Shining Days/サニーピース
TVアニメ第7話エンディングテーマ。
『SUNNY PEACE HARMONY』から一転して、こちらの楽曲は夕暮れ刻もしくは、雨上がりに差し込む陽の光を想起させる。雨雲の切れ間から差し込む柔らかな太陽の輝きになぞらえている曲調は、EDテーマらしい爽快かつ落ち着いたインプレッションを抱かせる。
そんな世界観を忠実に表現する様に、楽曲を構成している音も優しく柔らかいモノになっている。そこに、サニピメンバーの歌声が言葉を零さぬように切々と歌を紡いでいく。サニピは落ち着いた楽曲を落ち着き過ぎない様に表現していくのが上手い様に思える。それを違和感無く楽曲に落とし込んでいる。
キャスト達が、サニピというグループの持つ明るくキュートなイメージを忠実に表現している事も当然ある。それぞれの声質を理解し、楽曲への対応を皆が熟考して突き詰められたからこそ歌声の輪郭はぼやける事無く、丁度良い塩梅になっているのだと。
楽曲との対話には、メロディのみでなく歌手による歌詞への理解も必要不可欠。
『SUNNY PEACE HARMONY』では、ステージ上で輝くアイドルとしてのさくら達の姿を想像するのは容易なモノだった。『5つのピース 重ねれば 星になるんだ』と目指す夢に向かう少女達の想いがきっちりと作品に結びついている。
この『Shining Days』は角度を変えていて、サニピの五人の心の情景に寄り添う表現をしている内省要素の強い楽曲。『不安』『涙』『見失いそう』『諦めそう』。これらのネガティブなキーワードは、雨雲に隠れた太陽を想起させる。デビュー前、もしくは日々の生活にて彼女達が抱えている不安や葛藤の比喩なのだろう。
そんな不安や葛藤をそれぞれが受け止めて、未来への希望を胸に抱き前に進むべく道を駆けだす。雨雲の切れ間から差し込んで来る陽の光の温かさと、青空の爽快感を思わせる五人の歌声が一つにまとまったハーモニーへの昇華は、彼女達の魂がそれぞれ違う想いを持ちながらも、同じ志で重なっている事を示している。
個人の印象ではあるが、この楽曲では五人の内の誰かの突出した歌声が聴き所という感じはない。どこかノスタルジックで柔和な歌声が自分の魂に沁み込んでいく。その要素は『SUNNY PEACE HARMONY』とはまた違うモノ。
楽しい事も、辛い事も、サニピの身の回りに起きる事全てを楽しむ。そうする事で輝かしい未来の刻(Shining Days)がきっと巡って来る。雨上がりの空を見上げるサニピの五人の双眸にも希望の光が輝いているのだろう。