巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

宮城巡礼紀行・初日 ~閖上の『今』という刻の物語

 この行動に俺が至った経緯と状況はいずれ当Blog内にて書き殴るとして…
3月26日~28日の二泊三日の旅程で東北・宮城の地へ巡礼の旅に行って来ました。

旅の目的は言わずもがな、Wake Up,Girls!聖地巡礼でもあるのだが……
昨年観劇した吉岡茉祐さんが出演されたナナシノ( )さんの舞台『希薄』の影響もあって、あの震災から八年の刻が経った現地の景色と今の刻を知っておきたいという想いだった。
おそらく行ける機はこの機が最適な縁で何かの思し召しだったのだろうと。


ちなみに、自分は旅行は殆ど行かない困った奴なので…
ロクな旅行記の文面にはならないでしょうが、この旅で感じたモノを忘れない為に
思いの丈をここに書き殴ろうと思う。
もし興味がありましたら、最後までどうかしっかり読んでいただければ…と。
今回は初日の模様をお届け致します。

 

 

 

 

 3月26日この日は平日。東京駅へ向かう京浜東北線は普通にラッシュ時の刻……
ただ、ラッシュ時のピークではなかったのでさしたる問題はなかったが。
東京駅から新幹線に乗り込み、仙台に到着したのは正午前。

 

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2016年の夏以来二度目となる仙台訪問に感慨深い想いが駆け巡る。

 

が、俺の腹の虫はそんなロマンチックな雰囲気を許してくれなかった…

 

胃袋の機嫌を満たすべく、まずは腹ごしらえする事にした。
仙台名物と言えば真っ先に思い浮かんでくる牛タンを食すべく
『味の牛たん喜助』で牛タン炭火焼き定食(塩)を頂く。

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厚くスライスされたタンの歯応えに舌鼓を打ちつつ白菜の浅漬けの違った食感で
とろろをかけた麦飯を一心不乱にかき込んでいく。
その最中、俺の脳内では孤○のグルメの勝利確定BGMが再生されておった。

 

 

 腹も満たされた所で、いよいよ巡礼の旅最初の目的地閖上へ向かう。
仙台から仙台空港線に乗り、美田園で下車し徒歩で閖上朝市付近へ向かいました。
まぁ…本来なら名取からバスが出ていて、そいつに乗れば済む事であり
旅程を組む際に大雑把な距離を調べてみたら……


この距離なら歩いていけるなwwwと感じたので徒歩という選択を下したのである。


向かう道中、辺りは田畑の広がる田園風景。
だが…道ゆく車の大多数は大型のトラックばかり。
次第に工事で通行止めになっている道が多くなって来て
自分が予め想定してたルートを迂回する事を余儀なくされる。


で、閖上斎場を過ぎた辺りで俺の視覚に
閖上の『今』を見せ付ける景色が広がって来る…

 

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瓦礫は既に撤去されてるが、未だ続いている堤防工事…
この情景を実際に見て、過去の惨状を訴え掛け説得力のある景色はない。
道ゆく大型トラックは工事現場へと資材を運搬しているのだろう。


そして…目的地である日和山と慰霊碑に到着。まずは慰霊碑にお参りし…鎮魂を祈念。

 

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建てられた慰霊碑の高さは押し寄せた津波の高さ(8.4m)だそうです。
黒の石碑は種を模していて、白の塔は『芽生えの塔』が上へと伸びていく姿を表現し
魂が天に昇っていくイメージを表してもいて、復興に向けた決意を新たにする事でもあるとの事。

 


そして、日和山神社にもお参り。
ここの石階段は所々破損していたり石が削られ角が磨り減って登りづらい。この階段も波に呑まれ波の力で削られたのだ。改めて自然の力の強さを思い知らされる。

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裏手に松の木があって、これは津波に呑まれず聳え立っていて
本殿の脇には閖上桜と呼ばれる桜の樹があります。
まだ開花には早かったが、蕾はきっちりと膨らんで来ていた。
しっかりとこの地で生きる強い意志が松と桜の樹から感じられる様である。


あれから『もう』八年じゃなく、『まだ』八年しか経っていない閖上の地。
閖上の朝市は再開されたが、まだまだ復興は行き届いてなかった。
これは違う事なのかもしれないけれど、この松と桜が懸命に今を生きて存在してる事は意味のある事。
犠牲に遭い亡くなられた人達の魂が宿っている様にも思えるし…魂を昇華させようと桜が美しく咲き誇るようにも思えて来る。俺のこの喩えは間違っているのだろう。でも感じざるを得ないのだ。
人と植物という絶対的な種の違いはあるのだけれども、魂に区別はなく同じ刻と地に生きて繋がりの縁があるのだと。

俺は震災から八年の刻が経って初めて閖上を訪れた。
ここに来なかったら絶対に分からなかった『今』の状況と景色。
写真や動画では分からない現地の空気感や生命の鼓動がこの地には確かにあった。
この地で生まれて欲しくなかった物語。でも…物語は終わっていなくて物語の続きは今も尚紡がれていた。

帰り道の道中公園があって…そこには元気いっぱいに公園を駆け回る子供達の姿がありました。歳は小学校の低学年位の子達だと思います。あの刻の頃に産まれたかまだ小さかった子達でしょう。この子供達は復興という新たな章の物語を紡げる次世代の存在。
悲劇だけじゃなかった。しっかりとこの地で生きる人の姿と未来へ希望を繋ぐ人達の物語が閖上の地にはあった。


 


 閖上を後にし、仙台市内へ戻って次に向かったのが……
7 Girls war』のMV撮影地のひとつである愛宕神社

 

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にしても…この神社。階段がクッソ長ぇ……


普段ならどうと言う程のモノでもないが、閖上に徒歩で行くというアホな事やらかし
結構なダメージ負った脚には非常に堪えるのでありましたwww
で…予約した宿が定禅寺通り沿いにあるので、勾当台公園前に向かう地下鉄に乗る。

 


勾当台公園

 

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野外ステージを眺めながら…七人の原初の楽曲『タチアガレ!』を聴く。この楽曲に巡り逢い、WUGの七人に惹かれていなければおそらく仙台に来る事はなかったと思う。感慨に耽った後、宿にチェックインして荷物を置いて仙台の夜の街に繰り出す。

 

 

で…訪れたのは、『二丁目酒場 総本店』

 

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疲弊した身体に染み渡る様であり…非常に美味いビールであったwww

そこそこに飲み食いして、経済を回す一助が東北へ繋がる切っ掛けになるだろうか?
微々たる事なのかもしれないが、動かなければ変わらない。


まだ宿に戻って眠りに就くには早すぎる刻だったので
ほろ酔い気分で『餃子の天ぱり』を訪れ、ラーメンと餃子をいただく。

 

(写真を撮るのを失念してしまった……)

 

宿に戻り、その日はサッカーの代表戦(ボリビア戦)がやっておったので観戦しつつ
部屋のユニットバスにじっくりと浸かり、明日の脚の回復を願いつつ就寝。

 


そして、この日に痛めた両脚は数日間俺を悩ませる事になるのであった……

 


(二日目に続く。)