今回は……この楽曲の事を書き綴りたいと思う。
―この曲の歌詞は、みんなで一所懸命に考えました。私達が今感じている事…
みんなに伝えたい事、大切な沢山の想いを込めて……聴いて下さい……
アニメ『Wake Up,Girls!新章』の最終話のライブシーンにて披露された楽曲。
先日リリースされたWUGのベストアルバム『Wake Up, Best! 3』に収録。
これまでのWUG楽曲と大きく異なり注目の点は冒頭にもあるが…
WUGメンバー七人によって作詞された楽曲である事だろう。
七人にとっての原初の楽曲である『タチアガレ!』
七人の分水嶺となった楽曲『Beyond the Bottom』
七人の絆と本気の伝えたい想いが凝縮された楽曲『TUNAGO』
コレは個人的な感覚で恐縮ですがこの『Polaris』という楽曲は
上述に挙げた三曲の系譜を継承している楽曲ではないだろうか……
星(Polaris=北極星)の名を冠している影響なのか
曲調もどちらかと言えば煌びやかな明るくポップな系統で
『Beyond the Bottom』や『TUNAGO』の様な荘厳で重厚な感じでもなく
割と軽快でいて、あくまで俺の感覚ではあるが丁度良く聴き心地の良いテンポ。
しかし、歌詞のみを見てみると…特に詞の冒頭部は悲壮感の漂うモノになっている。
君と見た景色さえ 黒く塗りつぶされて
楽しいも嬉しいも波がのみこむの
君と~のパートを歌っているのは奥野香耶さん。
彼女曰く、この箇所は彼女が魂を吹き込む菊間夏夜の実体験が基になっているとの事で
君というのは夏夜の幼馴染の事だそうです。
続く……楽しいも~のパートを歌うのは永野愛理さん。
永野さん曰く、あえて『波』という震災を思い起こさせる単語を取り入れたのは
仙台や東北の事を慮りつつ、そこから目を背けず前へ向く為
傷を負う覚悟を持って伝えたい想いを秘め、あえてその決断を下したとの事で
彼女の勇気と心意気には感嘆と敬意の念しかなく
ここの二つのパートは、東北出身である
奥野さんと永野さんにしか歌う事は許されないんじゃないかと思えてきてしまう……
で、サビに差し掛かると歌詞と曲調が明るい方向へと変化していき
1番では田中美海さん、2番では高木美佑さんによる
明るく溌剌とした歌声が楽曲の雰囲気を一変させていく。
この悲壮感から前向きになっていく表現は
『タチアガレ!』と『Beyond the Bottom』を踏襲してると思える。
そして、七人の絆を育んで来た軌跡を思い起こさせる詞もまた
胸に熱いものが湧き立って来る感じにさせてもらえる。
自分が、この楽曲にて心掴まれ湧き立ったのが吉岡茉祐さんのソロパートだ。
ひと粒の瞬きがボクを導いてく
ココロから憧れた世界 満天の星空になる日まで
私見の域で恐縮だが……
詞にある『一粒の瞬き』は彼女の目線からだと観客のサイリウムで
我々からの目線からだとステージで輝く彼女達だと勝手に思っておる。
で、『満天の星空になる日まで』は七人がそれぞれ思い描いている
理想の表現者の姿であると思えるし……
また、大きな舞台で強く光り輝く七人の姿でもある様にも思えてきてしまう。
吉岡さんのこのソロパートでの歌声は
彼女と共に軌跡を歩んで来た島田真夢の魂も共に在る様に俺は思える。
計器がまだ存在していなかった古代の旅人は
夜空に輝く星の位置を手掛かりにして旅をしていたそうです。
中でもPolaris=北極星はほぼ動かずに定位置で輝き旅人を導く光となる。
繋がって 導いて 輝いて……
一方通行だけの想いだけじゃ意味が無い。双方向へと想いを巡らせ行き来させる事。
七人は想いを受け止めてくれると信じて全力の情熱をぶつけてくれる。
受ける側の我々は期待に応え、予想を裏切る凄いモノを魅せてくれると信じている。
先日、結成から五年を迎えたWUGの七人。
この節目となる刻にこれまでの楽曲への巡り合いの奇跡と感謝。
そしてこれからも未知の領域へと踏み込む挑戦者魂を感じさせる
決意表明を表した楽曲でもあると思う。
ここが到達点じゃない。ここからまた七人の軌跡は始まる。
煌びやかな楽曲の雰囲気だけじゃなく七人の『闘志』の様な
燃え滾る情熱を秘めた楽曲でもある様にも感じられなくも無い。
人の想い・絆が繋ぐモノ、そして境界線の存在しない空で繋がる事をイメージして
七人の絆と七人でいられる刻の大切さや感謝の念が
これでもかッ!!!!!!!と言うほどに込められた本当に尊い楽曲。
先日のWUG五周年記念ライブにて初お披露目となったこの『Polaris』
次の機会で直に俺が何時聴けるのは分からんが……
次回に披露する刻はこの楽曲を更に進化させて来る事だろう。
彼女達七人なら必ずやってくれる。理由や根拠なんて無いし要らん。
信じているから。
最後に、俺にとってもまた素晴らしい楽曲に巡り合う事が出来ました。
そしてこの巡り合いの『奇跡』に最大の感謝をもって本文の締めに致します。