巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

其れは反逆の拳への巡り逢い~ガールズフィスト!!!! に惹かれて。

 ”彼女達”は叫ぶ。


 ”RAISE YOUR FIST!!!!”拳を上げろ!!!!と。

 

 

 

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シンプルではあるが、魂を撃つその言葉に胸が熱く滾る衝動が湧き上がる。
拳は最も原始的な闘争手段、武器の一つ。また、固く握られた拳は抵抗の意志を示し、突き上げた拳は抵抗の象徴としても用いられる。


『ガールズフィスト!!!! 南松本高校パンクロック同好会』のライブ、後日楽曲を一通り聴き、前述の様な胸が熱くなる衝動が湧いて来たのである。


…普通なら、惹かれた経緯から書いていって、楽曲所感、ライブ所感の順に記事に書くのだろうが、当Blogの執筆者である俺が異端者なので、今更ながら『ガールズフィスト!!!!』に惹かれた経緯についてこれから書き殴っていこうと思う。


 


 ガールズフィスト!!!! の名を初めて知って惹かれるまで

 

 まず、この名前を初めて知ったのは、自分のツイッターのタイムラインだった。
何でも、秋葉原ゲーマーズのイベントスペースで公開練習と称した定期的なイベントをやっているとの事。これ以降度々この名を現在に至るまで目にしていくのである。
ただ、この時期で自分に刺さって来る事はなく、興味のアンテナも感知せずに刻は流れていったのである。


刻は流れて今年の三月の春の日。


忌々しい新型ウイルスの奴の感染拡大によってありとあらゆるイベント・ライブが感染対策によって開催自粛を余儀なくされたのは、現在の世に生きる皆様ならご承知の事実。
だが、エンタメの炎は完全には消えちゃいなくて燻ぶっている。

過去のライブ映像を動画配信で提供したり、対策を徹底して無観客にてライブを行いそれを配信するスタイルが次々と提供されだしたのもこの頃だ。

そんな時勢の波にこの『ガールズフィスト!!!!』も乗っかって無観客配信ライブを開催するという。確か、無料で観られた(…はず)ので、視聴する事にした。

最初はBlog記事執筆のBGMになればいいかなと軽い気持ちで、PCで観ていたのだが…
全く執筆が捗りゃしねぇので、執筆を一旦止めて彼女達のライブをじっくりと観る事に切り替えた。興味のアンテナがこのライブを観ろと訴えて来たのだ。

シンプルでストレートな曲調と、勢いのある粗削りなサウンドとボーカル。
良し悪しは分からんがそれは拙いモノのなのかもしれない。でも、彼女達はそれすらも楽しんでこのライブで進化してやろうという気持ちが漲っていた。


しかし、この段階で完全に惹かれてはいなかった。でも、面白い存在だと感じた。


で……つい先日『ガールズフィスト!!!!』が出演した
『GIRLS LIVE STREAM -2020 AUTUMN SP-』で完全に惹かれたのだ。


 あのライブから刻が経ち、興奮して煮だった脳ミソが冷め切った所で
『ガールズフィスト!!!!』の何に感動して燃え滾れたのかを考えておった。

 

 

 

 

 楽曲が凄く強い。

 

 

ネルギッシュでパワフルな『Ready and Rarin' to Go!!!!』『Re:スタート』『Tic×Tic=Tac♪』
一方で、真逆のじっくりと沁み入る様に傾聴させる趣きの『Full of Lies』『孤独の月』……etc


ただ強い(=いい楽曲)だけじゃない。すごく強いのだ。


ライブで聴いての強さは言うに及ばず、音源で聴いてもその強さは変わらない。
強い楽曲を携えてるという事実は、彼女達にとって何よりのアドバンテージであり、武器でもある。


だから信じていい。


しかも、まだ未知数の可能性を秘めている存在だ。これからもっと強い楽曲が出て来るはず。
その未来の刻を想像するだけでもワクワクしてドキドキしてくるじゃないか。

 

 

 

 


 叩き上げの魂が紡ぐ『物語』。

 

 

 楽曲が強くても、それを成長させて活かす事が出来るのは人の力無しでは叶わない。
『ガールズフィスト!!!!』のメンバー達が紡ぐ物語が、楽曲に魂と血を通わせる。


 ガールズバンドを題材にした作品とリンクして、出演されているキャストで2018年の秋に実際にバンドを結成して、オリジナル楽曲のリリース、イベントやライブで演奏して歌う。

メンバーは、ボーカルに奈川芳野役の浅見春那さん、ギターに坂ノ下奏恵役の奥村真由さん、ベースに藤森 月(るな)役の古川由利奈さん、ドラムに白瀬双葉役の内山つかささんの四人構成のフォーピースバンド。


※結成当初、ボーカルの奈川芳野役は加藤あつこさんという方が担当されていましたが、体調を崩してしまい降板されたと。その後、浅見春那さんが加入したとの事。


 で、楽器に触れるメンバー達だが、ドラムの内山さんが学生時代に叩いた事があるが、他のメンバー達は、その楽器に触れる事が初めてのビギナー。

(古川さんはピアノ。奥村さんは吹奏楽経験者だそうで、全くの音楽未経験者ではないという。)

しかも、浅見さんに至っては加入当時は声優デビューしたばかりの新人。


未完成で未知の可能性を秘めている存在、地道にコツコツと努力を重ねていく姿。
楽器経験者で彼女達を推される人の中には、かつての自分が歩んで来た演奏が上手くなりたい姿を重ねてメンバー達の上達ぶりに目を細める人もいるという。育っていく物語がインディーの叩き上げの魂を彷彿とさせて熱を帯びて物語に彩りを与えていっているのだろう。


そして、自分が目を奪われたのは本当に楽しんで演奏して歌う姿だ。


何が良くて、どこがまだ不完全で拙い部分なのかは自分には分からない。
見る目のある人が見たら全然未熟な存在なのかもしれないが、そんな評価はどうだっていい。求めているのは完璧でそつないモノじゃない。その要素を『どうでもいい』と思わせてしまう程に、『ガールズフィスト!!!!』のがむしゃらで直向きな本気の音楽はその要素を見事に壊したのだ。

 

 

 

 

 闘い方。

 

 前述にもあるが、彼女達はコツコツと地道にその軌跡を歩んでいる。


YouTubeに公式の動画配信チャンネルを立ち上げて、番組や個人の自主練習の模様をアップしたり、現在は感染症対策で開催されていない模様だが、公開練習と称した無料の定期イベントを開いたり、単独ライブだけではなく、武者修行の如く様々なライブへの参戦も精力的に出向いている。

バンドを題材にしたメディア作品は、そう目新しいモノではなく新鮮さや意外性もない。
勝手な推察の域だが、『けいおん!』や『BanG Dream!』の二番煎じ的なモノとして揶揄する声もあったと思う。

ただ、プロモーションの方向性は違うモノだと思える。

実際に彼女達が演奏練習をする光景を直に見られる機会を多く設けたり、アニメ系のライブイベントのみではなく、カテゴリーを問わないライブに参戦してこれまた多くの人の目に触れる機会を積極的に増やす。

まずは、知られなければ話にはならない。だから動く。

その姿勢はライブで彼女達が演奏する楽曲にも表れていく。

彼女達は、カバーソングを歌う事があるが、そのチョイスは国内・海外のパンクロックバンドの楽曲をカバーしていくスタイルをとる。コレは、同じ市場でファン獲得を争うのではなくアニソンファン以外から流れて来るであろう層へのアピールが狙いなのではと勝手ながら思えている。それは、彼女達のスキルアップやステージ経験を重ねる事にも繋がる。


自分が心揺さぶられて肌が粟立つ”叩き上げの魂“を感じた。


早急に成果が表れる事ではないが、今の活動の様に丁寧に地道に努力を重ねて続けていく事で、何かが未来の刻で劇的に変わるかもしれないし、事実そうなって欲しいと願っている。

勿論、その未知の可能性を存分にこの『ガールズフィスト!!!!』から感じたのも事実だ。

だから、『ガールズフィスト!!!!』の楽曲やライブを観て、心が戦いで魂が爆ぜたのだと。

この四人が未来の刻で、どこかのドデカい会場のステージで楽しく賑やかなサウンドを響かせる刻と機がきっと訪れるはずだろうし、その未来が来る事を信じてみたい。


 想いを書き殴り、公に曝したからには本気で応援する覚悟が固まったという事。
これからの『ガールズフィスト!!!!』の四人に幸多からん事を切に願い応援していきたい。