巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

WUG楽曲 ライナーノーツ #33 Non stop diamond hope

 残り二回となったこの『WUG楽曲ライナーノーツシリーズ』
これまでも、残りの二回も完全な私的ライナーノーツとなりますが……俺個人の勝手な独自考察でしかありません。ご了承頂き、お読み下されば幸いです。

 

 

それでは、本編へ。

 

 

 

 Non stop diamond hope/Wake Up,Girls!

 

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 Character song series3のカップリング曲として収録されている楽曲。
最後となるベストアルバム『Wake Up, Best! MEMORIAL』にも収録。


 まず、この楽曲はメンバーのソロ楽曲であり曲題の後ろに『~○○ver.』と付くのが正式な楽曲名である。

アップテンポで疾走感溢れる明朗快活な曲調は、未知の軌跡を力強く踏みしめ駆けていく七人の姿が目に浮かび、エネルギッシュな強い意志と決意を感じさせてもらえる。


 楽曲の立ち位置的なモノだが、曲調と歌詞は不変だがセンターポジションが可変制である『HIGAWARI PRINCESS』と系譜を同じくしている。けど、この楽曲のメロディはどのバージョンも変化ないが、歌詞の幾つかの箇所が七人のメンバーの心情を描写していてそれぞれ異なった作りとなっているのが特徴的となっている。

共通パートの歌詞は、七人の個性と絆を曲題にあるダイヤモンドに喩えていてこの辺りは七人の個性を謳った楽曲7 Sensesの系譜を踏襲していると思えて、磨き方やカットの仕方で様々な輝きを放つと言われるダイヤモンド。また、硬いモノを表現する際にもダイヤモンドの名が用いられ七人の絆の固さを表すモノとしても捉えられる。


 希望こめたそれぞれの欠片重ねよう きっと綺麗なカタチになる

 それはまるで七色の宝石 ダイヤモンドよりも輝く

 止まらないで走り続ける私たち どんな試練も飛び越えるよ

 進む世界で七色のキラメキ 曇りもなく光る、どこまでも


 ―『Non stop diamond hope』より引用


 ちなみに、SSAのファイナルライブで歌われたのは、『止まらない~』からの共通ラスサビパートだったりする。

希望(hope)。そう在りたい、なりたい理想の姿を目指すのは勿論だが、七人それぞれを他の人が見て希望の的、望みを与えられる存在としてダイヤモンドの様に輝きたいという意思が込められている様にも捉えられて、ここの節々は共通バージョンの箇所でもあり、七人の想いと意思の強さを感じられこの楽曲の『要』となる箇所だと個人的に思えるのだ。


 そして、この楽曲の『要』となるもう一つの要素である七人の心情。

そのキモとなる部分を挙げて書いていくとキリがないので、私見の域で恐縮だが二つの箇所……サビ直前(1・2番共に)とCメロ(?)前半部分の節ではないだろうかと思える。

前述にある様に、この楽曲は一部の共通パート以外は全て異なる詞で綴られている。七人はそれぞれ違う軌跡を歩んで来た原石たち。それは歪でゴツゴツとした不揃いなモノだったかもしれない。けれども、刻を経ていく中で磨かれ、削られそれぞれにしか出せない輝きを放ち始めた。

これまでのキャラクターソングの系譜を準えて、過去、現在、未来への刻という時間軸に意味を持たせる為に、幾つかの箇所の歌詞を七種七様の生き様を表す描写にしたと勝手ながら思えてしまっているのである。

 

 迷いの影消し去るように 何度も優しく伝わるから

 この場所からはじまる歌を ずっと大切にしていきたい

 背負った暗闇は晴れた 自分を取り戻してゆこう 


 ―『Non stop diamond hope~Mayu ver.~』より一部引用


 結ばれていく固い絆が 私に自信をくれたんだよ

 弱気になるときもあるけど 一所懸命ついてゆくよ

 遠くで眺めていたはずの 一番星はそばにある


 ―『Non stop diamond hope ~Airi ver.~』より一部引用

  

 私の目にキラキラ映る 輝きに胸がいっぱいになる

 仲間たちの姿が見える それだけで本当に嬉しくて

 悲しさを吹き飛ばすくらい 幸せ届けていきたい 


 ―『Non stop diamond hope~Minami ver.~』より一部引用


 憧れていたステージの上で 誇らしく胸を張っていたい

 信じる事はもう怖くない あとはひたすらに前を向いて

 悔しさだって飲み込んで 歌声にして響かせよう


 ―『Non stop diamond hope~Yoshino ver.~』より一部引用


 いつのまにか特別になって 私の未来と繋がるから

 探していた私らしさは ここにあるってはっきり言えるよ

 自分自身で決めた道 賑やかな風心地良い 


 ―『Non stop diamond hope~Nanami ver.~』より一部引用


 だから甘く見られた時は どうしても黙っていられない

 待ち遠しい明日がある事 なによりも励みになっていた

 共有できた感情が 熱を帯びて芽吹いてゆく 


 ―『Non stop diamond hope~Kaya ver.~』より一部引用


 実はちょっぴり泣き虫だけど ポジティブ発揮で気分上げて

 だから歌もトークもダンスも もっと上手になるように磨いて

 ワクワクが溢れる場所は ひとりぼっちじゃできないよ 


 ―『Non stop diamond hope~Miyu ver.~』より一部引用

 

 これらの節々が、七人それぞれの心情とこの楽曲のもう一つの『要』を成している箇所…更に言ってしまえば、これまでのキャラソンシリーズへのアンサーソングとしての『要』とも捉えられる箇所でもあると個人的に感じられて来るのだ。

変わらない想いもあれど、変わろうとする強い決意と覚悟。巡り逢いの縁への感謝と限られた刻を尊ぶ事。真夢達キャラクターの心情を謳うキャラクターソングなのは勿論なのだけれども……どうしても自分は、彼女達と魂を共有している三次元のWUGとの繋がりを意識させられてしまうのだ。

上記に挙げた詞の箇所は、真夢達から吉岡さん達への、そして吉岡さん達から真夢達へのメッセージという双方向への循環をいう意味がある様にも思えて来て、互いの縁との巡り逢いは”希望“(hope)への象徴という意味でもあるのではないだろうかと思えるが……

ただ、この楽曲に於ける七人の歌声はキャラの魂を完全に憑依させて歌い上げている。キャラソンの系譜であるからそれは当然の事なのだろう。しかし、前述の様に演者とキャラの境界線がかなり曖昧なモノとして捉えられてしまうのは憑依というかは同調=シンクロしていると称するのが自分の中に於いてはしっくりと当てはまるのだと思えてならないのである。


 この『Non stop diamond hope』という楽曲は、これまでのキャラクターソングの集大成・最終楽章と称するのが相応しいと勝手ながら思う。

 

 

 と、言うワケで……最後まで読んで下さりありがとうございました!
取り敢えず、楽しんでいただけたなら嬉しく思います。

次回はいよいよWUG楽曲ライナーノーツシリーズ最終回。

『sweet sweet place』編となります。

 

この楽曲の存在を知って、音源化を望んでようやくその機が叶った事や楽曲に込めた想いと魂にきっちりと向き合って思いの丈を書き殴りたいと思っておりますので、最後までお付き合いいただければ嬉しく思います。