巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

WUG楽曲 ライナーノーツ #30 Character song series 林田藍里編

 2017年の4月に始まったWUG楽曲ライナーノーツシリーズも30回目を迎えました。

……うん、まぁ…もうちょっと早い時期に終わる算段だったんだが色々あり過ぎたのよねww

 


で、今回書いていくのはWUGの『扇の要』林田藍里のキャラクターソングシリーズ。
これから色々と述べていきますが毎度ながら根拠もない妄想もいいとこなので、『またこいつ変な解釈してやがるよw』って感じの生暖かい目で見てくれたらとても嬉しく思います。

 

 

 

 可笑しの国/林田藍里(CV:永野愛理)

 

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 曲題にある『可笑しの国』。ここから連想されるのは童話『ヘンゼルとグレーテル』に登場するお菓子の家が真っ先に浮かんでメルヘンチックなインプレッションを抱かせ
デジタル・テクノポップス調のゆったりとした曲調に、永野愛理さんが持つ独特な歌声がその雰囲気を損なう事無く更に楽曲が持つ物語性を加速させる要素であり沁み入る様に傾聴させられる。

その沁み入る様なインプレッションは中毒性という要素にも捉える事が出来て、その要素でWUG楽曲全体を見て真っ先に自分が浮かんで来るのは久海菜々美の『オオカミとピアノ』が筆頭(注:個人の偏見)に挙げられる。そして、この『可笑しの国』も『オオカミとピアノ』に比肩する程の中毒性を帯びた楽曲であると感じるのだ。


 メルヘンチックなインプレッションはそのまま林田藍里のパーソナリティへと繋がる。
可笑しの国とはお菓子の国でもありメルヘンチックの一つのインプレッションだと捉える事も出来て、彼女が抱いているアイドルのインプレッションだとも捉えられると思える。

ただ、この楽曲をメルヘン、表現が悪くなるが脳ミソお花畑的な夢見がち一辺倒な楽曲だというインプレッションで捉えてしまうのは違うのだ。
確かに『メレンゲ』『スフレ』『ホイップ』等、藍里が好きな洋菓子で用いられる言葉が出てきて甘い感じの印象を受けてそう感じてしまうが、全体的な印象としては『自分を変えたい!』と決意してアイドルへの門を叩きその身を投じた藍里の変わろうとする想いが楽曲に込められたモノであるという事。以下の節々は藍里の想いと決意が込められているのではないだろうか。


 まだじょうずに ふくらまない メレンゲみたいなこの夢を

 いつかきっと スフレのように サプライズにしてみせたい


 ―林田藍里(CV:永野愛理) 『可笑しの国』より引用

 


 元々、藍里がアイドルとして持っていたビジョンなのかは分からないが、おそらくこれはある出来事以降に彼女がおぼろげに見え出してきた『変わった自分』=アイドルとしての理想の姿だと思える。
彼女の好物である洋菓子で使われるモノの名称で夢や目標を比喩しているのは楽曲の世界観を損なわない為の手法としては面白いと唸るしかない。


 
 まっすぐに名前を呼んでくれる声に 

 そのことを誇らしいと思えば

 私でも輝いていけるって信じられる


 ―林田藍里(CV:永野愛理) 『可笑しの国』より引用

 


 まっすぐに名前を呼ぶ声というのはそのままの意味。藍里を連れ戻す際に七瀬佳乃と島田真夢が言い放った彼女の名。二人の本気の想いと魂が藍里の凍てついてしまった魂を滾らせ、変わろうとする想いを取り戻しその想いに応えようと懸命に努力を重ねていく……個人的にここの節々はこの楽曲の要を成す箇所だと思っている。癒し系のポップスとしても、勿論キャラクターソングとしても魅力的且つ優秀な楽曲であると言えるのではないだろうか。

 

 


 ヒカリキラリミルキーウェイ/林田藍里(CV:永野愛理)

 

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 『ミルキーウェイ』は天の川の英訳。ヒカリ、キラリは光り輝く星に喩えているのだろう。
他のメンバーもそうだけれど、このキャラソンシリーズの二作目は続・劇場版の時系列での心情描写が顕著である。『可笑しの国』でのインプレッションはメルヘンチック要素が自分の中では勝る印象だった。この楽曲でもメルヘンチック要素は継承されていて、詞には『羽根』『翼』『天使』など空を連想させるワードがいろいろと散りばめられている。

しかし、この楽曲は系譜をなぞってはいるがメルヘンチック要素を訴え掛けるモノではない。
前述にあるが、この楽曲は続・劇場版での林田藍里の心情描写が顕著に表れている事。他のメンバーより実力が劣っているという事実を藍里は突きつけられ痛感するが、彼女はそれを真摯に受け止め雄飛の機を皆に力強く誓う。


 もうちょっと遠くまで 飛び立つ日のために

 過去と現在(いま)も未来さえも 真っ直ぐ見据えよう

 壮大な輝きに流されないように 

 ヒカリキラリミルキーウェイ 渡ってゆくよ

 気付けば背中に白く大きな翼 天使の声が近くに聞こえてくる


 林田藍里(CV:永野愛理) 『ヒカリキラリミルキーウェイ』より引用

 


 真摯に過去の自分を受け入れ、正直に現在の状況へと立ち向かい未来の刻で輝ける自分を信じて懸命に闘う。藍里の先を往き、空高く羽ばたく他の六人が手を差し伸べている。本気で差し伸べている手を藍里は一刻も早く掴んで両手で包みたい、六人と肩を並べられる存在になりたい。詞の中で度々出て来る『天使』というワードはWUGの六人のメンバーを指しているのだろう。

この楽曲は藍里の『変わらない想い』を謳ってもいるが、『変わろうとする覚悟』も同時に謳っている気がするのである。『可笑しの国』と比べて違う点は『力強さ』をこの楽曲からは特に感じる。藍里の精神的な成長の証であり彼女の中に眠っていた上昇志向の在り方がきっちりと描かれたからなのだろう。そして、ここの節々がこの楽曲の要となると自分は感じている。
この楽曲は藍里の上昇志向と芯の逞しさを謳うアンセムソングでもあるが、同時に彼女のアイドルとしての在り方を謳うメッセージソングだとも思える。

 


 

 

 

 Party! Party!/林田藍里(CV:永野愛理)

 

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 推測の域だが、曲題の『Party』は二つの意味があると思える。
一つ目は、社交的な集まり。よく使われ聞き馴染んでいる言葉でもある。で、もう一つが目的、行動を共にするグループ・集団としての意味がある。同じワードを並べたのは意味を強調し、両方の意味で解釈出来るものだと発信しているのだろう。

曲題のみでこの楽曲を捉えて見ると、何ともはっちゃけた…林田藍里には似つかわしくない振り切った曲調の変化球的楽曲なのかと思ったものだが……実際聴いてみると、これまでの藍里のキャラソンの系譜を逸れること無くきっちり継いでいる聴き心地の良い楽曲だった。変化球的な振り切った楽曲を持って来ても面白いのだろうが、そこを逸脱しない……いや、させない所に林田藍里というキャラの芯の逞しさを感じさせるのだ。

 
 Party! ほつれた心を Party! ほどいて休もう

 ただいま いつでもここが帰りたい場所
 
 不器用なわたしだけど(がんばる)

 笑顔の理由になりたいの(なれたらなぁ)
 
 こらえきれない涙は 本気出した証だから

 隠すことないよ 今のあなたはすごくまぶしい


 ―林田藍里(CV:永野愛理) 『Party! Party!』より引用



 仙台に関わる仕事がしたいと言い、仙台と共に大きくなって何かを発信していくアイドルになりたいと藍里は力強く誓う。変わろうとする覚悟を持ち、勇気を出して一歩踏み出した領域で彼女が辿りついた答えなのだろう。
不器用だけれどそれを許容されここにいても良いと思える場所……藍里だけじゃなく他の六人にとってもWUGとは帰れる場所であり居場所。そして、仙台の地もその括りに在るモノ。
Wake Up,Girls!と仙台。どちらも林田藍里にとっては尊く大切な居場所であり帰る場所……ソウル・プレイスだ。この楽曲は藍里が抱いているソウル・プレイスと巡り逢いの縁への感謝、帰るべき場所への望郷の念、彼女の魂の逞しさを謳う楽曲。ここの節々がこの楽曲の要だと思えるのだ。


 そして…この楽曲はこんな言の葉で終わる。


 おかえり いつでもここに帰ってきてね


 ―林田藍里(CV:永野愛理) 『Party! Party!』より引用

 


 これは後付感が否めないが、林田藍里から永野愛理へのメッセージだろう。
その言の葉に永野さんはWUG最後のBlogにこの様な言の葉で応えている。

 
 

これからも一緒に頑張っていくから さよならはもちろん言わないよ

 まだまだ一緒に東北盛り上げようね!! あいちゃん、これからもよろしく!!!!
 

 ―Wake Up, Girls! OFFICIAL BLOG 『Like a SAKURA.あいり』より引用

 


 これは他のメンバーの事でも書いているが……
永野さんと巡り逢い魂を吹き込まれて存在している藍里と、藍里という存在に巡り逢えて東北の為に色んな事に挑戦出来る機を得た永野さん。
そんな二人にとっての縁への感謝としての楽曲としても成り立つ。いつの日か全てが終わって二人に別れが訪れてもこの楽曲が互いの想いを繋ぎ止めるのだろう。
永野さんの魂の中で藍里の魂は生き続けていく。だから『おかえり いつでもここに帰ってきてね』と縁への感謝を詞とメロディに込める。


 『林田藍里らしさ』を謳う楽曲ではなく『林田藍里だからこそ』謳える楽曲。
その『だからこそ』という唯一無二の答えと強さを謳うアンサーソングだと思うのである。

 

 そして……この記事を投稿する1月19日は、林田藍里と永野愛理さんのお誕生日。


 林田藍里さん、永野愛理さん。お誕生日おめでとうございます!!
お二方にとって素敵な年と幸多き年となります事を願っております。

自分が巡り逢った縁への感謝も込めてこの記事をお祝いの言葉とさせていただきます。

 

 

 以上で、Character song series 林田藍里編でした。
毎回ですが、あくまでもこんな解釈をしておる変人もいるという軽い感じで受け取っていただけたら幸いであります。

 


 最後まで読んで下さりありがとうございました。