巡礼者のかく語りき

自由気ままに書き綴る雑記帳

Wake Up,Girls!新劇場版・後篇 Beyond the Bottom感想

Wake Up,Girls!新劇場版・後篇
Beyond the Bottomを観て来ました。

 

以下、感想を書き綴っていきます。

 

 

(ネタバレ込みですので注意!!)

 

・菜々美の決断

彼女の中では、光塚>WUGという図式であったモノが  
WUGの活動を経ていくにつれ

光塚=WUGという方に傾いていった事が
彼女の決意を鈍らせ、悩ませる要因になってしまった。

更には、親の期待に応えたい想いや
目的に向かって団結していくWUGメンバーに迷惑をかけたくない想い・・・

 

そんな菜々美の異変にいち早く気付いたのは藍里でした。

菜々美の話を聞き

『独りで悩むな、皆で一緒に悩んで考えよう』と提案。

 

藍里自身がかつて言った言葉であり
辞めようとしていた頃に佳乃に言われた言葉。

 

『夢』に向かい進む菜々美に実波が御守りを渡す。

この御守りは、WUGのオーディションに望む実波に
磯川さんが作ってくれた物。

実波にとっては心のより所であり大切な物。

そして、同様に大切な存在である菜々美に渡した・・・

 

皆が背中を押してくれた事によって

彼女は『夢』=『光塚』への『道』を選択したが

菜々美の中の図式では

もう、光塚<WUGへと変化しており

結果、菜々美はWUGに戻って来ました。

 

クライマックスでの円陣にて

菜々美が顔を上げ見上げるシーン。

その時の彼女の『眼』の力強さが印象的。

 

勝手な妄想ですが、また揺れ動くであろう

自身の想いに抗う『覚悟』と『決意』の表れであると思います。

 

・志保のSoul of Rebirth

 

次期センターを賭けたシングルの売り上げにて

僅かな差で志保はセンター争いに敗れ

博多支部への『左遷』を言い渡し新ユニットに加入する流れ。

『ネクストストーム』のメンバー達は

I-1のトップメンバーに比べると実力は劣る。

 

が・・・メンバー達の粗削りながらも真っ直ぐなパフォーマンスを見て

志保が置き去りにしてしまった気持ち

『歌やダンスが好き』『アイドルが好き』という原点を取り戻すきっかけになる。

この時、メンバーが歌った曲が『リトル・チャレンジャー』

真夢も、この曲がきっかけとなり

自身の『本当の気持ち・原点』を取り戻している。

奇しくも、それは真夢がWUGで辿った軌跡であり

かつて真夢に言われた『アイドルが好きになれそう』の意味を知った。

 

それは、魂を呼び覚まし、再び立ち上がる為。

『真夢の幻影』を越えた先に見えたのは

真夢がI-1に在籍していた頃

互いに競い支え合い、高みを目指し

何のしがらみも無く

ひたすらに前だけ見て走った頃の純粋な気持ちだったと思います。

この部分は、期待していたところでしたので

きっちりと描いてくれて良かったと思います。

 

Beyond the Bottom

 

この曲を提供したのは、サファイヤ麗子さん。

旧・劇場版『七人のアイドル』の冒頭にて

『東京で勝負したい』と言い、丹下社長の下を去っていった人。

 

後篇にて彼女のここまでの軌跡が描かれ

と同時に丹下社長との関係・軌跡も明らかになる。

丹下社長と共に、白木さんの立ち上げた『セイント40』のメンバーで

ゴールドディスク大賞を獲得した時の曲の作曲を手がけていた。

(名義は別人との事)

 

で、東京にて破綻し危篤状態で病院に担ぎ込まれた。

前篇で丹下社長がお見舞いに行っていた時に

ベッドで眠っていたのは彼女だったんですね。

そして、彼女の入院費を出したのも丹下社長だった事が

麗子さんの口から語られる。

 

『愛するダーリンがピンチ』と書き置きを残し

会社の資金を持って蒸発した本当の理由はこの件だったのですね・・・

 

グループ名を『Wake Up,Girls!』と名付けたのは

麗子さんの全快を願って付けたんじゃないのかなと勝手に妄想してます。

 

アイドルの祭典で使用する未発表楽曲が必要になったが

依頼できる人物が居ない、万策付きかけた時

丹下社長が白羽の矢を立てたのが、サファイヤ麗子さん。

 断る彼女に対し、丹下社長はWUGと引き合わせ

WUGのパフォーマンスを観せる。

 

それを観た麗子さんは

過去に持っていた純粋な気持ち・原点を取り戻し

『東京で挫折』した者同士の『想い』の共有とか

色々と感じ入るものがあったと思います。

 

  

・WUGらしさ

 

シリーズ通じての重要な要素であるこの単語。

 

『WUGはWUGである事』(真夢)

『真摯であること、正直であること、一生懸命であること。』(藍里)

 

色々挙げてはいますが、明確な『答え』は結局出ていません。

私が感じた『WUGらしさ』は

『非情な決断を出せない甘さ』じゃないのかなと。

 

職務を放棄し逃げ出した未夕。

私情を優先し責務を放棄した実波。

技量・意識の薄さが原因で切られそうになった藍里。

大事な局面にて負傷した佳乃。

自身の我侭(夢)の為、脱退を決めた菜々美。

復帰しないはずの菜々美の衣装を密かに用意してた松田さん。

 『道』から外れそうな者をただ切り捨てるのではなく

首根っこを掴んででも引き寄せて寄り添う。

上に挙げた状況は『プロらしくない』事。

でも、その『甘さ』こそが『WUGらしさ』なのかな。

 

・最後に・・・

 

予想はしてましたが
展開に駆け足的印象を感じてしまいました。
観応えのある要素があっただけに残念な所ではある。