巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

情熱と興奮が交差する刻ーIDOLY PRIDE VENUS PARTY The Second DAY1参戦レポ

 8月11日と12日に、パシフィコ横浜にて開催された『IDOLY PRIDE VENUS PARTY The Second』両日共に参戦して来た。今回は、DAY1の参戦レポをこれから書き殴っていく。

 


 まず、レポの本編に行く前に……今回の『VENUS PARTY The Second』において、触れておかなければならない事がある。

 

 

 開催前日。一ノ瀬怜役の結城萌子さんの新型コロナウイルス感染が判明。それにより、LIVEの出演は辞退されるとの事。これまでのアイプラLIVEでも、グループの誰かが出演されなくてメンバーが揃わない事はあったが、それは、既に出演されないのは分かっていたりする。しかし、今回の様な開催前日に主演できないというケースは初めてだと思う。

当の結城さんも無念だっただろうし、共演されるキャスト陣、そして、観客の我々も寂しい思いを抱いた。ただ、そのネガティブな感情に囚われてはいけないという想いと、心の奥底では整理し切れない想いが渦巻いてる状態でLIVEに挑まなくてはならない。実際にその現場に立ち会い体験してどんな感情になるのか?それを大きなポイントとしていたのは事実だった。

 昨年の『VENUS PARTY The First』、月スト&サニピによるアイプラLIVE初のZepp Tourで彼女達が魅せてくれたのは、当然ながら『今』最も見せたい自分達の力だったはず。だとするなら、キャラクターの魂を宿し、なおかつ物語を経た今の彼女達が見せたい『今』が何なのか?そいつを直で観て自分は何を感じて魂へ刻み込むのか。そいつを見定めてみたいと。

 ただし…如何せん俺の脳ミソのキャパシティが極小なモノしか無いので、詳細までは書けないがそれでも出来得る限りこの夏の陣の模様を書き殴っていこうと思う。出涸らしの記憶を無理やり絞って書いておるので所々(…ぢゃ済まないかも)怪しい部分はあると思いますが、それでも読んで下さるとありがたく思います。

 

 

 

 1.恋と花火/月のテンペスト


 最初に持って来る一曲目の攻め方は、言わずもがな本当に重要なウエイトを占めたモノ。グループを象徴する楽曲や一気に会場全体を燃え滾らせる『アンセム』的な楽曲による真っ向勝負を仕掛けるか?或いは、こちら(観客)の意表を突いて来る様な変化球を持って来るのか?そんな思考が脳ミソを廻ってドキドキ感とワクワク感を抱きながらイントロが聴こえるまでと演者の姿がハッキリと見えるまでの刻を待ち侘びる。

そして…おぼろげながらステージに見える五人の人影が確認出来て、どこか儚げなセンチメンタル感&ノスタルジーをも呼び起こさせるイントロが響き、ステージが照らされ、初お披露目となった衣裳を纏う月のテンペスト五人の姿がハッキリと見えた。それは、本曲のモチーフとなった夜空の闇を鮮やかに彩る花火の様だった。

 ストーリー本編で触れられたが、月ストの『WHAT IS “IDOL”?』への答えは、「みんなの道を照らす」事。それを最も体現している楽曲は他に存在しているが、この楽曲もまたその括りにある楽曲だと勝手に解釈している。LIVEが開演する前ってのはある意味、明かりの無い暗闇と称してもいい。そんな闇を月ストが「眩いくらいに圧倒的な 一瞬の輝きが欲しい」の歌詞を体現する様なパフォーマンスを魅せ付けてオープニングアクトを飾る。

 月ストのキャスト陣であるミューレ3期生の五人の表現力は、これまでのLIVEだったりイベントにて証明済みだけれど、今回特に目を惹いた…いや、撃ち抜かれたのが、伊吹渚役の夏目ここなさんだった。彼女の独特なクセのある歌声は四人の歌声と合わさった時でも、かき消されない強さがある。その歌声の強さは充分発揮されていたが、何よりも彼女の『魅せ方』の妙に撃ち抜かれた。

これは、分かっちゃいたけれどどうにもならないモノ。改めて、夏目さんの妙技に魂を撃ち抜かれて魅了されてしまう。何よりも圧巻だったのは、時々アップでモニターに抜かれた瞬間のウインクの破壊力が凄まじ過ぎる……この人はカメラアピールが抜群に上手いなと思い知らされる。どう映ったら自分がより魅力的に映えるかってのをいろいろと研究されているだろうし、そこを本能で嗅ぎ分けられる感覚が研ぎ澄まされた賜物なのだろう。見事なまでのオーバーキルだった。 



 2.裏と表/月のテンペスト


 イントロ聴いた瞬間に会場に轟く『うおぉぉぉぉッ!!』という咆哮。この反応が、この楽曲を月ストの『アンセム』である事を証明するモノだなと、首がもげそうになる程に頷いてしまう。『恋と花火』の余韻を一気に吹っ飛ばして血が滾って来るのが分かる。あまりの落差に情緒が追いつかなかったのは言うまでも無い。もう、この楽曲はそういうモノとして魂に刻まれたのだ。

 月ストの叩き上げの魂在りきで生まれ、琴乃、渚、沙季、すず、芽衣の抑えきれない爆ぜる激情と野性が解放される『戦いの謳』。ただ、現時点までではストーリーへの関わりが一切無いが…この楽曲の存在感と説得力は、他の月スト楽曲に見劣りしないモノがある。その域まで楽曲を育てたのは、紛れも無く、キャラクター&キャストの月ストの力と生き様あってこそ。

本来は重ねるべきではないが、この楽曲においてはどうしても、キャラクターの魂とキャストの魂を重ねてしまっている。それは、月ストが他のグループよりも繋がりが近いからだと思っておる。琴乃達は焦燥感と必死に抗いながら希望の未来を勝ち取ろうと戦って来た。そして、キャストであるミューレ3期生もまた、ままならない状況と戦い続けている。

誰にも負けたくないという想い、自分の夢を叶える為には『戦う』事と『我』を出すという選択肢を貫き通す事。頑なに彼女達が信じて貫いた想いが凝縮されている様に思えてならない。

その彼女達が剥き出しの魂でもって謳う楽曲に血が流れないワケが無い。進化と洗練されたパフォーマンスとはまた違う彼女達からビリビリと伝達して来る失われちゃいなかった荒削りな叩き上げの魂が解き放たれた。

 叩き上げの挑戦者魂を燃え滾らせて、未知の軌跡へと踏み出していく。
変わらない想いは大事。でも、変わろうとする覚悟と一歩踏み出す勇気も大事。何処に進めばどういう軌跡が拓けているか?そもそも軌跡なんてあるのか分からん中で、それでも進んでいくしか選択肢がなかった彼女達が勇気を出して踏み込んだからこそ掴んだ『今』があった。


 

 3.月下儚美/月のテンペスト


 歌われないLIVEもあったが、アイプラLIVEのみならず、枠を越えてミューレ3期生のイベントやフェス系イベントでも歌われるこの楽曲。楽曲という生き物は、披露されればされるほど変化と進化を遂げていく。最初は、表現者と楽曲というだけの繋がりだったが、刻を経て共に戦って来た事で、もう切っても切り離せない密接な『戦友』と称して過言じゃない楽曲。

楽曲という生き物は刻が経てば、最初に披露された時とは何もかもが違ってくる。
世にある全ての楽曲に言える事だが、歌う者の成長やその刻と場での心情、挙げるとキリが無いが…常に変わっていってるのは逃れられない自然の理の中にある。

 それでも、成長の証を最も魅せ付けられるのが『月下儚美』という楽曲。だからこそ、月のテンペストにおける『アイコンソング』(象徴)という説得力をもたらしている。そもそもこの楽曲が持っている力そのものが強いってのが前提にあるのだが、ただ、その力を自分達で引き出していってモノにしていくのは、実際に歌う月ストの五人にしか出来ない事は言うまでも無い。

真の意味で、輝く事の意味と照らす事の大切さを知った琴乃達の魂を宿した彼女達は、解放されて伸び伸びとしたパフォーマンスで躍動していった。嵐の様な情念を曝け出し、またある時は月の光の様な凛然とした美しさで魅せる。相反する要素で共存できないと思えるが、それが無理なく結びついて月ストの魅せ方の真髄へ昇華していた。コレは本当に月のテンペストにしか出来ないパフォーマンス。

 『今』の月ストの強さと『アイコンソング』としての強さを観られて良かった。
ここから刻が経っていって…またこの楽曲のパフォーマンスを観た時また新しい感動をもらえるのだろう。彼女達ならそいつを成し遂げられると信じているから。

 


 4.最愛よ君に届け/月のテンペスト


 イントロが聴こえた瞬間に、ブワっと血が滾る感覚に陥った。
それは、徹底的に破壊された月ストの決起を謳う『アンセム』だからなのかもしれない。長瀬琴乃という月ストの絶対的なアイコン(象徴)が一時的だが去ってしまい、いつの日か、彼女が帰って来る場を守る事と、渚、沙季、すず、芽衣の夢も守る『戦いの謳』。このDAY1でのアクトは、琴乃が脱退して四人になった時間軸で捉えてみる事にした。

 この楽曲で個人的に感じているキモの部分は、渚=夏目さんと、すず=相川さんがどれだけ魂を滾らせて頑張れるか。当然だが、沙季=宮沢さんや芽衣=日向さん、更には琴乃=橘さんもきっちり含まれている。誰が欠けてもこの楽曲にちゃんと血が流れないのだ。それは物理的に琴乃がいない時でも変わらない。

Zepp Tourで聴いた時も圧巻だったが、夏目さんが顔で歌うソロパートでの魂の絶唱は、あの刻よりも鬼気迫る迫力があったし、(☆5友を照らすヒカリの火力が異常なのも頷ける…)相川さんのソロパートは、背負う者としての覚悟とPRIDEをビシビシと感じられる力強さがありながらも、どこか寄り添う様な優しい温かさを感じられた。

 間違っているのは承知の上だが、やっぱりこの楽曲を聴くと、どうしても渚とすずのパートに聴き入ってしまうんだ。それは、琴乃が脱退した月ストを守る為の覚悟がダダ洩れしているのを感じられるから。でも、沙季、芽衣、琴乃を軽んじているワケじゃない。彼女達も月ストを盛り立てて再生しようと懸命になって戦っているのも感じ取れる。

もしかすると…いや、そうじゃない。彼女達が渚とすずの道を照らして力を与えていたからこそ、二人の歌声に更なる力が与えられた様に思えてならない。このDAY1のアクトは、渚とすずの生き様とPRIDEが凝集され、夏目さんと相川さんの歌声に乗っかって解放されたのだと。

 


 5.月ノヒカリ/月のテンペスト


 月ストブロックのLAST SONG。このLIVEにおける月ストのキモになった楽曲だと言っても過言じゃない。それ程までに、この楽曲は需要なファクターとして存在感を放っていた。ストーリー中においてもそれは同様で、月ストの『WHAT IS “IDOL”?』の答えとなる「みんなの道を照らす」事を体現した楽曲。今回のLIVEにおいて聴きたかった楽曲はいくつかあって、この楽曲はそんな中の一つでもあった。

 ただ…一点。残念だと思ってしまったのが『The MOON』の映像を曲入り前に流して欲しかったなと。※ちなみに前回のパシフィコLIVEは、サニピの『SUNNY PEACE for You and Me!』の前に『The SUN』の映像は流れた。

真相はどうかは分からんが、本当は入れたかったけど、総合的な尺の問題で諦めざるを得なかったのかもしれない。それの代用で月ストの円陣の掛け声になったのかなとも思えるし。まあ、そこを突くのは無粋なんだろうなと自分に言い聞かせた。

 話を戻して……勝手な持論だが、同じ楽曲でも音源で聴いた時とLIVE会場で直に聴いた時の感覚というモノは全然違うインプレッションを抱くモノと思っており、音源を数え切れないほど聴き込んでも感じられないまた新たなインプレッションとして心…魂に深く楔のように撃ち込まれる。言わずもがな、LIVEの刻と場で聴いたこの楽曲は格別なカタルシスとなって魂に沁み渡っていった。

柔和で優しい慈しみ、真に伝えたい純然たる想い、ここから始まる為の決意表明、五人の逞しさと底力を魅せ付けられる歌、傍らに寄り添ってくれる事への感謝、とっておきの切り札……
それらが完全に解き放たれていくのがサビ突入後。それはありとあらゆるモノから解き放たれた清廉で自由な歌声。コレは音源とは比較にならないレベルの凄まじさがあり、生命の謳としての説得力が宿っていた。

 一瞬の限られた刻ではなく、ずっと先の未来の刻まで照らす。月ストにしか歌う事が出来ない月ストだけの歌だと思い知らされた。リズムに乗って身体を揺り動かす事も忘れ、ただただ五人の歌声に聴き惚れ、ステージでしなやかに舞う五人に見惚れるしかなかった。

感情に訴え掛けて来るラスサビがまた見事だった。長瀬琴乃、伊吹渚、白石沙季、成宮すず、早坂芽衣絶唱に引っ張られて月ストが訴え掛けて来る。歌い終わった時、称賛の声をあげる事が出来ず、ただ拍手を送る事しか出来なかった。彼女達の渾身のアクトの余韻に浸りたかったのだろう。

 大袈裟なのは承知だが、敢えて言いたい。俺はこの刻で初めて『月ノヒカリ』を知る事が出来た。

 

 

 6.Shining Days/サニーピース


 冒頭の四方山話でも触れたが、今回のLIVEは結城萌子さん&一ノ瀬怜がいない……
でも、サニピは四人で戦い抜くという覚悟をもって『VENUS PARTY The Second』に臨む。

彼女達が初手に持って来たのは、コレもサニピの夏曲となる楽曲。正直、初手に持って来たのは意外だったのよね。サニピ楽曲の系譜では異彩を放つ爽快感はありつつも落ち着いた曲調が持ち味の楽曲。

あくまでも個人の解釈の域でしかないが…この楽曲は、サニピの五人の心の情景に寄り添う表現をしている内省要素の強い楽曲。『不安』『涙』『見失いそう』『諦めそう』。これらのネガティブなキーワードは、雨雲に隠れた太陽を想起させる。起こって欲しくなかった物語だが…ネガティブな感情を払拭していく意味が加わり、サニピのオープニングアクトとしてはこれ以上無い立ち上がりだったのかと。

 それでも、怜がこの場と刻にいなくても戦う事を選んだものの……やっぱり一人いないってのは非常に大きな穴が開いたモノだ。実際、結城さんのパートは音源で補ったが、姿は無いのでどうしても見た感じの違和感は払拭出来ない……しかし、ステージの四人は彼女の不在を感じさせまいとして皆がより一層に躍動していた。彼女達の中でも感じているのだろう。姿は無くても怜と結城さんの想いとPRIDEはステージにちゃんと在って、一緒に戦っているんだって。

 トラブルすらも楽しんで躍動している四人のパフォーマンスを観て、燃えないワケにはいかない。川咲さくらが誰一人として見捨てない為に手を差し伸ばした様に、観客は、グループカラーや四人それぞれのイメージカラーだけじゃなく、怜のイメージカラーである水色の心の光で応援していく。まさに『繋ぐ』事がグループのアイデンティティであるサニピの真骨頂が発揮されたアクト。雨雲が去って太陽が顔を覗かせた。

 


 7.SUNNY PEACE HARMONY/サニーピース

 
 きっちり戦える事を見事に証明してみせてからの…サニピの『アイコンソング』投入。こうなったら、このグループは本当に強く輝くし、何よりもこの楽曲が本当に強いんだ。最大のピンチをチャンスに変え、怜&結城さんの想いとPRIDEも背負った四人に、もう恐れるものは何も無いと言った所か。 

月ストが、原初の楽曲であり『アイコンソング』となる『月下儚美』を、『戦友』の域まで昇華させて来た様に、サニピもこの楽曲とちゃんと向き合って、共に駆けて来れて……『戦友』の域まで昇華を果たした。披露される機会が多ければ多くなるに伴って、彼女達と楽曲は更に強くて魅力的になっていく。そういう楽曲を持っておく事は非常に大切な事なんだなと改めて思える。

 サニピのシンボルである太陽のヒカリ(コレは変換ミスぢゃない)を彷彿させるオレンジの輝きと、各々のイメージカラー、そして…サニピの全身全霊のパフォーマンスに魅せられた我々の声援が加わって、尋常じゃない盛り上がりになってクッソ楽しかった。

それでも、一番この場と刻を楽しんでいたのは、ステージで躍動されていたサニピの四人だ。こちらが楽しいと感じられたのは間近で楽しんでいる彼女達に触発されたから。だからこそ…このフレーズが魂に強く突き刺さって来る。



 みんなで!サニピ!(サニピ!)


 ―サニーピース 『SUNNY PEACE HARMONY』より引用


  
 散々触れているが…今回のLIVEは、結城さんと怜は不在。だからと言って、彼女達を除け者にして楽しむのは違うんだ。そもそも、そんなつもりも無いし、させないってのが四人と我々が抱いている共通認識なのだ。

 


 8.サマー♡ホリディ/サニーピース


 充分に温まった……嘘です。もう温まるなんて優しいモノじゃなく完全に煮え滾った釜の様な激熱空間になったパシフィコに響き渡る勝ち確楽曲のイントロで更に興奮の坩堝へ。ただでさえクソ暑いこの季節なのにこの子達全く容赦がねぇwwww

夏開催のLIVEでこの楽曲をやらん理由を探す方が難しい。ただ、真冬のZepp Tourでも披露したらしいので、この辺は意味が無いという事なんだろう。即ち、この楽曲が披露されたら、あれこれ考えるのでなく、脳ミソを締めてる理性のネジ完全に緩めて楽しめと。それは、この楽曲に限らずサニピ楽曲全体に言える事だが。※個人の感想です

 まあ。見事に盛り上がったわね。(語彙力は何処行った…) 我々もそうだったし、モニターに映っているメンバーの表情もめっちゃ良い笑顔でパフォーマンスされて、凄く楽しんでるな~ってのが伝わって来た。自分が直に聴くのは昨年の幕張以来。あの刻でも極まってしまった勝ち確の謳だったけども、今回はそれをあっさりと最高を更新して楽しめた。

 あっさり更新と評したが、それを成し遂げるのは簡単じゃない。楽曲が持つ強さを引き出した彼女達の成長の賜物。彼女達は心底楽しんでいたと言ったが、単にパフォーマンス出来る事もそうだろうし、それによって観客が楽しんでくれた事が嬉しかった。そして、何よりも、過去の彼女達自身にも挑戦していたのだろう。それも彼女達はきっちり楽しんでいた。

 


 9.全力!絶対!!カウントダウン!!!/サニーピース


 イントロと同時に始まったカウントダウン。この楽曲が来てしまったら、骨の髄まで出し尽くせという戦闘開始のカウントダウンなのよ。(そういう楽曲ぢゃねぇんだがwwww)楽曲に人の意志が完全にコントロールされた瞬間と言っても過言じゃなかった異様な空間。

 ところがだ。今回感じたのは、これまでのただ楽しい楽曲では無かったという事。いや、この楽曲の根幹になっている楽しさってのは損なわれてなかったんだけど、もう一つの根幹になっている大切な人への「ありがとう」と「大好き」をたくさん伝えたくなる感謝の謳という面が強く出ていた様に感じられ、温かくて優しさに溢れていた。

本当にクドくなって申し訳無いが……その温かさと慈しむ優しさは、今回のLIVEに出演できなかった結城さんに伝えたい想いを乗せて歌ったからだと俺は思ってしまった。彼女がいない事で、LIVEにおけるサニピの当たり前が崩れてしまった。それはIDOLY PRIDEのLIVEで起こって欲しくなかった物語。でも、その寂しさをグッと飲み込み、戦って前に進む事を四人は選択した。

 モニターに映る彼女達の表情もどこか優し気な表情されていたのが印象的だった。まあ、そうじゃなかったかもしれないし、オマエ何言ってんの?と言われたら返す言葉も無いが…ただ、俺にはそう見えたのだから誰かに噛み付かれてもその意見は曲げない。

 それはさて置き…サニピの仲間と一緒に駆けて来た刻は、本当に掛け替えの無いモノだったと想像出来た。さくら達もそうあった様にキャストの子達も同様だった。だからこそ、どんな状況でも挫けずに戦える強さへ繋がっているのだと。太陽の光はただ強く眩しいだけじゃない。優しい光にもなれて暖かさをもたらしてくれる。彼女達の最大の逆境が、この楽曲の新しい解釈の扉を開かせてくれた。

 LIVEで聴いて、これまでと違った新しいインプレッションを抱ける刻にいられる事は、本当に素晴らしいモノ。「ありがとう」と彼女達は謳ったが感謝を告げるのはこちらの方だ。

 


 10.Hi5でピースサイン/サニーピース


 サニピブロックのLAST SONG。LIVE仕様のイントロと口上は否応なくこちらのテンションを上げてくれる。ただ、瞬時にアガっていくものじゃなく、徐々にアガっていくモノで何とも心地いい感覚。

以前にも書いたが、この楽曲はサニピの新たな軌跡を往く『アンセム』。おそらく、メインストーリー(星空編)におけるサニピにとって重要な位置付けになる楽曲になっていくだろうと予想しているんだが…月ストの『裏と表』という前例に倣って全く関与しないかもしれんが……まあ、どう転んでいくか分からんけど、その後の展開を楽しみにしたい所。

 サニピの新たな軌跡を往くと前述したが、歌詞はどこか負の要素を感じさせる雰囲気がある。前に進めてはいるけれど何かを置き去りにしてしまっている不安。何よりも一番恐れているのは縁の繋がりを蔑ろにしてしまっている事かもしれない。『星空編』のサニピにはその辺りの描写を盛り込んで来るかなと思える。

当たり前のように目の前に存在していたとしても、人は意識しないと多くの事柄に気付かない。それはこのLIVEにおいての四人に当てはまる事でもあった。ただ、ここまで観る限りでは、不安によるパフォーマンスの質の低下は感じられなかった。むしろ、怜と結城さんに想いを伝えようと限界を超えて戦う四人の姿がステージに在った。

 当たり前が崩れたから戦えない……じゃない。無くしたんならまた取り返せばいい。川咲さくらは、自分の目に入る人の手を繋いで離さない諦めの悪さがある。雫、千紗、遙子、そして怜だってそうだ。この子達はどんなに不遇の刻でも諦める事をしなかった。そんなグループが弱いワケがない。そんな気迫が漲っていた。

彼女達の陰の要素もまた、サニピの明るさをより引き立たせるモノだ。この楽曲の中でもその陰の要素は発揮されていた。陰と書くとネガティブに捉えられそうだが、その要素がエッセンスで聴いているからこそのサニーピースなのだと。

 


 11.Aile to Yell/TRINITYAiLE


 ここからは、トリエルさんのブロック。月ストとサニピ同様に新衣裳を纏った、天動瑠依役の雨宮天さん、鈴村優役の麻倉ももさん、奥山すみれ役の夏川椎菜さんがステージに降臨される。いやいや…降臨ってオマエ盛り過ぎぢゃねぇの?wwwって思うでしょう。実際に見るとだ、三人の纏っている純白の衣裳が何か神々しいオーラを放っておって、魅入ってしまったのよ……うん。

そして、鳴り響くイントロ。この楽曲は……トリエルさんの『アイコンソング』であり『アンセム』である『Aile to Yell』!!!否が応でもぶち上がる♪この楽曲は、TRINITYAiLE楽曲において、自分の中で好きな二大巨頭として君臨している楽曲。ちなみに、もう一つは『réaliser』♪(←誰も聞いちゃいねぇって)

 月ストからサニピへと継がれていった『熱』をちゃんと受け継ぎ、それをトリエルさんにしか発せられない『熱』へと変換して我々へと叩きつけて来る。一体で「un, deux, trois!」と吠える時の楽しさ♪

雰囲気が変わったと言えば良いのか。ただ、俺の壊滅しておる語彙力ではその『熱』の正体についての解明は出来ないが……とにかく、月ストとサニピが創造していった雰囲気を確かに変えたってのは記憶に残っている。そいつを改めて確認したいので本公演の円盤化を運営様には要求したい。

 気を取り直して……言わずもがな、この楽曲自体が強いってのは勿論だが、歌っている雨宮さん、麻倉さん、夏川さんも非常に安定されていて強い。誰よりも強く逞しく、高潔に立ち振る舞うトリエルがいた。それでいて、洗練された高潔さの内に秘めた生き抜いて未来へ羽ばたこう。そんな生の執念をも感じられるメッセージを感じた。だからこそ、胸を強く打たれる。

 生き様を証明する『アイコンソング』としての説得力、聴く者の魂を奮い立たせる『アンセム』としての強さ。その両方の力を如何なく発揮されていたTRINITYAiLEの強さが本当に素晴らしかった圧巻のアクトだった。

 


 12.Victoire/TRINITYAiLE


 この楽曲も、今回のLIVEで披露される事を願っていた一曲。タイトルの『Victoire』はフランス語で『勝利』の意味。格好良い方向にステータスを全振りしたトリエルによる『勝利の謳』と言った所か。

 その格好良さを象徴しているのが、振り付けに盛り込まれている指を差す様々な所作だと感じた。
指を天高く掲げる所作は、自らの存在と自信が満ち溢れる姿を誇示するかの様であり、サビの「夢叶えた先へ」の所で正面を指してから天高く掲げて撃ち抜く様な所作は、彼女達の目の前に広がる未知の領域の先へ進むんだ!!!という気概と、立ち塞がる険しい障壁を撃ち抜こうとする闘志が漲っている様に感じる。

余談だが…この前方を指す所作が自分は好きで、数多のアイドル達をゲームの撮影機能でよく撮っておったりする。

 私見の域だが、軽妙洒脱な曲調と大空を翔けてる様なドライブ感は『les plumes』を彷彿させ、トリエルがこうありたいという強い意志と勝利への渇望を描写している歌詞は、『アンセム』である『Aile to Yell』に通ずる部分が感じられる。二つの楽曲の要素を悪魔合体させたのがこの楽曲なのかなと。

 ただ、三人の歌声や舞い踊る姿からは、月ストやサニピの様な叩き上げの魂が爆ぜて、パフォーマンスに乗っている生々しい雰囲気は感じ取れない。内に秘めた情熱を滾らせながらも、それを決して表には出さないのがトリエルさんのパフォーマンスの真髄なのだろう。

 その姿と佇まいはスマートで高潔だ。トリエルはこのスタイルを貫く。肚は括った。瑠依、優、すみれの勝ちたいという想いは偽りの無いモノ。それらの要素を高純度でもってステージで見事に表現された、雨宮さん、麻倉さん、夏川さんの凄さに圧倒されて魅了された。
 

 

 13.ひめごとリップ/TRINITYAiLE


 麻倉さんがセンターの位置に立ち、鈴の音の様な小気味いいデジタルサウンドが優しく響く。
そのメロディと、三人の柔和で叙情的な歌声が絶妙な塩梅でもってさざ波の様に聴覚へと伝わって来て、その聴き心地の良さと圧倒的な『静』の雰囲気に身を委ねていく……

おそらく、このDAY1で披露された楽曲で、一番落ち着いている楽曲。ここまで繋いで来た楽曲は盛り上がる系統のモノばかりだった。だからこそ、この楽曲の持つ『静』の要素が見事に刺さって落ちていく。特に、トリエルさんの楽曲は他のグループに比べて緩急の差を付けられる楽曲が多い様な気はする。

 それと、センターを務めている優の存在がこの楽曲を特異な印象にさせている気がする。
一本気な瑠依やすみれとはちょいと違い、優は曲者感がハンパじゃない。本当に心を許した人以外に本心は悟らせないってのが彼女の処世術の要になっているんだろうと。それは、優が本当に心許せる掛け替えない人に値するかどうかをジャッジする為に必要な事なのかもしれない。

夏をテーマにした楽曲に『ひめごと』から連想するに、この楽曲は許されざる(は言い過ぎか…)ひと夏の恋が大きなテーマなのかなと思える。歌詞を追ってみると、惑わせるあざとさや、表に出さない真に想う純情可憐な部分との駆け引きを楽しんでいる様に捉えられる。

 昨年のLIVEでこの楽曲を披露した時は、完全な初お披露目だったし、結構早い順番だったから感じられなかったが、順番が後の方になった今回の刺さり方と落ち方はハンパぢゃなかった……見事な攻め方に改めて舌を巻く思いだ。完全に人の意志が楽曲に支配されたと言っても過言ぢゃなかった。
 
それは、鈴村優が創造した魅惑と魔性の領域。それに抗う事は無駄だと思い知らされ頭を抱えた……でも、その領域へ踏み込みたくなる衝動を抑えきれないのも人の業であり性だったりするんだ。

 


 14.les plumes/TRINITYAiLE


 魂が無事に、魅惑と魔性の領域から現世に帰って来れた事を安堵する。
盛り上がったり、沁み入る様に聴き惚れさせられたりと…このブロックは情緒が忙しかったwww

過去、今、そして…未来の刻へ。トリエルの全ての時間軸に意義を持たせて羽ばたいていく。そんな瑠依達の決意を、雨宮さん、麻倉さん、夏川さんが歌に乗せて解き放っていく。演者とキャラクターとの境界が曖昧になっていく模様が感じ取れる様な感覚へ陥る。


……前言撤回。まだ現世に魂は帰っておらんかったwww


 このトリップされる様な感覚。それはこの楽曲の真骨頂。ただ、音源のみではこうならない。LIVEという特異な刻と場がそうさせるのだろう。加えて、今のトリエル(キャラの方)の物語も楽曲に影響を及ぼしている。瑠依達の生き様とPRIDEをキャスト側の三人がきっちりと表現されている。この辺りは流石と言った所か。これもまた楽曲が育っている事の証明。

 魂が還れる楽曲ってあると思う。集大成や分水嶺だったり、ターニングポイントだったりと…その呼び方は様々ある。前述で触れているが、この楽曲はトリエルを取り巻いている全ての時間軸に意味を持たせ、彼女達の内面に寄り添った内省的な楽曲。

 現実に打ちのめされながらも魂の奥で滾らせた情熱を、仲間やもう一人の自分が語りかけて奮い立たせて、サビの晴れやかな曲調と三人の歌声が重なり合い感情の昂りへと誘う。打ちのめされた記憶は痛みと同義だが、その記憶と経験は全くの無駄ではない。その痛みが彼女達の魂に滾る熱い想いと輝きたいという想いを呼び覚ます。

踏み出すのは勇気がいる事。そして、次の二歩目を踏み出して継続する事は、一歩目以上と同等な勇気かそれ以上に難しい事。でも、そこから逃げない彼女達の翼はもっと逞しく美しくなっていく。

 


 15.Magical Melody/TRINITYAiLE


 TRINITYAiLEブロックのLAST SONG。前回のパシフィコのLIVEもこの楽曲でトリエルさんは締め括った。ただの偶然か?締め括る為のスペシャルな楽曲として今後も育てていくのか?その答えは未来の刻にある。LIVEにおけるこの楽曲がどうなっていくのかを追うのもまた面白い。

自分は、この楽曲を『巡り逢いの奇跡』に感謝を示す楽曲だと捉えている。そして、コレはTRINITYAiLEver.で披露しているので、瑠依、優、すみれ、雨宮さん、麻倉さん、夏川さんとの縁を重視して歌ったのだと思えてならなかった。

 瑠依は言った。「私達には歌がある」と。それは、キャスト側のトリエルも同様の想いを抱いているだろう。双方の想いは魔力へ変換されて、一瞬も目を逸らす事が時間の無駄を感じさせる世界を創造していく。そんな魔力が宿った歌声は幻想的でスッとこちらの魂へ抵抗無く沁み入る。三人の歌声が衝突しないで、見事に調和していたからこの聴き心地の良さになっていたのだと。

抜群の表現力で、魅せ付け、聴き惚れさせ、創造した世界に引き込まれた。これまで共に翔けて来た感謝と、これからも共に翔ける契りの『儀式』だったのかもしれない。そういった意味があったからこの楽曲をトリエルのLAST SONGに据えたと思えてならなかった。

 


 16.星のように夜を照らせ/LizNoir


 ここからはLizNoirのブロック。二年連続でフルメンバーの完全体!!!!
初手に持って来たのは『初音ミク』と『IDOLY PRIDE』のコラボ第2弾楽曲。第一弾だったトリエルさんのLAST SONG『Magical Melody』から繋げて来るのは激熱でエモーショナル。更に言えば、今回のLIVEで初披露が叶ったってのもまたエモーショナル。

 リズノワ楽曲と言えば、ハイスパート&ハードテイストで攻め立てて来る激熱な変態楽曲揃いwwww
しかし、この楽曲に変態性は一切無い。(他にいい言い方ねぇのかオメェは…)
その意外性に加えて、トリエルさんからのミクコラボ楽曲繋ぎというコンボにより、盛り上がりが加速していった。楽曲が持っている関係性で繋いでいくのもLIVEが盛り上がる要因だと思う。

 ポップでいて幻想的なテイストは、リズノワ楽曲の中では異質。しかも、LIVEで初披露。どの程度まで盛り上がれるか分からない。ただ…そこはリズノワさん。グループにとって異質な楽曲でもきっちりと魅せ付けてくれた。やっぱり、この人達はスゲェな……って思い知らされた。

 このLizNoir ver.では、ミクのパートをこころ(豊崎さん)が歌っている。
音源で聴いた時も、こころとミクの歌い分けが絶妙で聴き惚れたが、LIVEの場でそれを見事に表現していたのは本当に素晴らしかったのは言うまでも無かったが、LIVEで聴くという要素によって感じるエモーションが音源の比じゃなかった。


 

 17.Shiny Mystery Tour/LizNoir


 この楽曲も初披露。コレは今回披露される確率が高いと思っておったので、『星のように夜を照らせ』の時よりは驚かなかったが。

 突き抜ける様な開放感とファンキーさにワチャワチャ感。これまたリズノワ楽曲では無かったテイストの楽曲。『星のように夜を照らせ』と、この楽曲は言ってしまうとリズノワ『らしくない』楽曲。そういう楽曲を、グループのオープニングアクトと二番目に持って来たのは結構なチャレンジだ。しかも、2曲共にLIVE初披露。月スト、サニピ、トリエルとは違うアプローチで攻める所に、リズノワさんの意地を感じさせる。

『らしくなさ』と評したが、それは受け取り側の一方的なインプレッションであり押し付けのエゴ。
カッコ良くて激熱な滾る楽曲ばかりじゃねぇ!それだけじゃねぇんだLizNoirは!度肝抜かせてやるから目かっ開いてよく見やがれッ!!!!みたいなwwww

 こうある路線なんかぶち壊せ。私達にこの路線は似合わない?ふざけるなと。勝手に咲かせ方を限定するんじゃない。私達はどんな咲かせ方だって出来るんだ。そんな気迫がステージに立つリズノワの四人から漲っていた。

 


 18.Darkness sympathizer/LizNoir


 予想外すぎて本当にひっくり返りそうになった。おそらく、俺だけではない。そこにいた多くの人がその曲目に衝撃を受けたはず。この真夏にコレ持ってくるのか?!とwwww(ちなみにこの楽曲はバレンタインがテーマの楽曲だったりする)

披露は、二年前の『VENUS STAGE 2022 “奇跡”』以来。完全体のリズノワさんが揃うのもいろいろな事情があって叶わない事が多いのに、楽曲が増えていく毎に割りを食ってしまう=披露されない楽曲も増える。

そんなタイミングが重なってから叶った披露の刻と機ってのはどうしたってテンション上がって滾るし、なおかつ、前回披露の時には出来なかった声出しがようやく出来るッ!と、いろいろと込み上げて来る感動により、理性のストッパーが外れる音がしてギアが上がって…


 イントロ聴こえた瞬間から、ヘドバン(ヘッドバンキング)してた。マジで。


 我々は、ステージに燃え滾る熱々のボールを投げつけた。だが、リズノワさんはそれ以上の燃え滾るボールをこちらに投げ返して来た。あとは、それの繰り返しだ。燃え滾る情熱と興奮がぶつかり合ってんだ。盛り上がんワケがない…と言うかは盛り上がる要素しか残っちゃいなかった。

 戸松さん、高垣さん、寿さんの力強くて張りのある歌声、そこに豊崎さんの甘さを纏わせた歌声がアクセントとして効いて、四者四様の個のチカラが絶妙に混ざり合って、よりこちらは熱狂していく。

 変化球的な楽曲を続けて披露してから…リズノワ楽曲のスタンダードをぶつけて来る。見事としか称賛出来ないクリティカルな一撃は、的確にこちらのシールドをぶっ壊して魂まで貫いた。この後のアクトに何を持って来るのか?!というワクワク感は勿論、反面、戦々恐々として震えが止まらなくなった自分がそこにいた。

 


 19.GIRI-GIRI borderless world/LizNoir


 狂おしいイントロが聴こえた瞬間……また自分の中のギアがまた一つ上がった音が聞こえた。
ずっと……本当に、この楽曲が披露される刻と機を待ち望んでいた。もう、興奮で身体の震えが止まらなかった。めっちゃ気が動転したのは言うまでもないwwwwそして、この楽曲はリズノワさんからの挑戦状なんだろう。


こっちは、命の音燃やして戦う。だからお前らも命の音燃やして戦え。


 自分はそれに参戦していなかったが、Zepp Tourの福岡公演にて月ストがカバーという形で披露されたが、本家本元であるLizNoirの披露は初めてとなった。それも、熱狂的な興奮を呼び起こした要因の一つだった。

作中においてこの楽曲は、LizNoirが莉央と葵による二人体制時代の楽曲。その頃の愛とこころはまだLizNoirに加入する前の事。そして、愛とこころはこの楽曲に並ならない想いを抱いている。何度もこの楽曲に励まされ、いつかはLizNoirみたいになりたいと願って戦い続けて来た。で…なんやかんやあって、この楽曲を四人で歌える刻が訪れたが、これまでのリズノワの魂を大切に想う愛と、更なる飛躍の為、過去のリズノワを超えなきゃいけない決意を抱くこころは徹底的にぶつかり合った……


 でも、それがこの楽曲に新しい血を流した。


 愛とこころについての話をコレ以上盛り込んでいくと、LIVEレポではなくなるので…(そもそも、ここまででも怪しさ大爆発だがww)現実世界の話へ戻す。これまでのLIVEで披露する機会は勿論あったはず。それこそ、四人全員揃っていた『VENUS STAGE 2022 “奇跡”』や、昨年の『VENUS PARTY The First DAY1』で披露しても良かったワケだ。

コレは妄想の域でしか無いが、四人バージョンの音源があっても披露をしなかったのは、愛とこころの物語が、この楽曲にちゃんと織り込まれていなかった。それが一番の理由だと勝手に思ってしまった。単に浪費されるモノではなく、ちゃんと血の通う存在として向き合う。それがまだ出来てなかったから、この刻まで披露しなかったのかなって。

 LIVEで披露する楽曲は、最適な刻と機が必要。ただ盛り上がって楽しいという要素では、楽曲の限界領域は超えられない。まあ、何が最適なのかは俺も分かっていないが……とにかく、パフォーマンスの迫力と熱量がえげつなくて、ただ圧倒されてしまった。

 


 20.Blue sky summer/LizNoir


 『Darkness sympathizer』→『GIRI-GIRI borderless world』のコンボで完全に滾ってトランス状態に入ったのに、ダメ押しと言わんばかりのこの楽曲……イントロの爆音が聴こえた時にはもう凄すぎて変な笑いが出ていた。燃え滾る炎にガソリンぶっ込む様なセトリぢゃねぇかwwww

リズノワブロックのLAST SONGであり、本編のLASTとなる楽曲。LASTに激熱で振り切れた変態楽曲三連発をもってマジでこちらを完全に仕留めて来るとは思いもよらなかった。これまででも凄まじかったが、それを更に超えて、異様に会場全体が盛り上がっていくのがビリビリと伝わっていくのが分かってしまう。恐ろしいまでの熱気が滾って爆ぜる様な熱が渦巻いていた。本当にアレはとんでもない現象だった。


 そして、また、改めて思い知らされたんだ……本当にこの人達はスゲェ人達だって。


 莉央、葵、愛、こころの生き様と滾る思いを高純度で再現したのは言うまでも無く、客席の異様なまでに燃え滾った熱を受けつつ…それ以上の熱で返していく。数多の戦場を戦い抜いて来た人達にしか出せないチカラが在った。表現力、説得力、存在感……どれもが本当にずば抜けて凄かったとしか言い様がなく、また変な笑いが込み上げておった。

 この笑いは、徹底的にきっちり打ちのめされて出て来る笑い。完敗を認めるしかないけど、どこか清々しい気持ちに溢れた時のヤツだ。本当に素晴らしいモノを魅せ付けていただきました。

 


 EN1.星色のカレイドスコープ/星見プロダクション


 ゲームリリース三周年を祝うアニバーサリー楽曲。この楽曲も、披露されるだろうなと思っていた楽曲。『サヨナラから始まる物語』の続編的なテイストを感じさせる楽曲で、フル尺はこのLIVEで初披露になった。

 今後、この楽曲がどういうポジションでアイプラLIVEで存在感を出していけるのか?おそらく、『サヨナラから始まる物語』や、他のアニバーサリー楽曲の様に、LIVEのクライマックスで歌われる流れになりそうではあるが。ただ、そのポジションを勝ち取るには、歌う星見の10人(今回は9人だが…)の想いとPRIDEをどれだけこの楽曲で示していけるかにかかって来る。

ただ、そんな事は今考える事じゃない。未来の希望に夢を抱く様なキラキラ感のある曲調に、9人が心底楽しみ、いい表情でパフォーマンスをしている姿を魅せ付けられたら、それは無粋なモノだと思わされる。本当にみんないい表情で歌っていたのが印象深かった。

 この楽曲が、これから彼女達と共に駆けていってどう育っていくのか?それを追いかけるのが本当に楽しみだ。

 


 EN2.MELODIES/星見プロダクション


 DAY1のLAST SONG。コレを持って来るのは非常にエモーショナルだなと。
いろいろな解釈がある楽曲で、その一つとしてあるのは、立場が変わってしまった月ストの焦燥感に、サニピの月ストを慮る心情にクローズアップされた印象を、Zepp Tourにて聴いた際には感じた。

で、なんやかんやの末、月ストはサニピと同じ『BIG4』の座を勝ち取った。立場が並び立った物語でこの楽曲を捉えると、繰り返しになってしまうが…本当にエモーショナルな衝動に魂が揺さぶられてしまう。月ストは苦悩して傷ついたし、サニピも力になれず完全に寄り添ってやれなかった苦しさがあった。でも、その物語を乗り越えて『今』があり、彼女達の『MELODIES』になっていく。コレは今回のLIVEで新しく感じたインプレッション。

 ようやく追い付けた事への歓喜の念、信じて待ち続けた安堵の念。彼女達の歌声から力強いポジティブな感情と優しさに満ち溢れた暖かみと未来の希望を照らす光を感じさせる。

俺なんかが言うのは非常におこがましい限りだが…本当にどこを切り取ってもきっちりと魅せ付けられるグループになったなったんだな…としみじみ感じた。誰が抜きん出て引っ張っていったとかじゃない。皆がちゃんと現実と向き合って戦って生き様を示し続けてきたから。Zepp Tourの戦いを経て本当に星見の子達は強くなったって。


 でも、まだまだ。この楽曲はもっと強くなっていく。そんな可能性を感じるのだ。

 


 あとがき


 タイミングは完全に失念したが……(多分、終演後)こんな報が告げられた。

 

 

 

 まあ…開催地に関していろいろ言いたい事はあるがwwそこはグッと飲み込んで次のLIVEの開催が決定した事実を喜びたいなと。(貼り付けたXのポストの日付は12日だが発表は11日)

 取り敢えず、DAY1を観終わった時点での率直な所感としては…冒頭の四方山話でも触れたが、『今』の全身全霊を証明する事が、『VENUS PARTY The Second』に掲げられたテーマだと自分は勝手に思っている。それが伝えたかった想いであり組まれていったセットリストの楽曲たち。意味の無いセットリストで全身全霊は出し尽くせないからと。

 そんな想いとPRIDEを突き付けられた気がこのDAY1の時点では感じられた。それはここまでに書き殴って来た怪文書で証明出来たと自分は勝手に思っておる。

 LIVEが終演してからは、しばらく茫然としていた様に思う。こちらの全身全霊を出し尽くしてガッツリと楽しみ尽くせた事の証で身体的ダメージは絶大なモノになっていた……ただ、コレは本当に心地の良い感覚だったりもする。あくまでも個人の所感だけども…この出し尽くして燃え尽きる感覚になるLIVEが極上のLIVEなんだなと実感する。

 DAY1時点でも、昨年をあっさり超えたとんでもねぇLIVEだったが、DAY2はコレ以上にとんでもねぇLIVEになっていた……後編となるDAY2参戦レポではそれを余す所無く書き殴っていきたいと思っている。