
刹那的ロマンティック/DayRe:
2nd EP『刹那的ロマンティック』に収録されたリードトラックでタイトルチューン。
前作である1stEP『ReFraction』のリードトラック『プロトノイズ』の時と同じく、EPのリリース前に本曲のみがデジタルリリース形式でリリースされている。
前作のリリース前にも、収録楽曲のHighlight Medley(所謂、サビメドレー)がDayRe:の公式チャンネルにて公開されていたが、2ndEPの収録楽曲もリリース前にHighlight Medleyが公開された。
その時に本曲のサビのみを初聴したインプレッションは、DayRe:原初の楽曲『DeaRy Days!』を彷彿させる様な爽快感が主軸になるテイストなのかと感じさせた。奇を衒わない直球的な構成に仕上げた楽曲なのかとも思わせる。
で……リリースされてイントロから聴くと、まずは五人による「Woh oh oh oh…」のコーラスとクラップを模す様なメロディで本曲の幕は上がる。(MVでは五人が音に合わせる形でクラップする演出がある)この時点でのインプレッションも、サビのみを聴いた段階と同様でスタンダードなポップス系でサビに至るまでのテンションを徐々に盛り上げていく構成になるだろうと思い込んでいた。
しかし、Aメロに差し込まれた仕掛けで唖然とさせられた。「そう来るのか?!」と。
と、言ってもメロディ自体いきなり振り切っている変態性はないし、楽曲が纏っている雰囲気も極端な落差もない。意外性のフックになっていたのは、随所に散りばめられたラップパートだった。でも、ラップパート自体は珍しいモノでもない。1stEP収録の『Tiny Little Twinkle』でもラップパートは差し込まれていた。
ただ、本曲ではその箇所と長さが異彩を放つ。特に2番のAメロはラップパートが多く差し込まれていたのは本当に驚かされた。
Bメロからサビまでの繋ぎは、Aメロでの異彩さからは一変して、シンプルな爽快感のあるテイストで楽曲のテンションを最高潮へ持っていく。
サビの歌詞が示しているのは、いい意味で前向きに振り切れた潔さと踏み込む強い意志。その言葉のチカラを引き出していくのが五人の歌声。
彼女達の歌声からは、あらゆるしがらみから解放された様な解放感が宿る。あくまでも個人の勝手な印象でしかないが……いろいろな歌い方の出来る五人だが、一番得意というか持っているチカラを最大に発揮出来るのはこの感情を解き放った歌い方だと思っていて、五人の生き様と覚悟が漲ってて本当に素敵な部分。
中でも圧巻なのは、落ちサビの「終わらない春はここから」の箇所をソロで歌う相川奏多さんのロングトーン。何度も当Blogで言及している気はするが、彼女は声そのものが強い。力強さと晴々した伸びやかな歌声が、実に聴き心地が良くてたまらなく痺れるのだ。
本曲のテーマになっているのは、“永遠の青春”もしくは“終わらない青春”との事。
青春について一般的に多く挙がってくる解釈は、学生時代(中学生~大学生の期間)だと思われる。ただ、実際その解釈は曖昧なもので限定されてもいない。
人生で一度しか訪れないってワケじゃないし、若者だけの特権でもない。遅くなった青春や二度目の青春って例えもある。今、現実に生きている刻を全力で駆(懸)けて生きる事が現在進行形の“青春”なんだとリスナーの魂へ訴えかけているのだろう。
そしてその訴えかけは、本曲を歌う五人自身の魂にも向けていると思う。
もうじき、DayRe:はユニットデビューから一年の刻が経って、その先は新たな季節と軌跡が待っている。その未来の刻は面白いことや嬉しいことも起こるだろうが、様々な苦難も同時に起こり得る。そんな時、行き詰ったり何か大切なモノを置き去りにしてしまうかもしれない。
でも、そうなってしまった時……本曲が彼女達の支えとなり立ち上がって駆け出すチカラになる。誰かの駆け出すチカラになる楽曲という点で、本曲はDayRe:の新たな『アンセム』と言っても過言じゃない。そう感じさせるのは、五人の変わろうとする想い、未知の領域に踏み込む勇気と情熱が本曲にちゃんと血が流せた事の何よりの証だと思えてならないのだ。