巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

終わりではなく、はじまり。『Wake Up, Girls! FINAL LIVE ~想い出のパレード~』Blu-ray所感。

 

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 Wake Up, Girls! FINAL LIVE ~想い出のパレード~』Blu-rayを購入致しました。


少し前になるが、あの時売り切れてしまったパンフレットも事後物販で購入出来た。

 

無事に購入したのはいいが…正直な話、購入直後は観たい欲求は勿論あるのだけれども、参戦したあの刻と瞬間のインプレッションを大切にしたい躊躇いの心情とのせめぎ合いがあった。俺の中では踏ん切りはついていると思っていたが、なかなか簡単なモノではなかったらしい。生半可な覚悟では、あの地で紡がれた物語を受け入れる事は出来ない。

 

 

どれだけ嗤われ、傷ついても譲れなかった決起の物語。


言葉にして言い続けあの刻を記念日にした物語。


悔し涙が七つの星に変わり輝いた闘いの物語。


『大好き』と伝えられる体と心の物語。


当たり前の奇跡と生命の息吹に感謝する物語。

 

もう一つの巡り逢いの縁への奇跡と礼賛の物語。


虚構という抜け殻ではなく、本質という素顔の物語。


理性を置き去りにしてひたすらに楽しむ物語。

 

人間らしく在ろうとした少女の一歩踏み出す勇気と始まりの物語。


不揃いの中に在った深愛の物語。


星が煌く闇夜を翔け、眠ったチカラを解放する物語。


二人への真愛を叫ぶ魔性の物語。


紫の煌きが織り成す魅惑の領域での物語。


満腹まで余す事無く楽しみ尽くす物語。


感じるな、楽しめ!という魔法の言の葉の物語。


それぞれ違った形の原石が放つ七色の心の光の物語。

 

地図を失くしても強く願い辿り着いてわんさか楽しむ物語。


パーティの主役は七人のプリンセスだった物語。


完結してたはずの世界を変えた物語。


想いを塗り込めた空へ手を伸ばし、憧れを掴み取る物語。


想像出来る後悔よりも創造する明日へと踏み出す七つの感性と個の物語。


しんどい季節と涙があってこそ輝く極上の笑顔の物語。


悠久の刻が廻る物語。


今の自分と未来を信じて諦めなかった少女達が交わり響かせた物語。


One offを極めた“生命の謳”と純白の心の光で染まった“奇跡”の物語。


過ぎ去りし刻を尊ぶ決意と“起”の物語。


壊れる事すら厭わない爆ぜる魂と“承”の物語。


それぞれの未来へ翔び発つ“転”の物語。


永遠の別離の『さようなら』ではなく、また逢う為の『さようなら』の“結”の物語。

 

巡り巡って手に入れた鍵で未来へと転じる物語。


迷宮を彷徨いながらもひたすらに楽しんで突き進んだ物語。


望郷の念と、東北六県へ想いを馳せ、繋ぐ物語。


心の光が互いに導き、繋がり、輝いた物語。


この世界で生きるために…おしまいではなく、ここからはじまる為の終の物語。

 

 

3時間過ぎの刻の中で紡がれた、一つたりとも欠く事の出来ない尊い物語があった。
この物語(楽曲)へのインプレッションについては、あの刻と地で直に感じたモノを参戦レポという形式で書いたので、今更取り立てて書くようなことも無い。

akatonbo02.hatenablog.jp

 

*クソ長い駄文なのでご注意下さい



でも、あれから時間が経って、あの激熱な感動という記憶の輪郭がぼやけはじめて来たのも事実として感じている。そんな刻に約束の地で魅せ付けたあの七人の本気の想いと魂を観せられ、あの刻で感じた激熱な感動を記憶の底から引き上げる為に、まさに今、PCの画面と向き合いキーボードを叩いている。


だからこれは、参戦レポの追記・アフタートーク的なモノとして書かせてもらう。

 

 楽しかったこと、嬉しかったこと。

 つらかったこと、感動したこと。


 最後のステージの幕が上がる直前まで、

 今日ここにいるすべての人が

 次々に浮かびあがる様々な想い出に

 心を揺り動かされているでしょう。


 でもライブが始まったら想いは一つ。


 7人でのラストステージ、

 7人それぞれの新たなる門出。


 たくさんの想い出がパレードのように

 押し寄せる、胸踊る楽しいひとときを過ごそう。


 そしてパレードの幕が下りる瞬間、

 きっとみんなの胸に去来する言葉は……


 ありがとう


 ―『Wake Up, Girls! FINAL LIVE ~想い出のパレード~』パンフレット本文より引用

 

 

 

● 感情の大戦争

 

偉大なる先人(水樹奈々さん)曰く、『ライブとは闘いの場である』と。


そして…最初の挨拶でWUGのリーダー・青山吉能さんは吠えた。

 

今日はね、そのパワーを思う存分貰って、与えて、

そんな大戦争にしたいと思ってますので、

今日は宜しくお願いします!!!!!!!

 

参戦したあの日は、滾る衝動と興奮が勝っていて感じなかったモノだが、改めて観る環境と状況によって感じるインプレッションはまるで違うという事を思い知らされ、観終わって、彼女が言っていた『大戦争』という感情のぶつけ合いの意味を痛感した。


まず、胸に込み上げていたのがオープニングアクトの『タチアガレ!』だった。


このSSAにて『タチアガレ!』が歌われたのは2014年のアニサマ以来。
アニサマでもそうだったし、実際に俺がこれまで参戦したり観たWUGのライブでこの楽曲に対して湧かなかった涙腺を集中砲火される感覚。そうなった要因は、会場全体を俯瞰で捉えた景色、吉岡さんのソロパートの時に一瞬だけ七人側から会場を映した場面だ。


今までのライブ映像作品にも七人側からや会場全体を映した場面は存在している。

だが、涙腺まで集中砲火される事態にまでには至らなかった。


何故そうなったのか?それはこの地が、さいたまスーパーアリーナだったからと思ってる。


嗤われても言い続け必死に闘い……最期の刻で遂に叶って七人の足で立った約束の地。
フェスで観る景色じゃない。最初から最後まで彼女達七人が占領できる特別な刻。勿論、これが最期のライブだという事実があったからという事もあるし、何よりも自分が最も観たかった景色だったからでもある。


それだけじゃない。


『極上スマイル』にて盛大に歌詞すっ飛ばし2番のBメロを先に歌ってしまった高木美佑さんww自分の知る範囲だが、彼女が豪快に歌詞すっとばしたのは、2016年の3rdツアーの初陣となった舞浜公演(夜)で歌った『It's amazing showtime☆』以来だろう。

間違えないのが良いに越した事はないが、これもまた滅多に観られるものじゃない貴重なモノ。あの場でしか生まれなかった物語と称しても良いと俺は思っている。


少女交響曲』で魂と魂が激しくぶつかり合ったまゆしぃ&よっぴーの絶唱
彼女達が限界領域の向こう側まで踏み込んで、繋いだ互いの手を握り合う姿。


(俺の目にはそう見えたんだ…)


これはあの場で自分が観れなかった細部だ。繋いでいた時間は僅かだが、握り返す力と熱は強くて燃え滾るモノだった様に思えて来る。


Beyond the Bottom』で圧倒されて形容する言葉を失ったのはあの刻と同様だ。
白一色の心の光で染まったSSAの空間。昇華していたのは楽曲だけじゃなかった…七人の存在も何か人ならざる者へと昇華した様に思えてならない。何かを感じ取って形容しろではなく、まっさらな魂でただ受け入れて感じろ。と言う事なのだろうか?
おそらく数え切れない程このアクトを観たところで『答え』を導き出せないと思える……


Polaris』のクライマックス、吉岡茉祐さんのソロで白から赤に染まるあの光景。
瞬時に変化していくのでなく徐々に、まるで血が廻り渡って血と魂が宿っていくかの様な印象を思わせる。新章の最終話で闇夜に段々と灯って広がっていく白の光の場面を彷彿とさせる光景。灯る心の光の色は違うが…激熱であり感動で想いが込み上げて来る素敵な場面。


改めて挙げだすとキリが無くなるのでここまでにしますが
あの刻を思い出したり、あの刻で観れなかったものを観れて感激して涙して…心の底から笑い、本気の想いに魂が戦ぎ、滾って爆ぜたり、圧倒的な存在感と説得力で言葉を失う…
想いの相互循環なんてそんな優しいモノじゃない。ノーガードで殴り合う闘い。


青山さんが言っていた様にあの場は“感情の大戦争”だった戦場(いくさば)でした。

 

 

 

SSAなんだよね……

 

俺は、参戦時には一切メモを取らない。と言うかは取れない。


なので、俺が書いたこれまでの参戦レポはMCパートの大部分をすっ飛ばして書いてきている。今、こうして映像で観れてこの言葉にやっと気付いたワケでここに書いているのだが。


さて、この項の題にある『SSAなんだよね』という言葉。これは『Beyond the Bottom』後のMCとアンコール『地下鉄ラビリンス』後のMC内で青山さんが感慨深くSSAに今立っているという紛れもない真実をしみじみと感じている言葉を発していたのが印象的だった。

色々な想いや感情を抱いていたと思います。
青山さんだけじゃなく六人にも。ワグナー諸氏にも。

たった一日の最期の夢のステージに、それぞれの年月と、物語と、未来があった。
皆、真剣だった。潔かった。本気だった。魂懸けてた。


だからこそ、彼女の言の葉が魂に突き刺さって来たのだと。


『生きる』という言葉を青山さんはよく使われている。
彼女があの刻でSSAのステージに立っている事を幻ではなく、自らの両足でしっかりと立っているという現実を噛みしめ再確認し、『今を生きている』という実感を得たかったのだと思えてしまえるし、過ぎていく刻を惜しむ意味でもあったのだろう……


SSAなんだよね…』と彼女の万感の想いである言の葉は意義深くて重かった。

 

 

 

● あの七人に負けた……

 

 やっぱり、この七人“最強”なんです。


吉岡茉祐さんが手紙に綴られたこの言葉に一切の偽りは無く、深くて重い。

そして…誇らしげに戦友達を称え、微笑んで言う彼女は素敵でした。


人それぞれに感じた七人の強い輝きは違うモノだと思います。
あの刻に参戦して様々な位置の座席で観て感じたモノ、そしてこの映像を観て感じたモノがどれ一つとして完全に同じモノはない様に。


観た人の抱く唯一無二、あの七人が最強たる理があったのだと。


彼女達も、最初から強かったワケじゃない。弱いのなら尚の事闘えと…自らの弱さと真摯に向き合い、真っ向から限界と闘い抜いてここまで来た。

今までも、そして…終焉の瞬間までそいつを魅せつけて貫き通した。
改めてこの映像をあの時とは違った視点で観た率直なインプレッションが前述の言。約束の地・SSAという特別な場所での最期のライブだが、彼女達は何も特別な事をしたワケじゃない。奇を衒う事無くいつも通りに本気で、全力全開で、想いと魂を燃え滾らせて

『いつものWUGのライブ』のスタイルでやりきって、全てを出し尽くした。
それがいつも通りの、期待に応えて予想を裏切った素晴らしいライブに出来たのだと。


Wake Up,Girls!』の生き様と強さはここまで凄いモノになっていた。


本当に凄い、最強で最高の七人。完敗です。

 

 


● 無くならずに続いていく『縁』の記憶

 

3.8に参戦の叶わなかった人。
あの刻の記憶を呼び起こし感動を取り戻そうとされる人。


今とこれからの未来の刻で、
まだ『Wake Up,Girls!』を知らない、知ったばかりという人。


Wake Up,Girls!』から距離を置いて、また寄り添ってみようとされる人……

 

この映像を観終わって…参戦した3.8の記憶と別の視点で観て繋がった新しいインプレッションの余韻に浸り、置き去りになった感情を取り戻す為に書き殴った。
刻が経って記憶は薄れていってしまうモノではあるが、ほんの些細なきっかけで濃密に取り戻せる事だってある。でも、どう抗っても何もかもが変化していく事は逆らう事の出来ない自然の理。そして、人も離れていくのだろう。


けれど、どうにも出来ない事を受け入れて尚、吉岡さんは言葉にしてくれた。

 

忘れないで。ここにWUGがいたことを。

そして、みんなの中でWUGという存在が、

ずっと先の何億光年も輝ける想い出になってくれていれば、

物語は続いていきます。

 

 

物語は続く。続けて紡いでいく方法の一つとしてあるのが、今観たこのライブ映像だと。
懐かしくてまた会いたくなったら、何時でもこの縁の記憶を再生すればいい。
無くなるモノはあるが、残るモノもある。あの刻の記憶を呼び醒ます媒体が今存在している。これも当たり前な事じゃない奇跡なんだ。


そして…このBlu-ray Discのブックレットの裏表紙にはこう記されていた。
その言の葉をもって、本稿の締めとさせていただく。

 

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スペシャルサンクス Wake Up,Girls!を愛してくれた全ての皆様

 

何度でも叫んで語り継ぐよ。やっぱりあの七人は最強で最高だったと。