巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

アイプラ楽曲ライナーノーツ #3 The Sun, Moon and Stars



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 The Sun, Moon and Stars/星見プロダクション


 アニメ版EDテーマ楽曲。(2話、5・6話)


作曲と編曲を担当された沖井礼二氏は、作品のエンディングテーマである事を強く意識されて、落ち着いた雰囲気を醸し出しているしっとり感を感じさせ、オープニング楽曲とは違ったインプレッションを与える事を意識されて楽曲制作されたと言う。

そして、作詞を担当された利根川貴之氏も、EDテーマはストーリーの側面を見せるべきであるとして、星見プロの10人がステージに立つ姿とは違う日常に寄り添った要素を詞に綴ったと。


 アップテンポな楽曲が多いアイプラ楽曲陣の中でも、この楽曲は他とは一線を画していて『静』の方面に振り切り、沁み入る様に聴き入らせていく幻想的な楽曲になっている。MVで描かれている世界観がその幻想的な雰囲気を助長させているのもあるだろう。

ただ、その幻想的かつ沁み入る様なテイストとは違い、曲のテンポの方は割と早い印象を受ける。それと、10人のボーカルがいい意味での脱力感と柔和で優しげな雰囲気が重なる事で見事な塩梅となる。文面で捉えるとアンバランスなインプレッションになるが、実際の曲を聴くときっちりとメロディとボーカルとのバランスが絶妙で聴き心地が良いのである。

 
 で……曲題がまたエモーショナルな衝動を湧かせるのがいい。Sun(太陽)Moon(月) Stars(星)。
どうしても、さくら(陽)と琴乃(月)、そして、麻奈(星)を想起させてしまう。この三者の縁と関係性は『IDOLY PRIDE』における重要なテーマでもある。



 煌めきの中へ Into the shinin' star

 日差しの暖かさ包まれて 輝きの中へ Into the shinin' smile

 月夜にも凛と咲け 別の光 同じ気持ち 繋がれ Shinin' Star


 ―星見プロダクション 『The Sun, Moon and Stars』より引用 



 サビに『別の光 同じ気持ち』というフレーズは、アニメ5話でのサブタイトル。
この5話の冒頭で、琴乃は『月のテンペスト』のリーダー、さくらは『サニーピース』のリーダーとなっている。そのエピソードは、琴乃とさくらにおいては分水嶺となるモノだと思える。彼女達が、星をモチーフとしている存在である長瀬麻奈を乗り越えようと示唆している様にも捉えられる。サビのフレーズはそれらの暗喩なのかもしれない。



 実を言うと、この楽曲を初めて聴いた時、自分にとっては印象が薄い楽曲だった。
EDテーマ楽曲らしさがあって奇を衒わないモノではあるけれど、落ち着きすぎてしまって味気ないと感じてしまった。

しかし、聴いていく程に、前述でも触れている10人のボーカルの柔和でいい意味な脱力感と、お洒落感と幻想的な雰囲気との絶妙な塩梅がクセになる中毒性の強い楽曲だった。そのインプレッションへと変化した時、自分の聴覚が腐っていた事を痛感させられ打ちのめされた。



 そして、『静』の雰囲気纏った変態楽曲という裏の貌に気が付いた瞬間でもあった……