前回の続き。
仙台→石巻へ。
仙台の宿で朝日を拝み、朝食バイキングにて朝飯を食した後、身支度を整え出立。
二日目は石巻と松島を巡る旅だ。仙台駅まで出て東北本線の快速(だったはず…)で石巻へ。
で、車内で眠りこけているうちに石巻に到着。
石巻の名所と言えば、石ノ森萬画館が挙がるが当初の旅程では行く気は無かったがww
折角来た事だしカツカツの旅程でも無いので立ち寄る事にして向かう。
街中を旧北上川方面に向かって歩き見えてくる異彩を放つエキセントリックなフォルムの建物。
中の写真が無くて申し訳ないが…入館して見学に。
歴代の仮面ライダーや、サイボーグ009、石ノ森先生の経歴や原画展示もあった。
あまり作品は知らんがそこそこに楽しめたかな。
あと、ライダーシリーズが好きな人はガッツリと楽しめるのではないでしょうか。
石ノ森萬画館を後にして向かったのが…日和山公園。
ここはWUGの楽曲『TUNAGO』のMV撮影地にもなっております。
急勾配の坂道が俺の痛めておる両脚に更なるダメージを付加して来るが何とか到着。
日和山から日和大橋越しに見る旧北上川河口と太平洋は壮観の言に尽きる。
で…『TUNAGO』を傾聴しつつ園内を散策。
挙げた写真の公園説明板にも記載されているが
震災の際に多くの市民が津波から逃れるべくここに避難して来たそうです。
眼下の石巻漁港や市街地が津波に呑まれ炎が上がっていく模様を成す術なく見るしか出来なかった人達の悲しみは計り知れないモノ。
避難し日和山を登り切れず犠牲になってしまわれた人も多いだろう。
奪われるべきでなかった生命が無残に奪われたが、日和山に辿り着き生命を繋ぎ止めた人もいた……
『TUNAGO』のMV撮影地の一つに
この生命を繋いだ地が選ばれたのは意味があるのだと思えてならない。
そして、この日和山公園は桜の名所として名高い地でもある。俺が行った時はまだ開花してませんでしたが、おそらく今年も見事に咲き誇るのではないでしょうか。
余談ですが…俺のウォークマンのシャッフル機能が仕事しやがりまして…
『TUNAGO』の次に再生したのが、永野愛理さんの『桜色クレシェンド』でした。
このエモーショナルな計らいには思わず涙腺が刺激されてしまいました。
日和山から再び市街地へ。この頃丁度正午近くなっていたのでランチを求める。
で、日和山に向かう道中で偶然見つけてしまったここでランチ。
れすとらん 茅 (かや)
見かけた時、マジで驚いたwww漢字は違うが、ここは行かねぇと駄目だろうと。
それと、写真には写ってないが「津波襲来の地」の碑がありました。
店内は街の洋食屋風の内装。中は空間的にゆったりとした落ち着く雰囲気が良い。
トマトソースハンバーグのランチセットをいただく。
肉がしっかり詰められ大きさも丁度良く、程よい柔らかさもあって
とりわけ凝ったモノではなく家庭的な味わいがある飽きの来ない…そんな感じ。
美味しかったです。ご馳走様でした。
石巻と言えば、ここで改めて書く事ではないが…震災で最大の被害を被った地。
真新しい道や家屋、未だ広がり網膜に飛び込む更地や真っ最中である護岸工事。
そして、街の至る所の建物に刻まれている印は押し寄せた津波の到達点……
津波の凄さと石巻市が受けた津波の恐怖と被害の大きさを更に感じました。
これは自分が直に聞いた話ではなく、後日色々調べるうちに知った事ですが
石巻で釣りをされた人が釣りを嫌いになるという話で、その理由なんですが
釣れた蛸をさばいたら、蛸の口や腹から人の毛髪が大量に出て来たと…
この石巻は最大人数の犠牲者が出たとの事で、津波に流されて身元が分からなくなったままになっている。おそらくは海に棲む魚介類に躯を食べられたのでしょう…
その現実を知ってしまった方は以降、釣りが嫌いになってしまったとの事です……
旧北上川沿いの護岸工事は将来、海が見えなくなる高さまで堤防を築き上げるらしいです。海と共に生きてきた街と人が海から離される生活をしなければならない現実が未来で待っている。
これも生まれて欲しくなかった物語…でも、自然と共存しつつも尚、人の生命と財産を守る為には選ばざる得なかった選択なのだろう。
ここで生きる。文字に起こせば簡単であるが実際に生きていくのは本当に難しい事だ。
閖上でも感じたが…本当に自然の猛威というモノの恐ろしさを痛感させられる。
自分の目でその場に行って知る事の大切さ…
又聞きでは気付きづらい事が石巻にもあった。
まず知る事。そしてそこから一歩踏み出す事なんだろうな。
石巻→松島
流石は日本三景のひとつにも選ばれている景勝地として人気の高い観光地。人が多い。まず「五大堂」を巡り、朱塗りの福浦橋を渡り島々を眺めつつ竜王の島「福浦島」へ。この松島にも津波が押し寄せたが、三陸地方よりも被害が抑えられたと聞く。
その要因とされているのが松島湾の島々が天然の津波防潮堤となった為だと。
これもまた自然の持つ強さの一端なんだろうな。
にしてもこの日は風がやたらと強かった…
特に福浦橋を渡ってる時は遮るモノがないので強風の直撃を受けたwww
で…駅に戻る途中の売店で松島名物である牡蠣(フライ)をいただく。
作り置きじゃなくちゃんと注文を受けてから揚げて提供してくれる。
さっくりとした衣と濃厚でクリーミーな身の食感がビールを求めてしまうwww
が、この日の晩も呑んだくれるのでここは泣く泣くビールは我慢。
訪れた時から遡る事ひと月前…WUGの七人はこの地で
最高のパフォーマンスを魅せたと聞く。
そして、ここからSSAへと物語を繋いだ。直に観る事は叶わなかったが長かったファイナルツアー終焉の地に来れたのは何とも感慨深く幸せでもある。
楽曲『7 Girls war』のMV撮影地の一つである榴岡公園野外音楽堂。
この狭いステージで撮影していた頃の七人が…SSAの13000人を前にして歌い踊る…
そんな未来の夢物語を想像していたのだろうか?
でも、彼女達七人は打ちのめされても諦めず直向きに闘い続けて実現させたんだよ。
予期せぬ巡り逢いと語らい
宿に戻り…自分と機を同じくして仙台に来訪されていた
顔見知りのワグナーさんとコンタクトを取り呑みに行く事となった。
その方が何度も仙台に来られよく行かれる店『青葉の蔵』に連れて行っていただきました。
和装の雰囲気と個室が落ち着くお洒落な店で、料理が美味しかった。
特に、牛タンの燻製、鯖の胡麻カツ、金華鯖の一夜干し、仙台牛の炙り寿司は美味かった。
WUGの話は勿論、自分は閖上で見て感じて来た事を、その方は女川の事。そして石巻の事を話したり、共感出来る事やしみじみしたり、さまざまな想いを語り合ったのを憶えています。
何度も書いていることだが、こうして直にお会いし膝を突き合わせ酒を呑みながら話す…言の葉の温度が直に感じられる語らいというのは本当に尊い刻だと思える。
偶然なんだけども、互いに何かに引き寄せられた縁なのかもしれない。
本当、この巡り逢いには感謝。
ワグナーさんと別れ、宿に戻って大浴場で旅の疲れを癒す。
やっぱり脚を伸ばして湯船に浸かるのは気持ちいいモノだな♪
で…部屋に戻りくつろぎながらテレビ観てたら
何だか聞き覚えのある声が聴こえるんです。
番組情報見たら…『かのおが便利軒』(再放送)?!!!
そう、まゆしぃ(吉岡茉祐さん)がナレーションを務めているバラエティ番組。
これまた予期しておらんかった『縁』の出逢いがあった。
この巡り逢いの奇跡に感謝しつつ
俺の巡礼の旅・宮城最後の夜は更けていくのであった。
(最終回につづく)