巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

新たなPageに紡ぐ歌姫の物語。ー青山吉能ソロデビュー楽曲『Page』所感。

 『未完成のままでいい 愛おしい日々を行け(往け)』と。清廉かつ高らかに、感情を爆ぜて力強く謳う……“彼女”の血の流れる魂の絶唱をどれだけ待ち焦がれた事か。

 


 2022年3月9日。あるアーティストがソロシンガーとしてデビューを果たした。
この日、3月9日に彼女がソロデビューしたという事がとても重要な意味を持つ。

彼女の魂の絶唱に魂を揺さぶられ身震いさせられた者として、この件については触れないワケにはいかない。


 彼女……青山吉能が突き進む第二章の新たな“Page”に紡ぐ物語である楽曲を。

 

 青山さんのソロデビュー決定の報が告げられたのが、昨年末に開催された単独LIVE『青山吉能 SPECIAL LIVE 2021 よぴぴん家』にて発表された。

この報を聞いた時、自分の中では勿論嬉しかったというのが率直なインプレッション。でも、そんなに驚きはしなかったというインプレッションも同時に感じていた。青山吉能なら遅かれ早かれ歌で糧を得る軌跡を行く選択を下していただろう。また、選ばれる資質を備えている人でもあるから『歌』の方から逆に彼女を選んだのだろうと思えて来る。


それほどに、青山吉能と歌は切っても切れない強くて固い縁でもって繋がっているのだと。

 

『Wake Up, Girls!』の一員として活動していた頃から現在に至るまで、青山さんの歌声並びに歌唱力は高く評価される人は多い。自分も参戦したLIVEや彼女が歌う楽曲での歌声について言及して来た。

清涼感を感じさせる透き通る様な声質、それに反するかの様に自身の魂を削り『顔』で歌う。そうしたモノが織り重なっていき…血の流れる“絶唱”の域へ彼女の歌声は昇華し彼女を際立たせる。

前述の通り、そんな彼女のソロデビューという報は、自分も待ち望んでいたことだったし、青山さんを熱烈に応援されている方々にとっては、本当に幸せだろうし歓喜の咆哮と滂沱の涙を流されたことでしょう。そして、デビュー楽曲のリリースを3月9日という日にしたのは……3年前の3月8日はWUGのファイナルライブが開催された日。その翌日に新たな挑戦であるソロデビューする日を選んだというのは、彼女が本気である証だろうし強い拘りと覚悟が窺える。


 と、彼女の事について書き殴っていくとキリが無くなってしまうので……ここからようやく本題であるソロデビュー楽曲『Page』についての所感を書き殴っていきます。

 

 

 

 Page/青山吉能

 

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www.youtube.com

 

 青山さんの歌声も当然注目されるポイントだが、もう一つの大きな注目ポイントが、歌詞を青山さん自身の手によって書き下ろされたというところだろう。

青山さん曰く、楽曲のデモを聴いたファーストインプレッションは爽やかさや始まりを想起させるモノだったと言う。完成された楽曲を全体通して聴いて抱いた自分の感じと彼女が詞が紡ぐ世界観の軸に据えたのが朝(明け方)の刻から感じられる爽快感と晴れやかさに繋がる。


 曲調についてだが、率直にまず感じられたのは奇を衒わないオーソドックスさ。こういう感じで進行していってサビでこう盛り上がっていくというのが想定出来て分かり易いという事。テンポや雰囲気が劇的に変化していくトリッキーさも無ければ、変態的な進行や展開も当然ながらこのオーソドックスさの中には一切無い。驚きよりかは聴き心地の良さが勝るという感じで、例えるなら、乾いた砂に水撒きしてその水が徐々に砂に染み渡っていく的な。

で、その沁み渡る様な雰囲気を醸し出ている最大の要因はやっぱり青山さんの歌声。
静かで穏やかな歌い出しから、日の出から徐々に陽が昇っていく刻の経過をなぞっていく様に感情が爆ぜていってサビで解放させていく……ハイスパートで歌い上げ、身震いさせる程の凄みではなく、雑念を取っ払ってナチュラルに歌う様はこれまでの彼女とはまた違ったモノ。

MV観てもらうと分かると思うが高らかで伸びやかな絶唱を響かせる彼女の晴れやかな表情が本当に気持ちよく歌っているというのが伝わって来る。


この『顔』で謳うというのが、青山吉能血が流れる魂の絶唱の真骨頂だと思い知らされる。


 朝の刻で感じるポジティブで晴れやかなインプレッションだけを彼女は詞に綴ってはいない。
鬱積するネガティブな感情も包み隠す事無く詞に綴られている。それも含めて偽る事無く、青山吉能は現在突き進んでいる第二章という新たな『Page』に余すところなく書き残すのだと。

ポジティブもネガティブもそれぞれに意味のあるモノ。それは、青山さんがこれまでの軌跡にて感じた事だと思える。

 

 真っ白なページ 今日を忘れず進め 

 未完成のままでいい 愛おしい日々を行け


 ―青山吉能 『Page』より引用

 

 ラスサビでのこの言の葉は、青山さんがこれまでに貫き通して来た生き様を模したモノではないだろうか。いい事も悪い事も全部含めてこその『忘れずに進め』や『愛おしい日々』なんだと。

真っ白というのは未完成にも繋がっている。すなわち、何をこれからそのページに描くかは彼女の可能性に掛かってもいて、決まりも無いし自由そのもので、青山さんが真に伝えたかった事だと自分は捉えている。


 青山吉能さんの魅力を、自分はおそらく一割未満も分かっていないかもしれません。ただ、今後も彼女の事を微力ながら応援したいという心情が湧いて来ました。


現在の刻において、そして…3月9日という日にこの楽曲に巡り逢えた事に感謝を。


 青山吉能さん。そして青山吉能さんの熱烈なファンの皆様。ソロデビュー本当におめでとうございます!歌姫・青山吉能がここから未来へ新しい『Page』に紡ぐその物語がどんなモノなのかは非常に興味をそそられるし楽しみにしております。