巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

WUG楽曲 ライナーノーツ #24 DATTE/あぁ光塚歌劇団

 どうも。WUG楽曲ライナーノーツやらせて下さいッ!のお時間です。
これがこの連載企画の正式なタイトルだったりするのでありますが……


今更んな事持ち出した所で何の意味を無いので、とっとと本題へと入りたいと思います。

 

 


 DATTE/小早川ティナ(CV:安野希世乃) from I-1club

 

youtu.be

 


 『Wake Up,Girls!TVシリーズの(5話、6話)挿入歌。

音源ではBlu-ray『Wake Up Girls!』第1巻の特典CD、WUGのベストアルバム第一弾となる『Wake Up,Best!』、各音楽配信・販売サイトでの購入。
また、ライブBlu-rayでは、1stライブツアー(田中美海さんによるカバーバージョン)と『Wake Up,Girls!新章』の特典映像として収録された『Wake Up, Girls!Festa.2017 TRINITY』で安野さんが歌われたモノが観られる。


さて、この楽曲だが……様々なクセと変化揃いのWUG楽曲の中でも


異質中の異質なド演歌調なのである。


小早川ティナのソロ楽曲ではあるが、広義的に括るならばこの楽曲もI-1楽曲と言っても良いのだろう。日本とイギリスのハーフで金髪翠眼を持つ彼女と演歌というミスマッチ感がまた面白いモノでもある。
ただ、ド直球な演歌・歌謡曲テイストといった曲調ではなく、ティナがハーフという設定もあってJ-popやアニソン寄りに作った方がしっくり来ると作曲者の広川恵一さんは仰られていた。
で…更にはI-1メンバーのソロ楽曲はこの楽曲しか存在していない。公式の設定はない上にこいつは自分の私見ではあるのだけれど、I-1のVocal部門ツートップの一角(もう一人は鈴木玲奈)を担う存在である事を証明している楽曲の様にも思えてしまう程に、安野さんの歌唱力がこれまた見事なものであるのだ。

 曲題の『DATTE』(だって)。WUGの舞台となっている宮城県・仙台の地。歌詞にある伊達という語と仙台関連のワードが散りばめれられた事から、縁の深い戦国武将、伊達政宗からこの楽曲の題は付けられている。
戦国の世で生きて来た政宗と、劇中で言われたアイドル戦国時代の中で生きているアイドル達の生き様を描写した詞の世界観は、刻の流れが違えども己の実力で好機を掴み獲ると思えて詞にある『下克上』や『戦国時代を耐えて輝く』いう節はそれを色濃く表してもいるのだろう。


 一度限りのこの時を 

 楽しまないでどうしましょう

 曇りなき 心の月を 先だてて

 浮世の闇を 照らしてぞ行く


 ―小早川ティナ(CV:安野希世乃) from I-1club『DATTE』より引用


曇りなき~からの節は、政宗の辞世の句から引用されている。『自分の人生は、何も見えない暗闇の中を曇りのない月の光で照らして進むような一生であった』と言う意味だそうだ。

ティナが身を置いているI-1clubとアイドルの世界は先行きが確約されていない軌跡を僅かな光を灯しつつ往く事でもあって……それでもその瞬間を全力で楽しみ頂を目指して研鑽し挑む。この楽曲から感じられる叩き上げの魂の根幹を成している節々であり、また、生きて来たという証明という意味合いの生き様ではなく、斯く在りたい(こう在りたい、生きたい)という意味合いを込めて小早川ティナは謳った様に勝手ながら思えるのである。

 

 

 

 

 あぁ光塚歌劇団/光塚歌劇団(吉岡茉祐青山吉能)

 

 

youtu.be

 


 『Wake Up,Girls!TVシリーズの(6話、8話)挿入歌。

音源では『DATTE』と同様、Blu-ray『Wake Up Girls!』第1巻の特典CD、WUGのベストアルバム第一弾となる『Wake Up,Best!』、各音楽配信・販売サイトでの購入。
ライブBlu-rayでは、1stライブツアーで披露されたものが観られる。


この楽曲もまた、異彩を放つ楽曲だと言える。


男役パートを吉岡茉祐さんが歌い、娘役パートを青山吉能さんが歌われているミュージカル調が特徴的なデュエット楽曲。ミュージカル調で括ると、曲調は全然違うが『SHIFT』と同系譜であるけれどこちらの方は聴かせる要素の強い楽曲の様にも思える。

華やかな曲調に、吉岡さんの瑞々しい凜然な歌声と青山さんの芯のブレない清廉な歌声による掛け合いと、ハモリの躍動感がまた見事に合致していて聴き心地の良さを醸し出している。特にラストの歌声の伸び具合はまさに『絶唱』の域にまで昇華していると感じさせられる。

WUGのVocal部門ツートップ(著者の独断だが)の存在感は当時(2014年頃)から放たれていた。2015年にリリースされた3rdシングル『少女交響曲』での落ちサビでの絶唱による掛け合いの下地がこの楽曲の時点で片鱗を覗かせていた様に勝手ながら思えてしまったのである。

 

 

 

 


 今回は本当に難産な記事でした。
ざっくりした上に相変わらずの拙い文章となってしまいましたが……
 

今回も最後まで読んで下さりありがとうございました。