先日開催されたWUGメンバーによるソロイベントにて披露されたソロ曲。
イベントの方は参戦出来なかったが
ソロ曲が収録されたCD同梱のパンフレットは購入して来た。
あれから、何度も聴き込んでおります。
今回の記事は、楽曲の所感を書き綴っていく。
まず、このミニアルバムの楽曲陣は
彼女達もゼロの状態から制作に携わっており
歌で表現したい事や届けたい想い
そして、彼女達の『魂』が込められていてどの楽曲も本当に素晴らしい楽曲。
それでは、各楽曲の所感を書き綴っていきます。
HELP ME! みゅーちゃん!/高木美佑さん
初聴の第一印象は、実際に会場で聴いたら
確実に理性が飛んでぶち上がれそうな楽曲。
そして、高木さんが表現者として
何を1番伝えたいのかを存分に詰め込んだ
高木美佑の渾身のストレートを堪能出来る楽曲
彼女が一番に魅せたいのは高木さん自身が思いっきり楽しんで
そんな彼女の楽しんでいる姿を観た人も一緒に楽しめる
双方向への情熱の循環を強く意識しているのではないかと。
アップテンポの曲調とコールが沢山ある事から
ライブで盛り上がる事を前提として作られて
インパクトが強く良い意味で振り切れている。
個人的偏見だが、こういう感じの楽曲は
飽きがすぐに来てしまいがちになるのですが
歌詞のインパクトも結構強烈で
リピートしている箇所がありかなり中毒性が高い。
巷で言われておる
所謂『ガム曲』と『スルメ曲』の要素を兼ね備えた楽曲だと感じた。
完全な私見ですが、彼女が演じる『岡本未夕』のキャラクターソング
『WOO YEAH!』と『It's amazing showtime☆』
この2曲の系譜を継ぐ、ライブへの想いや自身の信条を描くという事を
意識して作られたんじゃないかと思う。
歌詞にある以下のフレーズはその事を感じさせる。
-ありがとう 出会ってくれて
ありがとう 夢を叶えてくれて-
おそらくは、高木さんが未夕への感謝と
そして……これからも共に歩んでいく事を告げている様に感じた。
桜色クレッシェンド/永野愛理さん
『桜色』とある様に、イントロから春らしさ満載の楽曲。
『春』をテーマに扱った楽曲の個人的偏見に基づいた印象は
新しい生活とか新たな出会いに対しての
ポジティブ要素を押し出す様な応援ソング的楽曲がよく見受けられる。
ただ、この楽曲では『春』という季節のネガティブな部分に触れているのが印象深い。
別れや一つの区切り、散っていく桜の儚さ、未来への不安……
かと言って、ネガティブ的要素の強い楽曲ではなく
前を向いて進んでいくポジティブ要素のある応援ソングに仕上がっていて
切ない部分と前向きな部分が上手い事融合し面白い楽曲という印象を受けた。
そして、以下の二節が特に印象に残っている。
-華やかさに紛れた不安とか
気づかないふりは出来ない したくない-
-嬉しいも切ないも自分 未来つくってゆくんだ-
ネガティブな部分に対して、目を背けるのではなく
しっかりと受け止めて前に進む決意を表した
この辺りの言い回しや永野さんの力強い歌声は
彼女の想いが詰め込まれているかの様に思えてグッと来た。
初聴の印象では、強烈な印象は受けなかったけど
聴いていく毎にジワジワと侵食されていくかの様に
自分の中での評価が上がって来ていて
彼女が作りだす領域に引き込む力を改めて感じさせられる……そんな楽曲。
あと、個人的所感ですが
永野さんの声質とバンドサウンドとの組み合わせは
彼女の艶やかさを際立たせていて凄く良いと感じた。
狐草子/田中美海さん
人間に恋をした狐の恋愛を描いた歌詞を
和ロックチューンで仕上げた楽曲。
叶わぬ恋と知りながらも、抑えられない相手への想い
『情念』が燃え盛って行くかの様な激しさが詰まった歌詞が印象的。
個人的には、歌謡曲的テイストを感じさせる要素が
初聴の時点からガッチリと掴まれた楽曲であり
それと同時に感じたのは
田中さんがこういう路線で魅せて来るという意外性に驚いた。
そして、この楽曲で彼女が魅せたいものは
艶やかさと格好良さの融合という新境地に挑む
New versionの田中美海
…と言ったところでしょうかねぇ。
*個人の勝手な印象です。
勿論、上述に挙げた艶やかさと格好良さだけじゃなく
彼女の溌剌とした声質がこの楽曲の力をより引き出している感じもあり
特に、歌い出しと落ちサビ前での歌声は
彼女がこの楽曲にて表現しようとしている
艶やかさと格好良さが存分に発揮されている印象。
この部分は個人的に好きなパートである。
彼女にこれまで持っていたイメージを
いい意味で裏切ってくれたこの楽曲は新境地を切り拓く為の
WUGのファンタジスタ・田中美海の野心的な挑戦。
本当にこの人の適応能力や底無し感には
怖いくらいに感嘆の念を感じさせられる。
Why am I/奥野香耶さん
イントロで流れる雨音と時計の刻を刻む音が印象的。
情感溢れるメロディと奥野さんの柔和な声質のボーカルが
見事な程に調和して、沁みる感じで聴き心地の良い楽曲。
ただ、聴き応えの良さに反し、この楽曲の解釈は非常に難解でありまして
正直な話、所感を書くに当たって……
本気で頭を抱えました……
しかも、聴けば聴く程にどんどん深みに落ちてる様な感じで
難解さを更に際立たせていく。
この掴み所の無い不可思議でミステリアスな要素こそが
表現者・奥野香耶の作り出す領域
通称 “KAYAの領域”の真骨頂だと痛感させられるほど強烈。
なので……彼女の領域に踏み込めていない私が
あれこれ考えても筆が進まんので
正直に感じたモノを書き綴っていく事にします。
歌詞に出て来る『きみ』という二人称をどう解釈していくかで
この楽曲は様々な捉え方が出来る印象。
聴いていく内に自分が強く感じたのは
この『きみ』という節は
奥野香耶さんの『現在の自分』と『過去の自分』
互いの想いに焦点を当てたのではと感じた。
理想を追い求めていた過去の自分と
夢を叶えた彼女が感じたであろう
理想と現実の狭間での葛藤や未来への漠然とした不安
まるで現在の自分と過去の自分が対話しているかの様な……
けれども……落ちサビの
『雨はやがて落ちるのをやめ、新しい青が覗くから』という一節
そして、イントロとアウトロの雨音。
イントロの雨音は強いものになっていますが
逆にアウトロでは雨音が弱くなっていく構成
(私には、そう聴こえてならない……)
様々な苦悩や困難が雨の様に降りかかって来てもいずれ晴れる刻は訪れる。
すぐには立ち向かえないけれども懸命に前を向き抗おうとしていく事。
儚げな曲調と彼女の柔和な歌声に込められた
奥野さんの芯の強い部分を表現している様に思う。
ももいろDiary/山下七海さん
この楽曲は山下さんが持っている
ウサギのぬいぐるみ『ももちゃん』に対しての想いと感謝を表現した楽曲。
彼女にとって『ももちゃん』の存在とは
共に同じ道を歩む『相棒』『戦友』と同義の存在で
両者を繋ぐ絆の強固さは計り知れないのでは…と思う。
-今までも、これから先も
わたしの1ページのまんなかで笑っててね-
今まで傍らにいて共に過ごした刻と軌跡を歩んでくれた事への感謝
そして……これからも共に歩もうと
山下さんの『ももちゃん』への変わる事の無い
純粋で強い想いがここの一節に凝縮されている様に思える。
曲調は、王道的アイドルソング調で可愛らしく甘い感じの系統に分類される楽曲。
歌詞が紡ぐファンタジー的な世界感と
彼女独特の浮遊感漂う様な歌声が爽快感を見事に演出していて
本当に聴き心地が良くてまぁ……
聴覚が幸せになれる楽曲なんです!!(カビラ風)
上述に書いた様に、山下さんの歌声が印象的で
楽曲のファンタジー要素を強く意識させるのでもなく
かと言って、自身の想いを押し付けるものでもなく
ファンタジー的要素と彼女の純粋な想いとの
バランスが限りなく均等に分配されている様に感じた。
以前にも書きましたが
山下さんはこの釣合いの取り方みたいなものが
本当に上手な表現者だなという印象が強く
この楽曲においてもそれを遺憾なく発揮していて
ある種の『安心感』的なものを感じさせてもらえる。
私の最推ししている人に対しての贔屓目的補正が全く無いとは言えませんがww
彼女の魅惑的な個の力と純粋な想いに
聴けば聴く程に、この楽曲の世界感に浸っていく。
てがみ/吉岡茉祐さん
あらかじめ断っておきます。
この楽曲の所感は正直言って冷静な気持ちでは書けない。
なので……暴走気味になってしまう事をご容赦願います。
作詞は吉岡さん自身によるもので
作詞のモチーフとなっているのが
彼女の亡くなったお祖父さんに宛てた『手紙』
そして、大切な人に宛てた『手紙』でもあるとの事……
大切な人に正直な想いや感謝の言葉を
伝えなきゃいけないのは充分理解しているけども
方法が分からない、照れくさい、今度で良い……etc
変に意地を張ってしまって身近にいる人ほどその傾向に陥ってしまいます。
で……その大切な事を痛感させられるのは
大切な人に二度と自分の正直な想いや感謝を伝えられなくなってしまった時……
私事で恐縮ですが、この楽曲をフルで聴いた後
親父が亡くなった時の事を鮮明に思い出しましてねぇ
私の涙腺は刺激されまくって、涙を流していました…
亡くなって20年経ちましたが
元気な内にもっと話しておけば
ぶつかり合っておくべきだったと……未だに後悔しています。
そして、遺された人がすべき事と私が勝手に思うのは
故人に引っ張られて後悔の念に囚われ続けるのではなく
しっかり前を見て、日々を懸命に過ごして
大切な存在への想いを忘れない事なのかなと。
全ての想いをさらけ出して
全力でぶつかり合える相手が傍にいてくれる事って
自身にとって本当に素晴らしく幸せな事であるのではと思います。
…随分と脱線してしまいましたのでそろそろ軌道修正致します。
彼女の真摯で純粋な『魂』が宿っているシンプルで叙情的なこの楽曲の世界感。
そこには小細工は一切無くて
吉岡さんが紡いだ詞と歌声に込められた『親愛』の情。
この楽曲が沁み入る感じでもあり
また、鋭く突き刺さる感じにも聴こえるのは
彼女の本気の『想い』が存分に詰め込まれているからだと感じざるを得ない。
優しげで一字一句を大切に噛みしめ
そして、サビで一気に解放される力強く晴やかな
遥か遠くへ想いを届かせようと歌っている様に思える……
大切な人にちゃんと向き合い、想いを馳せる事……
この楽曲を聴いて改めてその大事さを痛感させられた。
『てがみ』という楽曲、そして、吉岡茉祐さん
この楽曲に出会えてよかった。ありがとう……
わたしの樹/青山吉能さん
青山さんのアカペラから曲は始まって
続くピアノの伴奏が切なさを醸し出し
尻上がりに盛り上がっていく力強さが印象的なバラード調の楽曲。
何よりも強烈な印象を受けたのが
この楽曲の世界感を見事に引き出した青山さんの澄み切った綺麗な歌声……
で、彼女のボーカルを活かす様に
ピアノとストリングス主体の伴奏形態に仕上げたのも見事。
こういうテイストに仕上げようとしたのは
彼女の強い拘りなのかなと思わせる。
彼女の歌唱力の凄さに関しては、過去にいろいろと書いてますが
この楽曲での彼女の歌声は……
次元が違うほどの『凄み』を感じさせる“魂の絶唱”
完全な私見で恐縮ですが
タイトルになっている『わたしの樹』の意味するものは
一人の『表現者』であり、一人の『人間』である
青山吉能の根幹を成しているものだと私は勝手に解釈しました。
この楽曲に青山さんが詰め込んだのは
故郷、家族やWUGメンバー
彼女に影響を与えてくれた全てものへの……感謝の念。
更に、この一節が強烈に突き刺さる。
自分の世界だけ追いかけていた幼い頃
与えられたものをかえす時間だ さぁ
彼女が『表現者』としての道を往く事への
『決意』と『覚悟』を表した力強い言葉。
ここから落ちサビへの盛り上がりは身震いさせられ滾って来るものを感じる。
彼女が駆けて来たこれまでの軌跡、雌伏の刻
背負っているモノの重さを慮ったら……
正直、とんでもなく重たい楽曲で
俺の涙腺は完全に決壊してました……
重ねた修練や圧倒的な技術や経験を持っていても
この楽曲は簡単に歌えるものじゃない。
否。青山吉能という表現者にしか歌えない彼女の為だけに生まれた楽曲。
だからこそ、尊くて美しい物なのではないでしょうか……
そう思わせるほどに
この楽曲の持つ『力』と彼女の"魂の絶唱"はとんでもなく凄まじいもので
歌姫・青山吉能の本領発揮と言える楽曲になっていると思いました。
以上で、WUGメンバー七人によるソロ曲所感は終わりです。
書き上げてみたら、ライブレポ並みの熱量と文字量になってしまい
今は、精根尽き果てて抜け殻状態ですwwww
このソロ曲で彼女達は色々なものを表現しようと挑戦していた様に思います。
皆で一緒になって盛り上がる為
自分自身と向き合う事、新境地に挑む事、感謝の念……
どの楽曲も、彼女達の『魂』が込められた
素晴らしい楽曲に仕上がっている。
そして、彼女達の届けたい想いを形にして頂いた
クリエイターの方達には、ただ感謝の念しかありません。
最後に……
願わくば『わぐらぶ』の通販にて
この素晴らしい楽曲陣が購入出来る様にして
多くの人達に触れられる様に
一刻も早い対応を運営陣は考慮して頂きたい。