巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

『未来』を謳った楽曲の物語。

今回の記事は、ある楽曲が持つ『物語』についての独自考察。

そして、本来なら本稿はこの機に世には出さないつもりでしたが
いろいろありまして……今回この様な形としてお届けさせていただきます。

 

 

 

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I-1club/『止まらない未来』が持つ楽曲の『物語』について書き殴っていく。

 

 

 

 

 


Chapter1/ WUGにおける『止まらない未来』披露の意義と機

 


 WUGによる『止まらない未来』が披露されたのは、3rdツアーと2018年のバスツアー内の五周年ライブ。一見すると、全然関連性の無い時間軸にも感じられるが、自分はこの二件には共通するモノを密かに感じている。


その共通項だが、その当時の置かれているWUGの状況であると見ている。


まず、3rdツアーでの状況から述べさせてもらう。2015年に公開された続・劇場版後編『BtB』にてアニメ作品でのWUGの物語は一応の完結というか区切りを見せた。
作品としての先行きが無いまま迎えた3rdツアー(新章の話は3rdツアー開始前には伝えられていたと後に語られたらしい)で七人は力強い決意と覚悟で我々に誓った。


―今度は七人で作品を引っ張っていく―と。


WUGによるI-1カバーのコーナーは1stから続いて来た恒例のモノであったので
3rdツアーでのI-1コーナーの初手に何を披露するか注目していたのは自分だけでは無かったはずである。
そして、3rdツアーの初陣・千葉公演で披露されたのは『止まらない未来』だった。2015年のWUGフェスでは披露の叶わなかったこの楽曲を七人は見殺しにせずに
『忘れ物』を届けてくれた。
こいつは自分の偏見混じりでもあるのだけれども、3rdツアーで最も披露が待ち望んでいたのはこの楽曲と『運命の女神』であったと。
物語において、新生・I-1本隊の『始まり』の楽曲でもあり勝負を懸けた決戦用の楽曲だと思える楽曲。勝負を懸けて臨んだという点では作中のI-1本隊と3rdツアーでのWUGの七人に共通している事であり
それを考慮してみるとWUGとこの楽曲との関わりは無視は出来ないのではと思えてならない。

 

二度目の機となったのが、WUG五周年記念ライブでの披露。そして、この項にて避けられないキーワードが存在している。それはWUGの解である。
実際の所、最終的に解散という決断に至ったのかは勿論我々には窺い知れない所ではあるのだけれども、今後の身の振り方の様な話はおそらく相当前からの時点であった様に思える。
そんな状況の中にて迎えた五周年バスツアーとライブだったのではないのだろうか?
今後の更なる飛躍を期待していた人もいるし、逆におぼろげながら終焉の刻を恐々しながら予見していた人もいる。
『未来』というモノは本当に誰にも分からない不確定で不安定なモノ。七人がこの時点(2018.3月末)で未来の事に何を想っていたかは勿論我々には分からない。
私見の域ではあるが、一つ確かだと思えるのは…人の眼は背中にはついていない。何故なら前に向かう為=未来に向かう為に存在しているモノ。そして刻というモノも過ぎてしまったら二度と戻すことは叶わない。
先の見えなかった状況の3rdツアー、そして見据えていたであろう五周年を経て終焉後の未来に挑む事と懸けている想いが込められ、セットリストに組み込んだのだと自分は解釈し結論付けさせていただく。

 

 

 

Chapter2/ 新生・I-1本隊における『止まらない未来』披露の機と意義

 

 

 自分が参戦したWUGフェス2016(Wake Up, Girls!Festa. 2016 SUPER LIVE)の参戦レポに自分はこの楽曲のアクトにこういう所感を書いた。


失われた最後のパーツ(I-1本隊の魂)がようやく帰って来た。


センター・岩崎志保(CV.大坪由佳)が去り、新センターの座を射止めた鈴木萌歌(CV.山本希望)と新しい“血”である高科里佳(CV.上田麗奈)を加えた新布陣。
本来ならこの前年に開催されたWUGフェス2015にて見られなければならなかった光景であると自分は未だに主張している。
そしてようやく迎えた真の『止まらない未来』披露の機。WUGフェス2016のパンフレットに記載された出演陣のサインの傍らに書いてる意気込み。


加藤英美里さんは、I-1がどういうチームかもう一度教えてあげる。と。

山本希望さんは、ゆずれない。と。

福原香織さんは、負けない。と。

明坂聡美さんは、絶対に渡さない。と。


WUGが3rdツアーでこの楽曲を見殺しにはしなかった事への感謝。そしてその想いに報いる為にはWUGが魅せたモノを本家としては凌駕したモノを魅せなければならない意地とプライド。
この楽曲、そして鈴木萌歌のイメージカラー、未だこの案件は叶っていないがアイドルの祭典・2015にて纏っていた衣裳、全てにおいて共通している『青』という色。

『青』には様々な意味を成す言葉がある。海や空の色然り、若いという意味でも使われてもいる。『海』は生命の源とも言われていることからWUGの生命の楽曲『BtB』と同系譜に属すという解釈も出来る。
そして、次世代の象徴として描かれていた鈴木萌歌。若いという括りで見れば彼女に相応しい色となると単に『赤』の対比ではなく『青』をあてがったのも頷ける様にも思えて来る。
また、青年期を人生の春に例えて『春』という意味合いもあったりするので新たなI-1の体制で更に磐石な地位を築くという意味をあるのかもしれない。


 あくる年でのWUGフェス2017(Wake Up, Girls!Festa. 2017 TRINITY)では、『Jewelry Wonderland』の前に披露された。
自分の中では、『運命の女神』→『止まらない未来』→変化の為の進化を謳った『君とプログレス』→I-1という存在の集大成『Jewelry Wonderland』という繋がりのある系譜と組曲的な楽曲陣である様に思えて来る。
I-1サイドでのこの『止まらない未来』の解釈はまたWUGのモノとは違って来る。
止まらないのではなく、どうにも出来ない、自分では止まる事の出来ない領域にまで到達してしまってこれまでに様々な事を犠牲にして来た。
何かを勝ち取るには何かを犠牲にしなくては掴めない。それも世の理なのだろう。作中にて特にクローズアップされていたのが人としての感情だったと思う。
他者の尊厳を踏み躙る様であるが、そこまでしなければならないのかもしれない。でもそこまでする必要もないかもしれない。その答えは誰も正解を答えられないし存在してないのだろう。
『信じてる』と歌詞にあるが、各々が殉じている『信念』をも謳っている楽曲である様にI-1サイドの方は解釈が成り立つのではないだろうか。

 

 


Chapter3/『止まらない未来』を作ったのは誰なのか?そして繋がるあの楽曲との関連。

 

 コレに関して現在までに公式の設定が発表されていないので、妄想と暴論の域で語るしかない。
よく目にする意見の多くは、白木徹か早坂相のどちらかによるモノではないだろうか。但し、本稿においては早坂相という説に基づいて書き綴るものとする。


これまで自分の中では、白木さんによる一択という解釈であると思っていたし、それは揺るがないモノでもあるのだけれども
だが…新章の人物考察での早坂さんの項を書いている時、そして、色々な方の意見を散見するうちにいろいろと思う所が出て来たのである。
早坂さんがWUGに託した楽曲『少女交響曲』。ある方の意見で『止まらない未来』はWUGが歌っても違和感の無い楽曲と称していた。
そう、3rdツアーに直に聴いてみた第一印象がまさにその違和感の無さであり、シンクロ具合の様な合致感だった。
それを考慮してみるとある仮説が自分の中では成り立って来る。


少女交響曲『止まらない未来』
姉妹曲という系譜で繋がっているのではないかと。


この暴論は、早坂相が『止まらない未来』を作ったという説を証明出来る事項の様に思えて来る。
『止まらない未来』のカラーは『青』。少女を若い存在=『青』という解釈にて捉えるのならこの関連(無理矢理なのは承知の上だが…)無視出来ないとも感じられるし
『初恋』や『信じる』という語が双方の楽曲に用いられているし未来への不安を感じている要素は単なる偶然という事で片付けるのはいささか違う事にも思えて来る。
おそらくこの二曲が作られたのは同時期だと自分は推測している。東京で成功したのならWUGにこの楽曲を託したかもしれないし
変革の刻に臨むI-1の起爆剤的な楽曲となるべく作られた楽曲にも解釈できるが、止まらないという語が白木徹の現在の生き様を模している様にも捉えられる。

 


あくまでも自分の解釈だが…2015アイドルの祭典で歌われた楽曲はそれぞれの時間軸を証明する楽曲という括りにも解釈出来る。


過去を(島田真夢への想いと、死んで生まれ変わる=敗れたという過去)を謳ったネクストストームの『レザレクション』

現在を謳った今生きる刻の者としての生命の輝きであるWUGの『Beyond the Bottom

そして、未来を謳った、信念の楽曲であるI-1clubの『止まらない未来』


これらの楽曲に込められた彼女達の想いと魂。それぞれが信じている刻。
『過去』があるから『現在』があり『未来』へと進める。
『現在』を全力で生き抜くには『過去』を受け入れ『未来』に想いを馳せる事。
『未来』へと邁進するには『過去』と『現在』を肯定し突きつけられる事柄から逃げない事。あの刻で勝ったのはWUGだが、それぞれの刻の流れは平等にあって一瞬が尊いモノである。


I-1、そして鈴木萌歌が敗北した事は屈辱だろう。だが、敗北という経験を経たというのも財産である様に思えるのである。

 

 そして、この楽曲に真に魂が宿り完全なモノとなるのは…
ジャケットで彼女達が纏っている『青』の衣裳で歌われた刻だ。

 

…その機と刻が何時になるのかは全くの未知の領域。
だが、そんな『未来』という刻と可能性を俺は愚直に『信じて』みたい。