巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

アイプラ楽曲ライナーノーツ #18  GIRI-GIRI borderless world

 

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 GIRI-GIRI borderless world/LizNoir


 TVアニメ第11話挿入歌。11話では、『NEXT VENUSグランプリ』のセミファイナルにて、LizNoirと月のテンペストの直接対決が描かれる。そのステージでLizNoirはこの楽曲を歌った。

『The Last Chance』と同様、こちらの楽曲も莉央&葵ver.と四人全員で歌う2種類のバージョンが存在している。なお、アニメ11話で歌ったのは莉央&葵のバージョンとなる。


 『Shock out, Dance!!』や『The Last Chance』から連なる、ハードロックテイストがベースになっているデジタルロック色の強い楽曲というインプレッション。
前の二曲も結構ハードで攻める印象を抱く曲調の楽曲であったが、この楽曲は、そこから更にハードさ(+変態性も……)を増して、さながら狂気に似た激情を歌に乗せたLizNoirにとって勝負曲と称される楽曲。

タイトルの解釈については、色々意見が分かれる所ではあるが……自分の解釈としては、限界ギリギリまで追い込んで、未知の領域へ挑戦しようという挑戦者魂を謳っていて、『The Last Chance』の続編的な位置にある楽曲として捉えている。


 前述でも触れた様に、この楽曲はLizNoirの狂気に似た滾る激情を謳う楽曲。
その要素(激情)を最も色濃く出しているのが、MVとはまた別にあるアニメ版LizNoirの裏側を描くアニメーションMVでの莉央と葵の心情だと思える。

最大のライバルであり、同時に理想のアイドルとしていた長瀬麻奈を超えるべく戦いへ臨む莉央の生き様、そんな莉央を支える為、彼女が邁進出来る様にいろんなしがらみを背負いながらも戦っていた葵の生き様。どちらかと言えば、歌詞の世界観は葵の心情の方が結構濃く反映されている様に感じられる。莉央と同様で、麻奈と決着を付けられなかった事は葵にとっても心残りであり、葵の刻も止まっていたのだと。

歌詞の一節にあり、11話のサブタイトルにもなっている『命の音燃やして』という言葉通り、莉央と葵は想いと魂を込めた全身全霊のパフォーマンスで魅せる。このLIVEシーンは、アニメ版後半屈指の名シーンの一つと評しても過言ではないと思っている。


 この楽曲のテーマとされる限界を超えて何かを追う者。それは、後にリズノワに加わった愛とこころにも当てはまる。当然と言えばそれまでだが…この楽曲は愛とこころの叩き上げの魂を謳う楽曲でもあり、彼女達の生き様にも添った歌詞でもあった。

彼女達にとって、憧れであり目標であったLizNoirのメンバーとなり莉央と葵と一緒になって活動出来るチャンスを得た。不安や緊張、莉央や葵との圧倒的な実力差でいっぱいいっぱいだったに違いないが、そんな状況下でも愛とこころは必死に食らい付いていった。曲調のキモになっている狂気的なモノは、そんな愛とこころの命の音を燃やしている様に捉えられる。

莉央と葵は、愛とこころの命の音を燃やした『熱』にあてられ、いつの間にか置き去りにしてしまった『熱』と叩き上げの魂を取り戻す切っ掛けを掴んだ。


 剥き出しで偽りの無い本気を魅せつけて、形振り構わず真っ向から勝負を仕掛ける。そこには、泥臭さだったり生々しさも含まれているけれど曝け出す事をいとわず、遥か高みへ駆けていく挑戦者魂を謳う。

 『ホントの願いを叶えるんだ 叶えるんだ』。この歌詞が記す通り、この楽曲は莉央・葵・愛・こころの決意と生命の謳なのだと。聴けば聴くほど、リスナーの魂を滾らせて奮い立たせてくれる楽曲だ。