巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

アイプラ楽曲ライナーノーツ #58 恋心 ああ無情

 



 恋心 ああ無情/小美山愛×赤崎こころ×鈴村優×奥山すみれ×kana


 初出は2023年7月16日に開催された『IDOLY PRIDE VENUS PARTY THE FIRST』DAY2。
音源は本曲単体での配信リリースに、アルバム『IDOLY PRIDE Collection Album [chronicle] 』に収録されたグループの垣根を越えた特別ユニット楽曲で、ユニットメンバーは、TRINITYAiLEの鈴村優と奥山すみれ。LizNoirの小美山愛と赤崎こころ。ⅢXのkana。

そして本曲は、LIVE『VENUS PARTY The First』における目玉となっていた、トリエル、サニピ、月スト、franのソロ楽曲……と、予告無しでの新曲初お披露目バーゲンセールの締めを飾った楽曲でもあった。本曲が披露される前にボイスドラマが流れてこのメンバーだと知った時は、コレ混ぜていいヤツなのか?混ぜるな危険って言葉を知ってるのかとwwwwwえらく狼狽したのを憶えている。

優、すみれ、愛、こころ、kanaに共通しているのは、グループのセンター&リーダーではない者達。それと、他の事務所(バンプロダクション・プレタポルテ)から星見プロに移籍して来た外様といった者達でもある。そういった子達だからこそ歌える楽曲になっているのかと思える。


 楽曲タイトルに銘打たれている『恋心』や、歌詞を読んでみると本曲は恋愛模様や恋の駆け引きをテーマにした楽曲というインプレッションで良いと思う。それとはまた別で、センタ―ではない者達が星見のマネージャー(牧野)に対してそれぞれが「私をもっと見て欲しい!!!!!」といった承認欲求をアピールしていく魂の叫びを表す楽曲でもあると感じた。自分の抱いたインプレッションとしては後者の方が強かったりする。

そう感じられた要因としてあるのは、優、すみれ、こころ、愛、kanaがこれまでに辿って来たアイドルとしての軌跡に他ならない。前述でも触れたが、この五人は他の事務所から星見に移籍して来た子達。そして、ある子は星見のマネージャー(牧野)に対しての印象をこう語っている。

 

 

 ―こんなに家族みたいに接してくれる マネージャーさんは初めてです!

 

 

 この言は、ゲームのホーム画面や交流モードにて語られる奥山すみれの言葉。彼女以外の子が牧野に対してどう思っておるかは分からんが……彼のアイドルに寄り添って徹底して支えようとする姿は、外から入って来た五人にとって彼は未知で異質な存在だったのではないだろうか。そんな彼に人として惹かれていったのだと。

ただ、この五人はグループのセンターじゃない。とは言え……彼は立場とかで接し方は変えていなくて分け隔てはしていない。彼女達もそいつは理解しているが、それでもやっぱり自分だけを見てもらいたい、認めて欲しいってのは自然なモノではないだろうか。

未知で異質な存在である牧野に対して、五人は好意を抱いて接して来る。(好意が恋愛感情込みなのかどうかはいろいろな解釈があるだろう)どうでも良いと思った人へは当たり障りない接し方をするだろうから。優、こころ、kanaはそういう所はドライでシビアだと勝手に思っておる。


 メンバーの性格と個性もまた面白い組み合わせだと思える。(あくまでも著者の印象だが…)曲者・食わせ者感のある優、こころ、kana。生真面目で純粋なすみれと愛。対照的な性質の者達が関わっている事なのか曲調の方も、キュートさがベースになっているがどこかトリッキーさがあり、強烈に聴覚に纏わりついて得も言われない中毒性へ昇華していく。 

キュートさと同居しているトリッキーさは、五人が牧野に対して試みてるアプローチを表していると解釈している。直向きに頑張る子、からかって煙に巻く様な行動と言動をとる子、あえて横柄な態度を取る子……そのアプローチは様々で一筋縄じゃない。

 曲者揃いなこの面子がごく普通の楽曲なんて謳うワケがなかった。
本曲が聴覚に纏わりついて離れない中毒性の高い変態楽曲の域まで昇華出来たのは、楽曲自体の持っているチカラがあればこそだが、そいつを引き出したのは紛れもなくグループのセンターではない、優、すみれ、こころ、愛、kanaの意地とPRIDEなのかもしれない。何かをひっくり返そうとする者のエネルギーってのはもの凄い熱量を持っているのだから。