巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

限界の扉を壊せ!!!!ーガールズフィスト!!!! GT 南松本高校パンクロック同好会ワンマンライブ Not Lonely!!!! Vol.2 参戦レポ

 1月15日。下北沢ReGにて開催された『ガールズフィストGT!!!!』のLIVE
『ガールズフィスト!!!! GT 南松本高校パンクロック同好会ワンマンライブ Not Lonely!!!! Vol.2』に参戦して来ました。


 

 

 一年前、二代目・藤森月役&ベース担当として井上杏奈さんが加わって活動再開を果たした。
原作になっているコミックスの発売、この数年、世の情勢の為開催休止になっていた公開練習の再開、様々な対バン形式LIVEへの出演。新体制初になる新曲リリースに、ワンマンLIVEの開催もあって、ガールズフィストにとってこの一年は濃密な一年だった様に思える。

そのタイミングで開催されるワンマンLIVE。どう捉えるのかは、それぞれに違うモノで正解も不正解もない。月並みな事を言ってる気は充分あるが……自分の個人的感情としてあるのは、この一年の集大成でもあり、ここから未来の刻への挑戦という始まりの意味も含まれ……

変わらないモノは今まで通り大切にしつつ、でも、変わる覚悟と一歩踏み出す勇気をより強調して示した。今回のワンマンLIVEはそういう位置付けのLIVEだったんだなと。一夜明けて、幾分興奮が鎮まってこのLIVEを振り返って湧き出て来たファーストインプレッションがそれだった。


 そんなこんなで、これからこのLIVEの参戦レポを書き殴っていく事に致します。
毎度ながら、当Blogの参戦レポは著者の出涸らしの記憶を基に書き殴っておりますので、いろいろ抜け落ちているモノが多数あります。正確なレポを期待されて読もうとされる方には非常に申し訳無いという事はこの場を借りて先に言っておきます。

 

 冒頭のグダグダな四方山話でも触れたが、今回のLIVEのテーマとして掲げられたと思えるのが『挑戦』。昨年末に配信されたバンドミーティングでも触れられていたが、今回のLIVEでは様々な試み(=挑戦)があった。

LIVEでは未演奏となる楽曲の披露。メンバー達が作品で演じる事になるキャラクターの朗読劇。一曲のみ写真撮影可能なアクトを設ける。メンバー各々がこのLIVEで特に重視して魅せるポイントを披露出来るか?という挑戦。

しかし、前述したこれらのモノは目新しい要素は何もないし、敢えてLIVE開催前に告知しなくても良かったはず。寧ろ、何の事前告知もせずに当日に言っても良いし、実際のパフォーマンスを見て感じ取るというモノで良い様な感じはする。そうやって事前に様々なアピールポイントを曝け出す事で、見る側の期待値というハードルは嫌でも上がる。彼女達は退路を断って覚悟を決めたという解釈も出来る。

裏を返すと、この一年で四人が培って来たモノに自信があるという解釈をさせてもらった。


 LIVEという事もあり、自分は観るべきポイントにしていたのは、まだガールズフィストのLIVEで披露されていない楽曲の披露と、メンバーそれぞれが課題に挙げたアピールポイントだった。


まず、初披露となった楽曲について。(書こうとしてアレだが…初披露となったのは三曲だったはず……)オリジナル楽曲『パン食うロック!!!!』、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの楽曲カバー『世界の終わり』、詳細な説明は省かせてもらうが、作中でアニソンのカバーを演奏するという件からの楽曲チョイスと思われる『残酷な天使のテーゼ』が披露された。


 オリジナル楽曲『パン食うロック!!!!』。この楽曲が与えたインパクトってのは、本当に度肝を抜かれた……あくまでも、自分のインプレッションではあるのだけど、おそらくガールズフィスト楽曲の中で最もやんちゃかつピーキーさを醸し出している無秩序感満載の徹底的に振り切れてるクレイジーな変態楽曲。(←最大級の賛辞を込めてます)

こんな楽曲が流れだしたら、ヘッドバンキングして拳振り上げるしかないってモノですwwww奇を衒わず、シンプルに爆音響かせて激しいビートを刻む。リアルに血が滾って肉躍るみたいで、自分の魂(生命)がサウンドに呼応していくみたいな……大袈裟かもしれないが、何か限界領域を超えた様な感覚を抱いた。このバンドの引き出しはこういうモノも潜んでいたのかって。

ちなみに、この楽曲はリリースするつもりは無いとの事。LIVEでしか披露しないと。今後もガールズフィストのLIVEに参戦する理由がまた一つ増えた。率直に勿体ないとは思うけど、でも、それは素晴らしいモノでもあるのよね。


 で、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの楽曲カバー『世界の終わり』。正直言うが、自分はこのバンドは名前ぐらいしか認識してない不届き者だったりする……そんな不届き者の話は置いといて……この楽曲をカバーしたいと提案されたのは井上杏奈さんとの事。

邦・洋楽問わず、これまで様々なパンクの楽曲をガールズフィストはカバーして披露して来た。しかし、この楽曲のテイストはこれまでカバーして来た楽曲と違っている様に思えた。素人の浅はかな見識なのは充分承知の上だが……曲のテイストが変われば演奏のアプローチもガラっと変わる。所謂未知の挑戦という解釈も成り立つ。

ただ、そんな浅はかな愚者(著者)の偏見という壁を、彼女達の演奏と浅見春那のボーカルはあっさり、ものの見事にぶち壊した。(四人のパフォーマンスについてのインプレッションは後述する)アニソンカバーの『残酷な天使のテーゼ』も同様だった。機会があれば、他のアニソンカバーも見てみたいものである。


 そして、このLIVEにて披露された楽曲陣にちゃんと血を流せたのは、ボーカルの浅見春那さん、ドラムの内山つかささん、ギターの奥村真由さん、ベースの井上杏奈さんによるモノであるのは言うまでもない。前述で触れた様に、彼女達は今回のLIVEで魅せつけたいポイントを挙げてこの『戦』に臨んだ。そんなつもりは毛頭ないだろうが、言い訳という退路を断つ覚悟を見せて。


 覚醒するという意気込みで臨まれたのは、ベースの井上杏奈さん。
自分が見ていた位置からは彼女のパフォーマンスをよく観る事は難しかったのだけど、前にも書いたが、自分が彼女に抱いたファーストインプレッションは、相当肝の据わった(=度胸)感じの人かなと。

井上さんにとって、加入してからのこの一年は激動なモノだったと思うんです。日々の努力だったり、数多のLIVEという戦いを経て培って来たモノ……で、彼女にとって今回のLIVEはそういったモノを魅せつけるアニバーサリー的な位置だったと。このLIVEで限界突破して覚醒というよりも、この一年の戦いの中で覚醒した数多の成果を魅せつけてやるという気概に満ちていたと自分は捉えている。


 前に出ます!!!!というテーマで臨んだのは、ドラムの内山つかささん。
ドラムがどうやって前に出てアピールするのか?と言ったら、方法は一つしかない。演奏を爆音で魅せつけるしかないと自分は思う。

内山さんのドラムプレイのインプレッションとして真っ先に浮かんで来るのは、どんな時でも笑顔を絶やさず本当に楽しみながらドラムを叩いている姿。更に、アグレッシブかつ躍動的に叩くのが自分の網膜に強烈に焼き付いている。

で、今回のLIVEだが……これまで観て来た中で一番凄いと言うしか出来ないぐらいに圧倒された。セットリストに組み込まれた楽曲がどれも激しいモノ揃いってのもあったんだけど、LIVEの後半に進むにつれて、彼女のボルテージがHIGHを超えゾーンに入ったかの様にドラムの音圧がブースト加速していく様に増していったのが本当に印象深かった。爆音でぶん殴られるって表現が一番しっくり来る圧巻のパフォーマンスと存在感だった。


 自分に酔うというテーマを掲げていたのは、ギターの奥村真由さん。
この自分に酔うという言葉の真意は、自己暗示をかけポジティブな思考を持ってパフォーマンスするという事なのだろう。

奥村さんも、他のメンバー同様にこれまで弛まぬ努力を重ねて来たのは言うまでもないワケで、自分を追い込みまくって来たと思うのです。その努力の成果あってスキルは上達している。

でも、そのスキルを持っている身体という器を動かすのは、魂(メンタル)という無尽蔵の燃料無くしては叶わない。……まあ、カビ生えた古くせぇ考え方なのは痛感しているけれど、ただ上手いだけじゃ響かないのが音楽だと思うんですよ。


で……やっぱり、彼女を語っていく上で自分の中で外せないのが……『Full of Lies』なんです。


人によりけりだが、この楽曲は、自分にとってはクリティカル特効みたいなモノなんだろう。LIVEで『Full of Lies』のイントロが流れた瞬間、心揺さぶられてしまって、膝から崩れ落ちそうになる。ノスタルジックでちょいと哀愁漂う楽曲だけれど、根本に抱くモノは変わろうとする想いを持って決起していく覚悟を秘めた楽曲。そんな思いが込められた楽曲を奏でる奥村さんの佇まいに見惚れていたのは言ううまでも無かった。


 魅了します!!!!という意気込みを表明されたのが、ボーカルの浅見春那さん。改めて思い知らされたのは、スイッチ入ってそこから更に振り切った時の歌声が凄ぇなと。


特に今回、凄かったのは低音域の歌声のエロさだ。(←艶やかとか色っぽいと書け……)


 自分の消滅している語彙力で伝わるか不安しかないが……低音域の歌声の重心的なモノがこれまでよりグッと増していた様に聴こえたんですよ。その影響によってバフを付与させてたのか、エロ艶っぽさが強調されて聴こえたのかもしれない。去年のLIVEよりも強烈になってた。

MCでは、不可思議な雰囲気でもって周りを翻弄させるフリーダムな面を見せてからの、歌うとなったら、180度変化して色香を纏わせた歌声を響かせる。こういうタイプのボーカルは数多いるが浅見さんもそのカテゴリーに入る人なんだなと。

井上さん、内山さん、奥村さんもそうだったが、浅見さんも三人の熱や観客の熱に当てられて、限界を超えた先へ踏み込んだのだろう。その成果みたいなヤツがボーカルの質をアップさせた。パワフルだし、キュートだし、エロティック(最大級の賛辞)な浅見春那の歌声は見事で聴き惚れさせられた。

 

そして、何よりもあの四人が全力であの刻と場を思いっきり真剣に楽しんでいた。それが観れたってのが何よりも尊くて素晴らしいモノだったんだ。

 

 

 最初から最後までペースを一切落とさずフルスロットルで突っ走る構成で圧倒され打ちのめされた。見事という言葉しか終演直後は出て来なかった……それは、観てた自分が全身全霊をもってこのLIVEを楽しみ尽くせた証明でもあった。まあ、全力で楽しんだ結果、首やら肩とか腰にダメージを負ったワケだがwwwwでも、そういうLIVEに参戦出来たのは本当に素晴らしい事。

今回のLIVEは、ガールズフィストにとって間違いなく集大成的なモノだった。でも、ここでバンドが終わるワケではないし、これがガールズフィストのピークでもない。フェスにもこれからどんどん出演していくだろうし、公開練習開催の報も告げられた。そして、3月にはワンマンLIVEの開催も決定している。

勝手な印象ですが、今年はより打って出て勝負を仕掛ける年になりそうなので楽しみになって来ました。


 最後に、本当に会心のパフォーマンスを魅せてくれた事に賛辞を感謝の念を。
気の早い話ではあるけれども……三月のワンマンLIVEでは、このLIVEを超えるモノを魅せてくれる事を期待しているし、最高を更新できる事を信じて筆を置かせていただきます。