巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

RGR楽曲ライナーノーツ#5 Break the Blue!!

 どうも。RGR楽曲私的ライナーノーツのお時間です。


早いものでこのシリーズも今回で5回目の節目を迎えました。

で、今回取り上げる楽曲もまた、RGR楽曲に於いて一つの節目となった楽曲であり、彼女達の新しい可能性の伸びしろを感じさせた楽曲であると(勝手に)思っている。

楽曲に秘められた魅力をこれからどれだけ引き出せて書けるか自分の拙い文章力でできるかは未知数であるが……自分なりに向き合って感じたインプレッションを書き殴っていく。

 

 

 

 

 Break the Blue!!

 

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www.youtube.com



 『Run Girls, Run!』4枚目のシングル。2019年2月6日にリリース。
ユニットとしては初となる両A面シングルである。


(もう一つの収録楽曲『never-ending!!』については後日単体で書く。)


TVアニメ『ガーリー・エアフォース』のオープニング主題歌。
リーダーの森嶋優花さんはこの作品のメインキャストのグリペン役で出演されている。その関連からだろうか、楽曲のセンターポジションは森嶋さんが担当されている。

冒頭の四方山話でも触れたが、この楽曲は節目であり様々な可能性を示す楽曲だと言った。


まず、今作の大きなウリというか強烈なインパクトを撃ち込んだのは楽曲の制作陣だ。


これまでのRGR楽曲は全てではないがほとんどを、作詞を只野菜摘氏。作曲をサウンドクリエイターチームであるMONACAが担当されていた。
しかし、『Break the Blue!!』では作詞をRINA氏。作曲を高瀬一矢氏が担当された。
この両名はサウンドクリエイターチームであるI'veに所属されている。

I'veサウンドの主となる曲調のインプレッションだと思われるトランスをベースにした打ち込みサウンドの系譜に連なる、エレクトロニック・ロック調な曲調で、所謂”格好良い”系統な楽曲に見事仕上がっており戦闘機による空戦をメインに据えている作品のオープニングテーマとして、ハードな荒々しさと大空を翔る疾走感が見事にマッチしているのもまた聴き心地の良さを感じさせる。


ちなみに作詞されたRINA氏が歌うカバーバージョンも存在している。
(1stアルバム『PRISMATICA』に収録されている。)


 そして、RGRの新しい可能性である”格好良さ”の要となっていると勝手に感じたのが、センターを担当された森嶋優花さんの歌声だと自分は感じた。特に彼女の低い音域での歌声にその格好良さのエッセンスが凝縮されているのではと思わされたのである。
溌剌とした愛嬌の良さとはまた違う彼女の新たな魅力が引き出されたとも言えるのではないかと。


 “BABIEE01 CLEARED FOR TAKE OFF”


 イントロ部分で差し込まれるこの台詞は、森嶋さんの声である。このイントロの台詞がまた格好良いんだ。

ちなみにコレは劇中で彼女が演じているグリペンの台詞であり、キャラクターの魂を共有(憑依)した事で、楽曲にまた違うエッセンスを加えて、彼女の持つ低音域の格好良さが引き出されていった様に思えるし、導入で楽曲の格好良い雰囲気を助長させる作用をもたらしている。


勿論、格好良さを引き出されていたのは森嶋さんだけではなく、林さんと厚木さんもそれ(格好良さ)を引き出した歌声になっている印象を抱く。

林さんが元々持ち合わせていた力強く伸びやかな歌声は、ハードでテンポの早いこの楽曲には非常にかみ合う鍵と鍵穴の関係にある相性抜群の組み合わせ。レコーディングの際、高瀬氏は彼女の歌声(特にしゃくり)を絶賛していたと云う。この楽曲の様なリミッターを外して歌い上げる系統の楽曲を歌うのが好きだという彼女の歌声が持つポテンシャルを遺憾なく発揮されている。

厚木さんの歌声は林さんと対照的で、柔和で清楚な繊細さが特徴的だと思っている。だからと言って、彼女の歌声から格好良さが全く感じられないワケではない。森嶋さんや林さんが持つ“格好良さ”の質がそれぞれ違う様に、厚木さんの“格好良さ”の質も違う。繊細でありながらも、一本筋の通る凛々しい芯の強さ。自分はコレが厚木さんの歌声が持つ”格好良さ”の本質ではないかと思えてならないのである。



 翼並べた fighter!! 一筋の想い糧に 

 創り出せる(Don't be afraid) 新たな記憶〈memory〉
 
 撃ち墜として行け shooter!! 悪夢 蹴散らし断ち切れ

 勝ち取ろう 今こそ Break the Blue!!


 ―Run Girls, Run! 『Break the Blue!!』より引用



 この楽曲のリリースは2019年の2月。丁度1年前のこの時期に彼女達はCDデビューを果たした。
更に言えば、2017年に結成されこの年は結成されて2年の刻が経ってもいた。

Blue=青は、青空を連想させ空戦を扱った作品の主題歌である意味だろうが、若く未熟という意味でもある。彼女達は若く未熟な存在である事を自覚していて未知の領域へ踏み込む事を恐れない決意表明がここの節々から感じられてしまったのだ。

楽曲名と、歌詞の至る箇所にある二つ繋がったエクスクラメーションマーク。
CDデビュー二年目であり、ユニット結成から二年経過でもある意味が込められたのだとこのエクスクラメーションマークから感じるし、そして、『勝ち取る』という節に自分はRGRの原初の楽曲『カケル×カケル』の系譜を継ぐ『闘い』の楽曲、そして、RGRの『アンセムソング』としての系譜。

 


 これまで同様、変わろうとする想いと一歩前に進む変わらない覚悟を謳い
三者三様のそれぞれ違う色でもった“格好良さ”という可能性の『翼』でRun(駆けた)次は大空へとFly(翔ける)新たな闘いへ挑む。肚は括った。そう感じさせる楽曲だ。