巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

異端者による 『Wake Up,Girls!新章』独自考察【人物編4~松田さん&丹下社長&大田組編】

 『Wake Up,Girls!』の物語にて自分が感じているもう一つの魅力は大人達の描写だ。
この辺りの描写に割く割合は他のアイドルアニメよりも大きいのではないだろうか。未熟なアイドル達に道を示し支える存在であったり、自身の信念を頑なに貫く存在であったり、果たせなかった夢を次世代に託したり、過去との『傷痕』に苛まれたり……とその描写は多種多様に及んでいると思える。

あと、俺自身がまぁ…おっさんでもあるのでww

やっぱり、登場して来る大人達の描写は気になっていくモノでもある。今回の人物編の独自考察はそんな大人達の物語について書き殴ろうと思う。


毎度の如く個人の思考(妄想と暴論)に過ぎませんが、是非お時間が許せばお付き合い頂ければ幸いであります。

 

 

 

松田さんと丹下社長の章

 

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 この二人の描写を掘り下げていくのに自分が最適な句が『道』ではないかと思える。
松田さんは大学時代に東京でプロアーティストという夢を目指していたが、挫折し仙台へと帰郷していた。道半ばでの挫折≒敗北を経験したという点では、島田真夢と七瀬佳乃と通じる部分があり特に、自身の殻に閉ざされた真夢の存在は遠からず流されるままに芸能事務所に就職した彼自身の姿と何か重なるモノをうっすらと抱いていたと思える。

で…彼は観ました。I-1時代の真夢の歌い踊る姿を観て松田さんの心に光を灯し、そして真夢が人の心に光を見せる事が出来る限られた才を持つ者と感じた。

この時に松田さんの魂に新しい『火』=夢を追う者の支えとなる存在になりたいという想いが芽生えた。劇場版で友人と呑んでいる際に自分も七人の様に変わろうとする想いを吐露し、東京で苦闘する七人の為に奔走した…七人の姿を傍で見てかつて夢を追っていた自分の姿が重なって見え何とかしてやりたいという願いと自身が見れなかった景色を見せてくれる存在だという託した想い。

根拠の無い自信を貫く覚悟がなくただ漠然と『なりたい』という想いで過去の松田さんがその道を行こうとしていたのはどうかは分かりません。
確固たる拠り所のないまま別の道へ行く事となった彼に新たな拠り所となったのがWUGの七人だったのではないだろうか。

『エターナルセンシズ』~『新章』での松田さんの描写というのはまぁ、極めて少ないと言えるモノではありますが…ただ、彼の中では丹下社長の無茶振りや丸投げに愚痴をこぼしながらも、新た道を行く覚悟と拠り所を見い出しそれに向けて邁進し職務を遂行する描写になっていたのではと思えます。


 

 ―別の道もあると信じてるんです。
 あの子達(WUG)を見てると心底そう思えてくるんです。

 

これは、『エターナルセンシズ』での白木さんとの対話にあった丹下社長の言葉でこの『別の道』という言葉が丹下社長の根幹にある『信念』を感じさせるものと自分は解釈させてもらった。

大元の道を作り進む工程にて幾つかの分かれ道に差し当たった時に、そこに行くかどうかの選択は強要せずに七人の選択を尊重して来た。

実波にはライブより大切にしている存在(磯川さん)を優先させたり、藍里脱退の件では静観を貫き、真夢と佳乃の衝突を何とかしたいという夏夜の提案(気仙沼合宿)を承諾し、東京で苦闘する彼女達に最後の選択を一任したりと……破天荒な面がある人物ではあるがプロデュースに関しては地道であり、何よりも島田真夢という扱い方を間違えば『爆弾』に成り得てしまう存在と丁寧に接していると思える。

旧章のゴシップ記者が言っていた『WUGは島田真夢在りきのユニット』として売り出せば間違いなく世間のインパクトは大きいのは丹下社長も理解している。でも、そうはしなかった。特別扱いせずに他の六人と同等に扱い接して来た。確固たるセンターを軸に売り出して隆盛を極めているI-1club=白木さんとはあえて逆のやり方をしていくという丹下社長の決意を思わせる。

そして、押しかけてきた歩達(ランガ)にも過酷な状況に見舞われても笑わなければならない道に踏み込む覚悟があるのかと?単に突き放すだけじゃなく道を示してやった。
更には大切なツアー千秋楽にランガもステージに上げてやりたいという七人の我侭な直談判にも結果的には条件付で承諾している。

彼女達が心の底からやりたいと思える事を支えて送り出してやる事。これも丹下社長が頑なに貫き通した『信念』であると思え、その最たるモノが岩崎志保の事で真夢が白木さんと接触しようとする件だろう。

ホテルの自室にてくつろいでいる最中に真夢が押しかけて来るんですが、『ドアのロック云々…』と丹下社長は白々しく言っておるのだが、ドアに社長の靴を引っ掛けて完全に閉ざしてないんです。

おそらく…と言うか、伝聞よりも早く真夢が志保の事で何らかの行動を起こすであろう事を本能で感じていたと解釈してます。何故なら、彼女が真夢と同じ立場なら自分もそうしたという確信があったからでしょう。丹下さんが(続・劇場版にて)『我侭にやりすぎた』と述懐してましたが、もしかするとアイドル時代にも同じ事が起こったから真夢の心情に寄り添えたという解釈も成り立つものであり真夢と志保の物語を尊重したと思えてならないのであります。

丹下さんがアイドルユニットを立ち上げようと決意した真意は、色々な解釈が成り立つのでしょう。
所属タレントが居なくなってしまったのもある。アイドル戦国の世という時勢の波へ乗っかろうという思惑もあるだろうが、ですが、丹下さんの真意はまた違うモノがあると思います。もはや止まる事が出来なくなってしまった白木さんを何とか止めるのが自分に課せられた『業』なのか、あるいはかつての自分が貫いたやり方でどこまで高みを目指せるかを次世代の七人に託したとも思える。



 『まだまだ、あの子達の先には道が続いているのよ』



これは舞台版『青葉の軌跡』での丹下社長の台詞ですが、舞台版は旧章の藍里脱退の頃(5話~7話)を描いているが、エピローグのこの台詞は具体的な時間軸が明らかにはされていないので新章最終話でのツアー千秋楽以降に強引ながら結びつけて考えてみると
道≒グリーンリーヴスの物語としても帰結出来るのではと自分は思えてなりません。

 

 

 


大田組の章

 


 これまでは彼らとWUGの接点はステージと客席という境界で区切られておりましたが、エターナルセンシズでは勾当台公園でのハイタッチ会や新章でのバスツアーにてその境界線を越える事になりました。

ハイタッチ会ではハプニングに逢う場面がありますが、実波の機転にてそれを見事に切り抜ける。それを見ていた大田組の面々の視線は初期から見て来た七人の成長を喜び何よりも温かいものでした。

で…バスツアーですが、そこに肝心の大田さんはおりませんでした。これは様々な解釈と妄想が成り立って観る側にもその要素を盛り込んだ描写は面白いモノと感じました。
単純に抽選に外れてしまって参戦が叶わなかったのか?あるいは参加費用の捻出が出来なかったのか、直前で外せない仕事か急用が入ってしまったのか?大田さんの中にある推し事への領域を逸脱してしまう事になる事を危惧して最初から潔く参戦しない決断を決めていたのか?俺の独自解釈では、彼の中で越えてはならない領域を侵してまで参戦すべきではないという彼の"漢気"説を提唱しておる。

ただ…8話のファミレス会議の中でメンバーがWUGと写っている画像みて何か悔しそうなリアクションしていたので、行きたかったけど行けなかったんだと思いますwww


大田さんの"漢気"が最も強烈な描写となったのが12話での、ツアー千秋楽会場変更の為チケット代金払い戻しの手続きの報への彼の決意表明だろう。

 

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『我々はWUGちゃんを信じるのみッ!!!!!!!』

 

勾当台公園のWUGデビューライブで復帰した島田真夢を観て再び大田さんの刻が動いた。

以降、彼はWUGへの誹謗中傷に対して真っ向から闘い七人を応援して来た。自分独りだろうが彼女達を応援してやろうという確固たる覚悟が彼にはあった。そして…志を共に抱く仲間にも巡り逢え彼らと共に大田組はWUGに寄り添い闘って来た。真夢と白木さんが密会していた事をすっぱ抜かれた件に対しても大田さんは真夢とWUGを信じる事、上記のチケット返金の件でもそうだ。

彼らの立ち位置は初期から何ら変わらず一切のブレが無い『良心的なファンの姿』を徹底して描写していました。変わった事もあるが変わらない事もあって、大田組の面々はWUGを応援する姿勢を変わらずに頑なに守り続けていた。

“俺たちがWUGちゃん達に出来る事は何か?”というのをずっと追求し続け最良の形で実行しようとしていく。完全アウェーの現場にも赴き怯む事無く彼女達にありったけの本気で真摯で正直で一所懸命の想いと魂で七人の背を押して来た。彼らもまたWUGと一緒に闘って来た物語の軌跡があった。傍から見たら熱苦しく喧しいモノなんだがwwwでもその熱苦しさと喧しさが堪らない安心感を与えてもくれる。


応援し陰ながら支え、熱苦しくも喧しいが"漢気"溢れる優しく温かい"漢"達の物語。
この大田組の存在も『Wake Up,Girls!』の物語には必要不可欠な存在なのではないでしょうか。

 

 

 と、言う事で大人達のWUG新章の物語、松田さん&丹下社長、大田組編となります。
次回も大人達の物語編と(早坂さん&白木さん)なります。
ハッキリ言って紐解いていくのが非常に困難な人達ですが
自分なりに感じた事を書き殴るスタンスは変えない所存で臨ませていただきます。
毎度ながらの乱筆・乱文で恐縮ですが最後まで読んでいただきありがとうございました。