Here We Run/DayRe:
2ndEP『刹那的ロマンティック』の5曲目に収録されている楽曲。本曲が2ndEPのLAST SONGとなる。
本曲の最重要アピールポイントとして挙げられるのは、DayRe:の直系の先輩ユニットである『TrySail』が大きく関わっている点にある。作詞は夏川椎菜さん。作曲を雨宮天さん。ダンスの振り付けは麻倉ももさんが担当されている。
本EPに収録されている各楽曲はどれも強くて素晴らしい楽曲だが、とりわけ本曲への期待値は最も高かったのではないだろうか。先輩ユニットが携わって作られた楽曲を後輩ユニットが謳うってのはエモーショナルの極致だろうから。
タイトル『Here We Run』の訳だが、Google大先生の翻訳によると『ここで私達は走る』だそうな。(合ってるかどうかは知らんwww)
歌詞の内容や疾走感溢れる明朗な曲調から、本曲の根幹になるテーマは翻訳通りの『走る』なのだと。
歌詞を綴られた夏川さん曰く、何かを変えたい、成し遂げたいと願う想いが強ければ強いほど、迫る刻へのプレッシャーに怖れや止まってしまうことに罪悪感を抱いてとにかく走り続けなきゃという強迫観念へと至ってしまう。
もちろん、走って動くのは大事。でも、それを続けなくては何の意味もないし独りではそれは困難だ。だから支えてくれる仲間だったり応援して背中を押す人の存在が重要。コレは、夏川さん自身がこれまでの軌跡で得られた実体験からの偽り無い言葉と想い。
夏川さんの想いを汲んで歌詞を読んでいくと、焦燥感や不安といったネガティブな要素と、変わりたい覚悟や寄り添う仲間との縁と絆というポジティブな要素への転換が見事に綴られている。
その経験をユニットを結成してもうすぐ一周年を迎える後輩達へ伝えたかった。だからこそ彼女の綴られた歌詞には力が漲って熱い血が流れているのだろう。
で、曲調の方だが、本EPで掲げられているテーマが『永遠の青春』『青春葛藤ソング』。そのテーマに沿っていく形で、疾走感溢れたまさに青春ソングの正道を往く感じの清々しさ満載なポップスへ雨宮さんは仕上げていて“TrySail感を意識させる”アレンジをお願いしたとのこと。この“TrySail感を意識させる”というのも本曲の重要なキモになっていく。(コレについての解釈は後述する)
メロディの主軸になっているのは、明朗快活なポップさと疾走感。で、その疾走感の中にそこはかとない焦りや不安の影も感じられるのが絶妙でいて思わず唸ってしまった。
そして、ダンスの振り付けを担当された麻倉さんは、LIVEの際にみんなで一緒に踊れる楽曲で、DayRe:が観客一人一人としっかりとアイコンタクトが取れるような振り付けにしたそうな。ここにも縁と絆への繋がりを想起させる要素があった。
本曲は三人の先輩からDayRe:の五人へ単純に楽曲提供しただけには納まらない。伝えたいメッセージ、深愛の情、激励……etcと、数多の想いが折り重なっていくから尊くてエモーショナルな感動を揺り動かされるのだ。
本曲の曲調は“TrySail感を意識させる”ことが重要なキモだと前述した。コレについての解釈だが、完全な妄想によるものなので当然ながら正解じゃないことを先に言っておく。という逃げ道を作ったところで本題へ移る。
雨宮さんがオーダーされたTrySail感を感じさせるってのは、おそらく意図的で、敢えてそういうテイストを感じさせる方法に仕向けている。暴論なのは覚悟の上で言ってしまうと、本曲はTrySailがそのまま歌ってもおそらく違和感がないかもしれない。
当たり前だが、TrySail感を意識させようとされた雨宮さんの真意は分からない。これまた完全な妄想の域だが……コレはDayRe:の五人に向けた激(厳しい方の)だと思う。
この楽曲に貴女達がちゃんと血を流してDayRe:にしか謳えないDayRe:だけの楽曲へ昇華させて本当の意味で完成させて欲しいと。
ここからは貴女達五人にしか出来ないことなのだというメッセージを込めた。DayRe:ならそれが出来るという期待を込めた。雨宮さんはDayRe:のチカラと可能性を信じて本曲の真の完成を託したのだと。
DayRe:の魅力とは何か?そう問われたら、現時点での自分は「想いと生き様を歌に乗せるユニットでありアーティスト」と答える。(異論・反論は受け付ける……)その彼女達が先輩達の想いに応えないワケがない。
五人にとって、TrySailという存在は格好良くて強い存在だと思う。でも、先輩達も最初から強かったワケじゃない。DayRe:…ミューレ3期生同様に弱かった……(と、思っている)
でも、走って挑んで戦う事を続けて来たから今の強さになれた。それは、DayRe:の過去と現在と重なって…歌詞と歌声に血が流れていく。本曲で響かせる五人の歌声の晴れやかさと清々しさは、何よりも雄弁な力強さは彼女達の謳の真骨頂だと改めて思い知らされた。ラスサビのフレーズがまた魂を掴んで激しく揺さぶっていく。
しまった夢も 隠していた熱も
まだ 捨てたくはないし
手をとった君と 予想以上の奇跡を
きっと 起こせるはずだ 誓おう
ここに
―DayRe:『Here We Run』より引用
かつて、彼女達は『自分達は何も出来なかった世代』と叫んだ。その過去の苦い記憶は今も心の片隅に残っているのだと。ただ、それでも直向きに前だけを見据えて走り続けた。その燃料になっていたのは五人それぞれが抱く夢と情熱。そして…巡り逢ってから共に寄り添って駆けて来た仲間との絆がある。
実際に彼女達がどういう想いと魂を込めて謳ったのかは分からないが…未来への希望と誓いを胸に抱いて歌声を響かせたのだと思えてならないのだ。
この五人でいられる刻を大切にして、この五人でしか出来ない何かを成し遂げたいと。
そして、アウトロに差し込まれている『La La La…』のコーラス。ここのパートは、LIVEで観客と一緒に肩を組み横揺れしてシンガロング出来たら気持ちいいなと語られている。
DayRe:のユニットコンセプトとしてあるのは、日常や誰かに寄り添うこと。本曲はLIVEにて披露されて盛り上がっていくのをちゃんと織り込んで作られているという点でもエモーショナルな衝動を揺さぶる。
本曲をフルサイズで聴いて聴湧き上がって来たインプレッションは、『止まらずに駆け続ける』ことや『誰かの背中を押す』メッセージを持つエール(応援歌)であり、DayRe:の『アンセム』になっていく楽曲だなと感じられた。もちろん、現時点ではその域まで進化出来ていない。
それは、本曲を実際に歌う五人が強く感じているのだろう。今、これから彼女達によって歌い続け、多くの人の魂に沁みていって愛されることで進化と深化を遂げて、真にDayRe:の『アンセム』の系譜として連なる事が叶い、『Here We Run』という楽曲は本当の意味での完成に至るのだと。