巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

WUG楽曲 ライナーノーツ #21 同じ夢を見てる/Knock out

 誠に残念ながら…WUGの終焉の刻が過ぎようともこの駄文ライナーノーツシリーズは
しぶとく続けていく事を勝手ながら誓約した次第であります。


誰かが彼女達が残したモノを語り継げば、永遠では無いにしろ楽曲が朽ち果て忘れ去られる事はないのではないだろうかと…
勿論、俺の駄文にそんな効果を見込めるとは思えないのは自分でも承知の上だがそれでも書き殴りたいんだ。
こんな妄想と暴論で塗り固められた駄文だが…お付き合い頂ければ幸いです。

 

 

 

 

 

 同じ夢を見てる/ミツキとヨウコ

 

 

f:id:Akatonbo02:20190303002143j:plain



 WUG新章エンディング楽曲『雫の冠』のカップリング曲で、劇中劇『夢見るふたり』に主演していた岩崎志保と島田真夢によるデュエットソング。
作中(ドラマ内)の登場人物であるミツキとヨウコの友情と恋愛に揺れる心情描写を謳った楽曲。
I-1clubの元・センターである真夢と志保によるダブル主演という話題性と言う周囲の雑音を意に介さず、真夢と志保は撮影という同じ刻を重ねていくうちにミツキとヨウコの心情に寄り添って魂を共有させていく。
そして、それと同時に真夢と志保との空白の刻を埋め合わせて繋ぐ刻でもある様に思えても来る。

 

同じ刻に出会って 初めて恋したこと

ずっとずっと忘れないでいて


―ミツキとヨウコ『同じ夢を見てる』より引用

 

同じ『刻』に出逢い、同じ『夢』を見て、同じ『道』を往く。…ミツキとヨウコ、そして真夢と志保との共通項の語句。
ミツキとヨウコの恋慕の情を歌っている楽曲でもあり、別な解釈をするならば真夢と志保の互いの『才』への憧憬や惹かれている心情を描写している様にも捉える事が出来るのだけれども
自分はこの楽曲デュエットソングであるが、岩崎志保の想いが前面に押し出されている楽曲の様に思えてならないのだ。
コレは後付け感が否めない所ではあるのだが、WUGの二作目の舞台『青葉の軌跡』においての彼女と近藤麻衣や高科里佳とのやりとりにそれが垣間見えたと自分は思えて来る。
憎悪に近いライバル心を抱きながらも、真夢の『幻影』を追いかけ勝ちたいと願い…そして彼女の幸せをも願っている相反する感情と想い。単純じゃない『縁』が真夢との間には存在していて『縁』は一度途切れたが『縁』はまた彼女達を巡り逢わせた。

 

同じ道がいつか分かれてもかまわない

きっとまた夢で逢えるから


―ミツキとヨウコ『同じ夢を見てる』より引用


この共闘(共演)を経て、単なるライバルではなく"戦友"へと昇華した彼女達の『縁』。島田真夢は言うに及ばず、鈴木萌歌も自分は『新章』の主役と称したが
岩崎志保も『新章』の主役の一人と称しても良いのではないだろうか。
切なさや儚げさをも感じ入る曲調はネクストストームとI-1との狭間に揺れ動いていた志保の心情と重なり合う様に思えてならないのである。

 

 

 

 Knock out/I-1club

 

 


 舞台『Wake Up,Girls!青葉の記録』の挿入歌で、ベストアルバム『Wake Up,Best3』に収録。
I-1clubの楽曲であるが、岩崎志保役の大坪由佳さん以外は舞台版のI-1メンバーキャストにて歌われている。
表記が異なっているが、舞台版の物語の時期から推測すると(WUG結成の頃=七人のアイドル)おそらくI-1のメジャー3rdシングルとしてリリースされた『ノックアウト』であると思われる。
作中の設定では楽曲のリリースは島田真夢がI-1に在籍していた時期だが、劇中では真夢が脱退後になっておるので志保がセンターポジションで鈴木萌歌が新たに加わったモノとなっている。
現実での披露とWUG作中での披露時期がかなり異なっているので、本稿ではまず作中においての時間軸でこの楽曲の所感を書いていく事にする。


メジャーデビューとなる1stシングル『リトル・チャレンジャー』は曲題にあるように未知の領域への挑戦と泥臭さを感じさせる直球的な楽曲。
詳細は一切不明ではあるが2ndシングル『渚でハイタッチ』はおそらく『シャツとブラウス』と系譜を同じくする爽やかさを描写している王道的なアイドルソングなのだろうと曲題からは推測出来るのかと思われる。
そして3rdシングルとなるこの『Knock out』は前2作とは趣きが全く違うモノとなっていて、系譜としては『ジェラ』と同じくする艶やかでクールな所謂『格好良い』系統の楽曲に仕上がっている。
『リトル・チャレンジャー』同様挑戦者魂を思わせるが『闘い』の楽曲である要素の方が強い様に自分は思えて来て、歌い出しのこの『Prefect LOVE』『Prefect DREAM』『Prefect GIRL』は、I-1が出陣する際の円陣にてキャプテンが言い放つ絶対王者の掛け声である『誰よりも激しく!誰よりも美しく!誰よりも正確に!I-1 club、行くぞ!』を彷彿させると勝手ながら思えて来るモノであり、白木徹が理想として掲げている『究極のアイドル』を勝ち取る『闘い』は始まっていたのだろう。

で、『闘い』の楽曲であるのだけれど、歌詞が紡いでいるのは直情的に感情を爆ぜているモノではなく、どこか挑発的で不遜な要素が印象に残っている。
詞にあるgorgeous(華やかさ、華美)やgenius(非凡な才=天才)が示しているのもその一端であり以下の箇所はその極致であると思える。

 

新人らしくない なまいきだと言われても

そういう生きもので 夢の中を歩いてきた

いっしょにしないでね どんなに魅力的だって

闘いをしらないラウンドガールとは違う


―I-1club『Knock out』より引用

 

ただ『闘う』だけじゃない。glorious(栄光)を勝ち取り輝き続ける事が義務付けられている。
3作目となるこれまでとは毛色の全く異なる要素で作られたこの楽曲とセンター・島田真夢で賭けに打って出た。
結果、この楽曲もミリオンセラーを達成という成果を挙げる事となりI-1の隆盛が絶対的なモノとなった。思えばこの時期からもう既にI-1と白木徹は止まれなくなってしまったのかもしれない……

 

 

 毎度の事ながら、本稿の内容は自分の妄想と暴論により書き殴った駄文であります。
読まれて共感していただければ嬉しいですし、また、自分の考察の方がマシだから読んでみやがれ!というこちらに対しての反論をぶつけるも良し。
様々な方達が独自考察をしていく事で冒頭に書いた様に楽曲が忘れ去られず、朽ち果てない事にも繋がると思えるんです。
色々な考えや解釈に触れるのはまた面白く刺激的。
と、言うかは自分がそういうのをもっと知りたいのであります。