巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

WUG楽曲 ライナーノーツ #23 ハートライン

 どうも。WUG楽曲ライナーノーツシリーズのお時間です。


……えぇ、まだ続いてるし、続くんですよ。残念ながらwww


今回もMay'nさんと組んでいたコラボユニット『Wake Up,May'n!』からの楽曲から
最終楽章となった楽曲『ハートライン』について色々書いていこうと思います。

 

 

 

 


 ハートライン (Wake Up, May'n!)/Wake Up,Girls ver.

 

 

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 この楽曲のバージョンは三種類存在しております。
楽曲配信アプリ『ANiUTa』の独占配信で聴ける『Wake Up, May'n!』正規バージョン。『Wake Up,Girls!』の単独ライブやラストアルバム『Wake Up,MEMORIAL』に収録されたWUGのみのバージョン。
最後に、May'nさんのミニアルバム『YELL!!』に収録されたMay'nさんのソロバージョンがある。曲調は、イントロから明朗かつ軽快で楽しいテンポを刻んでそこに一切奇を衒う要素は感じられない正統派のド直球な曲調。単純に盛り上がりが掴みやすい特性があり、オープニングの火付け、中盤での雰囲気の仕切り直し、クライマックスでの畳み掛け…と。ライブに於いてはどこの順番で披露しても外れ・裏切りのない汎用性の高さを持つ楽曲だと思える。


上述の様に、メロディ自体にパンチ力と言うか、説得力の強さが窺い知れるものなんだけれど、それを加味させて楽曲全体を強い楽曲としているのが、詞の紡いでいる世界観と『ハートライン』という曲題なんだ。
縁の感謝と出逢いの奇跡を謳う始まりの楽曲『One In A Billion』の系譜を引き継いでもいるし、繋ぐ縁を謳う『TUNAGO』と同じでもあるし、更には続編・『終』の楽曲としての面もあるWUGの『タチアガレ!』と『さようならのパレード』の関係性に自分は近しきモノをつい最近だがこの『ハートライン』には感じられたものだ。


曲題に冠した『ハートライン』。ハートの形を記した表現なのはおそらく合っているのだろう。ここからは個人の解釈によるモノだが、ハートという語は目視では写らない『想い』や『魂』。ラインは想いと魂を繋ぐ『絆』の比喩表現であると勝手ながら解釈している。

それは、人の目でその決まった形を確認する事は出来なくて人それぞれに象る形は違う。詞にある『描くハートは違う』はその事を強く訴えてるのだろうし、人の個性に当てはめそれぞれの個性は違うモノであり尊重すべき事なのだろう。

それと、詞の節々には繋がりの強さを印象付けさせる語句が多く散りばめられている。
『結んで』『手を取り合って輪になって』『重なり合って響いて』『歩幅合わせて』『meet you』『with you』と……楽曲の細部に至るまでに縁の繋がりの強靭さを窺わせる要素に溢れている。May'nさんからWUGへ。WUGからMay'nさんへ。『Wake Up, May'n!』から受け取り側の人へ。受け取り側から『Wake Up, May'n!』へ……想いと魂の相互循環がそこには見えないけれども確かに存在している様に思わずにはいられない。

 

 で、私見の域で恐縮だが、この楽曲の『要』を担っていた所がこの節だと思う。

 


 分からずに空回り もう離れてしまった糸も

 時が経ち新しい未来へ 

 いつかまた出会えるはずだよ もう一度スタート


 ―Wake Up,May'n 『ハートライン』より引用


ここからのパートは、WUGバージョンでは青山さん、吉岡さん、全員の順へと歌い継いでいく。
どうしても、俺の中では青山さんと吉岡さんが歌い継ぐ絶唱vs絶唱パートに激熱で滾るインプレッションを抱いてしまうんだぜ……。ただ音源のみを聴いてこんなインプレッションを抱いたワケじゃない。彼女達の歌う姿を実際に観て俺の中で沸々と燃え滾って来たのである。吉岡茉祐青山吉能のベクトルの違う不器用なパッションがWUGバージョンとしての新しい血を流していってるのだと。

初披露の4thライブツアーでのアクトでは、二人は背中合わせで歌っていた。互いに歌い継ぐ中で彼女達の歌声を聴き自らを振るい立たせていたのだろう……背中で互いの熱を感じるかの様な佇まい。彼女達からは背中合わせのネガティブな意味である気まずさは微塵もなくて、『戦友』として背を預けている感じがして来る様でもある……。あれから刻が経ちファイナルツアー・パートⅡではまた違って、彼女達は真正面から対峙し互いの絶唱と向き合っていたんだ。彼女達は笑いながら、もっと貴女の絶唱を私の魂に響かせろ!と対話して…じゃねぇな。あれは想いという拳でノーガードの殴り合いを心底楽しんでいる様に観て思ったものだwww

最後の披露となったファイナルツアーパートⅢ・仙台千秋楽では、七人全員でこのパートを謳いワグナーは七人に愛の言の葉を叫ぶ。横一線に並んで肩を組みながら、想いの相互循環を成そうと輪になろうという意義が込められたのだと勝手ながら思ってしまったものだ。

 

そして…ラスサビに、この楽曲が真に伝えたい想いと魂が集約されていると思えて来る。


 結んで ほどいて 途切れないように meet you!

 はじめましての瞬間を忘れない

 進んで 止まって 歩幅合わせて with you!

 悩んで出した正解を君と一緒に繋ごう

 みんなに届くように繋ごう


 ―Wake Up,May'n『ハートライン』より引用

 

 WUGが終焉を迎え、七人はそれぞれ違う軌跡へと歩みを始めた。
でも、そこまでの道標での本気の想いや魂が綺麗さっぱり消えて無くなるモノではない。

May'nさんがこの楽曲を歌い継いでいるし、繋がった縁の記憶は解かれても途切れる事無く魂に刻まれているのだと。楽曲が存在し続けている限り、聴けばいつでもその頃を思い出せる切っ掛けにも成り得る。だからこその『初めましての瞬間を忘れない』の意味が尊い言の葉となるのだろう。出会えた頃の新鮮なインプレッション、縁との巡り合わせへの奇跡。絆の繋がりへの感謝……。曲題に冠している『ハートライン』のハートの語のもう一つの解釈は愛情という解釈も成り立つ様にも思えても来てしまえる『Wake Up,May'n』としての『終』の楽曲に相応しい深くて、真実の、信頼による愛に溢れる楽曲ではないだろうかという『Wake Up,May'n』からのメッセージソングとして完結したように思えてならないのである。

 

毎度ながら、ライナーノーツとしての体を成しているのか疑問ではありますが……『こういう解釈もあるのか』という一つの可能性として本稿を受け止めていただければありがたいものです。

 


最後まで読んで下さってありがとうございました。