下詰み時代、彼女達は丹下社長に世話になっておりその恩義から、難航していたデビュー曲『タチアガレ!』の作詞・作曲の提供者になっている。それ以降もWUGに忠告とアドバイスを送っている。七人にとっては先輩・姉貴分に当たる存在。続・劇場版後編『Beyond the Bottom』で、アイドルの祭典に臨む為の楽曲制作のオファーを出していたが、同時期に彼女達も全国ツアーを控えその準備でオファーを辞退したが WUGとTwinkleとの縁は健在で、楽曲提供もおそらく続けてありその先の物語へと続いていく。
今回の独自考察記事は、Twinkleが七人に託した新しい楽曲について書き殴ってみようと思います。
毎度の如く個人の思考に過ぎませんが、お時間が許せばお付き合い頂ければ幸いです。
Chapter1/巡る七つの星と翼~HIGAWARI PRINCESS
この楽曲の新たな物語が語られたのはソーシャルゲーム『Wake Up, Girls! 新星の天使』内のストーリーで語られている。この楽曲が七人に渡った刻はアイドルの祭典・2016の前とみていいだろう。新章の前日譚を描いた漫画作品『Wake Up, Girls! エターナル・センシズ』内でも、仙台凱旋ライブのセットリストを考えていた際に『HIGAWARI PRINCESS』の存在を示唆している台詞があることから、この時点でWUGに渡っていたものと思われる。『新星の天使』での時間軸も、『エターナル・センシズ』内と同じく、続・劇場版後編『Beyond the Bottom』と新章の間を繋いだ物語として描かれたというワケである。
ダンスチューン色が強い曲調に注視してこの楽曲を見ていくと、bvexが制作した『素顔で KISS ME』と似系譜になるだろうが詞の世界観はまるで違う。『プラチナ・サンライズ』の項では、Twinkleが歌う楽曲、もしくはタイトルと詞を変え提供したと書いたが、『セブンティーン・クライシス』は最初からWUGへの新曲として書き下ろした楽曲であると思えるのです。その最たる理由はこれもTwinkle提供による楽曲『16歳のアガペー』の系譜を継ぐ後継・続編曲である事を強烈に印象付けさせているからでしょう。
『Beyond the Bottom』で圧倒されて形容する言葉を失ったのはあの刻と同様だ。 白一色の心の光で染まったSSAの空間。昇華していたのは楽曲だけじゃなかった…七人の存在も何か人ならざる者へと昇華した様に思えてならない。何かを感じ取って形容しろではなく、まっさらな魂でただ受け入れて感じろ。と言う事なのだろうか? おそらく数え切れない程このアクトを観たところで『答え』を導き出せないと思える……
TVアニメ『異世界食堂』のOPテーマ楽曲。 ユニット名にも冠され、ジャケットにもある様にこの楽曲はWUG単独の楽曲ではなく、アーティスト・May'nさんが加わったコラボレーションユニットとしての楽曲。 所属レーベルの枠を越え、May'nさんとWUGが繋がった。奇しくも、この楽曲がリリースされた頃は『繋がり』をテーマに掲げたWUGの4thツアーの最中(2017年8月)という要素も導きと引き寄せの『縁』を感じさせ、楽曲タイトルのOne In A Billionの和訳でもある10億分の1という天文学的な数字が示す様にこの両者の巡り逢いというのは奇跡レベルの繋がりだと思えるだろう。
この楽曲は、『One In A Billion』以上に個の心情に深く切り込んだ描写になっている様に思える。それを強く感じさせる要因は歌詞に出て来る『裸の王様』というフレーズだと自分は見ている。周囲からの批判や反対を受け入れないために、真実が見えなくなっている人の喩えでもあるが、身のほどを知らずに大それた目標を掲げる者に対しても『裸の王様』という表現を用いたりしている。楽曲の世界観のテーマも『裸の王様』が根幹を成しているのだろう。 この楽曲では、『裸の王様』の持つネガティブな要素ではなくポジティブな要素……つまりは、抱いた大志を信じて貫き通そうする想いを謳う前向きな楽曲だと思えて来るのである。
菊間夏夜のキャラクターソング『Into The Light』の歌詞にある『失う事に慣れるときはこないからさ』から始まる彼女の言葉。何故、この楽曲から詞を引用して彼女は挨拶の第一声としたのか?当然、奥野さんの真意を窺い知る事は無理な話だが…失うという自然の理からはどうしても逃れられないモノで、刻が経つにつれてそれは薄れていくことではあるのだけれども、完全に消し去る事というのは不可能な話で幾ら重ねようとも慣れるという事はない。 だが、引用した詞の後の歌詞はこうなっていて、ここに彼女の真意=ここで生きるが在る様に思えるんだ。
映像となって観れるのはこの仙台公演と、SSAの二回のみ。 分水嶺、生命の楽曲となった『Beyond the Bottom』切り札、集大成となった『Polaris』 この楽曲はそれらに続くピリオドとなる楽曲。終わる事と、また逢える事を願い謳う歌。寂しい心情を歌ってはいるが、それに囚われてしまうのではなく、未来の刻に想いを馳せ前進していこうという強い決意を感じさせ奮い立たせてくれる楽曲でもある。後に発売されるSSAの映像ではおそらくまた違ったインプレッションを感じるだろうからそれもまた楽しみなところではある。
この楽曲のイントロが流れた瞬間に来る血の滾り、空気が変わる感覚が心地いい。 それは映像で観て聴いてもなんら変わりが無い。前の『Beyond the Bottom』の余韻に浸りきっていたところに轟かせた吉岡さんの『いくぞぉぉっ!!』という魂の叫びと彼女の叫びに呼応してワグナーが\Wake Up,Girls!/と吠える。やっぱり、この楽曲は独特で『Beyond the Bottom』とはまた違うゾーンがあって強い。また、原初の楽曲を、最後の衣裳であるMEMORIAL衣裳で歌い舞い踊る姿はなんだか感慨深いモノを感じるじゃないか。