巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

『戻って来ない?』と言われた日曜の昼下がり。

 『戻ってこない?』

 


よく、ドラマとかアニメのワンシーンで袂を分かった相手に対し、説得するシーンなんかでよく聞くこの文言。胸が熱くなり、シチュエーションによってはロマンチックなインプレッションを抱くモノでもある。で……現実世界でも、この文言を聞く機会というモノは訪れたりするものである。


言われたのだ……俺にも。

 


前職の上司からwwww

 

 


 話は昨年の年の瀬まで遡る。
とある日曜の昼下がり自宅に電話が一件掛かって来た。電話の主は前職の上司だった方から。まぁ、これだけを捉えて見ると人によっては割と良くあるシチュエーションでもあるだろう。


但し…それは自分と相手との親密度の深さにもよる。


ちなみに、俺とその上司はプライベートの接点、週末の仕事終わりに飲みに行ったりとか休日に会ったりとかそういうモノは無いただの上司と部下という間柄。勿論、自宅に電話したり俺もした事は無かった。特にソリが合わなかったり、反目し合っていたという事でもなかったが……そんなあまり深くもない関係性の相手からの突然の報に対して直感で悟る。


この報、俺にとってロクなモノではないと。


突然の報で考えられるのは三つのケースがある。

一つ目は、職務の引継ぎに俺の不手際があった場合。引継ぎ期間が業務と並行していた為にそれは起こったともされるが……それだったら、俺の有給消化期間と退職の日まで時間はあったのでそこで連絡しただろうから、半年以上経ったこの時期で持ち出して来る問題じゃないだろう。

二つ目は、特殊な案件で俺のノウハウを聞く為。聞かれれば答えるが、そいつは今携っている人で解決することだろうし、他にも聞くべき相手がいるだろうからこの案件も今更辞めた奴に聞く事でも無いだろう。

最後は、最も可能性が高い事項でもある……前職への出戻り勧誘。
結論から言うと、電話して来たのはその事項だったんだよ。


 とは言え、その辺りの話術は元・上司の方は心得た方だと思うので、電話取ってあちらも開口一番出戻りへの勧誘をして来たワケじゃない。俺の現状、就職先は見つかったのか?就職出来ても収入が前職より低くないのか等……外堀を徐々に埋めるかの様に本題へと導いていった。俺の方も、嘘言っても仕方ないのでありのままの現状を話したワケだ。で、前職場の現状も教えてくれた。

何でも、俺が退職した後に更に三人辞めたそうだ。しかもその辞めた奴(あえてこう書く)の内二人は部署の上役二人だと。ちなみに最後の一人はその上役の一人が贔屓気味にしていた女性社員。
俺が元居たその部署はそんなに在籍人数は居ない。ギリギリの状態で業務をしている綱渡り的なモノだ。おそらく、この三人が抜けるという事態は想定外の事項で業務に差支えが出ないワケが無い。
で、もうどうにもならんという事でその上司(俺に電話した来た方)は会社に掛け合って求人募集した末に何とか勤めてくれる方が見つかったと言う。


(求人掛ける前に、遊んでやがって人余ってる部署から異動させろ…って話でもある)


まあ、ね。その俺の後に辞めた連中だけれども、そいつらの事を話した元・上司の声色に含んでいた怒気の様なモノを感じた事から、おそらくは自己都合で辞めたのだろう。
単純に考えて前の会社は船底に穴が開いて沈むのは時間の問題だ。見限ってそこから離れるのは悪い事じゃない。ただな、その怒り具合を察するに完全に後の事なんざ知らねぇ的丸投げ式で辞めてった様に俺は感じた。
ちなみに俺はその辞めた二人の上役の奴らは全く信用してなかったし、当然ながら尊敬の念なんて微塵も抱かなかった。そういや昔、ミーティングにてしたり顔で言ってたな……『責任から逃げるな』と。

事の詳細は聞かなかったし、別に知ろうとは思わなかったので聴かなかったが、言っていた張本人が責任から逃げてるじゃねぇか。やっぱりその程度の奴だったんだあいつらはと乾いた笑いが込み上げそうになり、俺の見立ては合っていたんだなと謎の自信を持った。

今となってはどうでも良いがついでに書いてしまうが…女子社員の子。
おそらく、贔屓にしていた方の奴と一緒の所に再就職した可能性が高いと思っている。

(そうじゃない事を祈るばかりだが……)

まぁ、そいつに付いて行くのは勝手だが、そいつはとっとと見限った方がいい。
自分の身は自分で守って道は自分で切り拓いて下さいと。


話が脱線してしまったので本筋に戻す。
で、人員はどうにか回せる位にまで集まったと言うが、どうしても俺が携っていた機器の人員が見つからないと。そこで、俺に白羽の矢が立つ。


『もし、今居る所の待遇が良くなかったらまた戻ってこないかな?』と。


まあ、その気持ちは分からんでもない。俺が逆の立場でも出戻り勧誘をする。
一から人材育成したり求人採用で来た人より、職場の雰囲気や業務の流れもスムーズにいくのは明白。だが、残念な事に俺が今勤めている所は前の会社より多少ではあるが収入が上がって勤務条件も良い。
それに、『お前要らないよ』と言われた所だし、経営陣が脳ミソおかしい思考しか出来ねぇ連中の所で以前と同等のモチベーションで安心して働けねぇし、どう考えても都合の良い人手として使われるのは目に見えてる。


何よりも俺が前の職場と職種に未練が全く無いwww


仮に、俺があの時まだ求職中だったとしてもこの出戻りのオファーは受けない。
そう思わせる程に前の職場に魅力は無いし、沈みかかる船に今更乗るつもりはない。


で、その元・上司のオファーをオブラートに何重にも巻いた言葉でやんわりとお断りした。

 

 電話を取って感じたロクでもなかったインプレッションはその通りだった。


だが、ただ一つ良かった事があった。そいつは……


Blog記事のネタを一個ゲット出来たwww


 お後がよろしい様なので、ここで筆を置きます。