巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

ガールズフィスト!!!!GT 南松本高校パンクロック同好会 ワンマンライブ Not Lonely!!!! Vol.1ー参戦レポ

 6月25日。秋葉原 CLUB GOODMANにて開催された『ガールズフィスト!!!!GT 南松本高校パンクロック同好会 ワンマンライブ Not Lonely!!!! Vol.1』に参戦してきました。

 

 

 今回の単独ライブには、様々な意味と想いが込められていると言っても過言ではないと思う。
まず、二代目・藤森 月役の井上杏奈さんが加わって新体制『ガールズフィストGT』となって初めてになる単独ライブであり、井上さんにとっても初めてとなるガールズフィストとしての単独ライブ。

それと……『ガールズフィスト』にとっても有観客ライブの開催は二年半ぶり。この刻がまた訪れる事をただひたすらに願い、信じて待ち続けたという人は多かっただろう。その想いは、知って刻が浅く単独ライブの現地参戦を果たせていない自分には到底計り知れないモノだから。

更に、会場となる秋葉原 CLUB GOODMANは、ガールズフィストとは何かと縁の深い会場でもある。自分が初めて観た配信ライブもこの会場だったし、中止になってしまったライブの会場もこの会場。秋葉原 CLUB GOODMANはコロナ過の影響で、事業継続の目途が立たず、閉店という苦渋の決断を下した。でも、再始動を諦めない数多の人の想いと動き続けた結果、再始動出来たという経緯がある。先代の藤森 月役を務めた古川さんのラストライブもここから配信された。

そんな会場で、新体制一発目のワンマンライブが開催される。そんなLIVEが楽しくて激熱なモノにならないワケがなかった。一日経って幾分か冷静になってそれを実感出来た。


 そんな楽しくもあり、激熱だったLIVEの所感を出涸らしの記憶を無理やり引きずり出してこれから書き殴っていこうと思います。

 

 

 

 


  叩き上げの魂で謳う“アンセム


 オープニングアクトに持って来たのが、現時点においての新曲である『さよなら MY LONELINESS』
GT体制になっての最新曲であり、曲名に冠された『LONELINESS』とライブタイトルに冠された『Lonely』との繋がりを考えると、この楽曲を最初に持って来たのも頷けるモノだと。

芳野の変わろうとする想いと覚悟を謳う楽曲であるけれど、この数年において芳野役の浅見春那さんが感じた事……特に鬱積とした感情に対しての憤りみたいなモノを浅見さんは詞に込めたと、自分は解釈している。サビ前のこれらのフレーズはその事を強烈に感じられるのだ。



 降り出した雨に溶けてく 『こんなはずじゃないのに』

 でも 信じる気持ちだけは ずっと失くしたくない


 いつもの場所 一人きり 『どうすれば抜け出せる…?』

 でも胸の奥の奥 止められないものが今も


 ―ガールズフィスト!!!! 『さよなら MY LONELINESS』より引用



 こんなはずじゃなかった。この状況をどうすりゃ抜け出せるのか?それは、この世界に今生きている者が抱く共通意識。詞に込めた想いを彼女達は演奏や謳で表現していく。初手から全力全開で一斉に攻めかかって来るその姿勢はこちらのスイッチに火を点けさせられ、自然と縦ノリのヘッドバンキングしていた。サビの『ぶち上がれ AUDIENCE』の詞の通りになったというところか。

そう、このバンドは楽曲を直に聴いたら自然と血が滾って身体が動かざるを得なくなる感覚に陥られる。そう感じられたからこそ自分は『ガールズフィスト』に惹かれたのだと実感させられた瞬間でもあったし、その直感が錯覚ではなかったってのも嬉しかった事でもある。


 イントロが爆音で響いた瞬間、観客の声は出せなくても感じられた現場の熱の上がり方はいい意味での異常な空間。一気にその場の雰囲気が開けてグワってなる的な。

所謂、LIVEにおける起爆剤の役目はきっちりと担っていて、なおかつ、パンクロックの反骨の魂と彼女達の叩き上げの魂が、『さよなら MY LONELINESS』をアンセムの域まで昇華させたのだと思い知らされた。


 信じていい。この『アンセム』はもっと強くなって、未来の刻で『ガールズフィスト!!!!』のアイコン(象徴)となる可能性に溢れている。

 

 

 

 

 “音を楽しむ”という事。

 
 ガールズフィストというバンドのアイデンティティというかスタンスは、前に観た配信ライブだったり公開練習を直に観て感じさせる、ボーカルの浅見春那さん、ドラムの内山つかささん、ギターの奥村真由さん、ベースの井上杏奈さんが本当に楽しんで演奏や歌唱をされている事だろう。

それは、自分の様な奴が改めてここに書かずとも、ずっと長い刻で彼女達を応援して来た人なら周知の事実。


 勿論、このLIVEでもそれは何も変わらずに、四者四様で本当に心底楽器を奏でる事と歌う事を楽しんでいた。まあ、当然な話だけれども、有観客LIVEの開催を待ち望んでいたのはファンだけじゃなかった。彼女達も本当に待ち望んでいたんだと。

歌は嘘がつけないってよく言われるし、聞いた事がある人もいるでしょう。楽器の演奏も人の手で成されるモノなので、奏でられる音も嘘がつけないモノで、奏者の感情がダイレクトに反映されると思っています。直に会場で聴いたってのもあったのでしょうが、よりアグレッシブで殴りかかって来る様なビートを刻んでいたのが凄く印象深かった。


 自分が観てた位置は二列目の所で、ライブハウスって事もあってステージが近いし目線もほぼ演者とそう変わらない。だから、ギターを奏でる奥村さんやベースを奏でる井上さんの手元、内山さんの力強いドラミングに自然と目を惹かれる。それはホールのLIVEでも席によっては観られるものだけれども、より鮮明に観られるのはライブハウスの特性でもあるのかなと。

ガンガンに盛り上がっていながら、奏者の渾身の演奏にも目を奪われ感嘆の息を漏らす。そこに、『顔』で謳える浅見さんのボーカルが加わる。彼女のボーカルもその演奏に刺激を与えられて、より力強く、艶やかさも増していた。

どの音と声が欠けても、ガールズフィストの音楽は成立しない。でも、この四人の音と声が掛け合わさるからこそ、ガールズフィストの音楽は魂に突き刺さって血を滾らせる。オリジナル楽曲でもそうだし、カバーされた数多のパンクロックの名曲たちは元のテイストを感じさせながらも彼女達の色もきっちり出せたのも見事と言わざる得ない。


 ただ単に、素晴らしいという語彙しか残らない程に圧倒されて打ちのめされた。完敗でした。

 

 

 

 

 継ぐ者の覚悟と闘い


 先人曰く(水樹奈々さん)LIVEとは逃げ場のない闘いの場であると。


ここで言う継ぐ者とは、今年の一月に、二代目・藤森 月役となった井上杏奈さんの事である。


井上さんの加入というのは本当に喜ばしいモノ。その報によっていろいろな展開が一気に広がったってのもある。新曲のリリースや公開練習の復活、このワンマンライブだってそうだ。まあ、一連の情勢がちょいと落ち着いたってのもあるが。

とは言え、次代を継承した人ってのは嫌が応にも比較されるモノ。ダイレクトに口に出す事もあれば、それぞれの心中に留めたりと。歓迎の意は勿論あるけれども、どこまでやれるのか?ってのも同じ位抱いていたのではないだろうか。このLIVEのキモになってる一つは、井上さんがきっちりと最後まで闘えるか否かだ。

勝手な推測の域ですが……井上さん自身もそう見られる(比較される)のは覚悟して踏み込んだと思います。そして、筆舌に尽くし難いもの凄い努力をして来たのでしょう。おそらくその成果は公開練習やこのLIVEを観られた人なら共感出来ると思います。ベースを弾いてる立ち振る舞い方が格好いいんだわ。


 それと、上手く説明できないのが心苦しいのだが……井上さんを見る時の浅見さんの眼差しが、何か見守ってる様な優しい感じのモノに自分は感じられた。

思い返せば、浅見さんも二代目・奈川芳野役とボーカルのパートでバンドに加入された経緯がある。誰よりも、今の井上さんの心情を理解できているだろうし最も寄り添えられるから……井上さんも、浅見さんのそんな眼差しを見て安心出来て勇気が湧いたかもしれない。なんて勝手に思ったり。勿論、内山さんや奥村さんも浅見さんと同様に、井上さんを見守ってくれたのかなと。

 

 で……話を戻して、井上杏奈の覚悟を証明したのが『孤独の月』の披露だろう。


 『孤独の月』という楽曲は藤森 月が作詞をした楽曲。即ち、先代の藤森 月役の古川由利奈さんが作詞した楽曲でもある。

この楽曲を二代目の井上さんによって披露する事は賛否両論あると思います。自分の意見としては、この楽曲を埋もれさせたくない。大袈裟に言うと死なせたくはないという想いから、彼女は謳う事を決意されたのではないかと。もしかすると提案されたのかもしれませんが。とは言え、単に役やパートを受け継いだってだけで歌える、歌っていいという問題じゃないし、井上さんもそういう感覚ではなかったはず。


 実際、現地でコレ歌い始めた瞬間『うわ、マジか……』って声が漏れた。正直、聴けるとは思っちゃいなかったから。それと同時に、井上杏奈の退かない覚悟を示す闘いなんだってのを魅せると。

更に言うと、CLUB GOODMANは、古川さんがガールズフィストのメンバーとして最後に立ったステージでもあった。あの刻でも『孤独の月』は歌われた。藤森 月の止まってしまった刻を、受け継いだ井上さんによって歌われる事で月の刻もまた動き出すと……勝手な推測&妄想の域でしかないが、自分はそう思えてならなかった。だからこそ、この闘いは逃げちゃいけなかったし、この楽曲を迎え入れられるのはこの世界において井上杏奈ただ一人だけ。


 月がモチーフになっている楽曲という事もあり、沁み入る様に聴かせるテイストの楽曲だけれども冴える月光の要素も感じられる複雑な楽曲。しかし、現地で聴いた感覚だと音源より内に秘めた力強さの方が全面に押し出されたインプレッションを抱いた。これは、LIVEならではの妙ではないだろうか。


 これまた勝手な持論になるけど、LIVEのセットリストには幾つかの外せないポイントが存在している。バッチリ決まればその後も上手い事いけるし、逆に外してしまうと一気にガタついてしまうリスクもある。このワンマンライブにおいては、井上さんによる『孤独の月』披露がその一つを担っていた。

楽曲というモノは、歌う者や演奏する者で様々な『顔』を覗かせる。『孤独の月』という楽曲が秘めた表情を引き出せたのは、紛れもなく井上さんがきっちりと闘えたからだと。


 本当に『孤独の月』をあの刻と場で歌ってくれた事に、ただ……ありがとうと言いたい。

 

 

 

 

 叶った刻と場で聴けた“あの楽曲”


 終わった今だから言ってしまうが、このLIVEのチケット代の半分はあの楽曲を現地で聴く為に払ったと言っても過言ではない。これは冗談でも何でもなくマジな話だ。

 


 その楽曲は……『Full of Lies』!!!!

 


 自分がガールズフィストの楽曲で、最も好きな楽曲が『Full of Lies』なんだ。
初めて配信ライブで聴いて一発で魂を惹かれた楽曲。それが現地で直に聴ける刻がようやく叶った。

イントロが鳴り響いた瞬間、膝から崩れ落ちそうになるし、感動によって刺激されまくりの涙腺が決壊しそうになるのも必死に堪えて、楽曲を聴く事とアクトを網膜に焼き付けようと。もう、こんなに嬉しいモノは無い。

それと同じくしてサイリウムや発光ブレスレッドをつけていた人が赤い光を灯す。詞にある茜色の空をイメージしたモノであるし、奥村真由さんのギターの色や彼女が演じる坂ノ下奏恵のイメージカラーも赤。客席のこの光景は当然ながら配信ライブでは観られなかったモノ。それも相まって涙腺が刺激されてしまったってのもあった。


 ガールズフィスト楽曲では、ちょっと異質な趣きのあるセンチメンタルでノスタルジックなテイストのこの楽曲は、ここまでに上がりきったボルテージを下げていくモノ。でも、その落差がある事によってこの楽曲はより深みを増してエモーショナルな衝動に心揺さぶられてしまった。

分かっちゃいたのよ。この楽曲を直に聴いたらエモーショナルな感覚に絶対なるって……そういう楽曲でもあるし。もの凄い偏見込みなのは承知で言ってしまうが、自分の様なおっさん世代にはより魂に突き刺さって来る楽曲ではないだろうか。

その要因は、この楽曲の詞からもたらされるのだろう。本当の自分を嘘という仮面で偽るってのは現代の世情とリンクした風刺的な意味合いが含まれている。それはパンクロックの定義とされる要素の一つでもあったりするんだよな。


 そして、この楽曲で真に伝えたい本気の想いは、変わろうとする想いと一歩踏み出す勇気。
今回のワンマンライブは新体制になって初めてのLIVE。ここから先の領域って踏み出さないと何も分からない事だらけ。そこに踏み込む事は誰だって怖いモノでもある。ただし、踏み出さなきゃ、動かなきゃ何も変わらない事を彼女達はこの数年の刻で思い知らされただろうし学んだと思うんです。

未来への希望を願う想いと共に、ラストフレーズの『輝ける明日へ』というフレーズ、これが音源で聴いた時よりもハッキリと伸びやかで力強く謳われている様に感じられ、聴いていてグっと深く沁みて来た。


 楽しく盛り上がれるだけじゃなく、一人一人の魂に沁み込んでいく。そういうLIVEが出来るんだよとステージに立つ彼女達が提示していた様な気がした。この楽曲は本当に生で聴きたかったし、聴けて嬉しかった。もう、感無量だった……

 

 

 

 

 最後に。


 新体制として初のLIVEだったワケだが、奇を衒う演出だったりとかは無くて、自分がこれまでに配信ライブで観ていたあのLIVEの雰囲気そのままのLIVEだった。普段通りのLIVEを普段通りにやって心底楽しみ尽くして終わる。人は変わったけれどもこれまでに培って来たモノは変えずに、いつも通りの『ガールズフィスト!!!!』のLIVEを魅せ付けるって方向性のLIVEだったと思います。

オリジナルの楽曲や、過去のパンクロックバンドの名曲のカバー、フリーダムでわちゃわちゃした掛け合いのMC……それら全てをひっくるめて『ガールズフィスト!!!!』のパンクロック。


 今の刻が一番いい。そう感じさせる最高のLIVEでした。


 Not Lonely!!!!=孤独じゃない。二年半振りに開催された今回のLIVEに冠された言葉だ。
ガールズフィスト!!!!に縁のある人や惹かれた人達。誰一人として諦めずに信じて動き続けたからこそこの最高な刻と場が還って来たのだと。

浅見春那さん、内山つかささん、奥村真由さん、井上杏奈さん、関係者の皆様、スタッフの皆様、素晴らしいLIVEを楽しませて下さった事に感謝と賛辞の念を。

 

 長くなった上に、感情と情緒を爆ぜて書いた怪文書をここまで読んで下さりありがとうございました。
今後も自分が出来得る範囲で『ガールズフィスト!!!!』の現場に馳せ参じたり、楽曲の所感などをこのBlogに書き殴っていきたい所存であります。