巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

WUG楽曲 ライナーノーツ #26 Character song series 岡本未夕編

 今回から『Wake Up, Girls! Character song series』について書いていく。
最初の一人目は岡本未夕のキャラクターソングシリーズから。

過去記事でもキャラクターソングシリーズに関しては楽曲の所感だったりライブ参戦レポでも書いている為、内容がそれらと重複している部分が出てしまうと思いますが……その辺は温かい目で流してやって頂くと幸いであります。

 

 

 


 WOO YEAH!/岡本未夕(CV:高木美佑)

 

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 作品としても勿論素晴らしい楽曲であるのは言うに及ばないが、ライブ映えに特化された楽曲という印象が勝る。その要因となってるのがライブでの『WOO YEAH!』コール&高木さんの煽りだろう。
岡本未夕が抱くライブステージへの想い、理想のエンターテイメントを追い求める様をアッパーチューンで仕上げた“骨まで喰う”底抜けに楽しめて高揚する楽曲。
で……詞の言葉遣いと言うか構成も未夕の口調を模したモノとなっているのはキャラクターソングならではだと思える。

この楽曲をざっくりと称してしまうと……前述に骨まで喰うと表現した様に開始から最後まで全力全開、フルスロットルで突っ走って駆け抜けていく楽曲だと思える。それを最も象徴しているのがラストに入っている高木さんの息使い(ブレス)ではないだろうか。何と言うか、彼女の思いの丈を一切余す所なく全力で出し尽くした充実感に満ち溢れた様なこのブレスがあるのとないとのではこの楽曲の説得力というか魂の宿り方が段違いなものだと勝手ながら思えるのだ。

 

 みんなに会うシアワセ みんなといるシアワセ

 ずっとずうっと よろしくね

 わたしの居場所です 信じていきます


 ―岡本未夕(CV:高木美佑) 『WOO YEAH!』より引用


 ライブがもたらす『魔法のチカラ』を未夕は頑なに信じ、純粋すぎるほどに貫いている。
理想と現実の差に徹底的に打ちのめされ一度WUGから逃げてしまった(TVシリーズ2話)彼女を再起させる決定打となったのも、彼女のステージを観たお客さんからの励ましからだ。立ち上がるチカラを貰った彼女はその想いに応える為にWUGの一員として、ステージで全力で楽しみその姿を喜んでくれる人がいてくれる事。双方向の想いの循環が成せるライブで躍動するのが未夕にとっての究極の喜びなのだろう。前述に引用した詞の箇所はこの楽曲の『要』であり、岡本未夕の理想とするエンターテイメントの最高な形。故に、この楽曲は岡本未夕に於いてのアンセムソングであると自分は思っている。

 

 

 

 


 It's amazing show time☆/岡本未夕(CV:高木美佑)

 

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 岡本未夕のライブへの想いを描写した前作 『WOO YEAH!』の系譜を受け継ぐ楽曲。
この楽曲に限らず、キャラクターソング第二弾はよりキャラクター達の内面や心情面を掘り下げていった楽曲に仕上がった印象を抱いている。この楽曲で印象的なのは明朗と歌っている『WOO YEAH!』とは趣きが異なり、喜びを直情的に歌うのでなく感謝の念を伝えたい純然な想いをより前面に出して歌った楽曲である様に思えて、曲調と高木さんの歌声が織り成す情緒的で沁み入る雰囲気はそれが影響を及ぼしているとも感じられる。

曲題に用いられているamazingという単語は素晴らしいという意味がある。素晴らしいライブは自分独りで作れるモノじゃなく様々な人の縁に支えられてこそ成立するモノなのだと彼女は説くワケだ。
『元気を届け、元気を貰おう』と未夕はアイドルの祭典・2015の決戦前の円陣で魂を鼓舞しステージに臨んだ。未夕の原初の場=ソウルプレイスである『メイドin仙台』のステージとは規模は段違いだが、ステージに立つという事実は何にも変わらない事。未夕にとってのショータイム=エンターテイメントとは『夢』を彼女自身が見て、尚且つ人に夢を見せる事の象徴なのだろう。未夕がアイドルを見て夢を抱き、そして自身がアイドルとなって今度は夢を見せる側の立場となる。その領域は岡本未夕にとっては“聖域”なのだと思えてしまう。


 ここにいることは 自分だけの力じゃなくて

 側にいる人たちが ずっと支えているから

 ありがとうと言葉にしても 全然伝えきれなくて

 零れだした気持ちは ステージで届けたい…!


 ―岡本未夕(CV:高木美佑) 『It's amazing show time☆』より引用


 自分に関わった『縁』に感謝したい。だからこそ彼女が表現者として大切で尊いモノとしているライブのステージで最高のパフォーマンスをして感謝を伝え想いに応える。上記の詞は未夕の強い信念が窺えこの部分がこの楽曲の『要』、そして、未夕の精神的な成長の証なのだと感じ入ってしまう所なのである。

そして…『縁』とこの項目内で綴っているのは、この楽曲が岡本未夕と高木美佑との『縁』の繋がりが色濃く表れているメッセージソングとしての面も持つ楽曲であると自分は思えてしまったのだ。高木さんによって魂が宿った事で確固たる存在になった未夕と、未夕によって夢を叶えた高木さん。そんな二人の感謝と礼賛の想いが『ありがとう』という言の葉に凝縮されている様に思えてならないのである。


この系譜は高木美佑さんのソロ楽曲『HELP ME! みゅーちゃん!』へと継承されている。

 

 

 

 

 シャリラ!/岡本未夕(CV:高木美佑) 

 

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 曲題の『シャリラ!』真実は不明だが
英語のShout it Outから採られたというのがおそらく最有力だと推察される。


(違った場合の苦情・非難等に関して当局では一切受け付けませんので悪しからずww)

 
 ゆったりとしたイントロダクションはこれまでの未夕のキャラソンではなかった要素だ。で、『Step Up 高みへ Go on!』と歌い上げるとその言葉が意味しているとされる更なる高みへと進むかの様にメロディのテンポが一気に加速し、南国テイストを感じさせるアッパーチューンでダンサブルな曲調は爽快で解放的。さしずめ、魂の解放と称するのが良いかもしれない。成程、シャリラ!≒Shout it Out(訳:大声で叫ぶ)に違わない展開だと思わず膝を叩き唸るしかない。

岡本未夕のソウルプレイスであるライブステージへの想いを綴った前の2曲とはまた趣きが異なっていて、この楽曲は岡本未夕のパーソナリティに重点を当てている詞の描写となっているのが特徴的だろう。
キャラソンシリーズ3の時間軸はコミカライズ作品『エターナル・センシズ』~『新章』の頃。未夕の描写の要となっていたのは彼女の上昇志向だったと自分は感じている。詞にあるアゲてというのはテンションの意味であると思うが、上昇志向という意味もおそらく込められているとも捉えられる。そして、詞の構成で特に印象的なのが語句の繰り返しが多く取り入れられている描写だ。以下の節はそれを強く感じさせる。


 Let's Go! アゲて アゲて 楽しんじゃえ

 今よりもっと高く まだ まだ まだ行くよ

 ずっと グッと もっと シャリラ!


 ―岡本未夕(CV:高木美佑) 『シャリラ!』より引用


 繰り返す事で語句がより際立って強いモノとなり、ずっと、グッと、もっとでの似たニュアンスの語句を三段活用して更に文脈を強いモノとしていく。この『強さ』という要素これは『WOO YEAH!』や『It's amazing show time☆』では感じられなかった強かさを滲ませ未夕の覚悟と野心が窺える様にも感じられる。


 私の場所はきっとココだから もっともっと先を目指していく

 だって 続く 続く 私たちの

 とっておきのビッグストーリー まだ まだ まだ ずっと

 続く 続く 長い旅路 終わらないよ終わらせたくない


―岡本未夕(CV.高木美佑) 『シャリラ!』より引用


 ここのフレーズが、前述での未夕の覚悟と野心の根幹でありこの楽曲の『要』だと思える。曲調も一旦落ち着いたものとなって何か奮い立たせる様に歌い上げると言うよりかは、台詞を言う感じに近くて言葉を大切に紡ぎラストスパートへ向けて熱をチャージしている様でもあってグッと来る。


岡本未夕の変わらない想いと変わろうとする覚悟を叫ぶ。この楽曲はそういう楽曲なんだと。

 

 

 と、言う事で……Character song series岡本未夕編でした。


次回は久海菜々美編。


彼女のある楽曲は、自分のWUGに於いてのターニングポイントとなった楽曲がある。
それについてどう書き殴っていけるのか……悩ましい所もあるが、楽しみな所でもあります。


今回も読んで下さり、ありがとうございました。