巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

Run Girls, Run! Online Live ~ランガリング・リンクライブ♪~【夜公演】所感

 9月26日『Run Girls, Run!』のLIVE『ランガリング・リンクライブ』が開催された。

 

 

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このLIVEは配信限定&無観客というスタイル。単独公演に於いてはRGR初となる試み。
配信ライブでのステージ経験はあるけれど、単独公演となるとこれまた違う未知の領域。

そして、今回のLIVEはセットリストの楽曲を、26日の昼は森嶋さん。夜は林さん。10月11日の昼は厚木さんが選考して、夜はランナー(RGRのファンの愛称)がRGRのラジオ番組『Share the Night』に送られたRGR曲TOP3を基に選考したモノになると言う。

観客がいないLIVEだからといって単純に歌い踊るだけにはしない。何かを、彼女達が今それぞれに抱え、滾っている本気の想いと魂を爆発させて届けたいという強い決意と闘う姿勢を示している様に発表の際には感じられた。


で……自分が観る事が出来たのは夜の部。その中で特に印象深かった事を書く事にする。

 


 


 ☆止まらず攻めるという意識と覚悟

 

 夜公演のオープニングナンバーは『ダイヤモンドスマイル』。で、三人が纏っている衣裳もこの楽曲のモノだ。

夜公演で三人が纏う衣裳も林さんのセレクションによるモノだと言う。彼女曰く、『ダイヤモンドスマイル』の衣裳が一番好きな衣裳であると。
好きな衣裳を着てパフォーマンスをする。心躍る楽しい事だろうし何よりも下手なパフォーマンスは出来ないと気合の入り様もより違ったモノになるのだろう。

前述にもあるが夜公演のセットリストを考えたのは林さん。
『ダイヤモンドスマイル』は今よりも強く輝く事と限界を超えようとする強い意志を謳う楽曲。
この楽曲を初手に選考した林さんの今回のオンラインライブへの懸けている意気込み…言いかえるなら闘う姿勢を示した。

二曲目に披露したのは『Break the Blue!!』。この楽曲も闘いの楽曲だ。
アップテンポでスピーディな曲調でもって、LIVEの雰囲気に火を点けて熱気を煽る。配信であろうともLIVE会場に参戦しているかのような熱気に包んでくれる配信だ。

 

 

 

 ☆『夏』の二面性で魅せる


 
 林さんは今回のセットリストのテーマとして掲げたのは『夏』であると。
その要となった楽曲が、1stアルバム『Run Girls, World!』に収録され今回のLIVEで初披露となった『水着とスイカ』。そして、直系の先輩であるグループ『i☆Ris』の楽曲である『徒太陽』。

バックスクリーンに映し出された向日葵の映像に、音源とは違ったアレンジが施されたイントロで待ち望んでいた『水着とスイカ』の初披露を彩った演出は素晴らしいと唸るしかなかった。

『初披露はその楽曲にとって一回しかない貴重な時間』であると、リーダーの森嶋さんは昼公演の際に言ったとの事。大切で素晴らしい楽曲だからという自負と楽曲への敬意があるからこそ、初披露の刻を待ち望みつつ大事にしていたのだろう。

夏の残り香を感じさせるような哀愁感漂うスローなシティポップに、台詞パートが盛り込まれたRGRの新境地とも捉えられるチャレンジングな楽曲。歌う彼女達の歌声や情感を込めた表情はRGRの魅せ方の新しい可能性を強烈に感じさせる。


 直系の先輩・後輩という縁で繋がっている『i☆Ris』楽曲を歌う事。
この楽曲にも、彼女達の尊敬の念が込められた様に思えるのである。

ただ単純に音をなぞって、そつなく歌い踊っていればいいという事にはせずに、真正面から楽曲に向き合いRGRのオリジナリティを出そうと果敢に挑んだ。
ダンスのフォーメーションを厚木さんは三人用にアレンジを施し、林さんは晴れやかで伸びがある絶唱を響かせ、森嶋さんは夏の太陽の様な愛嬌を振りまく。

同じ夏をテーマにしたこの二曲だが趣きは真逆。
その陰と陽の要素を引き出して表現したRGRのこれも新しい可能性と気迫を感じられた。

 

 

 

 ☆私の謳を聴け!!!~若き歌姫の魂の絶唱

 

 夜公演の言わば座長の任を受け持ったRGRのセンター・林鼓子さん。
LIVEの中盤戦は彼女のソロパートから始まった。


こちらも初披露となるソロ楽曲『りんごの木』。


軽妙かつ、畳み掛けるかのようなアグレッシブなロックチューン。
マイクスタンドを使用してのパフォーマンスは、林さんの歌声をより映えさせて響かせる。
音源を初めて聴いた時からライブ映えする楽曲だと思っていたが、配信の画面越しではあるもののそれを確信させるモノで、血が滾り興奮しつつ鳥肌が立つ“魂の絶唱”は凄まじいのとしか良い様がない圧倒的な攻めの楽曲で……


林鼓子にしか謳えない林鼓子だけのOne offの極致にあるアンセムだ。


ステージのド真ん中で、座標軸(中心・センター)はここ=林さんだと高らかに謳う姿は高潔で格好良さに満ちていた佇まいだった。


 続けて披露された『ワン・ツー・スウィーツ』と『TOKIMEKIハート・ジュエル♪』
この楽曲は『キラッとプリ☆チャン』で林さんが演じる桃山みらいのキャラクターソング。

林さんの表現者としての軌跡を最も長く縁深い存在であるのが桃山みらいだろう。

境界を超えて繋がる二人の想いと魂。『りんごの木』で魅せた高潔で格好良い佇まいとはまた違って楽しく可愛らしく謳う姿が印象的だった。


 この配信LIVEの報が告げられた後で、林さんはBlogにこんな言葉を綴っていた。

 
 

 

 画面越しなんていう小さな壁は超えてみせるから!

 画面の向こう側まで、アツい想いを届けます!


 ―Run Girls, Run! OFFICAL BLOG 『月曜日のはやまる164٩( 'ω' )وここ』より引用

 

 

本当に望んでいた形式ではなかっただろう…でも、待望の刻と機会に恵まれたのも事実としてあった。限界を勝手に悟って小さくまとまってただやるのではなく、その限界をぶっ壊してやろうと抗い闘う事を決めた。

歌は嘘がつけないモノであるとある人は云った。

林さんの歌声…絶唱は、力強いエネルギッシュに満ち溢れるモノでもあり、心底
歌う事を楽しんでいるのが伝播していってこちらも楽しい気分にさせてもらった。
その姿と佇まいに血が滾ったし、同時に醸し出された凄みは畏怖さえも感じさせられた圧巻の“絶唱”で林さんなりの解があの場と刻にはあったのだと思った。

 

 

 

 ☆解禁の刻と本能、繋がる魂~ランガリング・シンガソング

 

 この配信LIVEのトリを飾るラスト・ナンバー。1stアルバムのリード楽曲でもある。

その前で披露したRGRの始まりの楽曲『カケル×カケル』からこの楽曲へと繋いで締める。
心が戦ぎ魂が爆ぜる様な、何ともエモーショナルな繋ぎ方じゃないか。

初の配信LIVE『ランガリング・リンクライブ』は、コロナ過で三周年記念LIVEが開催されなかった事の代替という単純な意味だけではなく、最新の『Run Girls, Run!』を伝えるLIVEの位置付けでもあったのだろう。

この楽曲、おそらくは観客のコールが入って来る事≒シンガロング(会場が一つになる)の域へと到達することで真の完成となるのだろう。彼女達の伝えたい本気の想いの核を成してセットリスト全体に意味を持たせる意味で、この楽曲をラストナンバーに据えたのだろうと勝手ながら思ってしまう。

しかし、今回は無観客のLIVEで観客の声は届かない。でも、代わりに設けられたチャット欄へコメントを寄せる事は出来る。そして、彼女達も観客が見えないのにも拘らずすぐ傍で観ているかのように画面の向こう側の視聴者に向けて煽り呼びかける。

そんな三人の想いに応えて、サイリウムを振ったり、盛大な拍手や声援を贈ったり、その楽しみ方は配信でも変わらないのだろう。


 とどいて とどいて 私の言葉

 たくさんの想いを のせていくから


 ―Run Girls, Run! 『ランガリング・シンガソング』より引用


 とどいて とどいて 私の言葉と彼女達は本能で謳う。
本気の想いと魂、そして画面越しでも必死に本気で闘う彼女達の姿は多くの人の魂を掴む。彼女達と我々との間に立ち塞がる境界は確かにある。けど、互いに超えようと寄り添おうとして刻と機は共有して繋がれたのではないだろうかと思えてならないのである。

 

 

 

 ☆最後に。


 良く魅せようと振舞おうとするのではなく、ありのままの本能と全力全開の滾る想いをただぶつけた。シンプルだけれども魂を揺さぶられた素晴らしいLIVEだった。本稿では林さんのパフォーマンスについて書いたが、森嶋さんも厚木さんも遜色の無い素晴らしいパフォーマンスを魅せてくれた。


 限界を超え引き出された未知の可能性。

 
 縁を大切にする変わらない想い、更に輝きを増す為に変わろうとする強い覚悟。


 更に磨かれて輝く三者三様の個のチカラ。


 強くなるために止まってなんかいられずに走り続ける。そんな気迫も感じられたLIVEでもあった。

そして、この配信LIVEの刻と機会はこの日だけで終わりじゃなくて、10月にまた観られる刻と機会がある。それもまた今回のLIVEの雰囲気とはまた違ったモノにしてくれるのだろうし、この三人ならやってくれると信じている。


10月配信LIVEでも、ドキドキしてワクワク出来る事を願いここで筆を置く事に致します。