巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

アイプラ楽曲ライナーノーツ #47 チョコラブキッス

 

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 チョコラブキッス/TRINITYAiLE


 アイプラバレンタインソングシリーズ第2弾。謳うのはTRINITYAiLE。
本曲単体の配信&ダウンロードリリースと、アルバム『IDOLY PRIDE Collection Album [chronicle] 』に収録。

 LizNoirが謳ったバレンタイン楽曲『Darkness sympathizer』は、王道的なバレンタインへのアンチテーゼとなる尖りまくった変態楽曲になっていたが、本曲の路線はバレンタインソングの王道を往く形になる、可愛らしさに全振りした甘いテイストなアイドルソング

 これまでのトリエル楽曲の大きな特徴は、デジタルサウンドが主軸になった軽妙洒脱で爽快感があり、高潔で壮大な印象を受ける楽曲が多い。しかし、本曲ではバレンタインがテーマになっていて、なおかつド直球な楽曲タイトルから、前述で触れた様に可愛らしさ溢れる甘々なラブソングに仕上がっている。このチャレンジは、トリエルにとって新境地開拓と言っても過言ではないだろう。

 楽曲に纏っている甘々なキュートさは、3DLIVE映像にてトリエルの三人が舞うダンスにもきっちりと反映されており、コレをうっかり視聴及び撮影したマネージャー諸氏の理性が爆散したとかしなかったとか……普段の堂々とした凛然な立ち振る舞いと違う可愛らしい瑠依のギャップ、計算され尽くした(いい意味での)あざとさで撃ち抜く優、純粋無垢なすみれの可愛さ……三者三様のキュートさとあざとさが聴覚と視覚を同時に武力介入されてしまう。

コレがフルサイズのMVじゃない事と、まだ実際のLIVEで未披露ってのは神仏に感謝すべきなのか?と思わせる。

 本曲の最も恐ろしい…もとい、強烈なインプレッションとして刻まれたのは、ドキドキ感とソワソワ感が同居しているリズミカルな曲調だけども派手な起伏は感じられない。だが、この起伏の少なさが逆に何か浸食する様に沁み込むスルメ曲的な中毒性の強い楽曲だと感じられた。この要素はこれまでのトリエル楽曲では感じられなかったモノで新鮮なインプレッションだった。

 そして、本曲ではバレンタインのラブソングとは別になるもう一つの顔を持つ。それは、恋愛感情とは違う親愛の情をもって謳われる『感謝の謳』。その根拠になっているのは、☆5アイドル薔薇色の夕暮れに染まって 天動瑠依のストーリーでの彼女の言葉だ。

 

 

 牧野さんも言ってましたよね。

 
 今日(バレンタインデー)は大切な人に想いを伝える日だ、って

 

 

 それと、☆5アイドル思わせぶりな戦略家 鈴村優のストーリーで、彼女が牧野に渡したマカロンにも意味があって、バレンタインスイーツとして渡す場合は「あなたは特別な人」という意味を持つと言われている。すみれが彼にチョコorスイーツを渡した描写は無いが、おそらく彼女の性格上渡していると勝手に妄想しておく。ラブソングではなく、大切な人に想いと感謝を伝える日という視点で本曲の歌詞を読んでみても意味が通じる事が出来るのではないだろうか。

 瑠依のストーリー内で、牧野に三枝さんから朝倉さんと飲んでるから来ないか?という誘いの電話が来た事から、イベントストーリーの時間軸は東京編終了後だろう。東京編でトリエルは散々な目に遭わされたが…牧野が救いの手を差し伸べて彼女達の魂が救われた経緯がある。瑠依、優、すみれは彼に感謝してもしきれない恩義を抱いていただろう。それはスイーツのプレゼントや感謝の言葉で伝えきれたモノじゃなかった。

 それを最大限に表現出来るのが歌のチカラ。目立っているのはキュートさ全開だが、芯にあったのは、大切に想う人への感謝と親愛の情……数多の零れそうになる偽り無い直球の好意を、瑠依、優、すみれは余す事無く詰め込んで謳っていたのかもしれない。