 

 

 

 ☆限界の向こう側を超えて~NANAMIの領域発動

 

 

 昼公演にて、一番圧倒されて魅せ付けられたのが厚木さんのソロパートだった。


タイプで言うと、林さんと森嶋さんは巻き込んで熱狂を生み出すタイプのパフォーマンス。
メンバーや観客を巻きこんでどんどん楽しく激熱なフィールドを作っていく。
一方、厚木さんは全くベクトルが違うタイプで、惹き付けて魅了させて離さないタイプのパフォーマンスが持ち味だと感じている。


初披露となった厚木さんのソロ楽曲『逆さまのガウディ』
この楽曲が、厚木さんが持つ魅惑の独自領域“NANAMIの領域”=所謂ゾーンに深みと凄みを加味させた。


音源を初めて聴いた時、天を仰いで本気で頭抱えたんだ。
音源聴いてこんな感覚を抱いたのは奧野香耶さんの楽曲『あのね』以来だ。


心地いい柔和な彼女の歌声と、歌詞が紡ぐ複雑な世界観とのアンバランス感がある種のもどかしさを生み、全体の雰囲気を掴みづらく難解さを醸し出しているのだろう。
音源聴いただけで考察する事を躊躇わせるのだから、ライブでの視覚的パフォーマンスがそこに乗っかったら……と戦々恐々としてこのアクトを観る事にしたが……


イントロからアウトロまで完全に魅入られて考察させる事を放棄させる程惹き込まれた。清々しい程に完敗だと言わざるを得ないぜ……


アクトの雰囲気を堪能していたからぢゃないんだ。堪能していたと錯覚させられたんだ。
言い換えると、視聴者は厚木那奈美の掌で良い様に転がされていたのだと……
配信でここまでとんでもないモノを魅せ付けられたのだから、現地参戦して直に“NANAMIの領域”を体感したら、魂が惹き込まれて捕らえられ現世に戻って来れないかもしれない……

けど、この刻と機会がいずれ来る事を畏怖を抱きつつ楽しみにしている自分がいたりもするんだよな。

 

 そして……この楽曲を披露してくれたのも本当に嬉しかった。


『キラリ覚醒☆リインカーネーション『夢色エナジーである。


森嶋さんや林さんがプリチャンのキャラソンを披露していたので、十中八九、厚木さんもキャラソンを披露するだろうと確信していたが、実際に披露された時は何とも言い難い想いが込み上げて来たんだ。

当Blogの過去記事にも書いておるが、この二曲は単なるキャラクターソングの枠を超えキャラと演者との繋がりがより強くて濃くて、未知の領域へ一歩踏み出す勇気を示した楽曲でもある。

 

 

akatonbo02.hatenablog.jp

 

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(どさくさに紛れて貼っておくぜwww)

 

 彼女達と最も縁深い『キラッとプリ☆チャン』という作品は、一歩踏み出して行動を起こして変わっていこうとする事を軸としている作品。林さんと森嶋さんがそうだった様に厚木さんにもその想いはある。

これらの楽曲のセレクトも、厚木さんの変わらない想いと変わろうとする覚悟があった。
昼公演にて着ていた『Share the light』衣裳と、作中で青葉りんかが着ている『シークレットアリス』の衣裳はデザインと色使いが似ている。厚木さんの中では意識して寄せていく事を考えて『Share the light』衣裳をセレクトしたのだろう。


柔和な厚木さんの歌声の中に感じられる滾っている情熱。
『負けない』『きっと大丈夫!』『ついて来てね!』と力強く言い放つのではなく、滾る熱を抑え込んで言い放っているが、厚木さんの眼差しには歌声とは違って強い光を放っていた様に見えた。


 魔性の領域で惹き付けて魂を捕らえてしまうミステリアスな魅力。純然で懐の深い包容力で癒されたりもする。


完敗でした。もうこの言葉を厚木那奈美さんに贈りたいと勝手に思う。

 


厚木那奈美”という存在自体が(いい意味で)ズルいと。

 

 

 

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 そして……厚木那奈美さん。お誕生日おめでとうございます!♪
23歳の刻が素敵で幸多き年になる事を願っております。

 

 

 

 


 ☆繋がって、導いて、そして輝く……

 

 

  夜公演のセットリストは、ランナー(RGRのファンの愛称)がRGRのラジオ番組『Share the Night』に送られたRGR曲TOP3を基に選考したモノで、冬をテーマにしたという。

そして、着ている衣裳は『ランガ応援プロジェクト』としてクラウドファンディングで資金を集めて作られた衣裳。ファーが特徴的で、この衣裳も冬をイメージさせるモノであるし、ランナーとの繋がりを印象深く感じさせる衣裳でもあった。


 そして、サプライズ的に披露された『Brand New Girls』はマジで驚かされた。
歌っているのはRGRの三人だが、名義は三人が『キラッとプリ☆チャン』で演じたキャラクターによるモノだ。

披露されたのは、TVサイズだったがこの楽曲をセレクトしたのは三人がみらい、める、りんかへの縁への感謝だったのではないだろうかと思えてならない。


 冬のイメージの基層としてあるのが『寒さ』という過酷な状況と晴れ間が少なく雪雲の黒い空を連想させる暗く寂しいイメージがあって耐え忍ぶ季節でもある。
この夜公演で歌った、“RGR Season Song”の冬の章『スノウ・グライダー』は寒さ=寂し気なイメージを示す楽曲。白を基調としたCF衣裳は雪のインプレッションと重なって絶妙な儚さとロマンチックさを醸し出していく。


 自分にいいきかせて 涙をごまかして

 許していけるはず もういいの


 ―Run Girls, Run!『スノウ・グライダー』より引用


 過酷な状況と耐え忍ぶという点では、今の世情と多分に重なる部分がある。
何も無ければ、観客を普通に入れてライブが出来ていた。多種多様な楽曲と巡り逢えて勝負を懸けようとした矢先に、本気の想いをぶつける闘いの場が理不尽に奪われた。

『もういいの』とありったけの想いを吠える様に歌う厚木さんの歌声は鋭く突き刺さり、音源で聴いた時には感じられなかったインプレッションを抱いたんだな……


 そして、寒さと対極にある暖かさも冬のイメージとしてある。
『スノウ・グライダー』以外の楽曲は、まさにその熱を示すモノだっただろう。
どれもが激熱であるし、アップテンポでノリ易い。様々な作品のOP楽曲を歌ってきたRGRのここまで紡いで来た物語の集大成を最終公演でぶつけて来た。

この配信ライブの初陣を任された、リーダーの森嶋さんがきっちりと駆け出して、続く林さんと厚木さんがきっちりと繋いで、ラストスパートのブースト加速へ至る。

 綺麗に格好良くまとめようとはしない。最後まで全力全開の本気を魅せる。
最終公演での三人は明らかに何かが違う圧倒する気迫に満ちてた。

 

 

 

 

 

 ☆“RGRのファンタジスタ森嶋優花

 



 林さんと厚木さんのパフォーマンスについて書いておいて、彼女、森嶋優花さんの事に触れないのは失礼極まりないので彼女についても書かねばならない。

 今回の配信ライブで森嶋さんを観てて感じたのは、終始安定してブレないパフォーマンスの質の高さと、楽曲の雰囲気で魅せる変幻自在の表情。

可愛らしい楽曲では、朗らかな愛嬌たっぷりの笑顔を振りまいて、格好良い系統の楽曲では、低音域を見事に響かせていたし、しっとりした系統の楽曲では、憂いを帯びた視線や目配せをしていたりと…その立ち振る舞い方には一分の隙がないパフォーマンスを魅せ付けて…


あぁ……この子、ファンタジスタだわと感嘆の念を抱いた。


 その場での閃きやテンションの昂り具合もあるのだろうが、おそらく彼女は入念な準備と高い意識でこの配信ライブという形式の闘いへ臨んだのだろう。
思えば、森嶋さんのパフォーマンスを直に観た『Green Leaves Fes』できっちりと表情作って魅せる事への意識の高さは感じていたが、より意識を高めてブラッシュアップして洗練されて、ただただ圧倒された。

 

入念な準備と立ち振る舞い方の計算と実行力。これが森嶋優花の闘い方の真骨頂。
で、彼女は乗せられると限界突破するタイプだと思う。

 

 

 

 

 

 ☆真に見せたくて、見たかったモノ。

 

 

 今回の配信ライブは全部で四公演。この形式で開催が決定して全体を支えるマストとしたのが、“RGR Season Song”の存在だと、公演後に配信されたアフタートークで彼女達は語った。

最後になった冬は、過酷な寒さという面があり過酷さを耐える事は、コロナ過にある現状と重なり合う。最終公演のセットリスト構成は前述にもあるが、ランナーがラジオ番組の企画に投票した結果を基にして楽曲をセレクトした。

このファン投票という形式にした事がRGRの真に伝えたい本気の想いの『核』となった。

メンバーのソロ楽曲コーナー、最終公演を除いた三公演の『青春アルゴリズム
全ての公演で終盤に披露された『カケル×カケル』と『ランガリング・シンガソング』

そして、最後の最後まで披露されずに焦らされた挙句に
ようやく披露されたラストナンバーの『never-ending!!』は堪らなくしびれてぶっ刺さった。

最終公演のセットリストは、サプライズで披露された『Brand New Girls』以外は、全てRGR楽曲で構成された。

彼女達はずっと思い描いていただろう。自分達の楽曲だけで単独公演を成立させる事を。
その想いは、ランナーも同様に思い描いていたと俺は思っている。


扉は叩かなきゃ開かない。本気の想いは声に出さないと伝わらない。


 ひとりじゃないさ 手を繋いで進むんだ
 
 まだ物語は 終わらない 未来へと


 ―Run Girls, Run!『never-ending!!』より引用


 彼女達は、ランナー達に『力を貸して』と一歩踏み出す勇気を出して叫んだ。
ランナー達は彼女達の本気の想いと勇気に楽曲投票というカタチで応えた。
互いの手を繋いで想いを循環させて共に未来の刻へと駆け出していく。


『ランガリング・リンクライブ』とはよく言ったものだ。
互いの想いや魂が境界を超えて繋がった。


……実際の所、魂が繋がったかどうかなんてのは知らんし、んな事は大した問題ではない。要は個人が感じる心意気なんだし、刻を共有出来てガッツリと楽しんで燃え滾ったというのは事実なのだから。

 

 

 

 


 ☆最後に。

 

 

 ここまで読んで下さった皆様、本当にありがとうございました!
取り急ぎ書き殴って推敲してない熱苦しい駄文を読んで下さった事には感謝しかありません。

 配信ライブという形式でしたが、こうして『Run Girls, Run!』のライブを観られたのは本当に良かったと思う。

12月には新曲がリリースされる事が発表され、また新しい楽しみが増えた。

 

 

 

 林鼓子さん。

 森嶋優花さん。

 厚木那奈美さん。

 

改めて『ランガリング・リンクライブ』全四公演お疲れ様でした!!!

 

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予想を見事裏切り、期待に見事応えてくれた素晴らしいライブを楽しまさせていただきました!!!そして、遅くなってしまいましたが結成三周年おめでとうございます!

 

これからも、笑顔で駆けて素敵な景色を見せてくれる事を願っております。